Saudi Aramco、米のLNG計画への参加

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Saudi Aramco が米国のLNG計画の一つへの参加を決め、更に、別のLNG計画への参加、また他のLNG計画と長期のLNG引取の交渉を行っている 。


同社はグローバルなLNG市場での役割を強化しようとしている。

2023年9月に、エネルギーインフラ分野の大手機関投資家であるEIGが設立・運営するLNG会社、MidOcean Energyの戦略的少数株主持分を5億ドルで取得することで合意した。将来的にMidOcean Energyの保有株式を増やすオプションを持つ。

現在、規制当局の承認等を待っている。

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EIGは、グローバルなエネルギーおよびインフラ分野における主要な機関投資家。41年の歴史の中で、EIGは42カ国6大陸にわたる400以上のプロジェクトや企業に対して、エネルギー分野に450億ドル以上をコミットしてきた。

MidOcean Energyは、多角的なグローバルLNGビジネスを構築する成長戦略を掲げ、東京ガスから豪州のLNGプロジェクト4件の権益を取得した。

東京ガスは2022年10月、豪州子会社の4プロジェクトをMidOcean Energy に譲渡することを決定し、契約を締結した。2024年3月に取引完了。

プロジェクト名称 権益持分比率 オペレーター LNG 生産開始 液化能力
 万t/年
プルート LNG 5% Woodside 2012 年 4 月 ......490
ゴーゴン LNG 1% Chevron 2016 年 3 月 1,560
QCLNG 1.25% QGC 2014 年 12 月 850
イクシス LNG 1.575% INPEX 2018 年 10 月 890
譲渡対象外
 ダーウィン LNG

3.07%

Santos

2006 年 1 月

370

MidOcean Energyは2023年3月、Brookfield Renewable Partners などとのコンソーシアムとして Origin Energy Limitedの株式100%を買収する契約を締結した。

Origin Energy は豪州を拠点とする総合エネルギー会社で、主な事業は、天然ガスの探鉱・生産、発電、電力・ガスの卸売・小売販売、液化天然ガスの販売など

MidOcean Energyは2024年4月に韓国のSK EarthonからPeru LNGの持ち分20%を買収した。

三菱商事が2024年4月にMidOcean Energyに戦略的投資をすることを決めたと報じられている。

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Aramcoのアップストリーム担当プレジデントは、「これは、世界をリードするLNGプレーヤーになるというAramcoの戦略における重要な一歩。当社は、構造的かつ長期的な成長が見込まれるこの市場に大きなチャンスがあると考えていMidOcean Energyは増大するLNG需要に対応するための十分な設備を備えており、この戦略的パートナーシップは、主要な国際プレーヤーと協力して世界レベルで新たな機会を特定し、切り開くという当社の意欲を反映していと述べた。

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Aramcoは現在、米国のTellurianとの間で、Lake Charles 近郊のDriftwood LNG export facilityの持ち分の買収交渉を行っている。

Driftwood LNG計画は年間約2,760万トンのLNG輸出施設で、フェーズ1ではLNGプラント2基(年間最大1,100万トン)を建設する。

Tellurianは本年末までに最初の2系列の最終投資決定を行う予定である。現在、バイデン大統領が新しいLNG輸出設備の承認を中断しているが、これについてはすべて認可済みで、影響しない。

計画詳細は 2023/4/12 米国で多くのLNG計画が進展 

Aramcoはこれとは別に、米国のLNG業者NextDecade との間でRio Grande project の第5系列からのLNGの長期購入契約を交渉している。

Rio Grande Project の詳細は 2023/1/23 伊藤忠、米 NextDecade Corporation とLNG購入の長期契約締結

付記  NextDecadeは6月13日、SaudiAramco との間で年間120万トンのLNGを20年間供給する契約(non-binding agreement) を締結した。

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