米連邦最高裁は3月4日、トランプ前大統領の2024年大統領選への出馬は可能との意見書を公表した。判断は最高裁判事の全会一致。
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コロラド州、メーン州、イリノイ州は、2021年1月の連邦議会議事堂襲撃にトランプ氏が関わったことが、反乱に関与した人物の公職就任を禁じた憲法の修正条項に触れるとし、それぞれの州の予備選に立候補できないした。
合衆国憲法修正14条3項
第3節、アメリカ合衆国議会議員、国の機関の役人、州議会議員、あるいは州の行政及び司法の役人として、アメリカ合衆国憲法を支持することを以前に誓い、かつそれらに対する反乱に加わった者あるいはその敵に対して援助や同調した者は、アメリカ合衆国下院または上院議員、大統領および副大統領の選挙人、あるいは国または州の公的、軍事的役職に就くことはできない。ただし、アメリカ合衆国議会が各院の議席の3分の2以上で決した場合は、その禁止規定を排除する。
米連邦最高裁は2月28日、大統領の免責特権を認めるかどうかを審理すると発表した。4月22日の週に口頭弁論を開くとしている。付記 4月25日に行う。
最高裁は「前大統領が任期中の公務に関わると主張する行為に対する刑事訴追について、大統領の免責特権を享受するか、するとすればどこまで享受するか」を審理すると説明した。
2024/3/1 米最高裁、トランプ氏の免責特権について審理入りを決定
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3月5日には前大統領がその州の予備選に立候補できないとするコロラド州を含め予備選・党員集会が集中するSuper Tuesdayが控えているが、最高裁はその前日に意見書を公表した。
国家への反乱に加担した者が官職に就くことを禁じる米国憲法修正14条3項の規定が焦点となっているが、最高裁は無署名の意見書で、「連邦政府高官や候補者に対して3項の規定を執行する責任は州ではなく議会にある」と述べた。
今回の連邦最高裁の判断により、他の州のこれに関する動きは事実上全て終了する。
最高裁の意見書は下記の通り。
コロラド州最高裁は、大統領候補が立候補できるかどうかを州が決めることができると誤って考えている。
州に判断を委ねれば、同じ候補者について州ごとに異なる判断が出る可能性がある。
連邦の役員について憲法修正14条3項の規定をどう適用するかを決めるのは州ではなく連邦議会である。どの州も同じである。州は、州の役員についてはこの規定で立候補を禁止できる。
最高裁は今回、手続きの法的問題を決めただけで、トランプ前大統領の2021年1月の行動が「反乱」(insurrection) に該当するかどうかについては何も触れていない。
トランプ前大統領は直後にソーシャル メディア Truth Social に "Big win for America" と書いた。
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