米国の2024会計年度予算 ギリギリで成立、政府機関閉鎖を回避

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上院は3月23日午前2時に2024会計年度予算案を可決した。下院は可決済みで、バイデン大統領署名で成立する。昨年10月に2024年度に入ってから半年を経て、ようやく予算案全体が議会を通過した。

つなぎ予算は3月22日までで、期限を2時間過ぎていたが、ホワイトハウスは上院での審議が長引き期限に間に合わなかった場合でも、ホワイトハウス予算局は限定的ながら3月23日の閉鎖命令を先延ばしすることが可能 としていた。

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バイデン米大統領は3月9日、2024会計年度(2023年10月-2024年9月)予算案の一部(総額4600億ドル)に署名した。3度のつなぎ予算で賄ってきた昨年10月からの予算が5ヶ月遅れで成立した。


2度目のつなぎ予算で予算を2分割して、それぞれ期限を設けたもので、今回成立したのは、農務、内務、商務、司法、運輸、住宅都市開発、エネルギー、退役軍人省と食品医薬品局(FDA)、環境保護局(EPA)、航空宇宙局(NASA)の予算を盛り込んだ歳出法案である。

残るのは、 金融・サービス、商務・司法・科学、労働・保健・教育、国防、国土安全、内務・環境、立法、外交の8分野 で、つなぎ予算は3月22日までであり、22日までに可決・成立しなければ、これらの政府機関が23日に閉鎖される危険が残 った。

2024/3/11 米予算の一部可決成立


米議会指導部はつなぎ予算が期限切れとなる前日の3月21日に、残る分野に1兆2000億ドル規模を支出する超党派の予算案を発表した。

下院は3月22日、この予算案を可決し、上院に送付した。

共和党 民主党 合計 欠員
賛成 101 185 286
反対 112 22 134
棄権 6 6 12
合計 219 213 432 3

予算案の下院可決を見て、共和党のトランプ派の女性議員 Marjorie Taylor Greeneは予算案への怒りを表明し、ジョンソン下院議長(共和党)の解任動議を提出した。

下院を混乱に陥れることは望まないとしつつ、ジョンソン議長のように民主党の側に立つのではなく、共和党及び共和党の多数派の側に立つ新たな下院議長を見出す必要があるとの認識を表明した。「かなりの数の」議員が解任動議を支持していると述べた。ただそれらの議員の正確な数には言及しなかった。

下院は23日から来月8日まで休会に入る予定で、動議の審議や採決の日程は決まっていない。

一方、穏健派の共和党Mike Lawler下院議員はGreene議員による解任動議提出を「ばかげている」と一蹴。「保守運動を前進させることには全くならない」と批判した。

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予算案は上院に送付されたが、一部政府機関の閉鎖の期限は同日深夜に迫っている。

しかし、期限の0時になっても予算案の投票には至らず、予算案が可決されたのは3月23日午前2時であった。政府は午前0時を過ぎても政府機関閉鎖命令を出さず、23日午前2時の可決で最終的に閉鎖が回避された。

途中で、Majority Leader Chuck Schumer は、「重要な場所に行きたい人がいる。早く行かせたい」と述べ、急がせた。共和党予算充当者の Susan Collins議員の母親の葬儀が23日の朝にメイン州で行われる。

投票結果は次の通り。

  共和党 民主党系 合計
民主党 民主系無所属 無所属
賛成 25 47 1 1 74
反対 22 1 1 24
棄権 2 2
合計 49 48 2 1 100

民主系無所属はSanders, King 両議員、無所属は元民主党のSinema議員

大統領の署名でようやく本年度(2023/10~2024/9)予算がすべて通ったことになる。ただし、この予算にはウクライナやイスラエル支援などは含まれていない。

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