アジア太平洋貿易協定で決まっていた関税引き下げで、他にも多くの製品の関税が引き下げられる。対象品目数は8549で、インドや韓国などの海産物、生花、果物や野菜などの農産品、医療用品、飲料品、有色金属製品、化学品、鉄鋼製品、アルミ製品、タイヤ、エンジンと専用部品などの関税率が、これまでの最恵国待遇税率よりも下がる。
採種用大豆は元々最恵国待遇税率が0%であるが、採種用大豆、黄大豆、黒大豆、青大豆、その他の大豆の5つの税則番号に含まれる製品が7月1月から3%がすべてゼロになる。
税率改正 http://gss.mof.gov.cn/zhengwuxinxi/zhengcefabu/201806/P020180626540874117547.pdf
2017年初めには改定交渉を終え、2017年7月に発効する予定が遅れていた。
米国は6月15日、中国の知的財産権侵害への制裁措置として、中国による知財侵害の被害額と同規模の500億ドル分の中国製品に25%の追加関税を課すと発表したが、中国商務省は6月16日、報復措置として、659品目、総額500億ドル規模の米国製品や農水産品に25%の追加関税を課すと正式発表した。
7月6日に発動する第1弾の追加関税は下記の545品目、約340億ドル相当。
大豆、牛肉、豚肉、鶏肉、水産物、じゃがいも、たまねぎ、キュウリ、ホウレンソウ、マンゴー、オレンジ、ブドウ、りんご
ウイスキー、たばこ、綿花、乗用車、電気自動車など米国産大豆は中国が輸出先の6割を占めている。
原油、天然ガス、石炭、エチレン、医療器具など資源エネルギー分野を中心とした114品目、約160億ドル 相当は後日、発動日を公表する。 航空機は対象から外れた。
2018/6/16 米、対中制裁関税 発動へ、中国も報復
中国は世界最大の大豆消費国で、9割を輸入に頼っている。今回の関税撤廃は米国との貿易摩擦激化に備え、調達先を増やす狙いがあるとみられる。
但し、インドは世界4位の大豆生産国だが、消費量が上回り、輸出に回す余力は少ない。他の4国も輸出余力はない。
WTOルールでは一部の国の特定商品に限り関税を下げることは出来ない。今回は、アジア太平洋貿易協定の改定ということで引き下げが可能となる。
アジア太平洋貿易協定は、1976年に「バンコク協定」として韓国、インド、スリランカ、バングラデシュ、ラオスの5カ国でスタートし、その後、中国が加盟した。2006年から「バンコク協定」と改称した。
モンゴルが参加を決め、国内の承認手続きを進めている。
自由貿易協定ではなく、特恵貿易協定で、原産地基準のもと、協定国からの特定品目に対して、特恵関税が適用される。
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中国政府はこれとは別に、7月1日から自動車や家電製品、衣服など日用品の輸入関税を引き下げる。中国市場の対外開放をアピールし、米国の保護主義を警戒する国際社会の支持を取り付ける狙いだ。
中国財務部は5月22日、税委会公告〔2018〕3号を出し、輸入自動車及び自動車部品に対する関税を引き下げると発表した。自動車については、現在税率が25%の(関税番号での)135種と現在20%のトラック4種を引き下げ、全て15%にする。
自動車部品については、現在、8%、10%、15%、20%、25%の(関税番号での)79種を引き下げ、全て6%とする。
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2018/6/6 中国、日用品の関税を引き下げ、日本での爆買いに影響?
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