千代田化工と共同で Golden Pass LNG Terminal を建設中の米Zachry Industrial がChapter 11申請

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千代田化工建設は、米国テキサス州にて Golden Pass LNG プロジェクトを共同遂行している米国 Zachry Industrial が5月21 日に「Chapter11」を申し立て、法的再建手続きに入ることになったと発表した。

Zachry Industrial の chief restructuring officerは、裁判所に提出された宣誓供述書で、「財政困難の結果」が、2019年にGolden Pass LNG Terminal から受注したLNGプロジェクトによるものであると述べた。

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千代田化工建設は2019年2月6日、米国のZachry Group 及びCB&I (Chicago Bridge & Iron Company) と共同で、Golden Pass Products LLCから米国テキサス州 Sabine Passで計画されているLNG輸出基地の設計、調達、建設(EPC)業務を受注したと発表した。

当初の発表では、共同受注はMcDermott International となっている。

McDermott International は2018年に米建設会社CB&I (Chicago Bridge & Iron Company) を35億ドルで買収したが、その際に発生した債務が経営を苦しくし、2020年にChapter 11を申請した。
McDermott
International とCB&I は同年5月に統合した。



Golden Pass Products LLCはQatar Petroleumが70%、ExxonMobilが30%を出資する。

計画は、既存のGolden Pass LNG 輸入基地に天然ガス液化設備等を建設し、同基地を市場の状況に応じてLNGの輸入と輸出を行えるようにするものである。

既存のGolden Pass LNG 輸入基地は、Qatar Petroleum (70%)、ExxonMobil (17.6%) に加え ConocoPhillips (12.4%) が加わるJVである。
年間1560万トンの輸入LNG(天然ガス換算 日量20億立方フィート)を2つのバースで輸入し、ガス化する。2010年に完成した。

今回の計画は、年産520万トンの液化設備3基(合計能力 1,560万トン)を建設する。用役設備の増設や既存の輸入設備との連結、安全設備の拡充なども含める。パイプラインも拡充する。
ConocoPhillipsはこの事業には参加しない。

投資額は100億ドルで、2024年に運転を開始する予定。

Golden Pass はエネルギー省から、FTA締結国向けには2012年に、非締結国向けには2017年に、20年間の輸出承認を受けている。

2019/2/9 千代田化工、米国 Golden Pass LNG輸出基地設計、調達、建設業務を受注 

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本プロジェクトは、2019 年に Zachry、CB&I (Chicago Bridge & Iron Company) 及び Chiyoda International が組成するジョイントベンチャーが Golden Pass LNG Terminal LLCから受注し、遂行してきた。

Golden Pass LNG、CB&I および Chiyoda International は、これまで本プロジェクトの遂行体制に関して協議を続けており、3社は協調して引き続き本プロジェクトの完工に向けて工事を遂行していくことを確認している。

Chiyoda International の主たる業務範囲である設計・調達業務は概ね完了しており、建設工事が進捗中で、プロジェクト全体の進捗率は、約75%まで達成している。

千代田化工は、米国Cameron LNGプロジェクトで大幅赤字を計上した。

2019/5/9 代田化工建設、大幅赤字に、三菱商事が支援へ

このため、今回の契約では、ZachryCB&I が労働者の生産性など現地建設関連のリスクの責任を負うスキームとし千代田の負うスコープは基本的に設計と調達に限定した

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