今回の商標権取得により、一部の地域や商材を除き同社がグローバルにDUNLOPブランドでタイヤ事業の展開が可能となる。
これまでDUNLOPブランドを使えないため、欧州・北米・オセアニア地域で展開してきたFALKENブランドは、各地域で培った商品企画力やマーケティング力を生かし、ファン層に向けたエッジの効いた商品等に注力していく。
一方、Goodyearは、これまで推進してきたGoodyear brand で全面展開する。
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これまでの経緯については、2017/1/7 住友ゴム、海外のDUNLOPブランド事業を買収 参照。
住友ゴム工業は2016年12月27日、英国のSports Direct International plc から、海外のDUNLOP商標権と DUNLOPブランドのスポーツ用品事業およびライセンス事業を137.5百万ドルで買収することについて合意したと発表した。
住友ゴムがDunlopの商標権と事業を買収する。
(1) DUNLOP商標権 【タイヤ】 タイ、インドネシア、ブラジル、南アフリカなど86カ国で使用権者(ライセンシー)から所有権者(ライセンサー)へ 現状のビジネス(下記)については影響なし 【スポーツ/産業品】 テリトリー : 全世界 (日本・韓国・台湾はすでに商標権を所有) 商品 : 既ライセンシーがいない限り、全ての商品に拡大 (2) DUNLOPブランドのスポーツ用品事業 スポーツ用品の製造・販売 (日本・韓国・台湾はすでに商標権を所有) (3) DUNLOPブランドのライセンス事業 ウエア、シューズ、バッグ、メガネ、時計、傘等 (日本・韓国・台湾はすでに商標権を所有)
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今回はメインの自動車用タイヤの話で、過去の経緯は下記の通り。
住友ゴムは当初、英国のDunlop Rubber の日本工場としてスタートしたが、1963年に住友ゴムとなり、1999年にGoodyear Tire & Rubber と全世界のタイヤ事業で提携した。
しかし、住友ゴムは2015年10月1日付でGoodyearとのアライアンスを解消した。
北米JVと「ダンロップグッドイヤータイヤ」は住友ゴムが買取り
欧州JVと「日本グッドイヤー」はGoodyear社が買取り
共同購買及び技術交流、共同開発JVは解散住友ゴムは、Goodyearから271百万USドルを受領
これに伴い、タイヤでのDunlopブランド商標使用権の帰属は下記のとおりとなり、現在に至っている。
従来 解消後
住友 Goodyear 北米(米・加・メキシコ) 米国JV 新車用 日系自動車新車用 非日系自動車新車用 市販用 市販用 モーターサイクル 新車用、市販用 欧州 欧州JV 新車用、市販用 日本 日本JV 新車用 新車用、市販用 住友ゴム 市販用 旧ソ連・トルコ・西アフリカ等33カ国 住友ゴム/欧州JV 新車用、市販用 現在も今後も商標権保有 アジア、中東、中南米、東アフリカ
(インドを除く)*豪州・NZ * タイ、インドネシア、ブラジル、南アフリカなど86カ国で使用権者(ライセンシー)から所有権者(ライセンサー)へ
なおインドはRuia Group が商標権を保有(Dunlop India は1984年にJumbo Groupに売却され、2005年にRuiaが買収した。)2015/6/8 住友ゴム、Goodyearとのアライアンスを解消
今回の欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP商標権等の買収で、次のようになる。
従来 住友ゴム
2016/12/27 解消後 2025~ 住友が全て買収 北米(米・加・メキシコ) 米国JV 新車用 日系自動車新車用 市販用 モーターサイクル 新車用、市販用 欧州 欧州JV モーターサイクルタイヤは除く 日本 日本JV 新車用 新車用、市販用 住友ゴム 市販用 旧ソ連・トルコ・西アフリカ等33カ国 住友ゴム/
欧州JV新車用、市販用 アジア、中東、中南米、東アフリカ (インドを除く) 下記を除く 四輪タイヤは、インド、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、
モーターサイクルタイヤは、インド、オセアニア地域
豪州、NZ
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