米上院でのトランプ大統領の弾劾裁判で、1月31日に新たに証人を招致するかどうかの議決が行われ、49対51で否決された。
与党共和党では、幹部による説得で招致に賛成していたTennessee州選出のLamar Alexander、アラスカ州選出のLisa Murkowski が反対票を投じ、最終的に招致賛成はメイン州選出のSusan Collins、ユタ州選出のMitt Romneyの2議員にとどまった。
共和党 | 民主党 | 民主系 無所属 |
合計 | |
賛成 | 2 | 45 | 2 | 49 |
反対 | 51 | 0 | 0 | 51 |
合計 | 53 | 45 | 2 | 100 |
弾劾には2/3以上の賛成が必要で、無罪となることがほぼ確定した。
2月3日に最終弁論が行われ、陪審員役の上院議員による評決は、2月5日午後4時(日本時間6日午前6時)に行われる。
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米上院で1月16日、トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾裁判が開廷した。
共和党の McConnel上院院内総務が1月20日、裁判の進め方に関する決議案を提出した。
2020/1/23 トランプ大統領の弾劾裁判が開廷
1月22日~24日に検察官役の野党・民主党の下院議員団による意見陳述が行なわれ、今すぐ罷免すべきだと主張した。また、新たな証人招致や証拠文書の提出も要求した。
ニューヨーク・タイムズが1月26日に、近く刊行されるジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の著書の草稿について報じ、ボルトン氏は著作の中でウクライナへの支援は調査が交換条件だとトランプ氏から聞かされたことを明かしていると伝えた。民主党はボルトン氏を証人喚問する必要がなお一層強まったと主張した。
1月25日(土)~28日に、トランプ氏の弁護団による冒頭陳述が行なわれ、「大統領は何の法も犯していない」と強調、改めて無罪を主張した。
トランプ大統領はボルトン氏が記した会話を否定し、一切の不正行為はないとしており、たとえボルトン氏が言う通りの会話が実際あったとしても、弾劾訴追に値する罪ではないと主張した。
大統領は再選に意欲を示しており、同氏の運命に関する決定は有権者に委ねるべきだと述べた。
また、新たな証人招致は下院の弾劾調査の仕事で、上院がやるべきではないとも主張した。
1月29日~30日に質疑応答が16時間行われた。
ボルトン前補佐官の証人招致を求める検察官役の民主党の下院議員とこれを阻止したい大統領の弁護団が攻防を繰り広げた。
これまで4人の共和党議員も招致に前向きな姿勢を見せ、証人招致の可能性が出ていたが、党幹部が引き締めを強め、共和党は証言阻止に必要な過半数の反対票を固めた。
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