日本原子力発電、米社と原発の保守や運転を手掛けるJVを設立

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日本原子力発電
(日本原電)は4月13日、米国の電力大手Exelon Corporationと、原発の保守や運転を手掛ける折半出資の合弁会社 JExel Nuclear㈱ を日本で設立したと発表した。

日立製作所の英国子会社のHorizon Nuclear Power が英国Anglesey島のWylfa Newydd で進めている原発プロジェクトに対し、運転保守に係るアドバイザリー業務を実施する。

Horizon Nuclear Power は、2基のUK ABWR (英国向け改良型沸騰水型原子炉) の 2019年後半の建設開始、2020年代前半の初号機運転開始をめざして 開発を進めている。

2017/4/10 日立の英国の原発計画は 前進

日本原電は2016年7月7日、日立製作所及びHorizon Nuclear Power との間で、Wylfa Newydd でのABWR の建設プロジェクトに関し、許認可段階における協力協定を締結した。

2016/7/9 日本原子力発電、日立の英国の原電事業に協力 

今回のJVは、操業開始後の運転保守に係るアドバイザリー業務を受託する。日本原電の長年に亘る原子力発電所の運転経験により培った技術力と、Exelon の優れた安全性と高い稼働率を実現させる運転管理モデル(Exelon Nuclear Management Model:ENMM)を活用する。

国際標準である米規制基準に沿ったExelon の原発運転技術などを取り入れるもので、JExel NuclearがExelon に技術供与の対価を支払う形になるとみられる。

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日本原電は、日本における原子力専業会社として 1957 年に設立された。日本における最初の商業用原子力発電所の建設や、その後の運転、廃止措置を含め、日本の原子力発電のパイオニアとしての役割を担ってきた。

同社の原発の状況は下記の通りで、再稼働の見通しは立っておらず、計画中のものの実現の可能性は少ない。

発電所 運転開始 型式 能力
万KW
状況
東海 1 1966/7/25 英国製黒鉛減速ガス冷却炉 16.6 1998/3/31運転終了
 2020年度に廃炉解体終了予定
2 1978/11/28 BWR 110.0 2014/5/20 再稼働申請
 PWR優先で審査停滞 
敦賀 1 1970/3/14 BWR 35.7 2015/3/17 廃炉決定
2 1987/7/25 PWR 116.0 2013/5/27 敦賀2号機直下の断層を活断層と断定
2014/11/5 再稼働申請 活断層断定で申請は初
3 計画中 APWR 153.8 見通しなし
4 計画中 APWR 153.8


このため、
海外展開に活路を探るが、これまではアジアなどの小規模なコンサルティングにとどまっている。

今回、Exelon と組むことで、アジアを中心とした海外展開を有利に運びたい考え。

なお、同社はこのほかに、原発の廃炉作業を支援する廃炉ビジネスを目指している。

同社は2016年4月20日、米国の廃炉専門会社であるEnergySolutions, Inc. との間で、敦賀1号機廃炉の効率的な遂行に向け、同社の有するノウハウを取得し、活用することで合意した。

将来の廃炉ビジネスに向け、事業の共同化の協議を行う。


Exelon Generation, LLC は、米国最大級の電力会社で、米国とカナダで事業を展開している。

原子力、ガス、風力、太陽光、水力で 33,300 メガワット以上の発電能力を有しており、原子力部門では、米国で23基の原発(BWR 14 基、PWR 9 基)を所有し、独自の運転管理モデルを用いて、優れた安全性と高い稼働率を実現させている。

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