2008年3月アーカイブ

Rhodia  Lyondell 3月19日、イソシアネート事業をPerstorp Group に売却する交渉に入ったと発表した。

売却するのは、Rhodia フランスのPont-de-Claix と米国のFreeport の脂肪族イソシアネート(HDI、IPDI:イソホロンジイソシアネート、及び誘導体)事業、及び、Lyondell がPont-de-ClaixRhodiaに製造委託しているTDI事業。

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ローディアは元はローヌプーランで、1998年に化学品事業部と繊維・ポリマー事業部を統合し、新会社ローディアとなった。
ローディアでには3グループ、7事業がある。

Performance Materials Polyamide
Acetowcellulose acetate fiber
Functional Chemicals Novecaresurfactants, phosphorus derivatives, natural polymers and specialty polymersand monomers
Silcea“Electronics & Catalysis” (rare earths), “Silica Systems” (highperformance silicas) and “Silicones”(売却)
Organics and Services  Eco Servicessulfuric acid
Organics:diphenols and derivativesisocyanatesfluorinated compounds and derivatives
Energy Servicesreduction of greenhouse gases

このうち、Siliconeは中国の藍星集団に売却した。

イソシアネートについては脂肪族イソシアネート(Aliphatic Isocyanates)のみで、欧州第二のメーカーであったが、今回の売却で同事業から撤退する。
(欧州
Aliphatic Isocyanates Producers Association のメンバーは同社のほか、BASFBayer MaterialScienceEvonik Degussa3社)

ーーー

Lyondell は当初、 Lake Charles, LA TDIと脂肪族イソシアネートの工場を持つとともに、Pont-de-Claix Rhodia の工場にTDIプラントを持ち、Rhodiaに委託加工していた。
Lake Charlesプラントは元はARCO Chemical 1996年にOlin Corporation から買収したもので、1998年のLyondell によるARCO Chemical 吸収でLyondell の事業となった。

2001年にLyondell はイソシアネート事業の再構築を発表した。
脂肪族イソシアネートから撤退、
Pont-de-Claix TDIに新技術を採用するというもので、完成後はPont-de-Claix 工場は欧州最大のTDIプラントとなる、将来はLake Charlesプラントにもその技術を入れるというものであった。

しかし、200510月、同社はLake CharlesTDIプラントの停止を発表、Rhodiaに製造委託している Pont-de-Claix プラントのみが残っていた。

200711月、EUBasell による Lyondell 買収を承認、統合新会社はLyondellBasell Industriesとなった。

ーーー

Perstorp はスウェーデンの企業であったが、2001年6月にフィンランドのNesteの親会社Industri Kapital が買収し、Neste Chemicals のオキソ部門と合併させた。(合併会社の持株会社がSydsvenska Kemi)

2005年10月にIndustri Kapital はSydsvenska Kemi をPAI Partners に売却した。

現在のPerstorp の事業は以下の通り。
  Waterborne Coatings
  Radiation Curing
  Intumescent Coatings
  Polyurethanes (polyol)
  Food additives & Feed 
  Formaldehyde Technology



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資源戦争激化

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中国を初めとする需要の高まりにより国際価格が上昇しているなかで、世界の資源大手の間で買収の動きが激化している。

ロシアではアルミ最大手のRusal が2位のSUALを買収し、スイスの商社 Glencore を加え、United Company RUSALが設立された。

    ボーキサイト鉱山、アルミナ、アルミ精錬、アルミフォイル生産
    出資比率は
 RUSAL 66%SUAL 22%Glencore 12%

    2006/9/5 ロシアのアルミ最大手RUSAL、同国2位のSUALを買収

BHP Billliton によるRio Tinto 買収問題は中国アルミAlcoa も参加し、複雑な動きとなっている。
Rio Tinto はそれに先立ち、Alcoa から敵対的TOBをかけられていた
Alcan を買収している。

    2007/7/17 Rio Tinto、Alcanを買収 アルミ生産で世界最大に 

    2007/11/15 BHP Billiton Rio Tinto に買収提案 

    2008/2/8  中国アルミとアルコア、Rio Tintoに出資、BHP Billiton はオファー引き上げ
                

ーーー

ブラジルの資源大手リオドセ(Vale do Rio Doceは3月25日、年初から交渉していたスイスの同業の Xstrata の買収交渉が決裂したと発表した。

Xstrataはスイスに本拠を置く資源会社で、銅、コークス用石炭、発電用石炭、クロム鉄、ニッケル、バナジウム亜鉛の7つのコモディティを中心に国際市場で活動しており、このほか、プラチナ、金、コバルト、鉛、銀なども扱っている。
発電用石炭では世界最大の輸出業者である。

Rio Doce は同社の買収を狙い、買収価額を780億ドルから900億ドル(9兆円)まで引き上げた。
中国需要の高まりの中で銅、石炭、亜鉛の生産を高め、世界最大の鉱山会社の
BHP Billiton を追い越すことを目指した。

しかし、Xstrataの株の34%を握るGlencore International AG(上記の Rusal に出資)が障害となった。
Rio Doceが45ポンド/株を提案したのに対し、Glencore50ポンドを要求した。
同社はまた、
Rio Doce によるXstrata 買収後に両社の製品を販売する権利を要求した。
世界最大のコモディティ商社であるGlencore は、Xstrata のニッケルコバルト、クロム鉄、バナジウム全量を初め、製品販売権を有している。

Rio Doceにとっては同社のブランドは世界で有名であり、Glencore の要求は呑めるものではなかった。

Rio Doceは今後6カ月間、別の企業がXstrataに買収提案した場合などに、再度買収を提案できる。
あるアナリストは、そのうち市況が下がる可能性があり、6ヶ月の猶予はRio Doce
にとって好ましいものだとしている。

ーーー

そのXstrata は英国の Anglo American の買収交渉を進めているといわれている。

1917年9月、ダイヤモンドへの投資で成功したSir Ernest Oppenheimer、金鉱床の開発を目的としてAnglo American Corporation of South Africaを設立した。これがAnglo American の前身である。

鉱物資源、製紙・林業、建設業、金融サービス業など幅広い分野に事業を展開する。
プラチナ(Anglo Platinum)では世界最大で、世界需要の37%を扱う。
ダイヤモンドではDe Beers Investments
に45%出資している。
このほか、金・ウラン、ベースメタル、石炭。

逆にAnglo American Alcoa の買収を検討しているとされる。

資源大手の再編を巡る攻防は一段と激しくなりそうだ。


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前回にBluestar Group のシリコーン事業について述べた。

中国国営ChemChina 子会社のBluestar Group 3つの上場会社と多数の子会社・関係会社で幅広い活動を行なっている。
同社の活動を下の表にまとめた。

上場会社は1) Bluestar New Chemical Materials Co.,Ltd.、2) Blue Star Cleaning Co.,Ltd.、3)Shenyang Chemical Co.,Ltd3社。

1) Bluestar New Chemical Materials Co.,Ltd. は北京に本社を持ち、主工場を江西省、無錫、ハルビン、南通に持っている。
 主たる製品群は次の4つ。
 ・シリコーンモノマー、シリコン油、シリコンゴムほか
 ・フェノール、アセトン、ビスフェノールA、エポキシほか
 ・PBTほかエンプラ
 ・
発色現像液関連

2) Blue Star Cleaning Co.,Ltd. 
  洗剤及び関連製品

3) Shenyang Chemical Co.,Ltd
  クロルアルカリ事業が中心。

  Shenyang Kansai Paint Co., Ltd.は藍星60%、関西ペイント40%JV
  
Shenyang Paraffin Chemical は三菱化学から技術供与を受け、アクリル酸 80千トン、同エステル120千トンを建設。

子会社・関係会社
 Adisseo旧アベンティスの動物栄養製品部門をCVC Capital Partners から買収
 
Bluestar Silicones InternationalRhodia Siliconesを買収

1) Bluestar New Chemical Materials Co.,Ltd.
  Jiangxi Xinghuo Organic Silicone Plant organic silicone monomers200,000 t/a (to 300,000 t/a in 2010)
caustic soda
80,000 t/a
fumed silica
5,000 t/a JV with Cabot(US)  
Lanzhou Bluestar Resin Co., Ltd Epoxy Resin 20,000 t/a(→80,000 t/a
Constructing a new 10,000 t/a
Bluestar (Beijing) Chemical Machinery Co., Ltd ion-exchange membrane electrolytic cells
Bluestar Silicon Materials Co., Ltd Metal Silicon
Bluestar Harbin Petroleum Corp. Phenol-Acetone120,000t/a
PA
30,000t/a
MA
5,000t/a
Bluestar New Chemical Materials Co., Ltd, Ruicheng Subsidiary PPE10 million t/a ??
phenols
3,000 t/a
Nantong Xingchen Synthetic Material Co., Ltd PBI resin21,000 t/a (→ 30,000 t/a
Shanxi Synthetic Rubber Group Co., Ltd Chloroprene Rubber25,000t/a
Caustic Soda
20,000t/a
PVC Resin
3,000t/a
cement
100,000t/a
Wuxi Resin Work Co., Ltd epoxy resin10,000 t/a 15,000 t/a
bisphenol A
16,000 t/a 25,000 t/a
China Bluestar International Chemical Corporation (importing & exporting)
   
2) Blue Star Cleaning Co.,Ltd.   detergents60,000 t/a
   BlueStar Cleaning Engineering Co., Ltd.  
Lanzhou BlueStar New Materials Co., Ltd. silicane cross-linked polyethylene1,200 t/a
that of black LLDPE
2,000 t/a.
Lanzhou BlueStar Daily Chemicals Co., Ltd. washing powders50,000 t/a
soaps
10,000 t/a
liquid detergents
6,000 t/a
glycerin
500 t/a
water glass (sodium silicate)
20,000 t/a
epoxy resins
3,000 t/a.
Bluestar Chemicals Co., Ltd highly sophisticated TDI
Shandong Dongda Chemical Co., Ltd Propylene Oxide (100,000 t/a)
Polyether Polyols
( 150,000 t/a)
   
3) Shenyang Chemical Co.,Ltd caustic soda170,000 t/a
hydrochloric acid
165,000 t/a
liquid chlorine
60,000 t/a
fumed silica
1, 500 t/a
paste resin
80,000 t/a
chlorinated paraffin
12,000 t/a.
  Shenyang Kansai Paint Co., Ltd. GT-10 lead-free cathode ground coat
TB-515 metallic lustrous coat
SK-01 amino-alkyd car top coat
SP-01 intermediate coat and plastic coat etc.
Shenyang Paraffin Chemical Co., Ltd. アクリル酸、エステル
Shenyang Radial Tire Mould Co., Ltd.  
Shenyang G.Billow Chemical Co., Ltd. propylene oxide28,000t/a
polyether
12,000t/a
   
4)子会社・関係会社
  Adisseo nutritional additives for animals
Bluestar Silicones International former Rhodia Silicones
Shenyang Chemical Industry Group product oil, propylene, chlorinated paraffin, liquid chlorine,
caustic soda, PVC paste resin, silica white, auto painting,
radial tire segmented mold, and machine-made paper, etc.
China Bluestar Daqing Petroleum Co., Ltd  
Jinan Great Wall Oil Refinery  
Lanzhou Bluestar Chemical Co., Ltd. methanol200, 000 t/a
caustic soda
150, 000 t/a
PVC paste resin
130, 000 t/a
1, 4-butanediol
55, 000 t/a
special fiber
20, 000 t/a
PPE
30, 000 t/a
CPP
500, 000 t/a
Bluestar Tianjin Chemical Materials Co., Ltd (under construction)
Silicone
400,000t/a Bluestar Silicone (Tianjin)〉
PTMEG
30,000t/a
fumed silica
10,000t/a
MDI
100,000t/a
PC
10,000t/a
methionine
140,000t/a
Caustic Soda
200,000t/a
1-4 BDO
55,000t/a
Phenol-Acetone
300,000t/a
Bis-phenol A
150,000t/a
Butyl Alcohol
150,000t/a
DCC
1,600,000t/a
CPP
300,000t/a
Port and Dock
200,000t
Waste water treatment
220KV Transformer Station
Storage
Bluestar Oil Co., Ltd  
Bluestar New Chemical Materials Co. Ltd, Nanjing Company 1,4-Butanediol 55,000 t/a (under construction)
Shanghai Bluestar New Chemical Materials Co., Ltd POM40,000t/a (under construction)200,000t/a
Bluestar Sichuan Machinery Co., Ltd  
Bluestar Yima Chrome Chemical Materials Co.,Ltd chrome20,000t/a

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ChemChinaの子会社の藍星グループはこのたび、天津の臨港工業区で大規模なシリコーンモノマー(メチルクロロシラン)製造の子会社を設立することを明らかにした。

設立するのは
Bluestar OrganoSilicone (Tianjin) Companyで、本社が23%、江西省南昌にシリコーンモノマー工場を持つBluestar New Chemical Materialsが52%、Rhodiaから買収したシリコーン事業のBluestar France Company(下記参照)が25%を出資する。

Bluestar France Companyの技術を使用するもので、能力は400千トン、第1期 200千トンは2009年後半にスタートの予定で、第2期 200千トンは5年以内に完成させるとしている。
また、同地でシリコーン製品の生産を行い、この工場からの引取りを増やす予定だが、詳細は明らかにされていない。

ーーー

藍星集団では、Bluestar New Chemical Materials が江西省南昌市に能力100千トン(+100千トンの増設中)のシリコーンモノマー工場を持っていたが、2004年10月にフランスのローディアとの間でシリコーン事業での提携で覚書を締結、翌年5月に天津でローディア技術によりメチルクロロシランのプラントを建設する合意書を締結した。

年産20万トン(スター時10万トン)のメチルクロロシラン工場で、生産開始は2007年第1四半期を予定していた。

ローディアはローヌ・プーランの特殊化学品部門が独立したもの。
残ったライフサイエンス部門はヘキストと合併してアベンティスとなり、本年8月、サノフィと合併してサノフィ・アベンティスとなった

上記提携時に、両社はそれぞれのシリコーンの上流及び下流分野での活動をグローバルに戦略統合する可能性について2006年央までに検討することとしていた。

これに基づく両社の話しあいの結果、2006年10月に藍星集団はローディアのシリコーン事業を買収する契約を締結した。

BlueStar は、その後、旧アベンティスの動物栄養製品部門のAdisseoCVC Capital Partners から買収している。

いずれも 2006/10/30 中国化工集団公司(ChemChina)の海外進出 
    

この結果、ローディアのシリコーン事業は藍星集団の子会社 Bluestar Silicones International となり、フランスに Bluestar France Company を持つ。

今回の計画はローディアとの合弁計画を藍星集団で実施するもので、能力は合計、第1期とも当初計画の2倍となっている。

ーーー

既存のBluestar New Chemical Materials の江西省南昌市のシリコーンモノマー工場は、現在の能力が200千トンで、2010年にこれを300千トンにする計画である。

ーーー

藍星集団は天津の臨港工業区でシリコーンモノマーのほかに、多くの化学工場の建設を計画している。

主なものは下記の通り。
 PTMEG:30千トン
 フュームドシリカ:10千トン  
 MDI :100千トン
 PC:10千トン
 メチオニン:140千トン
 苛性ソーダ:200千トン
 1-4 ブタンジオール:55千トン
 フェノール/アセトン: 300千トン  
 ビスフェノールA:150千トン
 ブチルアルコール:150千トン


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経済産業省は21日、2007年末時点の我が国の主要石油化学製品生産能力調査の結果を発表した。(単位:千トン)

若干の増減はあるが、前年末と大差はなく、相変わらずの小規模多数工場体制である。

1.エチレン

 
 
  定修年 スキップ年
東ソー   493   527
昭和電工   615   691
東燃化学   491   540
三菱化学  1,301  1,422
山陽石化(旭化成)   443   504
丸善石油化学   480   525
京葉エチレン   690   768
住友化学   380    415 
大阪石化(三井化学)   455   500
三井化学   553   612
新日本石油化学   404   443
出光興産   997  1,101
合計  7,302  8,048
(前年末比増減)   (+13)   (+25)
 
東燃化学 手直し増強 (+13)
 
・三菱化学 鹿島火災事故は折り込まず。
  2008年3月の操業再開後の生産能力 約32
0千トン(第2エチレン能力476千トンの67%程度)
   (第2エチレン8基のうち、5基。残りのうち1基は検査、補修及び安全対策工事を実施中。
 
  三菱化学のエチレン能力は以下の通り。
  定修あり 定修なし 全国比
(定修なし)
鹿島第1   375   410   5.1% 
鹿島第2   476   516   6.4%
(小計)  (851)  (926) ( 11.5%)
水島   450   496   6.2%
三菱合計 (1,301) (1,422)   17.7% 
 
ーーー  

2.ポリエチレン

 
チッソ    63
日本ユニカー   300
日本ポリエチレン  1,184  
東ソー   308
三井化学     4
プライムポリマー   489
三井・デュポンポリケミカル   170
日本エボリュー   240
住友化学   305
丸善ポリマー   111
宇部丸善ポリエチレン   197
旭化成ケミカルズ   283
合計  3,655

前年比 -1 (三井化学)

 
 
社名 LDPE LLDPE
日本ユニカー   180  
日本ポリエチレン   345   364
東ソー   152    31
プライムポリマー     145
三井・デュポンポリケミカル   170  
日本エボリュー     240
住友化学   172   133
宇部丸善ポリエチレン   147    50
旭化成ケミカルズ   120  
合計  1,286   963
   2,249
 
 前年と変わらず
 
チッソ    63
日本ポリエチレン   475
東ソー   125
三井化学    4
プライムポリマー   246
丸善ポリマー   111
旭化成ケミカルズ   116
合計  1,141
 
 
前年比 -1 (三井化学)
 
 
社名 LL/HD併産
LL HD
日本ユニカー   110    10
プライムポリマー    11    87
旭化成ケミカルズ      47
合計   121   144
   265
 
 前年と変わらず
 
* 日本ポリエチレン、併産設備をLL、HDに専用化
 
参考:2006/9/29 「日本のポリオレフィン業界の変遷」  
 

ーーー

3.PP

 
浮島ポリマー    ー
サンアロマー   347
日本ポリプロ  1,082
住友化学   316
プライムポリマー  1,071
宇部ポリプロ    90
徳山ポリプロ   200 
合計  3,106
 
 前年比 -68

 ・浮島ポリマー解散、サンアロマーが譲受(±127+2) 
 ・住友化学溶液法停止(-70) 

 
参考:2006/9/29 「日本のポリオレフィン業界の変遷」 
 

ーーー

4.SM

 
日本スチレンモノマー
新日鐵化学65%/東ソー35%)
  232
太陽石油化学
04/1/1 三井化学から譲受け
  335
日本オキシラン
(住友化学60%/Lyondell 40%
  412
千葉スチレンモノマー
(電気化学60%/住友化学40%)
  270
電気化学   240
新日鐵化学   190 
出光興産   550
三菱化学   371
旭化成   678
合計  3,278
 

 前年比 -125
 ・旭化成 1系列停止

なお、東ソーが2008/3末で日本スチレンモノマーから撤退(新日鉄化学 100%に)

 
参考:2006/4/22  「スチレンモノマー業界」 
 

ーーー

5.PS

 
日本ポリスチレン
(住友化学/三井化学)
  162
大日本インキ化学   131
東洋スチレン
(電化/新日化/ダイセル)
  278
PSジャパン
(旭化成/三菱化学/出光)
  445
合計  1,016
 
 
 前年と変わらず  
 
参考:2006/10/7 「日本のPS業界の変遷」  
 

ーーー

6.VCM

 
テック   391
東ソー  1,480
トクヤマ   330
京葉モノマー   200
カネカ   540
鹿島塩ビモノマー   600
合計  3,541
 
 
 前年と変わらず  
 
参考:2006/9/18 「日本のVCM業界の変遷」 
 

ーーー

7.PVC

 * グラフでは東ソーのペーストは大洋塩ビに含む
 
徳山積水   115
テック   304
大洋塩ビ   558
東ソー    28
新第一塩ビ   292
信越化学   550
カネカ   466
合計  2,313
 
 前年比 -37
  ・徳山積水  -1
  ・ヴイテック -30
  ・大洋塩ビ  -6

 新第一塩ビの高岡工場(40千トン)は2008年停止、愛媛工場(27千トン)は34千トンに増強
 
参考:2006/9/13 「日本のPVC業界の変遷と現状」 
 

ーーー

8.アクリロニトリル

 
旭化成 419
ダイヤニトリックス
(三菱レイヨン65/三菱化学35)
196
昭和電工 50
住友化学 52
合計 717
 
 
 前年と変わらず  
 
参考:2006/5/19 「アクリロニトリル業界」   
 

ーーー

9.EO

 
丸善ケミカル 197
日本触媒 254
三井化学 219
三菱化学 283
合計 953
 
 
 前年と変わらず  
 

ーーー

10.アセトアルデヒド

 
協和発酵ケミカル   60
昭和電工  300
日本アルデハイド   69
合計  429
 
 
前年と変わらず  
 
参考:2006/5/20 「酢酸業界 
 

 


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5) Roche

2001年12月 中外製薬がスイス・ロシュの傘下入り決める

2002年9月 DSMによるロシュ社のビタミン・ファインケミカル事業統合

2004年7月 大衆薬事業のBayerへの売却 合意

増収・増益となった。

部門別内訳は以下の通り。
 (単位:百万スイスフラン 1スイスフラン=約100円)

  売上高 営業損益
2006 2007 増減 2006 2007 増減
Roche  20,666  22,970   2,304   6,025   7,225  1,200
Genentech   9,125  10,414   1,289   3,951   5,298  1,347
中外製薬   3,503   3,399   -104    569    610    41
Diagnostics   8,747   9,350    603   1,422   1,648   226
調整         -237   -313   -76
合計  42,041  46,133   4,092  11,730  14,468  2,738

損益推移は以下の通り。

  2002 2003 2004 2005 2006 2007
売上高  29,453  31,220  29,522  35,511  42,041  46,133
営業損益(除 特別費用)   5,448   6,268   6,766   9,189  11,730  14,468
営業損益   1,335   5,592   5,995   8,669  11,730  14,468
税引後損益  -4,026   3,069   7,063   6,866   9,171  11,437

2002年 訴訟費用  -2,548(うちビタミン -1,770
      事業売却  
-1,064( 同上    -1,650
      ノレン償却   
-501

      株式評価損 
-5,192
      (
スイス上場株式の株価大幅下落に際し、評価替えした。)

2004年 大衆薬事業売却益 2,304
      ノレン償却      
-579

ーーー

6) AstraZeneca

1993年にICIの医薬部門が分離したZeneca とスウェーデンのAstra が1999年に合併。

2000年に農薬部門を分離、Novartis の種子部門と統合してSyngentaとした。

増収、増益だが、大幅な Restructuring を実施中で、当期は約10億ドルの費用を計上したため、減益となった。

                   単位:百万ドル
  2003 2004 2005 2006 2007     
売上高  18,849  21,426  23,950  26,475  29,559
営業損益   4,007   4,547   6,502   8,216   8,094
 
(9,060) 
税引後損益   3,044   3,683   4,724   6,063   5,627

同社は2003年に、米国で過去にホルモン療法剤 Zoladexの違法販売を認め、罰金355百万$を支払った。
2007年の営業損益の( )は、Restructuring costs を除外したもの。

 

同社は2007年にRestructuring 計画を開始した。

計画の費用総額は1,975百万ドルで、その結果、2010年までに年間1,400百万ドルの利益を期待している。

うち、2007年のコストは966百万ドルで、
  売上原価 415百万ドル
  研究開発費 73百万ドル
  販売費一般管理費 478百万ドルとなっている。
このうち、243百万ドルは加速償却その他で、残り723百万ドルは現金支出。

2007年にこれによる生産性アップ等で300百万ドルの効果が出ている。

残り1,000百万ドルの費用のうち、約2/3は2008年、残りが2009年に発生する。

ーーー

7) Johnson and Johnson

増収、減益となった。但し、特別処理を除くと、実質的には増益である。

部門別内訳は以下の通り(単位:百万ドル)

  売上高 営業損益
2006 2007 増減 2006 2007 増減
Consumer   9,774  14,493  4,719   1,374   2,277    903
Pharmaceutical  23,267  24,866  1,599   6,894   6,540   -354
Medical Devices and Diagnostics  20,283  21,736  1,453   6,126   4,846  -1,280
全社          193   -380   -573
合計  53,324  61,095  7,771  14,587  13,283  -1,304

損益推移は以下の通り。(単位:百万ドル)

  2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
税引前損益  6,868  7,898  9,291  10,308  12,838  13,116  14,587  13,283
税引後損益  4,953  5,668  6,597   7,197   8,509  10,060  11,053  10,576

 

同社は特殊項目を除いた税引前損益を以下のように分析し、実質増益としている。

税引前損益対比 (単位:百万ドル)
  2006 2007 増減
報告   14,587  13,283  -1,304
Purchased in-process research & development    559    807    248
Restructuring charges      745    745
NATRECORR intangible asset write-down      678    678
Guidant acquisition agreement termination fee   -622      622
差引 実質損益  14,524  15,513    989

(1) Purchased in-process research & development
   買収事業に関する開発中の研究開発費(損金算入)
    
2006年  ConsumerHealthcare business of Pfizer Inc.
    2007年  ConorMedsystems

(2) Restructuring charges
   2007年第3四半期に発表したもので、コスト構造を改善するもの。
   2007年の費用は退職金 450百万ドル、資産消却 272百万ドルほか、合計745百万ドルとなっている。

(3) NATRECORR intangible asset write-down
   代償性うっ血性心不全の薬で同社の有望製品だったが、副作用報告が出た。

(4) Guidant acquisition agreement termination fee

   同社は2004年12月に医療機器メーカーのGuidantを254億ドルで買収することで合意。
   
その後、Guidant社の心臓細動除去器がリコールされたため、J&Jは買収に難色を示したが、
   法廷闘争を避けて、15%を差し引いた215億ドルでの買収で合意した。

   最終的にGuidant がJ&Jとの契約を破棄してBoston Scientificによる買収を受け入れたため、
   Termination Fee をもらった。


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1) Pfizer

Pfizerは2000年にWarner-Lambert を買収。
2003年にはPharmaciaを買収し、Pharmaciaの非医薬品事業を売却した。
   2007/10/11 
高杉良 「挑戦 巨大外資」  

2006年12月にはConsumer health を Johnson & Johnson に売却している。

2007年のPfizerの税引後損益は前年比で大幅減益となった。
これは前年にConsumer health 部門の売却益があったためである。

内訳は以下の通り。

                                                            単位:百万$
  00 01 02 03 04 05 06 07
売上高 26,045 29,024 32,294   44,736  52,516  51,298  48,371  48,613
合併関係費用 3,223 819 630   1,058   1,193    943    
合併関係In-Process R&D         5,052   1,071   1,652    835  
Restructuring costs               1,323   2,534
税引前利益(継続事業)    5,501   9,984   11,766    3,246   14,007   11,534  13,028   9,473
中止事業 税引後損益    184    251    375    2,311     29     16   8,313    -69
税引後損益合計   3,726   7,788   9,126    3,910   11,361   8,085  19,337   8,298
  *合併関係費用
      2000年 Werner-Lambert、 2003-4年 Pharmacia
  *中止事業損益のうち 事業売却益 
     2003年 Adams confectionery products business 1,824 

           Schick-Wilkinson Sword shaving products business  262 
     2006年 Consumer health (売却先 Johnson & Johnson) 7,880 
  *Restructuring costs     2007年 Exubera 撤退 $2.1 billion

2007年の前年比減益は、
前年に Consumer health 売却益 (7,880) ほかで中止事業損益が8,313百万ドルあったことと、
2007年に吸入式インスリン「Exubera」の撤退による損失が21億ドルを含め、リストラ費用が2,534百万ドルと膨らんだことが大きい。

Exubera は 遺伝子組み換え型の粉末ヒトインスリンを吸い込んで肺から吸収する注射針なしの夢のインスリンである。
Pfizer とAventis が共同開発し、共同販売する予定であったが、Sanofi と Aventis の合併で、Pfizer が「社の形態が変わった」として契約違反を理由に訴訟を起こし、最終的に2006年1月に Pfizer が世界中の権利を13億ドルで買取った。

しかし、装置が大きく扱いが大変、保険の扱い、未成年者への適用不可、肺機能検査が必要など、多くの問題があり、医者と患者の支持が得られず、撤退に至った。

ーーー

2) GlaxoSmithKline

2007年の決算は Restructuring 費用 338百万ポンドがあり、前年比で若干の減収減益となった。
同社は2007年10月に Operational Excellence programme を開始した。

損益推移は以下の通り。(単位:百万ポンド)

  2003 2004 2005 2006 2007
売上高  21,070  19,986  21,660  23,225  22,716
営業損益   6,050   5,756   6,874   7,808   7,593
税引後損益   4,308   4,022   4,816   5,498   5,310

2007年には Restructuring 費用 338百万ポンドを含む。

 

ーーー

3) Sanofi Aventis

2004年8月20日にSanofi-Synthelabo が Aventis を合併し、Sanofi Aventis となった。

 

2007年は売上高は前年比若干の減となったが、評価減の減少などもあり、大幅増益となった。

                   単位:百万ユーロ
  2006  2007 増減 
営業損益(特殊分除く)   5,729   6,106   377
特殊処理  Restructuring   -274   -137   137
資産消却  -1,163    -58  1,105
資産処分損益    536    -536
合計   (-901)  (-195)  (706)
営業損益合計   4,828   5,911  1,083

 

損益推移は以下の通り。(単位:百万ユーロ)
但し、2004年は合併後の年間ベース。

  2004 2005 2006 2007
売上高  25,119  27,311  28,373  28,052
営業損益   2,426   2,888   4,828   5,911
純損益   2,241   2,593   4,399   5,682

ーーー

4) Novartis

1997年1月にSandoz と Ciba Geigy が統合し、Novartis 誕生。
(Sandoz の化学品事業は1995年に Clariant として独立)

1997年3月、旧 Ciba Geigy の化学品部門がCiba Specialty として独立
2000年に種子事業を Astra Zeneca の農薬部門と統合し、Syngenta となる。

2007年に非医薬品Medical Nutrition 部門(医療用栄養食品)とGerber 部門(ベビーフード)を52億ドル(税引後)でNestleに売却

非医薬品部門の売却益が税引き後で52億ドルあったため、大幅増益となった。

2007年 医療用栄養食品のMedical Nutrition とベビーフードのGerberを52億ドル(税引後)でNestleに売却

 

損益推移は以下の通り。(単位:百万ドル)  

  2002 2003 2004 2005 2006 2007
売上高  20,877  24,864  28,247  32,212  34,393  38,072
営業損益 5,092 5,889 6,289 6,905 7,642 6,781
税引後損益(継続事業) 4,725 5,016 5,601 6,141 6,825 6,540
同上(中止事業関連)         377 5,428
合計損益         7,202 11,968

 


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租税特別措置法期限切れにより、ナフサへの石油石炭税免除が失効する可能性が強まった。
失効すると、年間で最大1100億円の税負担が生じる。

    2008/1/22 「ガソリン税問題と石油化学業界への影響」 

21日の石化協の定例会見で米倉弘昌会長(住友化学社長)は、「今月中に租税特別措置法改正案が成立しないと石化業界に限らず、日本全体に大きな混乱を及ぼす」と、その影響を訴えた。

付記

租税特別措置法改正案のうち、道路関連の暫定税率を除いた優遇措置を5月末まで延ばす「つなぎ法案」が3月31日に成立。

BASFSinopec19日、両社のJVの南京のエチレンコンプレックス BASF-YPC (揚子石化ー巴斯夫有限責任公司)の9億ドルの増設計画の承認を求め、中国政府にフィージビリティスタディを提出した。

計画内容は以下の通り。

・エチレン増強:現在の60万トンから75万トンに増強
・酸化エチレン増強と誘導品の開発
  ノニオン界面活性剤、溶剤のブチルグリコールエーテル、
  エタノールアミン、エチレンアミン、ジメチルアミン 
・C4製品:ブタジエン、イソブテン、2プロピルヘプタノール、ポリイソブテン誘導体
・アクリル酸誘導体:高吸水性樹脂
・オキソアルコール、プロピオン酸の増強

これらは本年から順次実行され、エチレン増設は2009/2010年を予定している。

また両社は、効率化とシナジー効果を高めるため、隣接するBASFとSINOPECのSM/PSのJVのYangzi-BASF StyrenicsをBASF-YPCに統合することで合意した。

ーーー

BASF-YPC BASF Sinopec 50/50JVで、2000年に設立された。南京のSinopec 揚子石化に隣接し、29億ドルを投じて建設され、20056月に商業生産を開始した。

これに隣接し、今回統合するYangzi-BASF Styrenics がある。

なお、エチレン機器は、インドネシアのツバン計画が行き詰まり、受注したストーンウェブスターがBASF-YPC用に売却したものである。

    2006/4/27 インドネシアのエチレン計画への日本企業の参加-2 

ーーー

BASF-YPCの既存能力と今回の計画は以下の通り。

製品 既存能力  今回の計画
エチレン   600千トン →750千トン
C4   C4系:ブタジエン、イソブテン、2プロピルヘプタノール、
    ポリイソブテン誘導体
エチレングリコール   300 増強 
誘導体 ノニオン界面活性剤、ブチルグリコールエーテル、
     エタノールアミン、エチレンアミン、ジメチルアミン 
LDPE   400  
アクリル酸   160 高吸水性樹脂
アクリル酸エステル   215  
C4オキソアルコール   250 増強
蟻酸    50  
プロピオン酸    30 増強
メチルアミン    30  
ジメチルホルムアミド(DMF)    40  
     
Yangzi-BASF Styrenics
 (BASF 50%/Sinopec 50%)
  BASF-YPCに統合
 エチルベンゼン   130  
 SM   120  
 PS   200  
 EPS    52  


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Sinopec は19日、同社の石油精製事業の赤字補填金を政府から受領したと発表した。
   
http://www.hkexnews.hk/listedco/listconews/sehk/20080319/LTN20080319474.pdf

 

中国では石油製品の価格は政府が決めており、原油の約70%を輸入品に依存するSinopecは、最近の原油価格高騰を受け、石油精製事業で大きな赤字となっている。

このため、中国政府はSinopecに対して、2005年に9,415百万人民元、2006年には5,000百万人民元の赤字補填を行なった。
(これに対し、自社原油の多い PetroChina はこれまでも補填を受けていない。)

    2006/7/14 SINOPECの損益構造の変化 

    2007/4/17 Sinopec 2006年度決算  

 

今回、同社は123億人民元(約 1,700億円)の補填を受けた。
このうち、49億人民元(686億円)は2007年の収益となり、74億人民元(1,036億円)は2008年第1四半期の収益となる。

これとは別にSinopec子会社のSinopec上海石油化学は341.2百万人民元の補填を受けた。
(2007年分 93.9百万人民元、2008/1Q分 247.3百万人民元)

専門家はSinopecの精製部門は原油価格がバレル80ドル近郊でトントンとみている。
事前の予想では2007年分の補填として100億人民元から200億人民元で、今回の決定が少なすぎるとして、同社の株価は下落した。

しかし、他の専門家は、政府は当該部門の損益だけではなく、Sinopecの事業の業績全体を勘案するため、2006年の50人民元を超えないだろうとの見方を示していた。

 


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BASF INEOS Nitriles 313日、INEOS Nitriles BASFの英国TeessideSeal Sands 工場を買収することで合意した。
独禁当局の承認が条件となる。

Seal Sands 工場ではアクリロニトリル 230千トンを生産しており、この買収によりINEOS の欧州の能力は550千トンとなる。
市場では寡占状態を懸念する見方もあり、欧州委員会の判断が注目される。

INEOS Nitriles 2005年にInnovene(旧 BPから買収したもので、ドイツのKoln と米国のGreen Lake (Texas)Lima (Ohio) に合計960千トンの能力を持っている。

1957年にSohio 法が開発されたが、Sohio(Standard Oil of Ohio)はその後、BPとなっている。
   2006/8/28 
プルドー湾油田の操業停止ーBPとStandard Oil 

Lima 工場は1960年スタートで、現在の能力は190千トン。
Green Lake 工場は1981年スタートで、現有能力は450千トン、2008年秋には544千トンに増設する。
・ドイツの
Koln工場は元はErdole Chemie 2001年に Innovene が他の50%を買収し100%とした。
 現有能力は
320千トン。

今回の買収完了後(Green Lake 増設後)は、INEOS Nitriles の全世界能力は1,284千トンとなる。

ーーー

Seal Sands 工場ではアクリロニトリルのほか、PA 6.6 の原料のヘキサメチレンジアミン(HMD)及びその原料のアジポジニトリル(ADN)を生産している。
このうち、
ADN2008年末に停止するが、HMDは今回の売却の対象外で、BASFINEOS に製造委託することとなる。

BASFLudwigshafenHMDとアジピン酸からPolyamide 6.6 :Ultramid(R) Aを製造しており、「HMD BASFPolyamide 6.6 value chain の主要原料である」としている。

BASF は他に、LudwigshafenAntwerpFreeport Polyamide 6 :Ultramid(R) B を一貫生産している。

HMDの原料のADN については、BASFはコスト競争力を高めるため、2007年6月にINVISTA からの購入契約を締結した。
2009年初めから供給を受けることとなっており、これに合わせて2008年末にSeal Sands のプラントを停止する。

 


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2007年決算分析 Dow

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Dow の売上高は535億ドルと前年を9%上回り、過去最高となった。各部門とも前年を上回った。
しかし、営業損益は前年を下回り、税引後損益は2年連続の前年比減となった。

全社では売価は前年比で7%アップ、数量も2%増となったが、原料とエネルギーコストは11%増となっている。

 

部門別実績は以下の通り。(単位:百万ドル)

  売上高 EBIT
2006 2007 差異 2006 2007 差異
Performance Plastics  13,944  15,116  1,172  1,629  1,390   -239
Performance Chemicals   7,867   8,351   484  1,242   949   -293
Agricultural Sciences   3,399   3,779   380   415   467    52
Plastics  11,833  12,878  1,045  2,022  2,006   -16
Chemicals   5,560   5,863   303   689   813   124
Hydrocarbons and Energy   6,205   7,105   900    0   -45   -45
Others    316    421   105   -594   -897   -303
Total  49,124  53,513  4,389  5,403  4,683   -720

 

売上高

 

部門別営業損益 (EBIT earnings before interest and taxes

Dow の各部門の事業内容は以下の通り。

部門 事業
Performance Plastics Dow AutomotiveDow Building SolutionsDow Epoxy
Polyurethanes and Polyurethane Systems
Specialty Plastics and Elastomers
Technology Licensing and Catalyst
Performance Chemicals Designed PolymersDow LatexSpecialty Chemicals
Agricultural Sciences Dow AgroSciences
Basic Plastics PolyethylenePolypropylenePolystyrene
Basic Chemicals Core ChemicalsEthylene Oxide/Ethylene Glycol
Hydrocarbons and Energy Hydrocarbons and Energy

ダウはグローバルに効率改善とコストダウンを進めているが200712工場閉鎖と人員削減策を発表した。
    
2007/12/8  ダウ、合理化策を発表  

ダウはAsset light strategy に基づき、新規事業と既存事業のJV化を進めているが、仕上げとして昨年、PEPPPC、エチレンアミン、エタノールアミンと関連事業をクウェート国営石油の子会社 Petrochemical Industries Company (PIC) とのJVにすると発表している。
    2007/
12/19 ダウとPIC のグローバル石化JV 詳報   

同社は更に多くの事業を新しく作った事業グループのDow Portfolio Optimization に移し、それぞれの戦略的価値を評価し、会社にとっての長期的価値を最大にするにはどうすればよいかー他のダウ事業との統合か、JV化か、売却かーを決める。
    
2008/2/28 Dow Chemical、ポリカーボネート等の事業を再評価
        
 

全社損益推移 (単位:百万$)

  2000 01 02 03 04 05 06 07
売上高  29,798  28,075  27,609  32,632  40,161  46,307  49,124  53,513
金利・償却前損益 EBIT   3,105     35     86   2,487   4,457   6,963   5,403   4,683
税引前損益   2,586    -613    -622   1,751   3,796   6,399   4,972   4,229
税引後損益   1,675    -385    -338   1,730   2,797   4,515   3,724   2,887

    2001年、2002年の赤字の原因は以下の特別損失による。(単位:百万ドル)

  2001 2002
リストラ関連   -103   -280
合併関連 (Union Carbide)  -1,384  
アスベスト関連 (Union Carbide)     -828

 


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独禁法改正案

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独禁法改正案の国会提出について、3月11日に閣議決定された。

2006年1月施行の改正独禁法で、施行後2年以内に、改正法の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、課徴金に係る制度の在り方、違反行為を排除するために必要な措置を命ずるための手続の在り方、審判手続の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされている。

この規定を踏まえ、「独占禁止法基本問題懇談会」が2007年6月に報告書をまとめた。

報告書の骨子と経団連の見解は以下の通り。

懇談会の報告書 経団連の見解
主犯格の課徴金を引き上げ、調査協力企業の課徴金を引き下げ おおむね賛成。
ただ、法令順守対策を講じている企業の課徴金は引き下げを。
課徴金の対象を不当廉売などを理由とする「排除型私的独占」に拡大 課徴金を科すには違反行為とそうでない行為の境界があいまい。
課徴金を科す違反行為の「時効」(3年)を欧米(510年)を視野に見直し 「時効」の論議は、前回(05年)改正時に決着済み
現在の公取委の審判制度は当面、維持 反対。訴訟手続きに委ねるべき
課徴金と刑事罰の併科は維持 法人制裁は課徴金に一本化。または、公取委がどちらかを選択する制度に。

特に、審判制度については経済界などからは「公取委は検事と裁判官を兼ねている」という強い批判があった。
公取委はこれに対し、問題なしとして審判制度の維持を主張したが、政界からの反対も強く、審判制度を大幅に見直す方針を固めた。

今回の改正案では、付則に、「
審判手続に係る規定について、全面にわたって見直すものとし、平成20年度中に検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるもの」とした。

 

改正案の概要は以下の通り。

1 課徴金・排除措置命令関係
(1) 課徴金の適用範囲の拡大

 従来のカルテルに加え、以下のものについても課徴金を科す。

  (ア) 排除型私的独占

他の事業者の事業活動を排除することによる私的独占

  (イ) 不当廉売,差別対価,共同の取引拒絶,再販売価格の拘束
    (同一の違反類型を繰り返した場合)

正当な理由がないのに、競争者と共同して、ある事業者に対し供給を拒絶し、又は供給に係る商品若しくは役務の数量若しくは内容を制限する等の行為

不当に、地域又は相手方により差別的な対価をもって、商品又は役務を継続して供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの

正当な理由がないのに、商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの

正当な理由がないのに、自己の供給する商品を購入する相手方に対し、その販売する当該商品の販売価格を定めてこれを維持させること、その他相手方の当該商品の販売価格の自由な決定を拘束する条件をつけて当該商品を供給する等

  (ウ) 優越的地位の濫用

自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、継続して取引する相手方に対し当該取引に係る商品又は役務以外の商品又は役務を購入させる等の行為
・押し付け販売,経済上の利益を提供させる行為(協賛金・従業員派遣),受領拒否,不当返品等

  (エ) 不当表示【景品表示法の改正】

・違反行為の対象商品等につき1億円以上の売上げ
・ただし,一定の注意義務を果たしていた場合は除く。

  これらに対する課徴金(違反行為に係る売上額に対する率)は以下の通り。

  製造業等 小売業 卸売業
不当な取引制限
 (中小企業)
 10%
 (4%)
 3%
1.2%
 2%
(1%)
支配型私的独占  10%  3%  2%
(ア)排除型私的独占   6%  2%  1%
(イ) 不当廉売等
  (繰り返し)
  3%  2%  1%
(ウ)優越的地位の濫用       1%
(エ)不当表示       3%

(2) 主導的役割を果たした事業者に対する課徴金の割増算定率

   対象:カルテル・入札談合等
   
課徴金:5割増(大企業・製造業等の場合10%⇒15%)

   「主導的役割を果たした事業者」:

単独で又は共同して、当該違反行為をすることを企て、かつ、他の事業者に対し当該違反行為をすること若しくはやめないことを要求し、依頼し、又は唆し、当該違反行為をさせ、又はやめさせなかった者

(3) 課徴金減免制度の拡充

   現行は最大3社、改正後は最大5社(但し、調査開始後の対象は最大3社) 
     例)調査開始前2社+開始後3社(計5社)
       調査開始前1社+開始後3社(計4社)  

   減額率は①100%、②50%、③~⑤30% (但し、調査開始後は全て 30%)

   一定の要件を満たす場合に、同一企業グループ内の複数の事業者による共同申請を認め、
   すべての共同申請者に同一の順位を割り当てる。(1社として扱う)   

(4) 事業譲渡等が行われた場合の課徴金納付命令等に係る名宛人の取扱い(事業を承継した一定の企業に対しても命令)

(5) 課徴金納付命令等に係る除斥期間の延長(3年⇒5年)

(参考)

法令等 国税通則法
(過少申告,無申告,不納付)
米国・反トラスト法
(カルテル等)
EU・競争法
(カルテル等)
除斥期間 加算税:5年
重加算税:7年
刑事罰:5年 制裁金:5年
(最長10年)

このほか、以下の規定がある。

2 企業結合関係
(1) 株式取得の事前届出制の導入
(2) 届出基準の見直し等(総資産⇒売上高,届出閾値の簡素化等)

3 その他
(1) 海外当局との情報交換に関する規定の整備
  (情報交換を行う場合の条件等を法定化)
(2) 利害関係人による審判の事件記録の閲覧・謄写規定の整備
  (正当な理由がある場合には開示を制限)
(3) 民事救済制度の拡充
  (差止訴訟における文書提出命令の特則の導入)
(4) 事業者団体届出制度の廃止
(5) 公正取引委員会職員等の秘密保持義務違反に係る罰則の引上げ
  (10万円以下⇒100万円以下)


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。


 

 

死者4人を出した三菱化学鹿島事業所のプラント火災で、県事故調査委員会(委員長・長谷川和俊千葉科学大教授)は3月12日、最終報告書をまとめた。

火災は昨年12月21日午前11時半ごろ、第二エチレンプラント分解炉で、下請け会社の従業員らが配管の仕切板の抜き出し作業中に何らかの原因により空気駆動弁(AOV )が開いて、クエンチオイルが流出して発火した。

       2007/12/24 三菱化学鹿島事業所 火災事故 

各紙報道によると、報告書は、油の漏出原因について
・弁のハンドルを鎖で巻き固定する施錠がなかった
・弁を動かす元弁が開いていた
・スイッチがオンになった-と結論づけた。

発火原因は電気、静電気、高温部接触のいずれかとした。

弁は圧縮空気で動く仕組みで、つまみスイッチをオンにすると圧縮空気が送られ開放状態となる。
弁が開になっても空気の流れを遮断する「元弁」を閉めていれば油の漏出を防げたが、元弁を閉める作業は同社の操作マニュアルに記載されていなかった。

設備設置後の最初の工事(2006年2月)実施前の安全打合会で、「AOV施錠」などの安全措置を決め、工事安全指示書を作成したが、今回、メンテナンス担当による施錠の確認がされていなかった。

事故調は事故原因の核心となる弁のスイッチがオンになった経緯については明らかにしなかったが、鹿嶋署捜査本部では「仕切り板を吊り上げる鎖がスイッチに触れた可能性は高いが、断定はできない」と説明している。

管理体制については
・不安全を認識していなかった。
・必要と認識され、会合で決定されていた安全にかかわる操作をマニュアル化していなかった。
・個人の安全意識に頼り過ぎていた
と問題点を分析した。

また、報告書は、人的被害拡大の理由をめぐっては
・仕切り板入れ替え作業と断熱作業を同時並行で実施していた
・災害の緊急性を想定できず適切な避難誘導ができなかった
などの問題点を挙げた。

弁などがある階より下の階で、死亡した作業員らが工具を使ってパイプの断熱工事をしていた。
同社によると、別の階で同時に作業を行うことはマニュアルなどで制限されていない。

再発防止策として、
・仕切り板の入れ替え作業が不要となる弁への変更
・弁の施錠
・スイッチの防護を行う
・同じプラント内で複数の作業を同時に実施しない
・緊急時の避難経路を周知する
・協力会社を含めた安全管理の統括部門を新設する-などを求めた。

鹿島事業所は1999年と2004年にも、安全管理の不徹底が原因とみられる事故を起こしており、死傷者も出していた。
長谷川委員長は「過去の事故が教訓として生かされていない」と指弾した。

同社の報告によると、1999年1月に第1エチレンで死亡事故(死亡1、負傷 6 )が発生している。
  
http://www.meti.go.jp/press/20080109001/M.pdf (P 1920)

熱交換器の配管を修理するため、保温材を剥がしていたところ、配管が破裂、水蒸気が噴出し、作業員が被災した。

原因は、工事に係わる
安全措置確認の不足により、本来閉止すべき弁の閉止操作が行なわれず、低圧系配管に超高圧蒸気の圧力が加わったため、エロージョンで減肉していた部位が破裂したもの。

同社はこの事故に対する対策として、以下の点をあげていた。
・運転指示、作業指示に係わる管理の徹底
・作業発生時の「作業安全確認書」使用の徹底(義務付け)
「バルブ等施錠管理」の制定

2004年12月には第二エチレンで分解炉への供給配管の弁から可燃物が外部に排出され、高温の蒸気ラインに触れて火災が発生した。(人的被害なし)

臨時作業であるドレン抜き作業を作業安全指示書を作成せず口頭指示で実施したことと、作業員が場所を離れ、ナフサ漏洩に気付くのが遅れたことが原因。

ーーー

これを受け、県は14日、安全管理を徹底し再発防止に努めるよう指導するとともに、再発防止策の実施状況を本年9月末と来年3月末に報告することや、火災の発火源についても新たな事実が判明次第、報告するよう求めた。

三菱化学は(1)安全管理システムの運用を統括する部門「安全文化推進室」の新設(2)避難経路の明確化(3)協力会社との連携強化ーーなどの再発防止策をまとめた報告書を提出した。

ーーー

なお、経済産業省は2月15日、三菱化学に対して、鹿島事業所の高圧ガス保安法に基づく完成検査及び保安検査に係る認定を取り消す行政処分を行った。

      2008/2/15 三菱化学鹿島事業所の事故で行政処分 

3月5日には第2エチレンプラントの使用停止命令が一部解除されている。

      2008/3/5 三菱化学鹿島事業所第2エチレンプラント、使用停止命令一部解除

付記 三菱化学は14日、以下の発表を行なった。

3月12日に行われた茨城県による火災事故調査等委員会の第3回会合にて説明した火災事故の再発防止に向けた取り組みに関する報告書を、本日(3月14日)茨城県に対し提出し、茨城県より、再発防止策を確実に行うとともにその達成状況を半年ごとに報告するよう指導を受けました。

報告書  http://www.m-kagaku.co.jp/newsreleases/2008/20080314-2.pdf

付記 三菱化学は3月19日、操業再開を発表した。

1 操業を再開する設備
   ・2F-201から2F-205までの分解炉
   ・急冷系、圧縮系、低温精製系、高温精製系の各設備

2 操業再開後のエチレン生産能力
   約32万トン/年(火災事故前の67%程度)


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ロシアのLukoil-Neftekhim のウクライナの子会社 KarpatNaftoKhim はウクライナのKalushKiev の南西500km)で同国初のPVC工場の建設を開始した。

能力は30万トンで Uhde Vinnolit の高機能リアクターを使った最新技術で建設する。投資額は200百万米ドル。

Uhde PVCと同時に同地にイオン交換膜電解工場の建設も請け負っている。110百万ユーロを投じて、隔膜法に代えてイオン交換膜法のプラントを建設するもので、能力は塩素177千トン、ソーダ200千トンとなっている。本年央に完成の予定。

KarpatNaftoKhim は同地でエチレン、プロピレン、PE、塩素/ソーダのほか、370千トンのVCM工場を有している。
しかし、東欧最大の
PVCメーカーであるBorsodchem が自社VCM増設に伴い購入を取り止める決定を行なった結果、極めて低い操業となっており、PVC自製を決めたもの。

Lukoil はロシアの大石油会社で、石油化学に関してはKarpatNaftoKhim の他に、以下の子会社を有している。

 Saratovorgsintez
  立地:ロシア Saratov
  製品:アクリロニトリルほか
       DuPont技術で
青酸ソーダ15千トン)を建設

 Stavrolen
  立地:ロシア Budennovsk
  製品:PP(ダウ技術 120千トン)、PE

 LUKOIL Neftokhim Burgas
  立地:ブルガリア Burgas
  製品:ポリマー、有機薬品

なお、20049月に ConocoPhillips Lukoil の株式の7.6 %を購入、将来20%まで増やすことができる旨の契約を締結している。.

ーーー

これまで KarpatNaftoKhim VCMを購入していたハンガリーのBorsodchem は塩ビとイソシアネートのメーカーで、製品は以下の通り。

塩素:水銀法 125千トン
VCM:現有能力 220千トン、増強後 320千トン
PVC330千トン(うち、150千トンは信越化学1973年にChemocomplex に技術供与したもの)
   
* 信越は1975年にポーランドのPolimex にも技術を供与している。(200千トン)
PVCコンパウンド
MDI60千トン
TDI60千トン(100千トンへの増設計画あり)

2006年に欧州最大の買収ファンドの英 Permira とオーストリアのVienna Capital Partners がつくったファンドがBorsodChem の全株式を取得した。

    Permiraについては 2007/10/26 欧州最大買収ファンドのペルミラ、農薬大手アリスタ買収 
         

これに至るまでには、Borsodchem とロシアの Gazprom との戦いがある。

2000年6月にBorsodchem はハンガリーのもう一つの石化会社Tiszai Vegyi Kombinat (TVK) 28.5%を取得したが、これをTVKに19.6%出資しているハンガリーの石油・ガス企業のMOLに譲渡しようとした。Borsodchem はエチレン取得のためTVK株式を購入したが、MOLが供給を保証したため、株式保有の必要性がなくなった。

TVKの事業 (現状)
 エチレン:660千トン
 LDPE: 97千トン
 HDPE:420千トン
 PP:280千トン

2000下半期に大騒動が起こった。
アイルランドの
Milford Holdings という名前だけの会社がBorsodchem 24.8%を取得した。
更に
オーストリアのCE OIL & GAS (本件のために設立された会社)が同社の59%を取得した。

Milford Holdings の背後に誰がいるのか分からないまま、Milford 臨時株主総会を開催することを要求、取締役交代とTVK株式売却取り止めを求めた。
そのうち、
Milford の背後にGazprom がいることが分かり、CE OIL & GAS Gazprom と組んでいるのではないかとの噂が流れた。
CE OIL & GAS VCP Capital Partners の子会社で、Gazprom との結びつきはなかった)

 * Milford は一時、持株をGazprom 子会社の SIBURに移した。
  このため、
SIBURBorsodchem を買収したという誤った記事が出ている。

Borsodchem は要求を拒否し、長い交渉が行なわれた。
この争いの最中にBorsodChem Gazprom の子会社の SIBUR からの原料購入の代わりに、Gazprom の競争相手のLUKoil からエチレンとVCMを購入する契約を結んだ。これが上記のKarpatNaftoKhim のVCMである。

2001年6月には、遅まきながらハンガリー国会が乗っ取り防止の証券取引法改正を行なった。(この法律はLex BorsodChemBorsodChem法と呼ばれた)

2001年6月、Milford Holdings Borsodchem に対する法的闘争をギブアップした。

2003年4月、CE OIL & GAS の親会社のVCP Capital Partner Milford の所有するBorsodchem 株式を買収する契約を結び、同社株を合計88.97%取得した。その後、2004年に同社は株式の一部売却を決めた。

2006 9 月、Permira Funds VCP Capital Partner のファンドが BorsodChem の全株式を買収した。

なお、問題の原因となったTVKは、2007年2月にハンガリーの石油大手MOLが持株を2倍に増やし、84.86%を所有している。

 


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厚生労働省は10日、血液凝固防止作用があり、透析治療に不可欠なヘパリン ナトリウム製剤について、米国内で副作用が疑われる報告が相次いだことから、予防的な措置として、国内メーカー3社が自主回収を始めたと発表した。

米食品医薬品局(FDA)が2月28日、昨年12月以降に米Baxter 製のヘパリン製剤を投与された448人がアレルギー反応を起こし、21人が死亡したと発表した。FDAによると、Baxter が仕入れている米国Scientific Protein Laboratories (SPL) と、同社の中国JVのChangzhou (常州SPLの原液を使ったヘパリン製剤の一部から不純物が見つかった。

扶桑薬品工業、大塚製薬工場、テルモの3社が、米国SPL社から原液を輸入していた。

ヘパリンは透析中や手術後に血栓ができて血管が詰まる血栓塞栓症の予防や治療、血管にカテーテルを挿入する際の血液凝固防止などに広く使われている。

米国ではBaxterが約半分のシェアを持っており、APP Pharmaceuticals が同社と競っている。APP のヘパリンでは問題は出ていない。

参考
1915年、Johns Hopkins大学の学生であったMacLeanが偶然に犬の肝臓から
抗凝固作用のある物質を発見した。
肝臓に多く存在すると考えられたため"heparin" と名付けられた(hepato- は「肝の」という意味)。

ーーー

米紙によると、原因はまだ不明だが、中国のChangzhou SPL製の原液が疑われている。

まず、Changzhou SPL は化学会社として扱われており、中国医薬食品局の管轄下になく、米FDAも米国で販売される医薬品原体の製造開始以後、検査をしたことがない。

また、中国では昨年来、ヘパリンで混乱を生じている。
ヘパリンは豚の小腸からつくられるが、全国で豚の病気が蔓延しているため、ヘパリンの製造者は原料収集に駆け回っている状況にある。
この結果、仲買人が、不衛生的な、政府の監視を受けない、小さな村工場からも買い集めており、原料ソースが不明の状態にある。
噂では、羊の狂牛病であるスクレイピーの懸念から欧米では10年以上前から使用を止めている羊の小腸を使っているところとか、コストダウンのため、
blue-ear disease という疫病にかかった豚の小腸を使っているところもあるといわれている。

2月にFDAがChangzhou SPL を視察した結果、記録に不備があること、ヘパリン原液のコンタミを防ぐ手段をとっている証拠がないことが明らかにされた。また製造指示書も不十分なものであるしている。

他方、Baxterと競合するAPP Pharmaceuticals は深センのShenzhen Hepalink Pharmaceutical Co から原液を輸入しているが、同社はFDAや中国当局などから何度も検査を受けて、承認を受けており、大量の記録を揃え、各ロットごとにソースがトレースできるようになっているとしている。

国内3社は「国内で製造販売したヘパリン製剤から、現時点では不純物は見つかっていない。副作用報告もない」としている。

ーーー

米国製の医薬品が実は中国の原料を使っており、それがこんな杜撰なやり方でつくられ、チェックもされていなかったとは驚きである。


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3月10日の日本経済新聞は 「中国・華南 コスト高の荒波 『世界の工場』一部外資撤退」を伝えている。

労働契約法改正などに伴う人件費の高騰や人民元相場の上昇、税制面での外資優遇廃止、付加価値の低い加工工場への優遇策縮小などで、一部外資に撤退の動きが出ている。

これは華南だけでなく、中国全体の問題である。

ーーー

全国人民代表大会の常務委員会で2007年6月29日、労働者の解雇を制限する「労働契約法」が可決、成立した。
2008年1月1日施行で、事実上、労使間で「終身雇用」契約を結ぶよう求め、違反した雇用者の賠償金支払いを義務付けた。

    2007/7/3 中国、労働契約法を可決 

労働契約法の施行で人件費が上昇している。広州市は最低賃金を10%増の860元(約12,400円)に設定、上海市などを上回り、国内最高額に達するという。
朝鮮日報
によると、労働契約法施行で人件費が2540%上昇している。

また、人民元の昨年の対米ドル上昇率は6.9%に達し、中国製品の価格競争力は低下している。

 

「中華人民共和国企業所得税法」、「中華人民共和国企業所得税法実施条例」が200811日から施行された。

外国企業は優遇税率が適用されていたが、2008年1月1日からは国内外企業に対する所得税率が一律25%に統一される。
(一部、過渡的措置あり)

    2008/1/4 中国、新企業所得税法施行 

 

中国商務部と関税総署は2007年12月24日、共同で第2回目の「加工貿易禁止商品目録」を発表した。
2008年1月21日から実施され、対象製品の加工貿易の税制面のメリットがなくなる

中国政府は付加価値の低い商品や、加工技術レベルの低い商品の輸出を抑制し、加工貿易をレベルアップさせ、貿易拡大方式への転換を目的としている。

    2008/1/12 中国、第2回「加工貿易禁止商品目録」 589件を発表 
      

ーーー

現時点では日系工場の撤退はなく、香港や台湾、韓国企業が運営する下請け工場の閉鎖が目立つ。

朝鮮日報によると、アクセサリー、衣類、かばんなど労働集約的な加工を手掛ける韓国からの進出企業の経営環境が急速に悪化しており、無断撤退が増えているという。

山東省煙台市で1月に工業団地に進出していた韓国系繊維会社の韓国人役員10人余りが従業員3,000人余りと生産設備を置き去りにし、夜逃げ同様に姿をくらました。下請け会社に約45000万円の債務があり、従業員に対する賃金支払いが滞っているという。

大韓商工会議所が中国韓国商会加盟350社を対象に行なった経営環境実態調査の結果では、25%が「中国での事業清算を真剣に検討したことがある」、3.1%が「現在清算準備を進めている」と答えた。
韓国輸出入銀行の報告書では、山東省青島地区に進出した韓国企業のうち
2.5%に当たる206社が無断撤退した。

会社を清算する場合、債務や賃金の支払いのほか、複雑な清算手続き、過去にさかのぼって減免された土地使用料や税金の納付を求められる、地方政府の非協力的態度などがあり、無断撤退に走るという。

大韓貿易投資振興公社(KOTRA)は中国の青島、上海、北京、広州にある韓国投資企業支援センターに「経営リスク支援デスク」を設置した。
進出企業に労務、税務、会計など経営上の問題点のほか、中国の他地域や第三国への生産移転、中国からの撤退などに関するアドバイスを与える。

しかし、大韓商工会議所は、「経営環境の悪化で撤収まで考えている企業が増えているが、大多数の進出企業は依然として中国での事業継続を望んでおり、中長期的な政府、関係機関の経営支援策が必要だ」としている。

ーーー

労働契約法に関しては、ダノンとの争いを続けているワハハの宗慶後会長(全国人民代表大会の浙江省代表)は3月9日、次のように批判し、変更を要求した。

新しい労働法は昔の国有企業の「鉄茶碗」(割れない=従業員は全て公務員で失業はあり得なかった)時代に戻すものであり、企業の競争力維持のためには変更が必要である。

労働者の権利を守るべきだが、企業が競争力を失くすと労働者はもっと傷つくことになる。


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T.T. Chao 逝去

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Westlake Chemical は10日、同社の創設者で元会長のT.T. Chao が37日に逝去したと発表した。86歳だった。

同氏は1921年、蘇州に生まれ、1946年に台湾に移住した。
1954年に台湾初のPVC工場を建設、1964年に
CGPC を設立した。

CGPCは当初は米国 Gulf とのJVで、China Gulf Petrochemical Corp と称したが、その後 Gulf 撤退で、China General Petrochemical Corp.に改称した。(略称は同じ)
その後、
T.T. Chao は同社を手放しているが、現在、CGPCは自社でPVC関連を、子会社の台湾VCMでVCM、台湾PPでPP、台達化学でPS/ABS、Asian Polymer でLDPEと、幅広く事業を行っている。

T.T. Chao 1986年に米国に進出、Westlake Chemical を設立した。
その後、事業を拡大し、ルイジアナ州に2箇所、ケンタッキー州に1箇所のコンプレックスでエチレン、塩素、LDPE/LLDPE、VCM、PVC、SMを生産、他に、PVCパイプ、窓枠/ドア材
なども扱っている。

1992年には故郷の蘇州にWestlakeとNorsk Hydro 他とのJVのSuzhou Huasu Plastics を設立し、PVC、PVCフィルムを生産している。

   詳細は 2006/9/16 Westlake Chemical、20周年 

Westlake Chemical の現在の能力は以下の通り。(単位:100万ポンド、2.2で割ると千トン能力)

業部 製品          立地 合計
Lake Charles
LA)
Calvert City
KY
Geismar
(LA)
Westlake Petrochemicals エチレン    2,400      
Westlake CA&O エチレン       450     2,850
塩素       410      410
ソーダ       450      450
Westlake Polymers LDPE     850        850
LLDPE     550        550
Westlake Monomers VCM      1,300     600   1,900
Westlake PVC PVC       800     600   1,400
Westlake Styrene SM     485        485
North American Pipe PVC Pipe Booneville(MS), Springfield(KY),
Litchfield
(IL),Wichita Falls(TX),
Van Buren(AK),Bristol(IN),
Leola(PA),Greensboro(GA)
   810
Westech Building Products Fence, Deck and Railing Evansville(IN)     75
Doors and Window Profiles CalgaryAlberta), Pawling(NY)     30
Suzhou Huasu Plastics Company
蘇州)
PVC Westlake 43%/Norsk Hydro 32%/
Jiangsu Chemical Pesticide Group 14%/
China Taicang Petrochemical 3%
   726
PVC film & Sheet    132

 

更に1989年にはマレーシアに進出、Chao Group (53.2%)、マレーシア政府のPNB(45.5%)ほかが出資してTitan Chemicals を設立し、マレー半島南端のパシールクダンにエチレン、HDPE、LDPE、プロピレン、PPのコンプレックスを建設、運営している。

Titan Chemicals 2006年3月にインドネシアのPEメーカー P.T. PENI (BP/三井物産/住友商事合弁、LLDPE/HDPE 450千トン)を買収し、PT. TITAN Petrokimia Nusantara と改称した。


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各分野とも増収、増益となった。

部門別実績は以下の通り。(単位:百万ドル)

  売上高 税引前損益
(除 特別損益)
2006 2007 差異 2006 2007 差異
Agriculture & Nutrition   6,008   6,842   834   725   894   169
Coatings & Color Technologies   6,290   6,609   319   827   840   13
Electronic & Communication Technologies   3,573   3,797   224   572   594   22
Performance Materials   6,179   6,630   451   636   811   175
Pharmaceuticals    -    -   -   819   949   130
Safety & Protection   5,496   5,641   145  1,107  1,199   92
Other    180    178    -2   -173   -184   -11
部門間取引   -305   -319    -14      
合計  27,421  29,378  1,957  4,513  5,103   590

売上高

Textiles & Interiors 部門のINVISTA 2004年にKoch Industries に売却
DuPont Pharmaceuticals は2001年6月に Bristol-Myers Squibbに売却

営業損益(特別損益を除く)

Textiles & Interiors 部門のINVISTA 2004年にKoch Industries に売却
Pharmaceuticals は2001年6月に Bristol-Myers Squibbに売却

売却済みのPharmaceuticals で多額の利益が発生している理由は以下の通り。

2001年、DuPontは世界の事業の構造改革を実施した。4月に競争力を失ってきたポリエステルおよびナイロン工場の閉鎖を発表、3カ月後にはポリエステル事業の一部を売却した。
同年6月、
DuPont PharmaceuticalsBristol-Myers Squibbに売却するという決断をした。医薬品事業に必要な巨額投資は、同社にとっても、あまりにリスキーだったからである。

売却額は78億ドルで、税引き後利益は38億6,600万ドルである。
但し、条件として、
抗高血圧薬のCozaar(R)、Cozaar とチアジド系利尿剤 との合剤 Hyzaar(R) の権利は DuPont が維持し、Merckにライセンスした。
「医薬部門」の利益はこの特許料で、実績は以下の通り(百万ドル)。

2002 2003 2004 2005 2006 2007
 468  548  681  751  819  949

    2007/3/30 デュポンの部門別損益 

ーーー

同社の各部門の製品は以下の通り。

 Agriculture & Nutrition                                          
  
主要製品                               主要市場             
Seeds Pioneer(R)
Crop protection chemicals
:殺虫剤、除草剤、殺菌剤ほか
Food ingredients:Solae(R)大豆タンパク
Food quality and safetyBAX(R) 病原体検出システム
Production agriculture
Food processing
   
 Coatings & Color Technologies
 
主要製品 主要市場              
Titanium dioxide
Liquid and powder coatings
Coatings and application services

Automotive OEM
Collision repair
Paper
Industrial coatings
Architectural coatings
Plastics
   
 Electronic & Communication Technologies
 
主要製品                   主要市場                      
Circuit and component materials
Flexographic printing systems
Photovoltaic materials
Refrigerants
Surfacing materials
Semiconductor fabrication and
   
packaging materials
Wire & cable materials
Semiconductors
Printed circuit boards & components
Automotive and industrial electronics
Displays
Packaging and commercial printing
HVAC refrigeration
Chemical processing industries
Electronic data and telecommunications
Alternative energy
   
 Performance Materials
 
主要製品 主要市場
Engineering polymers
Flexible packaging resins
Industrial resins
Performance elastomers
Performance films
Automotive
Packaging
Electrical/electronics
Construction
Consumer durables
   
 Safety & Protection
 
主要製品                             主要市場               
Safety and operational consulting and training
Specialty, performance, and industrial Energy chemicals
DuPont Corian(R) solid surfaces
MMA人工大理石
DuPont Kevlar(R) fiber:パラ系アラミド繊維
DuPont Nomex(R) fiber and paper:メタ系アラミド繊維
DuPont Tyvek(R) protective material:不織布
Construction
Energy
Health care
Military/homeland security
Protective apparel
Transportation
 

ーーー

全社損益の推移は以下の通り。

2001-03の大幅増減は下記の特別損益(税引前)によるもの。 
 2001 DuPont Pharmaceuticals 売却益  6,136百万ドル  
 2002 会計制度変更   
-2,944百万ドル
 2003 Invista分離関連 
-1,915百万ドル


* 総合目次、項目別目次は
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OPECの定例総会が3月5日、ウィーンで開幕、4月からの加盟12カ国(イラクを除く)の原油生産量を現状の日量2,967万バレルのまま据え置くことを決めた。

イラクを除く 10カ国   2,725万バレル
アンゴラ(2007/1加盟)     190万バレル
エクアドル(2007/12復帰)     52万バレル
合計(イラク除く 12カ国)   2,967万バレル

* エクアドルは1963年から1993年まで加盟していたが、拠出金の負担が重いなどの理由で脱退していた。

発表は以下の通り。

米国の景気下降と金融市場危機が世界の経済成長、及び、その結果として石油需要の減少リスクを増大させていることを認識している。
   
しかし、石油の供給は十分にあり、石油在庫は過去5年の平均を上回っている。
現在の石油価格は市場のファンダメンタルを反映しておらず、米ドルの弱さ、インフレ、コモディティ市場への資金の流入によるところが大きいことを懸念する。
   
季節的に第2四半期は需要が減退するが、OPECは生産レベルを維持することとした。
引き続き市場の安定を図り、適切な供給を行なう。

OPECはベネズエラの石油国有化に関するExxonMobil との紛争(2008/2/20 速報 WTI原油価格 過去最高値更新 )に関して、下記のコメントを行なった。 

OPECはベネズエラの天然資源に関する主権の行使を支持する。国際法で認められ、アルジェ、カラカス、リヤドのOPECのサミットで確認した権利である。

OPECは紛争が誠意をもった、友好的な交渉で解決されることを望む。

また、温暖化問題でエクアドル大統領が国連に提案したYasuni-ITT Initiative が、OPECのエネルギーと環境保護の目的に合致するとし、これを支持した。

2007924日に国連温暖化会議で提案したもので、原住民が自発的に外界から隔離して居住し、世界で最も biodiverse な(生物が多様化した)場所のひとつであるYasuni National Park で、自然保護のため、約10億バレルの油田を開発せずに放置するという提案である。

ーーー

OPECの決定を受け、原油価格は高騰し、史上最高値を更新している。


37日のNew York 市場のWTI原油先物相場は一時106.54ドル/bbl と、初めて106ドルを超えた。
終値は6日が105.47ドルで史上最高。

3月7日の東京市場ドバイ原油 終値は 96.95ドル/bbl と過去最高を更新した。
東京市場オープンスペックナフサは2月29日に過去最高の910ドル
となっている。


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昭和電工、日本軽金属、住友化学のアルミナメーカー3社が環境問題から2015年までにボーキサイトの国内精製から撤退すると報じられた。(3/7 日本経済新聞)

各社は輸入したボーキサイトを苛性ソーダで溶融し、水酸化アルミニウムとし、更にこれを焼成してアルミナを製造している。
アルミナの電解でアルミニウムができるが、日本では後記のとおり各社が撤退し、日本軽金属の蒲原製造所で唯一、少量の生産を行なっている。

水酸化アルミの生産時に膨大な量の赤泥ができる。酸化鉄を主成分とし、SiO2とTiO2が混在している。
赤泥は以前は海岸の埋め立てに使い、工場用地を拡大していたが、最近は用途がなく、止む無く海洋投棄を行なっている。

赤泥は産業廃棄物であり、産業廃棄物の海洋投棄は、1972年にできたロンドン条約(「1972年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」)で原則禁止されている。(日本では1973年11月発効)

第1条 
締約国は、海洋環境を汚染するすべての原因を効果的に規制することを単独で及び共同して促進するものとし、また、特に、人の健康に危険をもたらし、生物資源及び海洋生物に害を与え、海洋の快適性を損ない又は他の適法な海洋の利用を妨げるおそれがある
廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染を防止するために実行可能なあらゆる措置をとることを誓約する。

しかし、ロンドン条約の付属書Ⅰの中に例外として産業廃棄物に当たらないという項目がある。
その一つが「汚染されていない不活性な地質学的物質であって、その化学的構成物質が海洋環境に放出されるおそれのないもの」。
日本国内法では、赤泥がこの条件に当てはまるとし、例外項目として赤泥の海洋投棄を「特別」に認めている。

グリーンピースの調査では海洋投棄の状況は以下の通り。

  年間投棄量 年間投棄回数 一回の投棄量 投棄海域
日本軽金属   672千トン  計67回  10,000トン 八丈島南東沖
住友化学   484千トン  約90回   5,300トン 高知沖
昭和電工   453千トン  計99回   4,600トン 八丈島沖
合計  1,609千トン    19,900トン  

(この数字は、海洋に投棄するために中和された汚泥状の重量で、すべてを乾燥させるとおよそ3分の1の重量になる)

3社は海洋汚染の影響などを考慮、自主的に撤退の方針を決めたもの。

昭電と日軽金は海外の資源大手と同様にボーキサイトを採掘場近くで精製し、残渣を採掘場に埋め戻す体制を取る。

*ボーキサイトの産地のJamaicaには「Grass & Sheep Law」があり、残渣を採掘場に埋め戻した上で、牧草の種を蒔き、羊を飼うことが義務付けられている。

住友化学はボーキサイト精製から完全撤退し水酸化アルミを海外メーカーから購入する。

ーーー

昭和電工は2007年3月、インドネシアでのアルミナ工場建設に関して、事業性評価を行うための合弁会社 P.T. Indonesia Chemical Aluminaを、インドネシアのPT. Antam Tbk、シンガポールのStraits Trading Amalgamated Resources (スター社)および丸紅と共同で設立することで合意した。

インドネシアのカリマンタン州タヤン地区で原料ボーキサイト鉱石の採掘からケミカル用アルミナ製品(水酸化アルミニウムとアルミナ)までの一貫生産を行なうもので、アルミナ製品の生産能力は年産30万トンを予定している。

同社は赤泥の海洋投入を2015年度までに全面的に終了することにしている。

ーーー

日本軽金属と双日、ベトナム化学公団、同公団の100%子会社のSouth Basic Chemical の4社は2006年11月、ケミカル用途水酸化アルミニウム工場建設に向け事業性調査の基本合意契約を締結した。

2006年7月にベトナム首相府からプロジェクト推進の承認を取得しており、ベトナム南部のラムドン省にて、原料となるボーキサイトの埋蔵量確定作業に着手するとともに、工場建設に伴う環境アセスメント調査を開始した。

2008年末までにボーキサイト鉱区の探査により最終的な工場建設地を選定し、合弁会社を設立して、工場建設を開始する。
新工場の水酸化アルミニウムの生産能力は年間約55万トンを予定している。
プロジェクトの総事業費は約400億円の見込み。

同社は清水工場で水酸化アルミニウムとアルミナを生産しているが、ベトナムの新工場に水酸化アルミニウムの生産拠点を移転する。
South Basic Chemical は傘下にボーキサイト鉱区を持つ鉱山会社を保有し、水酸化アルミニウムの生産を行っている。

ーーー

アルミナの電解によるアルミニウム精錬は、日本では1978年頃には6社で164万トンの能力があった。

しかし「電気の缶詰」と言われるアルミニウムは石油危機による電力料の高騰で競争力を失い、1979年には「110万体制」、1982年に「70万体制」、1986年には「35万体制」となり、1988年には日本軽金属・蒲原の3.5万トンのみとなった。
現在は同工場1万トンが動いているだけである。

各社はブラジル、ベネズエラ、カナダ、インドネシア、豪州、ニュージーランド等、海外での開発に参加し、製品を引き取っている。

 詳細 http://f56.aaa.livedoor.jp/~knak/25/aluminium.htm



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米国の薬害裁判

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さきにBayer の失血予防薬 Trasylol (Aprotinin) の薬害問題について報じた。

   2008/2/21 Bayer の薬害問題 

Product Liability で厳しい米国で、被害者からの損害賠償請求がどうなるのだろうと思っているときに、ある判決が出た。

事件はWarner-Lambert Co. v. Kent と呼ばれるが、Warner-Lambert の糖尿病の処方薬 Rezulin に関するもので、1997年にFDAの承認を得たが、これによる死亡が63件に達し、2000年にFDAの指示で販売停止となった。
ミシガン州の糖尿病の患者27人が肝機能障害で
Warner-Lambert を訴えた。

ーーー

この裁判の問題は2点ある。

米国ではFDAが承認した薬品についてはProduct Liability の訴訟は認められていないが、FDAの承認を得るときに fraud (不正、ごまかし)があった場合はどうかということである。

2001年のBuckman v. Plaintiffs' Legal Committee 事件で最高裁はこの場合も訴訟を認めないという判断を示した。

Rehnquist 最高裁長官は、fraud に対してはFDAに処罰や是正の権限が与えられており、FDAに任せるべきであり、訴訟はFDAの処分を歪曲することになるとした。

もう一つは、連邦法が州法に優先するのかどうかという問題である。この問題は Pre-emption と呼ばれる。

ミシガン州法によれば、FDAが承認した薬品についてはProduct Liability の訴訟は認めないが、FDAの承認を得るときに fraud があれば訴訟が認められるとなっている。

これと上記の最高裁の判例と、どちらが優先するのかという問題である。

最高裁は本年2月、Medtronic v. Riegel 事件で連邦法優先の判決を出した。

血管形成手術を受けた患者(Charles Riegel )が医者が規定以上の圧力をかけたためバルーンカルーテルが破裂し重傷を負ったとしてカルーテルのメーカーのMedtronic を訴えた裁判で、医療器具に関してはFood, Drug, and Cosmetic Act の医療器具修正条項で明確に州法に優先すると記載されているのが理由であった。

ーーー

この事件で、第一審ではミシガン州法よりもFDAにfraud の処罰の権利を与えた連邦法が優先するとして却下された。

しかしニューヨーク連邦控訴裁判所は逆転判決を出した。
ミシガン州法は
fraud の処罰を決めたものではなく、製造業者の不正により市場に出た製品で被害を受けた消費者に製造物責任の訴訟をする窓口を造るだけのものであるとした。

3月初めの本件の最高裁の協議では判断が4対4となり、結論が出なかった。
John Roberts Jr. 最高裁長官が被告のWarner-Lambert の親会社のPfizer の株式を所有しているため、棄権せざるを得なくなったためである。

最高裁で控訴審判決を否定できなかったため、控訴審判決が有効となった。
但し、最高裁で決定に至らなかったため、判例とはならない。

この秋に予定されているWyeth v. Levine でどんな判決がでるかが注目されている。

Diana Levine が偏頭痛によるめまいで病院に行った。医者はWyeth 製造の薬 Phenergan * を腕に注射した。
  
*塩酸プロメタジン、抗ヒスタミン剤で吐き気止めに使われる。
めまいが治らないため医者は静脈注射を行なった。薬が動脈に接触し、壊疽をおこし、腕を切断せざるを得なくなった。

薬のラベルには動脈に触れると壊疽をおこすので注意が必要と明記されている。静脈注射については触れておらず、FDAも静脈注射によるリスクについてラベルに書くようには指示していない。

バーモント州の陪審員は静脈注射のリスクが書かれていないとして、670万ドルの賠償を命じた。
州最高裁もこれを認めた。

この判決次第では、少なくともミシガン州のTrasylol の被害者はBayerを訴えることができるかも知れない。


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薬害エイズ事件で、エイズウイルス(HIV)に汚染された非加熱血液製剤の回収指示などを怠ったとして、業務上過失致死罪に問われた元厚生省生物製剤課長、松村明仁被告に対し、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は3月3日付で、上告を棄却する決定を出した。

禁固1年、執行猶予2年とした1、2審判決が確定する。

官僚個人の「不作為」が初めて罪に問われ最高裁で有罪が確定するのは初めて。小法廷は「薬務行政上必要かつ十分な対応を図るべき義務があったことは明らか」と指弾した。

   薬害エイズ事件及びこれに関する他の訴訟については  
         
2008/1/24 資料 薬害エイズ事件 

ーーー

1996年10月、2件の被害事実について、厚生省の元生物製剤課長である松村明仁が、業務上過失致死罪で東京地裁に起訴された。

  ①帝京大病院で1985年5-6月に非加熱製剤を投与された血友病患者の死亡(帝京大ルート)
  ②大阪医科大学附属病院で
1986年4月に旧ミドリ十字の非加熱製剤を投与された肝臓病患者の死亡(ミドリ十字ルート) 

2001年9月、一審判決が出た。
地裁は非加熱製剤の危険性を認識できた時期を1985年12月末と判断し、①については無罪とした。
②については有罪で、禁固1年、執行猶予2年とした。(双方が控訴)

ーーー

2005年3月25日、東京高裁(河辺義正裁判長)の判決が出た。 

裁判長は非加熱製剤の危険性を認識できた時期を一審判決と同様に1985年12月末と判断した。

(1)85年3月に旧厚生省の専門家会議で初めてエイズ認定がなされた
(2)85年12月の同省審議会で「安全な加熱製剤が承認されたときには非加熱製剤は使用させないようにすべきだ」との意見が出た。
   85年12月下旬には安全性の高い加熱製剤が承認され、供給可能量に達していた。(加熱製剤への切り替えが可能)

①(1985年5-6月投与)については、「患者が感染した当時は、大多数の医師が加熱製剤への転換を提唱していなかった。非加熱製剤の投与を控えさせるように方針転換するのは現実的に不可能だった」として、一審判決と同様に無罪。

②(1986年4月投与)については、「危険な製剤の投与を控えさせる最後の手段を怠った」として有罪と認定、一審東京地裁判決を支持、被告、検察側双方の控訴を棄却した。

弁護側は「原則として公務員の権限行使に法的義務はない」としたが、裁判長は、「当時は(危険を回避するための)権限行使が裁量の余地のない状況に至っていた」、「製薬会社を通じて医師に危険情報を提供し、非加熱製剤の投与を控えさせることが不可欠だった」と松村被告の刑事責任を認定した。

これに対し、松村被告は上告したが、東京高検は上告期限である2005年4月8日、刑事訴訟法上の上告理由が見当たらなかったなどとして、上告を正式に断念したと発表した。
これにより、①については無罪が確定した。

上告理由は限定されており、刑事訴訟法・民事訴訟法によってそれぞれ限られている。

 刑事訴訟法405条

  • 判決に憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤りがあること(1号)
  • 最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと(2号)
  • 最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又は刑事訴訟法施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと(3号)

ーーー

今回最高裁は、被告と弁護人の上告趣意は実質は事実誤認、単なる法令違反の主張であり、上告理由に当たらないとして棄却した。

その上で、業務上過失致死罪の成否について職権で判断した。要旨は次の通り。

行政指導自体は任意の措置を促すものであり、薬害発生の防止は一次的には製薬会社や医師の責任で、国の監督権限は二次的・後見的なもの。
これらの措置に関する不作為が公務員の服務上の責任や国の賠償責任を生じさせる場合があるとしても、これを超えて公務員に個人としての刑事法上の責任を直ちに生じさせるものではない。
   
しかし、当時広範に使用されていた非加熱製剤中にはHIVに汚染されていたものが相当量含まれており、HIVに感染してエイズを発症する者が出現し、いったんエイズを発症すると有効な治療の方法がなく、多数の者が高度のがい然性をもって死に至ること自体はほぼ必然的なものとして予測された。
  しかし当時は同製剤の危険性についての認識が関係者に必ずしも共有されていたとはいえず、医師や患者においてHIV感染の結果を回避することは期待できなかった。
   
同製剤は、国によって承認が与えられていたものであり、国が明確な方針を示さなければ引き続き安易な販売や使用が行われる恐れがあった。その取り扱いを製薬会社等に委ねれば、その恐れが現実化する具体的な危険が存在していた。
   
このような状況の下では、薬務行政上、その防止のために必要かつ十分な措置を取るべき具体的義務が生じたといえるのみならず、刑事法上も、非加熱製剤の製造、使用や安全確保に係る薬務行政を担当する者には、社会生活上、薬品による危害発生の防止の業務に従事する者としての注意義務が生じていた。
   
被告は、非加熱製剤が生物製剤課の所管に係る血液製剤であることから、厚生省における同製剤に係るエイズ対策に関して中心的な立場にあった。厚相を補佐して、薬品による危害の防止という薬務行政を一体的に遂行すべき立場にあったのであるから、被告には、必要に応じて他の部局等と協議して所要の措置を取ることを促すことを含め、薬務行政上必要かつ十分な対応を図るべき義務があったことも明らかである。
   
非加熱製剤の販売中止・回収や、医師に不要不急の投与を控えさせる措置を取ることを不可能または困難とするような重大な法律上または事実上の支障も認められないのであって、被告においてその責任を免れるものではない。
   

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2008年3月5日、第2エチレンプラントの使用停止命令が一部解除された。

1 使用停止命令の一部解除を受けた設備プラント
 ・2F-201から2F-205までの分解炉(第2エチレンの8基の分解炉のうち5基)
 ・急冷系、圧縮系、低温精製系、高温精製系の各設備

  ※火災事故が発生した分解炉2F-208及び同炉隣の2F-207については、再開の目処は立っていない。
   分解炉2F-206については、検査、補修及び安全対策工事を実施中で、今後操業再開について監督官庁と相談する。

2 操業再開目標時期  3月中旬~3月下旬
3 操業再開後の生産能力 約32万トン/年(第2エチレン能力476千トンの67%程度)

   三菱化学のエチレン能力は以下の通り。(2006/12/末時点 単位:千トン/年)

  定修あり 定修なし 全国比
(定修なし)
鹿島第1   375   410   5.1% 
鹿島第2   476   516   6.4%
(小計)  (851)  (926) ( 11.5%)
水島   450   496   6.2%
三菱合計 (1,301) (1,422)   17.7% 
全国 〔7,289〕 〔8,023〕  

 2007/12/24 三菱化学鹿島事業所 火災事故 


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2007年決算分析 Bayer

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Bayerの2007年の決算も増収増益であった。

部門別実績は以下の通り。(単位:百万ユーロ) EBIT :税引前利益+金利)

    Sales EBIT
2006 2007 差異 2006 2007 差異
HealthCare Pharmaceuticals   7,478  10,267  2,789   563   741   178
Consumer Care
  (
Consumer Care)
  (
Diabetes Care)
  (
Animal Health)
  4,246
 
(2,531)
  
(810)
  (905)
  4,540
 
(2,634)
  
(950)
  (956)
  294
 
(103)
 
(140)
  (51)
  750   823    73
小計  11,724  14,807  3,083  1,313  1,564   251
CropScience CropScience   4,644   4,781   137   384   537   153
Environmental Science Bioscience
  (
Environmental Science)
  (
BioScience)
  1,056
  
(714)
  
(342)
  1,045
  
(663)
  
(382)
  -11
  (-51)
  (40)
  200   119   -81
小計   5,700   5,826   126   584   656    72
MaterialScience Materials
  (
PC)
  (Polyurethanes)
  2,925
 
(2,720)
  (205)
  3,041
 
(2,811)
  (230)
  116
 
( 91)
  ( 25)
  289   100   -189
Systems
  (Polyurethanes)
  (Coatings, Adhesives, Sealants)
  (他)
  7,236
 
(5,182)
 
(1,488)
  
(566)
  7,394
 
(5,224)
 
(1,598)
  
(572)
  158
  
(42)
  (110)
   (6)
  703   942   239
小計  10,161  10,435   274   992  1,042    50
調整     1,371   1,317   -54   -127   -108    19
合計    28,956  32,385  3,429  2,762  3,154   392

Bayerは2006年6月にSchering AG の買収を決めた。
    
2006/6/12 2つの買収劇  

    2006年決算にはSchering 分が半年分しか入っていないが、2007年にはフルに入っている。
  売上高  2006年:3,082百万ユーロ、2007年:5,921百万ユーロ (+ 2,839百万ユーロ)

Materials (PC、Polyurethanes) の減益が大きいが、原料、用役価格の上昇と売価ダウンによるとしている。

売上高

       

部門別営業損益 (EBIT earnings before interest and taxes 

Bayer は2004年7月にBayer Chemicalsの大半とBayer Polymersの一部を新会社 Lanxess として分離し、2005年に上場した。

2006/9/6 Bayer と Lanxess   

上記グラフは
2003年は旧組織ベースとLanxessへの分離後の両方を示し、
2004年はLanxessを含んだものと、含まないものの両方を示している。
その後は、Lanxess分は含んでいない。

2003年の赤字は以下の特別損益を含んでいる。

評価損  -1,927 百万ユーロ
合理化、資産償却   -508
部門売却(家庭用品事業など)    469
その他   -619
合計  -2,585

 

 

全社損益推移

                 

2007年の全社損益には下記の事業の売却損益(税引後合計 2,395百万ユーロ)を含んでいる。
(2007年の税引前損益は継続事業のもの)

 1)診断薬事業

2006年6月、Bayer は診断薬事業を Siemens に43億ユーロで売却した。

  2006/7/4  シーメンス バイエル診断薬買収  

売却益は税引き後で2,065百万ユーロ。

 2)H.C. Starck

Bayerは子会社H.C. Starck を入札方式により売却先を選定していたが、投資会社の Advent International Carlyle Group に売却することに決めた。売却金額は12億ユーロ、売却益は税引き後で91百万ユーロ。収入は Schering 買収費用に充てる。

H.C. Starck タングステン、モリブデン等の希少金属の粉末及びコンパウンド、セラミック粉末、エレクトロニクス用スペシャリティケミカル等のメーカーで1986年にBayerグループに入った。

  2006/12/2 Bayer、子会社 H.C. Starck を売却   

 3)Wolff Walsrode

200612月、主にセルロース事業を行っているWolff Walsrode business group をダウに売却することで合意した。
売却益は税引き後で239百万ユーロ。

  2006/12/26 ダウ、Bayerからセルロース事業を買収  

 


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。


 

Solutiaは2月28日、会社更生手続き(Chapter 11)を終了し、再生に向けスタートした。

Solutiaは1997年9月にMonsantoの化学部門が分離独立して設立された会社である。

Monsantoは1901年設立の化学会社だが、1985年にバイオケミストリー分野での事業展開のため、G.D.Searle を買収した。
1997年に化学部門をSolutia として分離した。
1998年に American Home Products と合併で合意したが、破談となっている。
2000年4月にPharmacia & Upjohn と合併し、Pharmacia となった。
Pharmacia は2002年に農薬部門を再度 Monsanto として分離した。
   
Pharmaciaは2003年にPfizer に買収された。

 

2003年12月17日、Solutia は日本の会社更生法に当たる連邦破産法11条申請を行ったと発表した。

Monsanto からスピンオフした際に引き継いだ法的債務(訴訟費用・賠償金、環境対策費用、退職者医療費債務等)で毎年1億ドル程度を支払い、これが負担となっていた。

2003年8月には、旧Monsantoがアラバマ州で健康への危険を隠蔽しながら河川にPCBを投棄したとの住民訴訟に対し和解が行われ、SolutiaMonsantoPharmacia の3社が不正行為を認めないまま総額6億ドルの賠償を行なうこととなり、Solutia はそのうち5千万ドルを負担した。

破産法11条申請は、コストダウン等による対応が限界にきたとして、これらの負担を免れるために行ったもので、業務は引き続き継続した。  

参考 セブンーイレブン

米国連邦破産法はChapter 7 で
破産手続き、Chapter 11で会社更生手続きを規定している。

長期間の交渉の結果、2007年9月にようやく再建計画について債権者、株主、Monsanto、Pharmacia、退職年金その他、主要な利害関係人すべてとの合意が成立した。

20億ドルの新規借入(exit financing):
  既存借入金の一部の返済と運営費用に充てる。
・250百万ドルの新株発行
  退職年金等に充てる。

2007年10月15日に破産裁判所に再建計画を提出、11月29日に裁判所の承認を得た。

2008年2月28日、新規借入が実行され、Chapter 11手続きが完了した。

SolutiaのCEOは、「長期間のChapter 11 の期間中に、Solutia を変身させ、再生させた。事業を強化し、13億ドルの負債を減らした。成長力と活気のある会社として再スタートする。」と述べた。

年間売上高38億ドル、従業員は世界全体で5,700人。

主に、自動車、建築、輸送、産業用に機能材料を生産するが、主要製品は以下の5つ。

Saflex®:合わせガラス polyvinyl butyral (PVB) 中間膜
CPFilm® :窓ガラス用フィルム
Nylon Plastic & Fibers:アジピン酸、ヘキサメチレンジアミン、Nylon 66ナイロン繊維
・Flexsys® :合成ゴム加硫剤
Specialty Products 高温合成系熱媒体、航空機用作動油、航空機用洗浄溶剤、
    ポリビニルブチラール樹脂、ジフェニルオキサイド

なお、日本のソルーシア・ジャパンは、1952年にMonsanto と三菱化成との49/51 JV の三菱モンサント化成として設立された。
1990
年に三菱モンサント化成解消し、化学品部門の一部を日本モンサント(1957年設立)へ移管、1997年のMonsanto による Solutia 分離で9月1日にソルーシア・ジャパンとなった。


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2007年決算分析 BASF

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BASFの2007年の決算は、増収増益で、売上高で前年比10%増、EBIT(税引前当期利益+支払利息)は8%増となった。

売上高の増加は 5,341百万ユーロに達するが、内訳は以下の通り。事業買収が大きく貢献している。
     
  数量増   2,557百万ユーロ    
  価格   1,321
  為替差 - 1,989(ユーロ高:1.26$/Euro→1.37$/Euro)
  事業買収、新規   3,598(下記)
  事業売却 -  146(Fine Chemicals:lysine, premix)
  合計   5,341

各部門売上高の製品グループ別内訳は以下の通り。

部門 内訳 2006 2007 伸率
Chemicals Inorganics   1,134   1,192  105
Catalysts *1   2,411   4,804  199
Petrochemicals   5,754   5,696   99
Intermediates   2,273   2,470  109
合計  11,572  14,162  122
Plastics Styrenics *2   4,994   5,306  106
Performance Polymers   2,932   3,024  103
Polyurethanes   4,849   5,166  107
合計  12,775  13,496  106
Performance
 Products
Construction Chemicals *3   1,081   2,100  194
Coatings   2,414   2,587  107
Functional Polymers   3,387   3,522  104
Performance Chemicals   3,251   3,488  107
合計  10,133  11,697  115
Agricultural Products
 & Nutrition
Agricultural Products   3,079   3,137  102
Fine Chemicals *4   1,855   1,852  100
合計   4,934   4,989  101
Oil & Gas Exploration and production   4,555   4,365   96
Natural gas trading   6,132   6,152  100
合計  10,687  10,517   98
Others     2,509   3,090  123
Total    52,610  57,951  110

2001年に売上高が減少しているが、同社は2000年12月に医薬品事業をAbbott Laboratories へ69億ドルで売却している。

同社はこの数年前から、医薬品事業の将来についてあらゆる選択肢を検討していた。
医薬品事業売却に合わせ、American Home Products
より農薬事業(American Cyanamid社)を買収し、BASF武田ビタミンの武田薬品持分を買収するなど農薬とファインケミカル事業を急速に拡大した。

*1 Catalysts
   BASF は2006年にEngelhard を買収した。
    
2006/6/12 2つの買収劇  

*2 Styrenics  
   
BASFCEOは20078月の2007年第2四半期の業績発表の席上、 スチレン事業の一部の売却に関して、
   買い手候補のある1社と極めて建設的な交渉を行っていることを明らかにした。
    
2007/8/6 BASF、スチレン事業一部の売却交渉進展   

   最近の報道では近いうちに発表がある模様。

*3 
Construction Chemicals
   
20063DegussaからConstruction chemicals business 27億ユーロで買収
     
混和剤システム(北米、欧州、アジア太平洋)
     建材システム(北米、欧州)

*4 Fine Chemicals
   2007年3月、Lysine 撤退を決定、韓国群山工場(10万トン)を閉鎖、11月に売却が決定した。
    今後は非アミノ酸に集中する。
   また、日本を含む各地の飼料用プレミックス(ビタミンと飼料添加物を混合)から撤退した。
    2007年2月に多くの国の事業をオランダの
Nutrecoに売却、日本の事業は12月に伊藤忠に売却した。

 

部門別の営業損益(EBIT:税引前当期利益+支払利息)は以下の通り。

原料高はほぼ転嫁できているが、Oil & Gasの減益は原油価格アップによる。
Fine Chemicalsの黒字転換は、赤字の lysine と premix からの撤退の影響が大きい。

部門 2006 2007 増減
Chemicals   1,380   1,995   615
Plastics   1,192   1,236   44
Performance Products    669    704   35
Agricultural Products    447    489   42
Fine Chemicals    -66    171   237
Oil & Gas   3,250   3,014  -236
Others   -122   -293  -171
Total   6,750   7,316   566

 

全社損益の推移は下記の通り。

 

 

(今後、各社決算分析を順次掲載します。)


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。


2007年10月、同地で112エーカーの土地を砒素、鉛、カドミウムの産業廃棄物で汚染し、地域住民の健康に被害を与えたとして、DuPont に対して住民代表の10人による集団訴訟の裁判が行なわれた。

陪審員の決定は以下の通りであった。

1)廃棄物処理に関するDuPont の責任DuPont に責任と過失

2)住民側の健康診断要求:今後40年間、DuPont が検査費用を負担

3)公害物質除去費用の負担55.5 百万ドルの負担

4)懲罰的賠償:196.2百万ドルの懲罰的賠償

    2007/10/23 DuPont、廃棄物問題裁判で敗訴  

 

2008年2月25日、Harrison County 巡回裁判の判事は、上記の 196.2百万ドルの懲罰的賠償の決定を支持した。
判事はまた、住民側の健康診断の費用はDuPont が実費を負担とするが、DuPontに対して 130百万ドルを escrow account (その目的のための特別口座)に預金することを命じ、口座の管理者を指名した。

この結果、DuPontの負担総額は381百万ドルとなる。

判事はDuPont の裁判のやり直しの要求を拒否した。
また、弁護士費用等として
135百万ドルを認めた。これは健康診断費用や公害物質除去費用には影響させず、懲罰的賠償額から引かれることとなる。
なお、数千人の住民を代表して集団訴訟を行なった
10人の原告が求めた75千ドルの報奨金は認められなかった。

ーーー

DuPontは今回の130百万ドルの健康診断費用を不満とし、州最高裁への控訴を検討している。
実際に必要な費用より数千万ドル高く、高額の弁護士費用を正当化するためのものだとし、肺がん検査のための低線量CTスキャンなどの必要性の科学的根拠は無く、むしろスキャンによる放射線の方が害があるとしている。


* 総合目次、項目別目次は
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

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