Brexit の延期 濃厚に

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英議会下院は10月22日夜、ジョンソン首相がEUと合意した離脱協定案の批准に必要な関連法案について、スピード審議を可能にする動議を反対多数で否決した。政権がめざす10月末の離脱に向けた法案の早期成立は絶望的になった。

EU側は「合意なき離脱」はないとしており、3度目の延期となる見通しが強まった。

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下院は10月19日土曜日に、「新協定書に基づく法律が可決されるまで離脱協定案承認を棚上げする」との第1の議案を 322対306で可決した。政府提出の新協定案などの残り3議案の投票は中止となった。

ジョンソン首相はEUに離脱期限延長を要請する書簡と、離脱を先延ばしにしたくない旨を表明する書簡を送付 、期限通り10月末に離脱することはなおも可能だと主張した。

2019/10/20 Brexit 協定案、採決先送り


10月21日、下院は離脱に必要な関連法案の審議手続きに入ったが、議事進行をめぐり、空転 した。

首相は、離脱協定案の採決を優先して行うよう下院に要請 したが、議長は却下した。

1604年にさかのぼる議会規定で、首相は同じ質問を何度も問うことはできないと指摘。「動議は本質的に同じ内容であることは明らかだ。動議の審議は繰り返しであり秩序を乱すことになるため、本日は審議しない」

下院院内総務は、「24日までに関連法案の下院での手続きを終わらせたい」と述べた。


10月22日、首相は、もし議員が首相の日程案を拒否し、EUが延期を認めた場合、総選挙を行うと述べた。

同日、下院はまず、離脱関連法案の大枠での賛否を問う「第二読会」議案を329対299で可決した。保守党285、独立グループ25(主として保守党離脱者)に最大野党・労働党の19人の議員が賛成した。

議会の審議は以下によって行う。第二読会で法律原案の概要の審議を行い、 その後、関係委員会で詳細審議をする。

下院(第一読会 ⇒ 第二読会 ⇒ 関係委員会 ⇒ 下院本会議 ⇒ 第三読会)⇒ 上院
 第一読会と第三読会はほとんど形式的過程。

しかし、その直後に、離脱関連法案を早期に成立させるために政府が提出した「議事進行動議」を308対322の僅差で否決した。

法案の下院審議を10月24日に終わらせ、月内の成立をめざす内容だった。通常は数週間かかる審議を3日間に縮めようとする政権の強引さに反発が広がり、否決された。

否決後、ジョンソン首相は「立法手続きを中断する」と述べ、今後についてはEU各国首脳と協議する考えを示した。

議席数

投票 「第二読会」議案 「議事進行動議」
賛成 反対 賛成 反対
保守党 288 287 285 285
民主統一党(DUP) 10 10 10 10
(与党) (298) (297)
労働党 244 242 19 217 5 233
スコットランド国民党 35 35 35 35
自由民主党 19 19 19 19
独立グループ 34 34 25 8 18 15
The Independent Group for Change 2 2
Change UK 5 5 5 5
シンフェイン党 7
ブライドカムリ 4 4 4 4
緑の党 1 1 1 1
無所属 0
議長 1
合計 650 639 329 299 308 322

投票せず:議長、副議長(保守1、労働2)、Sinn Fein党7 合計11


EUのDonald Tusk 大統領は「合意なき離脱を避けるため、EUの27加盟国に延期の要請を受け入れるよう勧める」と述べた。

ジョンソン首相は、今も10月末に離脱するのが方針だとEU首脳に伝えると述べた。

官邸は、EUが延期を受け入れるなら、唯一の方向は総選挙だと述べた。

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