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小林製薬の紅麹原料を含む機能性表示食品による健康被害を巡り、厚生労働省は3月29日、腎疾患の原因と推定される成分が「プベルル酸」の可能性があると同社が報告したと発表した。

小林製薬は3月29日、紅麹原料の一部のロットで検出された不明の「成分X」について、分子量150~250の環状構造を有する化合物であり、これまでに、プべルル酸などいくつかの既知の化合物に絞り込んでいることを明らかにした。

プベルル酸puberulic acid)

1932年に Birkinshaw と Raistrick が糸状不完全菌類 Penicillium puberulum Bainier から産生されるC8H6O6の化学式を持つ化合物が存在することを報告し、これをプベルル酸と命名した。

  C8H6O6

  2,5-Dihydroxyterephthalic acid

細菌の増殖を抑える抗生物質(抗菌薬)の特性を持つが、毒性が非常に高いという。 プベルル酸はマラリア原虫に対する効果も高く、関連物質は抗マラリア薬の候補として研究されている。

感染症の原因となるマラリア原虫に効果があることを突き止めていた北里大のチームは2017年、マウス5匹に注射した実験で4匹が死んだと報告。
しかし今回のサプリで問題となった腎臓への影響はわかっておらず、プベルル酸以外の物質が腎障害を引き起こした可能性も残る。

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大阪市と厚生労働省は30日午前、紅麹原料を製造していた大阪市淀川区の工場へ食品衛生法に基づき立ち入り検査に入った。1940年に操業を開始して食品や日用品を製造していたが、生産体制見直しで2023年12月に廃止された。

31日には厚労省と和歌山県が同県紀の川市にある工場にも立ち入り検査をする見通し。

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小林製薬は紅麹原料の出荷にあたり、全てのロットについて、(1)機能性関与成分(米紅麹ポリケチド)が一定量含有されているか、(2)微生物検査で衛生的に製造されているか──を調べていた。

ただ、同社の紅麹菌株はもともとカビ毒のシトリニンを生合成する遺伝子を持っていなかったためか、「シトリニンについては年1回の分析としていたほか、質量分析で不明のピーク(成分)が検出されないかどうかの確認は行っていなかった」(広報担当者)と説明している。

海外向けの紅麹原料は、ロットごとにシトリニンの分析を実施していた。

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