東芝、2分割案の検討中断、非公開化も検討 エレベーター事業等の売却を再検討

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東芝は4月7日、取締役会を開き、社外取締役で構成する特別委員会を設置し、株式非公開化を含む戦略的選択肢を検討することを決めた。買収を検討する投資家との交渉にも関与し、最良の非公開案を特定するという。

既報の通り、米投資ファンドのBain Capitalが東芝の買収を検討しており、株式の非公開化を前提にした提案の策定を進めている ことが判明している。

2022/4/5 Bain Capital が東芝の買収を検討 

2分割案を主導してきた戦略委員会は解散、2分割案を前提としていたエレベーター事業等の売却手続きも中断する。

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東芝は2021年11月12日、事業をスピンオフし、3つの独立会社とする方針を決定した。

インフラサービス Co.デバイス Co. をスピンオフし、残る東芝は事業は営まず、キオクシアと東芝テックの株式を保有するというものであった。

しかし、「モノ言う株主」から3分割案に反対意見が出るなか、2022年2月7日に「会社を3つに分割する」という方針を一転して見直し、半導体などのデバイス事業だけを分離して2分割とすると発表した。

これに合わせ、キオクシアに対し、できるだけ早期のIPOを正式に要請するとともに、当初の「インフラサービスCo.」のうち、ビルソルーション(東芝エレベータ、東芝ライテック、東芝キヤリア)、及び当初の「東芝本体」の東芝テックは、注力事業との関係性が弱く、「非注力事業」とした。

ビル3社については、成長ポテンシャルを実現できるパートナーとの再編や外部資本の導入によって価値を顕在化すべきと判断した。

東芝テックについては、同社自身の中長期の成長プランを促進すべく、実務上可能な限り短期のうち同社と協働する とした。

2022/2/8 東芝 「3分割」を「2分割」に見直し


しかし、3月24日の東芝の臨時株主総会で会社を2分割にするという会社提案は反対多数で否決された。

2022/3/25 東芝株主総会、2分割案を否決 

「2分割案」でビルソルーション3社と東芝テックを「非注力事業」とし、早期の売却対象としたのは、実は、物言う株主(アクティビスト)を満足させようと編み出された側面が強かった。

東芝の大株主は、東芝経営陣が分割案にこだわる場合の条件として複数の事業売却によって株主還元の原資を捻出するよう求めていた という。


今回、2分割案そのものが否定され、そのための条件であった売却益の計上は不要になったため、売却交渉は一旦白紙に戻し、改めてこれらの事業をどうするかを協議する。

なお、空調子会社の東芝キヤリアについて、既に売却契約を締結しており、戻せない。

JV相手の米空調大手Carrier Corporation に保有する株式60%のうち55%を2月7日に譲渡し、保有比率は5%になった。売却額は約1,000億円。

東芝は1998年に世界最大の空調設備機器メーカーである米国Carrier Corporation との間で、 空調設備機器分野におけるグローバルな戦略的事業提携を行ない、1999年4月に東芝60%、米社40%出資で日本に東芝キャリアを設立した。

Carrier CorporationはUnited Technologies Corporationの空調設備事業部門会社で、 世界最大の空調設備機器メーカーとして、大型空調設備機器やコールドチェーン製品等を主製品とする。
東芝は小型エアコンや業務用マルチエアコン等を空調設備機器の主製品としていた。

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ビルソルーション(東芝エレベータ、東芝ライテック、東芝キヤリア)のうち、東芝エレベーターについては、多くの企業が関心を寄せているとされる。

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