Samsung SDIとGM、バッテリー生産のJV設立

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Samsung SDI とGMは2023年4月25日、EV用電池の製造JVを米国に設立することで合意したと発表した。尹錫悦大統領の米韓首脳会談のための訪米に合わせて発表した。

年産能力は30GWh以上で、30億ドルを投資し、2026年に大量生産を開始する。立地は米国内で選定中。

GMは、これにより北米でのEV能力を年間100万台以上にできるとしている。

Samsung SDI にとって米国で2番目の電池工場となる。

Stellantis N.V.は2021年10月18日にLG Energy Solutionと合弁会社を設立し、北米で電動車用の電池を生産すると発表したが、10月22日にSamsung SDIとも米国で合弁会社を設立し、電気自動車用の電池工場を建設する覚書を締結したと発表した。

Stellantisは両社との同時契約で、Samsung SDIの得意な、安定性が高いとされる「角形電池」と、LGの軽量で高出力な「パウチ型電池」の2種類を安定調達する狙いがあるとみられる。

Stellantis はこれまでもSamsungから「Fiat 500e」や「Jeep Wrangler 4xe」向けに電池供給を受けてきた。今回のJV設立で、両社の協力関係はさらに堅固になる。

Samsung SDIは現在、韓国と中国、ハンガリーで電池工場を持つが、米市場のEVシフトの潮流に乗り遅れないように米国進出を検討してきた経緯がある。(同社はミシガン州にバッテリーパックの組み立て工場は持っている。)

Samsung SDIは2017年5月にハンガリーのグドゥ(Goed)市に、蔚山と中国西安に次ぐ3つ目の工場を新設した。

  稼働
韓国(蔚山 5万台
中国(西安 4万台
ハンガリー(Goed 5万台
合計 14万台


2021/10/25 Stellantis、米国でSamsung SDI とも合弁でEV電池生産

GMは韓国LG Energy Solutionと米国内で3カ所の電池工場を稼働・建設中で、Samsung が2社目の合弁相手。両社とも調達・供給先を多角化してリスクを抑える狙いがある。

GMは2020年5月1日、LG ChemとのJVの"Ultium Cells LLC"が当局の承認を受け、23億ドルを投資するオハイオ州Lordstown の近辺のEV用バッテリー工場がスタートしたと発表した。

Ultium Cells LLCは2021年4月16日、テネシー州スプリングヒルに約23億ドルを投資し、新型電池Ultiumッテリーの工場を建設すると発表した。

GMは2022年1月25日、EVの生産能力の強化に向けて、米国で3つ目となる新たな電池工場の建設を発表した。Ultium Cells LLCが26億ドルを投じ、ミシガン州 Lansing に第3工場を建設する。電池生産の開始は2024年後半となる。

2022/1/28 GM、米国で3つ目の電池工場を建設、電気自動車生産投資も

LG Energy Solutionはこれ以外に、米フォード・モーターやステランティスとも電池合弁を組んでいる。

LG Energy Solutionは2023年3月24日、アリゾナ州Queen Creek の電池工場建設について、投資規模を7兆2000億ウォン(55億ドル、約7200億円)と大幅に増やし、計画を進めると発表した。

LG Energy Solutionの北米での電池工場は下記のとおりとなる。

単独:Michigan、Arizona(Queen Creek )
GMとのJV:Tennessee、Ohio、Michigan
StellantisとのJV:カナダOntario   2021/10/21 Stellantis N.V.、米国でLGと合弁で電池生産
ホンダとのJV:Ohio   2023/3/7 ホンダとLGの米バッテリー工場 起工式 

2023/3/28 LG Energy Solution、米国に大型電池工場 

(Ford の状況 )

Fordは米国では韓国のSK om (SK Innovation)とのJV Blue Oval SKを持つ。

2021/10/1 Ford Motor、114億ドルを投じ、電動ピックアップトラックと3つの電池工場を建設

LG Energy Solutionは2023年2月22日、Ford Motorと合弁でトルコに電池工場を建設すると発表した。Fordは当初、SK On とのJVを検討していた。

2023/2/24 Ford、トルコでの電池JVの相手をSKからLGに変更

Ford は2023年2月13日、ミシガン州Marshall近郊に35億ドルを投じて電気自動車(EV)用のリン酸鉄リチウムイオン(LFP) 電池製造工場 BlueOval Battery Park Michigan を建設する計画を発表した。

韓国のSK InnovationとのJVではなく、Fordの単独事業で、中国の大手電池メーカー、寧徳時代新能源科技(CATL)から技術のライセンス供与や技術支援を受ける。CATLは出資はしない。

フォード、ミシガンにEV用電池工場建設 中国CATLが技術支援

なお、SK On は現代自動車グループと米ジョージア州Bartow Countyに電気自動車用バッテリーの生産設備を建設する。詳細が4月25日に発表された。

http://www.knak.jp/blog/2022-12-2.htm#hyundai-sk

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