米下院、TikTok規制法案可決 

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米連邦議会下院は3月13日、中国発の動画共有アプリ「TikTok」の親会社である字節跳動(ByteDance)に165日以内に同アプリの米国事業売却を求め、従わなければアプリの利用を禁止する法案:「アメリカ国民を外国敵対勢力管理アプリケーションから保護する法律」を賛成352、反対65という大差で可決した。TikTokは米国に1億7000万人のユーザーを抱える。

  共和党 民主党 合計 欠員
賛成 197 155 352
反対 15 50 65
棄権 7 8 15
合計 219 213 432 3


これに先立ち、米下院外交委員会は3月1日、米国で「TikTok」を全面禁止する権限をバイデン大統領に付与する法案を賛成24反対16の賛成多数で可決した。

法案の提案者であるマイケル・マッコール外交委員長(共和党)は「TikTokは国家安全保障上の脅威で、今こそ行動を起こす時」と強調。TikTokを端末にダウンロードしているユーザーは「中国共産党に個人情報を引き出すバックドア(裏口)を与えている」と主張した。


この時点ではバイデン政権は法案を支持するかどうかについて立場を示さなかった。ホワイトハウスのジャンピエール報道官は、TikTokの問題は国民の個人情報に関係しているため懸念を持っていると述べるにとどめた。

米政権は2月27日、政府機関に対し、連邦政府が所有する端末などでのTikTokの使用禁止について、30日以内に順守徹底を図るよう指示。カナダも同日、プライバシーと安全性に「容認できない」水準のリスクをもたらすためとし、政府端末でのTikTok使用を禁止すると発表した。

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中国では企業に国家安全保障法が適用され、要請に応じて政府とデータを共有することが義務付けられている。

TikTokはこれまで、中国のByteDance従業員がアメリカ国内のユーザーのデータにアクセスできないことを保証するため、15億ドル以上をかけてデータ流出阻止のため「プロジェクト・テキサス」という措置を講じたとし、規制当局を安心させようとしてきた。

TikTokの周受資CEOは、同社はデータの安全性と「外部から操作できない」プラットフォームを維持すると約束すると述べた。

しかし、今年1月にWall Street Journalが行った調査によると、TikTokが導入したシステムはまだ「穴だらけ」で、アメリカのTikTokと中国のバイトダンスの間で非公式にデータが共有されていることが判明した。

上院のチャック・シューマー院内総務(民主党)は、上院は間もなくこの法案を検討すると述べた。

バイデン大統領は先月から選挙戦でTikTokを使い始めているが、法案については「上下両院で可決されれば署名する」と述べて、成立させる考えを示したが、共和党のトランプ前大統領は今月に入って、TikTokを禁止すればほかのSNSサービスの利益になるだけだとして反対する姿勢に転じており、上院での見通しは不透明である。



トランプ氏は大統領時代、TikTok 規制に動いていた。バイデン大統領は逆に、
トランプ大統領の中国企業のアプリに関する一連の大統領令を取り消した。

トランプ「大統領」は2020年8月14日、国家安全保障上の懸念を理由に、中国のBytedance(北京字節跳動科技)に対し、運営する動画投稿アプリTikTokの米国資産を売却するよう命じた。

2020/8/10 米国、TikTokとWeChatの運営会社との取引禁止

米商務省は2020年9月18日、TikTokとWeChat の規制を発表した。

2020/9/19 TikTokとWeChat ダウンロード禁止

バイデン米大統領は2021年6月9日、中国発の動画投稿アプリ「TikTok」の米国内での提供や利用を禁じるなど、トランプ大統領の中国企業のアプリに関する一連の大統領令を取り消した。

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