韓国の科学技術水準が初めて中国に抜かれた。韓国の朝鮮日報、東亜日報が報じた。
韓国政府は科学技術水準をチェックするため11の技術について2年ごとに米国、EU、日本、中国、韓国を比較・評価している。
今回の評価は建設・交通、災害安全、宇宙・航空・海洋、国防、機械・製造、素材・ナノ、農林水産・食品、生命・保健医療、エネルギー・資源、環境・気象、情報技術(ICT)・ソフトウェアの11分野136技術を対象に、論文や特許件数などを評価する定量分析と専門家の評価を並行して行った。
その結果、各国の科学技術水準は米国を100%とした場合、EU 94.7%、日本 86.4%、中国 82.6%、韓国 81.5%となった。
韓国の技術水準は2020年に比べて1.4ポイント上昇したが、同じ期間に中国は2.6ポイント上昇し、最終的に中国が韓国を上回った。
中国が韓国を上回るのはこの調査が始まった2012年以来初めて。米国の現時点の技術水準と同程度になるまでに必要な時間を意味する技術格差は中国が3年、韓国は3.2年だった。
中国は11の主要分野での136のコア技術で初めて韓国を追い抜いた。
韓国は10年間で米国とのギャップを約1.5年縮めた(10年前は4.7年の差であったが、現在は3.2年の差)。これに対し、中国は10年前に6.6年の差があったが、現在は3.0年と著しく差を縮めた。
50の戦略的技術だけでみると、中国はずいぶん先を行っている。米国との差は86.5%で、韓国の81.7%、日本の85.2%を超えている。(EUは92.3%) 量子コンピューター、航空機、AI では急速に米国に追いついている。
2015年に'Made in China 2025' 政策を打ち出して以来、中国は人材と国家予算をハイテク産業に集中させ、技術レベルを向上させてきた。 その結果、中国は昨年、電気自動車を筆頭に世界第1位の自動車輸出国となり、AI やロボティクスなど将来の主要産業で米国と競争している。
それに対し、かつてはR&D分野で優等生だった韓国の技術競争力は後退している。他国と比較し最も進んでいるのは2次バッテリーだけである。簡単な仕事に重点を置き、革新ではなく安定を求め、民間の研究開発投資を刺激するために必要な規制緩和や財政支援が不足してきた。 昨年、政府は十分な準備をせずに今年度の研究開発予算を大幅に削減し、科学界との対立を引き起こした。
東亜日報は、ますます激化する世界的なハイテク戦争を生き抜くために、挑戦する意欲のある研究を積極的に支援し、人材を育成し、技術競争力を回復する必要があると述べている。
日本もこのままでは近いうちに中国に追い抜かれる恐れがある。
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