入院日記-5 NSAIDs胃潰瘍(手術なし、薬のみ)  2021/5

| コメント(0)

2020年12月にピロリ菌を処理し、これで胃潰瘍は大丈夫と思っていた。

ところが、突然、大貧血で前回と同様の状況になり、入院し、内視鏡検査で胃潰瘍と分かった。

ピロリ菌による胃潰瘍が知られているが、NSAIDs胃潰瘍(非ステロイド系抗炎症薬胃潰瘍)というのがあるのを知った。

老人(特に80歳以上)又は胃潰瘍経験者で、 特定の痛み止め薬(NSAIDs薬)を、 長期間(10日以上とか)服用した場合にかかる。

Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugsの略であり、非ステロイド性抗炎症薬と訳される。ロキソニン、ボルタレン、アスピリン、バッファリン、イブ等々が該当する。

逆に大丈夫な薬はステロイド系で、アセトアミノフェン(カロナール)、バッファリンルナ等々である。


大分前から腰痛がひどく、整形外科医でロキソニンテープをもらって10日以上貼ったが、効かず、その日にボルタレンSRカプセルをもらって服用した。 1日2錠で、薬剤を24時間放出する。
ボルタレンSRカプセルと併用してムコスタという酸を弱める薬も処方してもらい、服用したが、これは効き目が低いものと分かった。このような場合、タケキャブを服用するしかないとのこと。

内視鏡で見ると、細い傷跡が見える。血は止まっている。

おそらく、NSAIDsが胃壁を傷つけ、細い血管から出血したと思われる。傷跡も細く、出血も止まっているため、特に手術はせず、薬のみとした。

なお、ボルタレンSRカプセル服用のせいか、腰痛は治った。胃潰瘍の代償を払ったが。
ーーー

胃酸は食物の消費のためにつくられるが、同時に胃の内壁も痛める。
そのため、COX-1酵素というのが胃壁を胃酸から守っている。

別途、COX-2酵素があり、これが炎症原因となるプロスタグランジン(PG) を生成する。

痛み止め薬は、COX-2を破壊して、PGの生成を防ぎ、痛みを止める。

しかし、痛み止め薬のなかの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)はCOX-2を破壊し、PGの 生成を防ぐが、同時に胃壁を胃酸から守るCOX-1も破壊することで胃の内壁を傷つけ、NSAIDs胃潰瘍をもたらす。

カロナールのようなステロイド系の薬剤は、COX-2を破壊し、痛みをとめるが、COX-1は破壊しない。

もし、NSAIDs薬を服用する場合は、タケキャブ錠を服用して胃酸の分泌を抑えることが必要である。


コメントする

月別 アーカイブ