米下院、200兆円規模の新型コロナ対策法案可決

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米下院は3月10日、1.9兆ドル(約200兆円)規模の新型コロナウイルス対策法案(American Rescue Plan ) を賛成多数で可決した。
バイデン大統領は3月12日にホワイトハウスで同法案に署名して成立させる。

付記 大統領は1日早めて3月11日に署名、成立させた。

米下院は2月27日未明、1.9兆ドルの追加の新型コロナウイルス対策法案を可決した。

2021/3/1 米下院、1兆9千億ドルのCOVID-19対策法案可決 

米上院は3月6日、これを一部修正し、可決した。

失業保険の州支給分への上乗せ(3月14日に期限切れ)は、現行は週300ドルの上乗せとなっているが、下院は400ドル上乗せとした。しかし、これに対する反対が強く、最終的に現行通りの300ドル上乗せに修正した。

下院が通した法案には最低賃金を15ドルに引き上げることが含まれているが、「予算決議」の下では「最低賃金引上げ」は対象外であると判断された。
このため、上院ではこれは削除された。

2021/3/7 米上院、1.9兆ドル経済対策法案を可決 


今回、上院で修正した分を下院で再議決した。

民主党 共和党 合計
賛成 220 220
反対 1 210 211
棄権 1 1
合計 221 211 432

2月27日の下院議決では、民主党から2議員(Kurt Schrader of Oregon & Jared Golden of Maine)が反対票を投じた。最低賃金の15ドルへの引き上げに反対とされる。

今回、最低賃金引上げ部分は除かれた。このため、Kurt Schrader議員は賛成に回った。
しかし、Jared Golden議員は反対のままである。民主党はワクチン関係などもっと狭い政策に焦点を当てるべきだと主張、上院の修正案のうち最低賃金引上げを除外したなどは支持するが、まだ彼の懸念を払拭するものではないとしている。

下院の2回の議決及び上院の議決の全てで共和党からの賛成は1名もなかった。

上下両院の議決を得て、大統領は3月12日に署名し、成立させる。

現行の対策法では、失業保険の州支給分への上乗せが3月14日に期限切れとなる。3月12日に新法が成立することで、現行の300ドル上乗せが9月6日まで延長される。

対策の目玉となる1人最大1400ドルの現金給付を月内に実施する。米景気の回復を加速させ、日本を含む世界経済を押し上げるとみられている。


バイデン大統領は「この財源を携えて私たちは前進する」と述べ、新型コロナの封じ込めや経済の正常化を急ぐ意向を強調 、「歴史的な立法」を成し遂げたと議会に謝意を示した。

感染拡大が本格化した2020年3月以降の経済対策は総額6兆ドル規模に達する ため、インフレを懸念する声も上がっている。

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