日立の英国の原発計画は 前進 

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日立製作所は4月5日、子会社の英国の原発事業開発会社の Horizon Nuclear Power が、英国Anglesey島のWylfa Newydd の原子力サイトライセンスを英国原子力規制庁(Office for Nuclear Regulation) に申請し、受理されたと発表した。

同社は2基のUK ABWR (英国向け改良型沸騰水型原子炉) の 2019年後半の建設開始、2020年代前半の初号機運転開始をめざして 開発を進めている。

サイトライセンスは、原子炉の建設および運営に関する英国原子力施設法に基づき、原子力規制庁から許可されるもので、今後、19 ヵ月間にわたる厳格な審査を通して、申請者のHorizon が規制義務を履行可能な適格な法人であること、建設予定地において安全に関る全ての作業を管理・統制し、これを実証できるかなどについて評価される予定 。

東芝が英中部Sellafield で合計出力360万キロワットの原発建設を予定しているNewGeneration (NuGen)の完全売却も視野に入れて、「引き続き出資者の募集や持ち分売却を検討する」としている のに対し、日立は着実に海外事業の拡大を進める。

2017年4月5日 英国の原発事業会社 NewGeneration

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日立製作所は2012年10月30日、英国で原子力発電所の建設を計画している原発事業会社Horizon Nuclear Power の全株式を、同社株主のドイツのエネルギー会社 No.1のE.ON 及びNo.2のRWE から買収する契約を締結した。買収額は6億7000万ポンド(約850億円)。

合わせて、建設プロジェクトの計画・推進に向け、英国で原子力業界有数のBabcock InternationalRolls Royce、カナダの建設エンジニアリング会社SNC-Lavalin と協力覚書を締結した。

Horizon は、北ウエールズのAnglesey島のWylfa Newydd とSouth Gloucestershire のOldbury-on-Severn の2カ所で、5,400MW級以上の原発(1,300MW級をそれぞれ 2~3基)を建設する。
今回、Wylfa Newydd での2基について申請したもの。


第三世代原子炉である改良型沸騰水型原子炉(
ABWR)技術を用いる。

日立とGEのJVのGE Hitachi Nuclear Energyが高経済性・単純化沸騰水型原子炉(ESBWR:Economic Simplified Boiling Water Reactor)の設計認証を申請中だが、実績を優先した。

2012/11/1 日立製作所、英の原発会社買収


日本原子力発電(日本原電)は2016年7月7日、日立製作所及びHorizon Nuclear Power との間で、Wylfa Newydd で開発を進めているABWR の建設プロジェクトに関し、許認可段階における協力協定を締結した。

2016/7/9 日本原子力発電、日立の英国の原電事業に協力 

日英両政府は2016年12月22日、原子力分野で包括的に協力する覚書を結んだ。

日本政府は原発の輸出を促進するため、今後英国側と資金支援の詳細な検討を進める方針で、覚書では、日立傘下のHorizon Nuclear Power が英中部Wylfa Newydd で、東芝傘下のNuGenが英中部 Moorside(Sellafield)でそれぞれ計画する原発について言及した。

2016/12/27 日英、原発建設協力で覚書、日立・東芝の案件対象

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