米上院がTPA法案可決 近く成立 → TAA法案も両院で可決

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米上院は6月24日、TPPの合意のカギを握る「貿易促進権限(TPA)」法案を賛成60、反対38で可決した。
前日 審議打切りを決めており、議事妨害は出来ないため、採決は単純多数決となる。

  共和党 民主党 無所属 合計
賛成 47 13   60
反対 5 31 2 38
棄権 2     2
合計 54 44 2 100

すでに下院を通過しており、週内にも大統領が署名し、成立する見通し。

失業者対策を盛り込んだ貿易調整援助制度(TAA) 法案
の下院での可決を待つ可能性もある。


付記

上院はこの日、TPA法案可決後にTAA法案も可決した。

先ず審議打切りの動議が可決された。

  共和党 民主党 無所属 合計
賛成 30 44 2 76
反対 22 0 0 22
棄権 2 0 0 2
合計 54 44 2 100


その後、記名投票ではなく、発声投票(Voice vote)で可決した。

米国では、上下両院とも、表決の方法には、① 発声投票、② 起立投票、③ 記録投票 がある。

発声投票では賛成者に賛成(Aye)、次いで反対者に反対(No)と応えるよう求め、議長が判断する。
可決しても、異議があれば記録投票を要求できることとなっている。

TAA法案は下院に送られることになった。

下院では、多くの民主党議員がこれまでTAAに反対していたが、今回、共和党首脳は民主党が主張していたAfrica Growth and Opportunity Actの延長などを折り込んだため、多くが賛成に回るとみられている。

 

付記

下院は6月25日、TAA法案を可決した。すでに両院で可決されたTPA法案とともに、オバマ大統領が近く署名し、成立する見通し。

  共和党 民主党 合計
賛成 111 175 286
反対 132 6 138
棄権 2 7 9
欠席 1   1
合計 246 188 434


付記

オバマ大統領は6月29日、TPA法案に署名、成立した。


ーーー

上院は5月22日にTPA法案を可決したが、これには、TPPなど自由貿易拡大による失業者対策条項(TAA)を含んでいた。

2015/5/25   米上院、貿易権限法案を可決 

しかし、下院ではTPP法案は可決したが、TPA法案を否決したため、新たに6月18日にTPA法案を単独で再採決し、可決した。

2015/6/19 米下院、TPA単独法案を可決   

しかし、上院が5月22日に可決した法案とは異なるため、改めて上院で採決する必要がある。

上院は6月23日、TPP交渉の合意に必要なTPA法案の審議を打ち切り、法案採決に移るための動議を可決した。

採決の結果は下記の通りで、前回5月22日にTPA法案を可決した際に賛成した民主党議員の1名が反対に回ったが、審議打ち切りに必要な60票をギリギリで確保した。
 

  共和党 民主党 無所属 合計
賛成 47 13   60
反対 5 30 2 37
棄権 2 1   3
合計 54 44 2 100


5月22日の議決は下記の通りであった。

  共和党 民主党 無所属 合計
賛成 48 14   62
反対 5 30 2 37
棄権 1     1
合計 54 44 2 100

ーーー

TPA法案の可決見通しを受け、甘利明TPP担当相は6月24日、今後の交渉について「7月中に参加12カ国の閣僚会合で合意される必要がある。それは可能だと思う。8月以降にずれ込むとは想定していない」との見方を示した。

 

 

 

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