OPECなど、原油減産を協議へ

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OPECと非加盟産油国は2019年の減産に向けた下準備に入った。

OPECや非加盟のロシアなどの一部産油国でつくる減産の監視委員会は11月11日の会合で、世界経済の減速から来年は原油の供給が需要を上回るとの見通しを示した。
これまでは供給不足の懸念から減産を緩和して生産を増やしてきたが、12月のOPEC総会では、一転して協調減産の期間延長など来年以降の減産の具体策が話し合われる見通しになった。

サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は11日にアブダビで記者団に対し「われわれは責任ある産油国として妥当な範囲内に市場を均衡させるため懸命に取り組む方針だ」と発言、季節的要因もあってサウジ産原油の需要が「徐々に縮小しつつある」ため、輸出を減らす方針だと説明した。サウジは12月の原油輸出を11月に比べて日量50万バレル減らす。

アナリストは、「対イラン制裁を巡る適用除外は予想より大きかったため、サウジはイラン産原油の減少分を補うために実施した生産を減らすことで責任を果たそうとしている」と分析した。

これに対し、トランプ米大統領は11月12日、「できることならサウジアラビアとOPECは原油生産を削減してほしくない」とツイッターに投稿した。「原油価格は供給に基づいてもっと下がるべきだ!」と訴えた。

Hopefully, Saudi Arabia and OPEC will not be cutting oil production. Oil prices should be much lower based on supply!

大統領のこの発言で、供給過剰への警戒心が増幅され、狼狽売りが出たとされ、原油価格は1年ぶりの安値を付けた。


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OPECは2016年11月30日にウィーンの本部で開いた総会で、8年ぶり(国別)の減産で合意した。

2016/12/5 OPEC、8年ぶり減産合意 

OPECとロシアなどの非加盟の主要産油国は2016年12月10日、ウィーンのOPEC本部で閣僚会合を開き、協調減産で合意した。

参加国と減産量は下記の通り。(千バレル)

ロシア 300
メキシコ 100
オマーン 40
アゼルバイジャン 35
カザフスタン 20
バーレーン 小計  
63
ブルネイ
赤道ギニア
マレーシア
スーダン
南スーダン
非加盟国合計 558
OPEC 1,164
合計 1,722


2016/12/12 OPEC と非加盟国、原油の協調減産で合意


OPECとロシアなどOPEC非加盟の主な産油国は2017年11月30日、ウィーンで会合を開き、2018年3月までとしている現行の減産期限を9カ月延ばすことを決めた。

2017/12/2 OPECと主要非加盟国、原油減産の継続を決定

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2018年5月8日、トランプ米大統領は欧米など6カ国とイランが結んだ核合意から離脱すると表明した。核合意に基づく対イラン経済制裁を再開する大統領令にも署名した。

イランの石油業界とビジネスを行っている企業への制裁は11月5日に再開される。これにはイラン中銀と大きな取引を行っている外国金融機関への制裁も含まれる。

2018/5/10 トランプ大統領、イラン核合意離脱表明  

過去の平均では、イランの国家歳入のおよそ54%が石油収入であるが、トランプ大統領はこれを締め上げることでイランの経済を破綻させ、全ての核関連施設での国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れや弾道ミサイル開発の停止などをさせようとしたものである。

しかし同時に、イランの石油が市場から消えることで原油価格が上昇し、米国経済に悪影響を与えることを恐れた。

大統領は6月末にサウジ国王に電話し、増産を要請した。国王は「必要があれば原油増産が可能であり、サウジには日量200万バレルの生産余力がある」と述べた。

OPECは6月23日、非加盟産油国との閣僚会合を開き、協調減産を7月から一部緩和することで合意したが、これは行き過ぎた減産を当初の目標まで戻すもの。

OPECと非加盟10カ国は2017年1月から日量180万バレル(加盟国で120万バレル、非加盟国で60万バレル)の協調減産をしてきたが、実際には100万バレル程度多い280万バレル規模で減産されてきた。

このため、ÓPECと非加盟国を合わせ現状よりも日量100万バレルほど増やし、日量180万バレルの減産幅を厳守することを確認した。

米国の対イラン制裁などによる供給不足の懸念を拭えるかは不透明な部分もある。

大統領は11月の中間選挙を控え、原油価格のアップでイラン問題が争点化するのを避けるため、躍起になって動いた。

米エネルギー省は8月20日、原油輸入停止などの際に使う戦略石油備蓄を10月1日から11月30日に1100万バレル放出すると発表した。日量ベースで約20万バレルを売却する。
サウジには強く増産を要請した。

しかし、OPECとロシアなど主要非加盟産油国は、9月23日にアルジェリアで開いた会合で 、原油の増産を見送った。
サウジアラビアとロシアは、即時の追加増産は必要ないとの認識を示し、原油価格押し下げを求めるトランプ米大統領の要求を実質的に退ける形となった。

米国は11月5日午前0時過ぎから、イランへの制裁を再開した。ホワイトハウスは制裁が「史上最強」のものになると強調している。

ポンペオ長官は、イラン産原油の主要輸入国である日本、中国、インド、韓国、トルコ、ギリシャ、イタリア、台湾に対しては、180日間イラン産原油の輸入を容認する方針を明らかにした。

2018/11/8 米国、イラン経済制裁を再開

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