泊原発も液状化問題、防波堤が機能しない恐れ

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北海道電力は10月27日に開かれた原子力規制委員会の泊原子力発電所3号機に対する安全審査で、津波対策として設置した防波堤が機能しないとの見通しを報告した。

 
運転開始 型式 能力
万KW

申請

北海道電力
 泊原発
① 1989/6/22  PWR 57.9

2013/7/8

② 1991/4/12  57.9
③ 2009/12/22 91.2

泊原発は、海に突き出た2本の防波堤と、海岸部を盛り土などでかさ上げした防潮堤の二重の対策で津波による浸水を防ぐ構造である。

防波堤は長さ422メートル(海面からの高さ 4.5メートル)と340メートル(同 3.5メートル)の2本が、「ハの字」に設置されている。

防潮堤は、東日本大震災で東京電力福島第1原発が被災した津波の高さに対応できるよう、原発海側の埋め立て地に盛り土をするなどして2014年12月に完成した。
原子炉建屋の前面にあり、長さ約 1.25キロで海面からの高さは 16.5メートルとなっている。

新規制基準の審査で、北海道電力は津波の想定高さを当初の7.3メートルから12.63メートルに、基準値振動を 550ガルから620ガルに引き上げた。

新規制基準で再評価をしたところ、地震発生時に液状化により 3メートルほどの地盤沈下が発生する可能性があるほか、津波で防波堤自体が約 40メートルずれる可能性があるとの試算結果が出た。ずれた防波堤が3号機の取水口を塞ぐ可能性もあるという。

また、原子炉建屋の前面にある防潮堤についても、液状化により地盤沈下が懸念される。

液状化は、地震の強い揺れで地中の砂粒子が安定性を失い地盤が緩くなる現象。

北海道電力は当初、「埋め立て地の砂粒子は大きく、検討不要」としていた。これに対し、規制委は「最近の科学的知見を考慮していない」と指摘し、北海道電力が再検討したところ、液状化や地盤の圧縮によって防潮堤が沈下したり、一部損壊したりする可能性があることが分かった。防潮堤の問題は、1、2号機にも共通する。

海側に砂層が分布しており、地震時の砂層の液状化による地盤の沈下が懸念される。

北海道電力は防波堤について、壊れても事故対策に影響がないかどうかを調べる模擬実験を実施する。防潮堤については今後、地盤改良などの補強工事をする方針。

今後、防潮堤を含むすべての個別審査が終了しても再稼働には許認可手続きに少なくとも1年程度を要する。このため、北海道電力が2017年夏と見込んでいた泊3号機の再稼働時期は、2018年以降となることが確実になった。

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東京電力は10月13日、柏崎刈羽原発6、7号機の重大事故時の対応拠点「緊急時対策所」について、3号機内に設置する当初の方針を取りやめ、6、7号機に隣接する5号機に設置することを明らかにした。

大規模地震が起きると、3号機のある荒浜側の防潮堤の地盤が液状化し、壊れる可能性があると判断した。

2016/10/18 柏崎刈羽原発の再稼働計画見直し

今回も、柏崎刈羽と同様に、原子力規制委員会の指示で再調査して分かったが、電力会社の実施する対策のままでは大事故が起こるところであった。


これとは別に、
北陸電力志賀原発2号機の原子炉建屋に 6.6トンの雨水が流れ込み、非常用照明の電源が漏電する事故が9月28日に発生した。

2016/10/20 志賀原発に雨水流入、「安全機能、失う恐れも」


こんな電力会社にまかせていて大丈夫だろうか。



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