ジョンソン英首相は10月2日、メイ前首相がまとめたEU離脱案の核心部分を大幅に変更する代替策を明らかにした。最終提案をJuncker委員長に送り、電話会談を行った。
Juncker委員長は提案を歓迎する一方で、「さらに取り組む必要がある問題点がまだ幾つかある」と述べ、受け入れへの懸念も指摘した。
政府高官は「これが英国からEUへの最後の提案だ」と強調、EUが拒否するなら、政府は「合意なき離脱」の道を選ぶと圧力をかけた。
2019/10/4 英首相、Brexitの最終代替案提示
欧州議会は10月3日、英国の新提案について、欧州議会ブレグジット問題対策グループの協議の結果、「EUとアイルランドが必要とする安全策が含まれていない」との見解で一致したと発表した。現時点での新提案の受け入れには難色を示した。
対策グループの座長は下記を問題とした。
- 通関手続きがどこで、どのように行われるのか具体的な説明がなく、運用可能性に疑問がある
- 通関検査が行われれば、アイルランド島全体としての経済の統合を毀損する
- 判断を北アイルランド議会に任せる点が不安(一方的な決断がされかねない)
英国とEUは10月4日、協議を行った。
EU側は同日夜、次のように述べた。
本日協議を終えた。英側の提案にコメントし、多くの質問を行った。
英側の提案は協定書を結ぶベースにならない。
英国側は立場を根本的に修正する必要がある。
10月7日(月)に再度会い、詳細な提案を行う機会を与える。
英側は、EU側が問題とする点について週末に協議し修正したいとしたが、EU側は拒否した。
週末に協議をすると、交渉が進んでいる印象を与えるが、実際には差が大きすぎるとしている。
英議会は、17~18日のEU首脳会議で新たな合意が結ばれなかった場合、EUに延期を要請するよう首相に命じる法律を可決している。首相は法廷で、法律に従うことを約束したが、英国は何があろうとも10月31日にEUを離脱することに変わりはないと主張している。約束を破ることなく、合法的にこの法律を回避する方法を模索していると報じられた。
10月4日の夜、EUソースは、英国がハンガリー政府に対し、延期の要請を拒否するよう求めたと述べた。延期には27カ国全部の賛成が必要である。
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