BCGとCOVID-19(補足)

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さきに 2019/4/7「BCGはCOVID-19に効くか?」を書いた。

まとめ:

①広範なBCG接種をしている国は死亡率が低い。現在やっていない国は総じて死亡率が高い。

②ワクチンのうち、ソ連株、日本株を使う国は死亡率が低い。死亡率が高い国はDenmark株が多い。

③これが偶然の一致ではなく、BCGについては実際に効果がある可能性もある。

ワクチンの有効性についての臨床テストが開始された。

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国別のBCG接種状況を示す図を見付けた。2011/3 時点のもの。



全員実施をしたことがない国は米国・カナダとイタリア、オランダ、ベルギー。

アイルランドは1937年に早くも導入したが、EU各国が中止ししたためか、2015年にワクチンがなくなり、それ以降生まれた子は接種されていない。
国家予防接種助言委員会等により「アイルランドではすべてのこどもの定期予防接種とする必要はない」との勧告が出されている。

イランも上図では「現在も実施」になっているが、現在は実施していない。


前回、宮坂教授の資料を本ブログが組み換えたものを表示したが、今回、最新の死亡数を折り込み、組み換えた。
  国別死亡数の推移資料 https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/death.html

隣接する国を対比させたが、BCG注射により差があることが分かる。
アイルランドと英国の北アイルランドの間には国境検問はなく、自由に行き来しているが、アイルランドの死亡率は北アイルランドの半分以下である。
なお、ドイツとフランスはともに現在は接種していないが、差が大きい。理由は、ドイツの医療体制(早期対応を含む)とされる。

豪州は現在は接種をしていないが死亡率は低い。地理的に隔離されていること、このため準備期間が長いこと、及び医療体制によるとされる。

現在もBCG注射を実施している国々は、時間が経っても死亡率はほとんど増えない。

100万人当たり
死亡
BCG注射実施 BCG亜株
元資料 4/11 現在も 過去に 実施せず
米国 27.2 56.7 X TICE BCG 実施なし
・・ イタリア 253.9 311.8 X Denmark BCG 実施なし
フランス 120.6 202.2 Denmark
ドイツ 17.5 30.4 Denmark 医療体制?
オランダ 146.5 X BCG 実施なし
ベルギー 260.5 X
スペイン 259.7 338.9 Denmark
ポルトガル 25.1 42.7 Denmark
英国 69.6 132.0 Denmark 1952年導入、2005年終了
アイルランド 58.1 Denmark 1937年に導入、現在中断
スウェーデン 40.1 86.1 Denmark
ノルウェー 12.9 17.0 Denmark ごく最近中止
イラン 46.7 50.4 Pasteur1173P2(後期型)
イラク 1.8 1.7 Japan
豪州 1.4 2.1 Connaught 地理的に隔離、医療体制?
トルコ 6.9 11.9 ソ連/Bulgaria
韓国 3.7 4.1 1種以上
中国 2.5 2.3 ソ連/Bulgaria
日本 0.6 0.7 Japan
台湾 0.2 0.2 Japan?


なお、米国は過去にBCG接種をしたことがないのに、欧州諸国と比べ死亡率は低いが、これは時期の問題と思われる。
欧州で蔓延して暫くしてから流入して広がった。欧州では収まりかけているように見えるが、米国(カナダも)は現在もなお増え続けている。

4/11で米国の死者は2万人を超え、イタリアを上回り最多となった。うち、New York州の累計の死者は8600人を超えた。
世界の感染者は177万人で、うち米国が51万人となっている。


主な感染経路は、中国→イタリア(欧州)→米国、中国→日本とみられるが、相関関係は下記の通り。
日本の死者発生は米国と同時期だが、増加率は極めて低い。

上記の国別死亡数の推移資料から作成

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