ウクライナ軍部隊は8月6日朝、ロシア西部クルスク州へ侵入し、最大かつ最も成功した越境攻撃を仕掛けた。 国境から少なくとも10キロまで侵入、ウクライナ軍は最大で20集落を制圧したとみられる。 9日からウクライナ兵が「スジャはわれわれの支配下にある」と主張する動画が拡散した。 ロシアは国境地域から住民7万6000人以上を避難させ、「対テロ作戦」を開始した。 スジャの北東にあるクルスク原子力発電所には現時点では攻撃はないが、8日に原発敷地内に撃墜されたミサイルの破片とみられるものが見つかった。 |
クルスク原発は、チェルノブイリ原発と同型の黒鉛減速沸騰軽水圧力管原子炉(RBMK-1000)4基で、能力は各1000MW(正味発電量 925MW)、うち1号機(1977/10 商業運転開始)は2021/12に永久閉鎖した。
5号機、6号機も建設を開始したが、途中で建設を中止した。
なお、同地で第2発電所の建設が計画されている。
スジャ(下図ではSudzha と表示) はウクライナ経由で欧州に輸出されるロシア産天然ガスの中継拠点。9日には、スジャの主要ガス施設を制圧したと主張するウクライナの武装兵とされる動画が浮上した。
ウクライナ当局は8日、パイプラインは正常に機能していると明らかにしていた。
ロシア国防省は10日朝、ロシア部隊はウクライナ部隊による「侵攻の試みを撃退し続けている」との最新報告を発表。ウクライナが「ロシア領の奥深くまで突破」しようとする動きは、阻止したと主張した。
ウクライナ軍が、兵力不足の中、過去最大規模の越境攻撃に踏み切ったのは、将来のロシアとの交渉を優位に進める狙いがあると見られる。ゼレンスキー大統領は英BBCのインタビューで「全ての領土を武力で取り返す必要はない。ロシアに圧力をかけ、外交的な解決に合意することは可能だ」と発言した
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