米議会、「CHIPS法」を可決

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米上院は7月27日、国内半導体産業向けの補助金を含む「The CHIPS and Science Act of 2022」(「CHIPS法」)を64対33の賛成多数で可決した。
共和党 民主党 民主系 合計
無所属
賛成  17 46 1 64
反対  32 1 33
棄権 1 2 3
合計 50 48 2 100

下院は翌28日、これを可決した。バイデン大統領の署名を経て成立する。

共和党 民主党 合計 欠員
賛成  24 219 243
反対  187 187
棄権 1 1
合計 211 220 431 4

付記

バイデン大統領は8月9日、国内半導体産業支援法「CHIPS法」案に署名し、同法が成立した。

CHIPS法は、中国との競争を念頭に国内の産業競争力を強化する目的で議論が続けられてきた。中核的要素は、2021年度国防授権法に含まれた、半導体産業向けインセンティブ制度のCHIPSに527億ドルの予算を充当することにある。

国内半導体メーカーやその声を受けたバイデン政権からの強い後押しがあり、通商条項などを削除したかたちで上院可決に至った。

2022/7/27 バイデン大統領、半導体法案の早期成立訴え 

法案の総額は約5年で約2,800億ドルとなり、その多くはエネルギー省や商務省、国立科学財団(NSF)、国立標準技術研究所(NIST)といった連邦政府機関の研究開発プログラムなどへの予算の充当となる。

産業界向けのCHIPSに関する5年間で527億ドルの予算の内訳は次のとおり。

  1. 商務省製造インセンティブ(390億ドル):半導体の設計、組み立て、試験、先端パッケージング、研究開発のための国内施設・装置の建設、拡張または現代化に対する資金援助。
       うち、60億ドルは直接融資または融資保証に使用可能。
  2. 商務省研究開発(110億ドル):商務省管轄の半導体関連の研究開発プログラムへの予算充当。
  3. その他下記(27億ドル)

CHIPS for America Defense Fund (20億ドル)
CHIPS for America International Technology Security and InnovationFund(5億ドル)
Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors (CHIPS) for America Workforce and Education Fund(7億ドル)

上記のほか、半導体製造に関する投資に対して4年間、25%の税額控除を導入するとしている。

補助金を受け取る企業は、先端半導体の生産で中国に投資するのを10年間禁止される。

法案可決を受けて、米半導体産業協会(SIA)は「米国の経済、国家安全保障そしてカギとなる技術におけるリーダーシップの強化に向けた決定的な進展だ」との声明を出し た。

半導体とは別に、科学研究に対する5年間で約2000億ドルの予算も決められた。

National Science Foundation 810億ドル
Regional Technology Hubs   100億ドル
Dept of Energy       679億ドル、etc.

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