MBKパートナーズ、アリナミン製薬を買収

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アジア系投資ファンドのMBKパートナーズがアリナミン製薬を買収することが分かった。 日本経済新聞が7月3日に報じた。

売り手は米投資ファンドのブラックストーン・グループで、金額は約3500億円とみられる。

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アリナミンは武田薬品の一般用医薬品だった。

武田薬品は2020年8月24日、「アリナミン」などの一般用医薬品事業を扱う完全子会社の武田コンシューマーヘルスケアの売却を発表した。

アイルランド製薬大手シャイアーの買収で膨らんだ負債を圧縮し、抗がん剤など医療用医薬品事業の新薬開発に経営資源を集中する。

売却先はThe Blackstone Group Inc.で、譲渡実行日は2021年3月31日であった。

売却価額は2,420億円に純有利子負債や運転資本等に係る調整を行う。

譲渡日に武田コンシューマーヘルスケアの新社名は「アリナミン製薬」となった。

2020/8/21 武田薬品、大衆薬事業を米投資ファンドに売却へ 

アリナミン製薬は、アリナミンのほか、ハイシー、ベンザなど多くの製品を扱う。アリナミン製薬は主力のアリナミンの海外販売を拡大し、台湾や中国、韓国市場に本格参入した。

なお、アリナミン製薬は、7月1日付けで武田薬品グループの一員として、医薬品ならびに医薬部外品の受託製造を行う日本製薬の全株式を取得、完全子会社とした。武田薬品は4月1日に日本製薬の全株式をアリナミン製薬に譲渡することを決定している。

アリナミン製薬を一般用医薬品の製造・販売の一体会社にしたうえで、MBKパートナーズに売却する手続きを進めていたことになる。

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MBKパートナーズは米国のThe Carlyle Groupの出身者6名によって設立された 独立系プライベートエクイティファンドで、東京、ソウル、香港、上海を拠点に活動する。

社名のMBKは、創設者のひとりで代表者であるMichael ByungJu Kimの名前からとられている。 同氏は韓国系アメリカ人の億万長者の実業家。

運用資産総額は150億ドル以上、1件当たりの投資額は100億~500億円程度、投資期間は5年程度で、東アジアに特化したファンドとしては最大規模を誇る。

日本ではこれまでに弥生、ユニバーサルスタジオジャパン、田崎真珠、インボイスへの投資実績があり、2012年12月には名古屋に本拠を置く大手喫茶店チェーン「コメダ珈琲店」をアドバンテッジ・パートナーズから買収した。
2019年2月にチョコレート会社「ゴディバ」の日本事業を約10億ドルで買収した。

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