中国海洋石油集団、「海葵1号」と「海基2号」が同時に稼働開始へ

| コメント(0)
中国海洋石油集団は9月20日、アジア初の円筒型海上石油ガス処理施設「海葵1号("Haikui-1":イソギンチャクの意味)」と、アジア1の大水深ジャケット「海基2号 ("Haikui-2")」が同時に稼働すると発表した。

「海基2号」(写真奥)は掘削、生産、居住の多機能が統合されたもので、全高は428メートル、総重量は5万トンを超える。


「海葵1号」(手前)は高さ約90メートル、総重量約3万7000トン、最大石油貯蔵量は6万トンに達し、1日約5600トンの原油を処理できる。


中国が独自に設計・建造したアジア初の「海上石油・ガス処理工場」である『海葵1号』(手前)は、中国海洋石油集団青島国際化ハイエンド設備製造基地で製造した。

掘削、生産、居住の多機能が統合されたもので、円筒型FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)の最大直径は約90m。

下部の船体部分と上部のモジュールで構成されており、上部モジュールの重量だけでも約9,000トンあり、空船状態の船体と合わせると重量は約36,000トン。

さらに石油・ガスを最大60,000トン貯蔵できるタンクやバラストタンクを備えており、設計排水トン数は100,000トン。1日当たり約5,600トンの原油を取り扱うことができ、設計耐用年数は30年で15年間はドックに戻ることなく連続稼働が可能。

珠江口盆地流花油田で6月10日、「海葵1号」の海上設置が完了し、深水油田二次開発プロジェクトの年内生産開始に向けた基礎を固めた。

所在海域は水深約324メートルで、風向きの変化が激しく、波が頻繁に発生する。この巨大な設備を深水に安定的に据え付け、海上で15年連続で稼働させるために、12本のアンカーレッグを3組(各4本)に分け、マルチポイント係留法で設置を行った。これにより、北東、南東、北西の3方向から安定した係留力を提供し、超大型台風にも耐えられる。

この2つの超大型石油・ガス設備が稼働するのは流花油田。1996年3月に生産を開始した中国初の深海油田で、平均水深は約324メートル、確認された地質埋蔵量は1億6000万トン以上。

流花油田群は、Liuhua 11-1、16-2、20-2 およびその他 1 ~2 の油田から構成されており、全体の位置は香港から 200km 以上離れた珠江河口流域にあり、水深範囲は300~400mくらい。

現在、Liuhua 11-1が開発中であり、残りの油層はいずれも近年新たに発見されたものである。

この油田は28年間の採掘を経て、累計2300万トン以上の深海石油・ガスの供給に貢献してきた。

油田全体の採掘率を高めるため、二次開発が進められており、32カ所の井戸を新設する計画で、油田のピーク時日産量は2700トンに達する見込み。

...

コメントする

月別 アーカイブ