米国の中間選挙の結果について、11月11日に速報した。
2022/11/11 米国中間選挙、共和党の圧倒的勝利ならず 上院の確定は来月に
開票が遅れているが、現在の状況は下記の通りで、上院では民主党が主導権を維持することが確実となった。下院では、共和党が優勢だが、民主党も善戦している。
バイデン大統領は9日の記者会見で、最終的な選挙結果はまだわからないとしつつ、「報道や専門家は共和党が席巻する『巨大な赤い波('Giant red wave ')』を予測していたが、それは起こらなかった」と指摘し、政争よりも政権として優先すべき多くの課題があると強調した。
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上院は各州2名、任期6年だが、1/3ずつにクラス分けされ、2年ごとに選挙が行われる。今回はClass 3 の34名が改選となる。
ほかに、オクラホマ州選出の共和党議員(非改選のクラス2)が来年の引退を決めているため、特別選挙(補選)が行なわれた。
速報時点では3議席が未定であったが、現地時間11日の深夜、アリゾナ州は民主党候補が当確となり、タイとなった。ネバダは、開票率94%で48.5%対48.4%と大接戦 が続いたが、日本時間の13日正午頃、米各紙は民主党の勝利を報じた。これで民主系50 対 共和党49となった。
ジョージア州は既報の通り、過半数を得た候補者がいないため、12月6日に決選投票を行う。
仮にジョージア州で共和党が勝っても、選挙前と同じ50対50となり、上院議長である副大統領の票で決まるため、民主党が主導権を維持する。
共和党 民主党 民主系
無所属合計 未定 選挙前 50 48 2 100 非改選 30-1 34 2 65 改選 20 14 34 引退補選 1 1 選挙結果 19+1 14 34 1 合 計 49 48 2 99 1 50
下院は全員が改選で、8月以降に死亡、辞任した3人(共和党1名、民主党2名)を含め、435人が改選となった。過半数は218である。
ここでも民主党は善戦しており、大敗予想に反し、逆転勝利の可能性も出てきた。
共和党 民主党 欠員 未定 合計 選挙前 212 220 3 435 結果 211 203 21 435 増減 -1 -17 -3 21 過半数 218
米国では国勢調査が10年に1度行われ、そこで確定した州別の人口数に基づき、全435の下院議席数が各州に配分される。
2020年の結果により議席定数が増えたのは、テキサス、コロラド、フロリダ、オレゴン、モンタナ、ノースカロライナの6州で、テキサスの2議席増以外は全て1議席増となる。
逆に減ったのは、カリフォルニア、イリノイ、ミシガン、ニューヨーク、オハイオ、ペンシルベニア、ウェストバージニアの7州でそれぞれ1議席減となる。
米国民が北部から南部に移住している傾向が見て取れる。
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