Dowは7月27日、ポリプロ事業を340百万ドルでBraskemに売却する契約を締結したと発表した。
Dowは、この売却金額は金利償却前利益の6.7倍になり、これにより売却益を計上するとしている。
売却するのはダウの米国の2工場とドイツの2工場、および、在庫、事業ノウハウ、特定の技術、需要家リスト。
米国の工場はテキサスのFreeport とSeadriftにあり、合計能力は50万トン。(後者は100%子会社のUCCの工場)
ドイツの工場はSchkopau とWesselingにあり、合計能力は54.5万トンとなっている。
Braskemは2010年に米国の石油会社Sunocoからポリプロ事業を買収し、ペンシルベニア州Marcus Hook、テキサス州La Porte、ウエストバージニア州Nealに3工場を取得しており、今回の買収で米国最大のPPメーカーに躍り出る。
2010/2/3 Sunoco、ポリプロ事業をブラジルのBraskemに売却
Braskemは今回の買収で米国の能力は5割増しの140万トンになるとしている。
(Sunocoの事業買収時には合計能力は95万トンとしていた。)
また、今回の2つ目の買収により、グレード多様化、経費削減、運転資金や物流の最適化を通じ、140百万円のシナジー効果が見込めるとしている。
Dowではこれを、付加価値の高い技術差別のつけられる分野への移行方針の一環であるとしている。
Dowは5月後半にPPレジン事業と触媒事業の売却先を探していることを明らかにしていた。
今回の売却には触媒事業は含まれていない。
Dowはこの2週間で、三井物産とのブラジルでのバイオプラスチック事業、サウジでのAramcoとの石油化学事業と立て続けに新規事業の発表を行っている。
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