JR九州と住友商事、鉄道沿線を活用した系統用蓄電所を熊本市で完工

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JR九州、住友商事、住友商事九州が出資し設立したでんきの駅(福岡市)は3日21日、系統用蓄電池事業の第1号案件として熊本市で建設を進めてきた系統用蓄電所「でんきの駅川尻」を完工した。

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太陽光発電を中心に再エネ導入量の多い九州地区では、電力系統の需給バランスを調整する系統用蓄電池の役割が重要になる。


2023年度に大規模な出力制御が九州電力管内を中心に日本全国で17億kwh発生し、太陽光発電が停止された。

出力制御は電気の供給が電気の需要を大きく超えたときに、電力会社が様々な発電設備の出力を停止することで需要と供給をコントロールする制度。

全体としては不足する電力を無駄にしないための手段として、①蓄電池、②追加送電網による広域送電が重要である。

でんきの駅は、JR九州が管理する鉄道沿線地・遊休地を有効活用し、JR九州の保守管理ノウハウと住友商事グループの蓄電事業ノウハウを活用し、系統用蓄電池事業を行う。

JR九州、住友商事100%子会社で蓄電池設備のアセット保有・管理を手掛けるBSホールディングス、住友商事九州が出資し、2023年4月に設立した。

JR九州、住友商事、住友商事九州は、2024年2月に熊本市とカーボンニュートラルの実現に向けた連携協定を締結した。

今後、熊本市内で事業展開しながら、九州エリア全体へ事業拡大を進めていく。さらに、でんきの駅をプラットフォームとして、災害時に蓄電池の電力を開放するなど、地域に安全・安心を提供する地域エネルギーサービスを検討する。

でんきの駅(福岡市)は3日21日、系統用蓄電池事業の第1号案件として熊本市で建設を進めてきた系統用蓄電所「でんきの駅川尻」を完工した。鉄道沿線特有の土地形状に合わせた専用設計の「バッテリー・ステーション」システムを構築した。

蓄電池は、住友商事(49%) と日産自動車(51%) の合弁会社である4R Energy(横浜市)が提供するリユース(再使用=中古)品のEV(電気自動車)用バッテリーを定置用にシステム化した「EVバッテリー・ステーション」を採用した。蓄電事業としての運用は、でんきの駅が担当する。

定格出力は1.5MW、実効容量は6.0MWh。リユースEVバッテリーを約350台分収納し、電池交換が可能。また、スケールアップ(高出力・大容量化)のための制御技術を導入した。今後、設備の本格稼働に向け各種試験を行った後、需給調整市場および容量市場に参入する。事業開始は9月の予定。

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参考 4R Energy の狙い

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