米下院、今後2年間の下院運営を規定する内部規則を採択

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米下院は多数派の共和党のKevin McCarthy 院内総務を議長に選ぶ投票を1月3日に行ったが、共和党の下院議員222人のうち、20人が造反に回 り、賛成が有効投票数の過半数に達せず、議長の選任ができなかった。

説得により12回目で13人、13回目で14人が造反を取り下げ、Kevin McCarthy 院内総務に投票した。造反を続ける議員は6人に減った。
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月7日未明、15回目の投票で、ようやく新議長に共和党のKevin McCarthy 院内総務を選出した。

造反する保守強硬派の6名は"present"(名前を呼ばれて「出席」と答えたまま、投票しない)で棄権し、共和党のMcCathyが216票で有効投票426の過半数214票を2票オーバーし、ようやく当選した。6人は最後まで賛成せず、棄権して有効投票数を減らすことでMcCarthy 院内総務の議長就任に至った。

この過程で、造反した保守強硬派の議員連盟「Freedom Caucus」のメンバーは、賛成・棄権の条件として自派の主張を次々とMcCarthy 院内総務に呑ませた。

野党の共和党は下院では 222 対212 で民主党から主導権を奪い取ったが、10票差という小差であることを利用し、共和党内では少数派である「Freedom Caucus」のメンバーが共和党首脳陣をおどすことで下院の主導権を握った形となる。今後の運営でも同じ手法をとると思われ、混乱が予想される。

2023/1/7 米下院の議長選挙 、ようやく決着   


共和党が主導する米下院は1月9日、今後2年間の下院運営を規定する「内部規則 」 (rules package)を採択した。

220対213の賛成多数で法案を承認した。共和党のTony Gonzalez議員は民主党の212人全員と共に反対票を投じた。もう1人の共和党議員は棄権した。

共和党 民主党 合計 欠員
賛成 220 220
反対 1 212 213
棄権 1 1
合計 222 212 434 1

この規則は今後2年間の下院運営を規定するもので、共和党右派強硬派がMcCarthyの議長選任就任の承認の条件として求めていた 多くの重要な譲歩が含まれている。

主な内容:

・ 1人の議員がいつでも議長(Kevin McCarthy )の解任を要求できるようになった。

(従来は会派の半数の賛成、McCarthy 議員は議員5人での提出を認める妥協案を示して懐柔を図ったが、最終的に1人で動議を出せることを認めた。「Freedom Caucus」が反対する案を通すなら、いつでも解任動議を出すとの脅しである。)

・ 新型コロナのため議員が議場にいなくても代理議員を通じて投票できる例外措置を終了した。

・ Trump前大統領のサポーターの議場乱入事件調査やTrump自身の捜査などで連邦司法当局を「武器化 (Weaponization)」したことを調査する特別委員会の設置

司法省はフロリダ州南部地区連邦地方裁判所が求める手続きにのっとり、8月8日にトランプ氏所有の邸宅「マール・ア・ラーゴ」を捜索し、文書を押収した。

共和党議員は民主党を非難し、「もう十分だ。司法省は容認しがたい状態まで政治を武器化した。共和党が下院を奪還した際には、われわれは直ちに監査を行う」とツイッターに投稿した。

・ ペンディングになっている法案は、国民及び議員がレビューする時間を与えるため、投票の72時間前に公表する。

・ 増税阻止、支出カット推進

増税には下院の3/5の賛成が必要(過半数の218票ではなく、261票の賛成が必要)
支出カットのための色々なルール

・ 経済に影響を与える法案についてはインフレへの影響を評価

・ 下院を、もっと分かりやすく、透明かつ効率的に



なお、下院はこれから各委員会の委員を選任するが、McCarthyは、本会議にかける議案を決定する強力な権限を持つ下院 議事運営委員会にFreedom Caucus からより多くの議員が参加することを認めさせられた。

付記  議事運営委員会は定員13名で、与党共和党が9名、野党民主党が4名。今回、Freedom Caucus から3名が選ばれた。これが反対すると、与党(残り6名)は過半数の7名を下回ることになる。





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