4月18日の朝日新聞は、「宇宙から見える」砂漠に再エネ発電所 のタイトルで、インド西部グジャラート州の最西部にあるカッチ地方の砂漠で建設されているGujarat Hybrid Renewable Energy Park (Khavda Solar Park) の訪問記を掲載している。
用地面積はシンガポールの国土とほぼ同じ広さの約724平方キロメートルの人を寄せ付けない塩性湿地で、総事業費は22億6千万ドル(約3400億円) 、ディベロッパーはその巨大さをit will be visible from space と表現した。
インドの西北端で、パキスタンとの国境近くのKhavda村の近くにある。
官民計6社が設備を設置・運営し、計画段階の出力は計2770万キロワット。単純比較で大型火力発電所や原発約20基分に相当する。太陽光と風力発電に加え、蓄電設備も設ける。発電量が天候に左右される再エネの弱みを補い、24時間電気を供給できる計画である。
Sr.No | Name of Park Developers | Solar-Wind Hybrid capacity (MW) | Allocated Land in (Ha.) |
1 | Gujarat Industrial Power Company Limited | 2,375 | 4,750 |
2 | Gujarat State Electricity Corporation Limited | 3,325 | 6,650 |
3 | National Thermal Power Corporation Limited | 4,750 | 9,500 |
4 | Adani Green Energy Limited | 9,500 | 19,000 |
5 | Sarjan Realities Limited | 4,750 | 9,500 |
6 | Solar Energy Corporation of India Limited |
(only wind) 3,000 |
23,000 |
Total | 27,700 MW | 72,400 Ha |
Developers は、2021/12/31から3年以内に能力の50%、5年以内に100%達成を義務付けられている。
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人口増加や経済発展によるエネルギー需要の急激な伸びが予測されるインドでは、効率的かつ環境に優しいエネルギーインフラの拡充が急務となっている。モディ首相は、2021年に開催されたCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)において、2070年までにネット・ゼロ・エミッションを達成する、具体的な目標年を発表、再生可能エネルギー発電容量を500GWまで増やし、2030年までにインドのエネルギー需要の50%を再生可能エネルギーで賄うことを宣言した。
国際エネルギー機関(IEA)によると、2022年時点でインドは再生可能エネルギー容量と風力発電容量で世界第4位、太陽光発電容量で第5位である。また、インドはCOP21での公約を9年近く前倒しで達成し、すでに発電能力の40%を非化石燃料で賄っており、インドのエネルギーミックスに占める太陽光と風力の割合は驚異的に伸びている。
インドの再生可能エネルギー発電容量は過去数年間で急速に増加しており、FY16~FY23(2023年2月まで)の年平均成長率は14%を超える。
その内訳は、太陽光と風力がほとんどを占めている状況。2019年時点では風力が主流だったが、現在は太陽光が53%を占め、次いで風力35%、両者を合わせ、88%に上る。
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