Western Digital、事業分割

| コメント(0)

米半導体大手 Western Digitalは10月30日、上場企業2社に分割すると発表した。同社はキオクシアホールディングスと統合すると報道されたが、交渉が破談に終わった。

2023/10/16 キオクシアとWestern Digital、経営統合へ 付記

同日、取締役会が一致して、ハードディスクとフラッシュメモリーの事業を分離する計画を承認した。


これにより、市場特有の戦略的焦点を持つ2つの独立した上場会社が作成され、各フランチャイズが革新的なテクノロジーと製品開発を実行し、独自の成長機会を活用し、各々のリーダーシップポジションを拡大し、異なる資本構造を持つ効率的な運営を行うことができるとしている。

分離は非課税の形で構築される予定で、2024年の後半を予定している。

同社は2023/7-9月(2024年度第1四半期)の決算も発表した。前年比大幅減益で、大幅赤字である。

(百万弗) 2023/7-9 2022/7-9
売上高 2,750 3,736
営業損益 -596 158
純損益 -685 27

同社の業績推移は下記の通りで、昨年後半からひどい状況が続いている。(図は日本経済新聞から)


キオクシアも、2023/4-6月期連結決算は売上高2511億円、1031億円の当期赤字を計上するなど業績が低迷している。

ーーー

キオクシアとWestern Digital は日本でNAND型フラッシュメモリーの生産を共同で行っている。

発端は1999年の東芝と米国のSanDiskとのNAND型フラッシュメモリ事業に関する提携の基本合意である。

2000年5月にNAND型フラッシュメモリの製造合弁会社FlashVision LLCを米国に設立、2002年4月に「フラッシュビジョン(旧:Flash Vision LLC)」を東芝四日市工場内に移転した。以降、共同で順次増設してきた。

詳細は 2017/4/14 東芝の半導体売却に新たな難問 

Western Digial はハードディスクドライブ(HDD) 専業メーカーで、2011年に日立から事業を買収して大きくなった。同社は2016年5月12日、SunDisk を190億ドルで買収した。

2017/5/5 Western Digital の歴史

Western Digial は現在、本来の事業のハードディスクドライブ(HDD) 事業と、SunDisk買収によりキオクシアと共同生産するNAND型フラッシュメモリー事業を行っている。

製品構成を広げる狙いだったが、事業間の相乗効果を十分に発揮できていなかった。

2022年5月に物言う株主の米国の投資ファンドのElliott Investment Managementなどが、「経営資源がHDDと半導体メモリーの2つに分散し、本来の企業価値を発揮できていない」として半導体メモリー事業の分離を要求した。

今回、この2つの事業を分割しようというもの。

コンピューターや携帯用機器などのメモリーに軸足を置くフラッシュメモリー事業をスピンオフする。残るハードディスク事業はクラウドデータセンター向けの大容量メモリー販売に注力する。


(現状)

(HDD事業)

  2025年にCloud向けを92%に増やす。

  現状の市場シェア 39%

(フラッシュ事業)

  

ソース 同社株主説明資料 

コメントする

月別 アーカイブ