天津爆発事故のその後(3)

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瑞海公司の爆発した当時の化学品の保管状況が明らかになった。

爆発後の写真(右)で見られるとおり、炭化カルシウムなどの置かれていた重箱区に爆発の大きな穴があいている。

付記 
「ダイヤモンド」誌は運抵庫に置かれたシアン化ナトリウム(河北誠信製の700トン)が原因ではないかとしている。
シアン化ナトリウムは化学反応を避けるため、単独で閉めきった危険物倉庫に置くべきなのに、野積みにし、露天に晒していた。

 


爆発前の工場の写真
 

 

天津市政府は8月25日、犠牲者の数を発表した。

死者:135人(うち、公安消防 21、天津港消防 60、警察 7)
行方不明:38人(うち、公安消防 3、天津港消防 20、警察 4)

入院:582人(うち、危篤 11、重症 25)、退院済み 216

 付記 8月30日現在

死者:150人(うち、公安消防 23、天津港消防 69、警察 10)
行方不明:23人(うち、公安消防 1、天津港消防 11、警察 1)

入院:367人(うち、危篤 5、重症 15)、退院済み 431

公安消防は正式には中国人民武装警察消防部隊で、隊員の身分は軍人で、兵役(2年間)として消防任務に就いている。
「消防新兵」と呼ばれる兵士で、十分な専門知識と経験に基づいた訓練を受けていないとされる。


中国の国有不動産 5社( 天津不動産集団有限公司、天津泰達投資持株有限公司、天津住宅建設発展集団有限公司、天津海泰持株集団有限公司、天津天宝持株有限公司)は 天津不動産企業社会責任連盟を結成し、爆発で損壊したアパートを買い取る。
地元当局が被害状況などを査定した上で「住民らの利益を損なわない形で」買い取り価格を決定するという。

 

付記

中国検察当局は8月27日までに、危険物取り扱いの許認可や安全検査を担う担当部局に職務の怠慢や職権乱用などがあったとして、同市交通運輸委員会トップら各部局の幹部計11人を拘束した。

 職務怠慢(監督を怠る)

天津市交通運輸委員 主任 武岱
(元)天津市交通運輸港口管理局 副局長 李志剛(退職)
天津市交通運輸委員會港口管理処 処 馮剛
天津市安全生産監督管理局 副局長 高懷友
濱海新安全生産監督管理局 局長 曹春波
濱海新企画&國土資源管理局 副局長 朱立明
天津税関 税関 新港税関 税関長 王家鵬
天津港(集團)有限公司 總裁 鄭慶躍
天津港(集團)有限公司 總裁助理  李洪峰
天津港(集團)有限公司 安監部副部長 鄭樹國

 職権乱用(条件を備えていないにもかかわらず危険物の取り扱い許可を与えた疑い)

交通運輸部水運局 副巡視員 王金文


付記  瑞海公司関係では下記の10名(舒錚を除く)が拘束されている。

瑞海公

出資

影のオーナー
名目 実際
会長 李亮 55% 55% 於學偉 元 Sinopec 天津分公司の副總經理瑞海公司創業者
副会長 曹海軍        
副会長 董社軒   45%    
CFO 宋齊        
社長 只峰        
安全担当副社長 尚慶森        
副社長 劉振國        
工場長 貝勝強        
李某某        
取締役 舒錚 45%      

 
    45%出資する副会長の董社軒
天津港公安局 元局長董培軍の子


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2015/8/14   天津で大規模爆発

2015/8/17   天津大爆発のその後

2015/8/21   天津爆発事故のその後 (2)



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