ドイツのデジタル地図大手HERE Technologies、中国のネットサービス大手テンセントなど3社からの出資受け入れを断念

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ドイツのデジタル地図大手HERE Technologiesは9月26日、中国のネットサービス大手 騰訊控股(Tencent Holdings)、中国のデジタル地図大手 北京四維図新科技(NavInfo Co.)、およびシンガポールの国営投資ファンド GIC の3社からの出資受け入れを取り止めると発表した。米国の対米外国投資委員会(CFIUS)の承認を得られないのが理由。

但し、出資受け入れと同時に発表されていた戦略的パートナーシップ構築は行う。

HEREとNavInfoの折半出資による合弁会社は稼働した。これによりHERE は中国で位置情報サービスを開始する。
両社は
中国で、及びグローバルに自動車やその他のいろいろな分野で協力する。

HEREとTencentは戦略的協力関係を深める。Tencentは自社の製品にHEREの 地図サービスや位置情報ツールを使用する。

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HERE は2016年12月27日、中国向け位置情報サービスの開発に向け、TencentおよびNavInfoと戦略的パートナーシップを構築すると発表した。

戦略的提携のもと、HEREとNavInfoは折半出資による合弁会社を中国に設立し、中国を含む世界のさまざまな産業を対象にした地図サービスの展開を図る。
合弁会社を通じてHEREは中国向けサービスを拡大し、NavInfoの広範なデータを活用する。
HEREとNavInfoは、自動運転車向けの高度な位置情報サービスの構築と配備でも協力する。
TencentはHEREの地図サービスや位置情報ツールを、傘下の中国および世界向けインターネットサービスで採用する。

戦略的提携とは別に、TencentとNavInfoおよび シンガポールのGICがHERE株式の合計10%を取得することでも合意した。

HEREは、米 GoogleとオランダのTomTomと並ぶ世界3大デジタル地図情報サービス会社の1社で、現在、約200カ国でを展開している。
欧米で販売されているカーナビ搭載自動車の8割が、ヒアのデジタル地図を利用している。

元々はフィンランドの携帯電話メーカーであるノキアの地図事業部門で、ドイツの自動車メーカーBMW、VolkswagenのAudi、Daimlerのコンソーシアムが、2015年にフィンランドNokiaから約25億ユーロで買収した 。

Amsterdamに本拠を置き、Chicago、Berlin、Mumbaiに開発拠点を持つ。

3社による株式取得については、2017年1月にドイツの承認を得ている。

しかし、対米外国投資委員会(CFIUS)はこれを認めなかったとされる。CFIUSのレビューは非公開で、内容については確認もコメントもしない。HEREは、関係者は承認を得るのは無理との判断をしたと述べた。

米国はオバマ前政権時代から中国への半導体技術の流出を阻止してきた。
トランプ米大統領は9月13日、中国系投資ファンドCanyon Bridge Capital Partners による米半導体メーカー Lattice Semiconductor の買収を阻止する命令を出した。
ホワイトハウスが米国の安全保障リスクを理由に海外の買い手による投資を拒否するのはここ 4半世紀余りで4度目となる

2017/9/18 米、中国系ファンドによる半導体メーカー買収阻止

しかし、CFIUSが少数株主の出資を認めないのは初めて。

2016年に中国の清華紫光 (Tsinghua Unisplendour) がWestern Digital に15%の出資をきめたが、CFIUSの審査対象であることが分かり、取引を中止した例はある。

なお、HEREは9月19日、日本のパイオニアとの相互出資を発表した。戦略的協力関係を強化する。

HEREはパイオニアの増資に応じ、増資後の株式の3%を出資する。パイオニアは同金額(1730万ユーロ)でHEREの1%弱を取得する。

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