Eli Lillyの肥満症治療薬、心不全重症化リスクも軽減

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Eli Lillyは肥満症治療薬Zepbound®tirzepatide)について、心不全の重症化リスクを軽減する効果が確認できたと発表した。心不全の肥満患者を対象とした後期の臨床治験でわかったという。  

米国などの700人余りの患者を対象とした治験で、52週間にわたりtirzepatide を投与したグループと、偽薬を投与したグループについて心不全の病状を観察した。

その結果、tirzepatideを投与したグループは偽薬を投与したグループに比べ、緊急受診や入院、心血管死など重症化のリスクが38%低かった。

また、tirzepatideは 息切れや疲労、不整脈といった心不全の症状も有意に軽減した。

tirzepatideは、2型糖尿病の有無にかかわらず、混合集団において15.7%の体重減少をもたらした。

健康状態を左右する重要な要素を改善するという証拠が増えることで、保険会社による支払いを促すことにもつながる可能性がある。

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Eli Lillyは有効成分tirzepatideについて、医薬品として2つのFDA承認をとっている。

FDAは2022年5月13日、米Eli Lillyの世界初のGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)受容体作動薬およびGLP-1(グルカゴン様ペプチド1)作動薬のMounjaroについて成人における2型糖尿病における食事療法および運動の補助療法としての血糖改善の適応で承認した。Mounjaroは、世界初かつ唯一のFDA承認GIP受容体作動薬およびGLP-1受容体作動薬となった。

FDAは2023年11月8日、同じ有効成分tirzepatideを使ったZepbound® 肥満症治療薬として承認した。

  2024/5/30 米Eli Lilly、肥満症薬を増産

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Eli Lilly は、需要拡大により品薄となっている肥満症治療薬tirzepatideについて、米国内の供給不足が「間もなく」解消すると見込んでいる。デービッド・リックス最高経営責任者(CEO)の発言として報じられた。

FDAのウェブサイトでは、Mounjaroと
Zepboundの一部規格を供給が限られた医薬品に指定している。Mounjaroは2022年終盤から供給不足リストに掲載されている。

Eli Lilly は本年4月に
Zepboundの供給が短期・中期的にかなり逼迫した状態が続くとの見通しを示していた。

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