インドネシア・タングーLNGプロジェクト拡張開発計画の最終投資決定

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インドネシア共和国西パプア州におけるタングーLNGプロジェクトの参加各社は、オペレーターであるbpと推進する同プロジェクトにおいて、総額70億米ドルとなるタングーLNG拡張開発計画(Tangguh Ubadari, CCUS, Compression (UCC) Project)の最終投資決定(FID)を実施した。

INPEX、三菱商事など7社で構成する「インドネシアTangguh LNG事業」企業連合は2021年8月30日、インドネシア西パプア州のTangguh LNGプロジェクトについて、CCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)事業を含む開発計画がSKK Migas(インドネシア石油ガス上流事業監督執行機関)の承認を得たと発表した。

2021/9/3 インドネシア Tangguh LNG事業、新規ガス田開発の承認取得 

LNGの重要性が高まるエネルギートランジションの時代において、同計画は天然ガス生産量を約3兆立方フィート増加させることを目指すものであり、本邦を含めたアジア諸国に対するエネルギーの安定供給への寄与が期待されて いる。

同計画は、既存の同プロジェクト施設を活用した上で、ウバダリガス田の開発、CCUS(注)およびコンプレッサー設置によるガス送圧能力の増強で構成されており、2028年以降、順次生産・稼働を開始する予定。同計画に含まれるCCUSは、同国初の大規模なものであり、今後の同国におけるCCUS技術の発展に貢献することが期待され る。

(注)Carbon capture, utilization and storage の略。排出されるCO2の回収、利用、貯留による温室効果ガス排出量の削減を図る技術。同計画では回収されたCO2を用いてEGR (Enhanced Gas Recovery(天然ガス増産))を行う。


新規ガス田開発(
Ubadari ガス田 下の地図の左下)のほか、生産中のヴォルワタガス田におけるCCUS技術の適用によるCO2排出量の削減および天然ガスの生産効率向上・増産事業が含まれて いる。本CCUS事業では、天然ガスの生産に伴い排出されるCO2を累計で約2,500万トン回収し、ヴォルワタガス田に再圧入・貯留することで、CO2の排出削減と同時に天然ガスの生産効率向上・増産を図 る。この結果、タングーLNGプロジェクト全体のCO2排出量が約半分に削減されることとなる。


参考情報:プロジェクト概要
現在年間約1,140万トンのLNG生産能力を有するタングーLNG基地は、同国西パプア州ビントゥニ湾に位置し、bpがオペレーターを担うコンソーシアムが、SKK Migas(インドネシア石油ガス上流事業監督執行機関)との生産分与契約に基づき同プロジェクトの操業を請け負って いる。

第3系列の完成でLNGの生産能力は合計で年間1,140万トンに増加した。  

   2023/10/31 インドネシア タングーLNG拡張プロジェクト LNGの出荷開始  

同プロジェクトにおける権益構成は以下の通り。

会社名 (出資企業・独立行政法人) 構成比率
bp 40.22%
MI Berau (三菱商事、INPEX)
16.30%
CNOOC Muturi Limited  中国海洋石油総公司(CNOOC)
13.90%
日石ベラウ石油開発(JX石油開発、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)
12.23%
ケージーベラウ石油開発
(エネルギー・金属鉱物資源機構、三井物産、JX石油開発、三菱商事、INPEX)
8.56%
Indonesia Natural Gas Resources Muturi Inc
(エルエヌジージャパン:住友商事と双日の折半出資会社))
7.35%
ケージーウィリアガール石油開発株(三井物産)
1.44%

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