同社の2024年4~6月期は純損益が16億1000万米ドルの赤字だったが、Intel Foundryの28億米ドルの赤字が大きく影響した。
こうした業績悪化を改善するため、Intelは2025年に100億米ドル(同1兆4000億円)のコスト低減を目指している。事業再編や人員削減、海外工場の計画保留などを進めており、Intel Foundryの子会社化もその一環とする。
なお、Intelがドイツとポーランドに建設中の半導体製造工場については「約2年間計画を保留する」。
2023/6/22 Intel、ドイツ・ポーランド・イスラエルに新工場建設
マレーシアに建設する先端パッケージング工場については、市況などに合わせて稼働を開始するという。
これまで、Intelの製造拠点は、ウエハーに回路を成形する前工程工場と、製品の形に整えたり試験したりする後工程工場の2種類があった。
しかし、最近は製造プロセスなどが異なる小さなチップ「チップレット」をブロックのように組み合わせて1つのチップとして扱えるようにするチップレット集積や、チップを垂直方向に積み上げる3次元(3D)実装などが製品の差異化領域となり、それらを実現する後工程が注目されている。こうした先進的な後工程をIntelは「Advanced Packaging」と呼んでいる。マレーシア拠点は、アドバンストパッケージングを手掛ける2拠点のうちの1つで、もう1つの拠点は米ニューメキシコ州にある。
Intelは2023年8月、マレーシアにある同社の最先端の後工程工場を報道関係者向けに公開した。
Intelのマレーシアでの歴史は1972年に遡る。1棟の建物と100人の従業員から始まった拠点は、約50年で約8万4000平方メートルの敷地面積と、1万5000人の従業員を抱えるIntelの重要拠点の1つとなった。
今回、同社が公開したのは、ペナン州にあるペナンキャンパスと、ケダ州のクリム地区にあるクリムキャンパスにある施設。
米アリゾナ州やオハイオ州など米国内の投資計画は維持する方針を示した。
2022/1/31 インテル、米に世界最大級の半導体工場新設
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米国の官民がIntelの救済に一丸で乗り出した。
9月16日、米政府はIntelに最大30億ドルの補助金を追加支給すると発表した。
「国家安全保障のために国内の先端半導体の供給網へのアクセスを確保する」としている。
Amazon Web Service は人工知能(AI)向け半導体の生産を委託すると発表した。数年間にわたり共同で数十億ドル規模の投資を見込む。
半導体は安全保障上の重要性が増しており、最先端の半導体製造の国産化を背負うIntelに米政府の関与が強まっている。
米国の半導体支援策 (日経まとめ)
概要:半導体国産化強化と供給網の安定を目指し、2022年にCHIPS・科学法成立。527億ドル補助
2022/7/29 米議会、「CHIPS法」を可決
補助金を受けた各社の投資計画
台湾TSMC アリゾナ州に650億ドル投資 米 Intel アリゾナ州とオハイオ州に新工場建設 建設遅れ 韓国 Samsung テキサス州に450億ドル投資 米 Micron アイダホ州やNY州などにメモリー工場
付記
インテルの時価総額は930億ドルで、Intelの会社全体を買収すれば巨額の取り引きとなる。
インテルは主力のパソコン向けCPU(中央演算処理装置)やデータセンター向けの半導体を手がける。
Qualcommはスマートフォン向けけの半導体に強みを持ち、パソコン向け事業を強化している。Qualcommの通信モデムラインは非常に先進的で、Android スマートフォンだけでなく iPhone にも使用されている。Appleは世界有数のチップ設計能力を持ちながら、これまでQualcommと競合できる通信モデム製品を開発できず、Qualcommに依存するしかなかった。
ロイター通信は9月5日、QualcommがIntelのパソコン向け半導体の設計部門などの買収を換討していると報じていた。
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