BCGとCOVID-19(その3)

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さきに2019/4/7「BCGはCOVID-19に効くか?」、2020/4/13 BCGとCOVID-19(補足)を書いた。BCGとCOVID-19の関連についての仮説を確かめた。

2週間後の状況を調べてみた。

100万人当たり死亡  

BCG注射実施 BCG亜株  
元資料 4/11 4/26 現在も 過去に 実施せず
米国 27.2 56.7 160.7     X TICE BCG実施なし
・・ イタリア 253.9 311.8 436.4     X Denmark BCG実施なし
フランス 120.6 202.2 346.5     Denmark  
ドイツ 17.5 30.4 67.3     Denmark 医療体制?
オランダ   146.5 240.3     X   BCG実施なし
ベルギー   260.5 596.8     X  
  スペイン 259.7 338.9 481.8     Denmark  
ポルトガル 25.1 42.7 86.3     Denmark  
  英国 69.6 132.0 299.3     Denmark 1952年導入、2005年終了
アイルランド   58.1 215.3     Denmark 1937年に導入、現在中断
  スウェーデン 40.1 86.1 217.1     Denmark  
ノルウェー 12.9 17.0 35.6   Denmark ごく最近中止
  イラン 46.7 50.4 66.4     Pasteur1173P2(後期型)  
イラク 1.8 1.7 2.1     Japan  
豪州 1.4 2.1 3.2     Connaught 地理的に隔離、医療体制?
トルコ 6.9 11.9 32.1     ソ連/Bulgaria  
韓国 3.7 4.1 4.7     1種以上  
中国 2.5 2.3 3.2     ソ連/Bulgaria  
日本 0.6 0.7 2.8     Japan  
台湾 0.2 0.2 0.3     Japan?  



1) BCG全員注射をやったことのない4か国の死者は極めて多い。米国はまだ増えている。

2) 現在もBCG注射をしている国は、現在はしていない国境を接する隣国に比し、著しくひくい。

ポルトガル(86.3) vs スペイン(481.8)、ノルウェー(35.6) vs スウェーデン(217.1)、イラク(2.1) vs イラン(66.4)。

なお、アイルランドは当初、英国に比し著しく低かったが、急速に近づいている。

アイルランドは1937年に早くも導入したが、EU各国が中止ししたためか、2015年にワクチンがなくなり、それ以降生まれた子は接種されていない。
国家予防接種助言委員会等により「アイルランドではすべてのこどもの定期予防接種とする必要はない」との勧告が出されている。

3) 現在もBCG注射をしている国のなかでは、ポルトガル(86.3人)とトルコ(32.1人)が多い。他は全て5人未満。

ポルトガルの理由は不明。トルコについては多くの難民(注射をしていない)が含まれているのかどうか。

BCG全員注射をやったことのない4か国(160人以上)と、現在もやっている残りの国(5人未満)との差は驚くほど大きい。

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4) 現在BCG全員注射をやっていない国では、オーストラリア 3.2人(と ニュージーランド 3.7人)が極めて低い。地理的に隔離されていること、そのため準備期間が長かったことが理由か?

5) イタリア、オランダ、ベルギー、及びフランスに囲まれ、当初は相互移動が自由であったドイツが、現在BCG注射をやっていないにもかかわらず、死亡率が低いのが目立つ。

付記 下記の点が分かった。

上記でドイツはDenmark株としているが、これは旧西独の話で、旧東独ではソ連/Bulgaria株であった。いずれも1998年に接種の義務付けを中止した。
22歳以上の国民は予防注射をしているが、BCG亜株が異なっている。

上の統計の通り、ワクチンのうち、ソ連株や日本株を使う国は死亡率が低く、死亡率が高い国はDenmark株が多い。

報道によれば、旧西独地区の死亡率は旧東独地区の死亡率の3倍強という。

但し、統合時の西ドイツの人口は6,200万人、東ドイツは1,800万人で、亜株の違いによる影響は小さい。



これらから見ると、BCG注射が何らかの関係があるのではと思われる。

感染に影響するかどうかは、特に日本の場合、検査対象がごく一部に限られるため、不明であるが、少なくとも死者については関連がみられる。

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