ジャパンディスプレイ 株主総会

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ジャパンディスプレイ(JDI)は6月18日、都内で株主総会を開いた。

取締役5人の選任と、補欠監査役1人の選任の2つの議案はすべて賛成多数で可決されたが、支援に名乗りを上げていた台中3社連合の一角が離脱するなど二転三転する再建案に株主から批判が相次ぎ、経営陣は弁明に追われた。

ジャパンディスプレイは、台中連合の各社が6月14日に支援の内部機関決定を行うとの発表をしていたが、6月14日夕刻、まだ通知を受け取っていないと発表した。

JDIは17日、台湾タッチパネル大手の宸鴻光電科技から交渉離脱の通知を受けたと発表した。

2019/6/17 ジャパンディスプレイ、苦境に

10月に社長に就く菊岡稔・常務執行役員は、台湾勢が抜けた穴を埋めるため、香港ヘッジファンドのオアシス・マネジメントなどと「800億円はきちんとした形で調達できるよう交渉している(下表の右参照)」とし、他にも「国内事業会社を中心としたグループや海外の事業会社から(出資の)意向表明を受けている」と説明した。

しかし、いずれも確約ではなく、各社が今後機関決定するというだけである。

JDIは4月12日、台湾の電子部品メーカーなど3つのグループで構成する台中連合から800億円の金融支援を受けると発表した。

当初予定では6月18日のJDIの定時株主総会で最終的に承認を受ける予定だったが、台中連合が金融支援に必要な機関決定を延期すると相次ぎ表明した。

JDIは5月30日、同社に対する支援策が確定したことを発表した。Apple及びINCJによる支援を材料に説得した。

しかし、台中連合各社は期限の6月14日に機関決定をせず、うち1社は離脱を表明した。

このように、これまでのJDIの発表はいずれも実現していない。

今回の案も各社が6月27日までに機関決定を諮るというだけで、決まったものではない。また、仮に決まっても、なんらかの条件がつく可能性もある。

また、仮に決まっても、中国勢がメインとなった場合、米国からなんらかのクレームがつく可能性もある。

その間、資金の外部流出は続いており、仮に今回の案が実現しても、更なる資金手当てが必要である。

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JDI資本計画

台中連合(Suwa) INCJ
普通株式 420億円
転換型優先株式 1,020億円
第2回CB 180億円
第3回CB 200億円
合計 800億円 1,020億円
総計

1,820億円

台中連合の状況

付記  台湾のCosgrove Global(富邦グループ)からも交渉離脱の通知

内訳

2019/6/17 JDI 発表

億円 比率 百万$ 状況 あり得る
ケース
台湾 TPK Holding
宸鴻集団
タッチパネル大手 250 31.25% 230 離脱 通知受領
Cosgrove Global 一族富邦金控が運用・管理する投資会社 140 17.50% 130 機関決定の通知 未受領
  →離脱 通知
中国 Harvest Tech Investment Management
嘉実基金管理)
中国最大の資産運用会社 Harvestグループ のプライベートエクイティ投資を行う運用会社 410 51.25% 390 190百万ドルについては200百万ドルに増、6/27までに機関決定
200億円についても機関決定。

200百万ドル
(215億円)
200億円
不足の場合、更に200百万ドル出資、
6/27までに機関決定
200百万ドル
(215億円)
Oasis Management 離脱社代替 150百万ドル 
6/27までに機関決定
150百万ドル
(160億円)
合計 800 750 800億円



         

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