BP のアフリカ西部のLNG計画 進展

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BPは西アフリカのモーリタニアとセネガルの国境の沖合のGreater Tortueガス田で石油ガスの開発を行っており、Greater Tortue Ahmeyim (GTA) LNG project (浮体式液化天然ガス生産設備船FLNG でLNGを生産する計画)を進めている。

JVのGreater Tortue FLNG Phase1 の相手は、米国の石油会社 Kosmos Energy と、モーリタニアの 国営PETROSEN 、セネガルの国営Société Mauritanienne des Hydrocarbures (SMH) である。

権益比率は、BP 61%、Kosmos Energy 29%、PETROSEN 5%、SMH 5%である。

モーリタニア・セネガル沖では長らく中小独立系企業が探鉱を行ってきた。2012 年に Kosmos Energy が同海域での探鉱に参入すると、アフリカでの豊富な経験を活かし、 Tortue を含む有望なガス層を相次いで発見した。

同海域の有望性が明らかになると、BP が参入し、Tortue ガス田開発が加速した。Tortue ガス田はモーリタア・セネガル国境に跨るものの、両国間の速やかな権利関係確定により順調に開発が進んだ。その後、ガスの販売は全量 BP が引き受けることが発表された。(JOGMEC 報告)

左下のCairn Energy は、現在の社名 Capricorn Energy で、英国を拠点とする独立したエネルギー会社

BPは2月15日、浮体式液化天然ガス生産設備船(FLNG) Gimi がモーリタニアとセネガルの国境に到着したと発表した。Golar LNGが所有、運営する Gimi FLNG船は2023年11月にシンガポールを出港、9000海里を航行して現場に到着した。

Greater Tortue Ahmeyim (GTA) LNG project の第1期は年230万トンのLPGを生産する。20年以上生産を続ける見通しで、モーリタニアとセネガルをグローバルなLNGのハブにすると見られている。

計画では、120km沖合の深海の石油層からガスを採掘し、海底パイプで沖合生産・貯油出荷船(FPSO)に送り、ガスを処理して重質油を取り除く。その後、ガスはパイプラインでGTA Hub のFLNG(Gimi)に送られ、4系列の液化設備で処理され、貯蔵される。Gimi は125,000m3 のLNGを貯蔵できる。

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2018年12月に、Grater Tortue Ahmeyim LNG事業のフェーズ1としてLNG生産年間250万トンの計画で最終投資決定(FID)がなされた。

2019年2月には、Golar LNGがBPにFLNG設備を提供することが発表され、Golarの子会社のGimi MSとBPの間でFLNG Gimi号の賃貸・操業契約が締結された。

Golar LNG は、天然ガスの液化および液化天然ガス(LNG)の再ガス化、貯蔵、積出のための海洋インフラストラクチャーを設計、所有、運営する。FLNGセグメントは、FLNG船やプロジェクトの運用を含む。LNG船のFLNG船への改造や、FLNG船の新規建造と顧客からの運航請負を行う。

さらに、2019年3月には、TechnipFMCがGreater Tortue Ahmeyim LNGプロジェクトで展開されるFPSOユニットの設計、調達、建設、据付および試運転(EPCIC)に関する契約をBPと締結したと発表した。

そして、2020年2月、Kosmos Energyとそのパートナー企業はBP Gas Marketing Limited.と、Grater Tortue Ahmeyimプロジェクト第1段階より20年間、年間245万トンのLNGについて販売契約(SPA)を締結した。

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