タレントの中居正広氏が1月23日、有料の会員サイトで芸能界を引退すると発表した。
英BBC(電子版)は「日本のエンターテイメント業界は長い間語られなかった性的暴行事件(sexually assaulting a woman at a 2023 dinner party held by staff )の精算に直面している」と報じた。「(フジの)社員がアレンジしたパーティ」としている。
「フジテレビがスキャンダルを隠蔽しようとしたというクレームの中、数十社がコマーシャルを差し止めた」としている。
フジテレビはあまり見ないが、BSのプライムニュースは、夜8時から10時の2時間にわたり、政治・経済問題を議論するので、よく見る。
23日も見たが、驚いた。通常は多数の大企業のコマーシャルが入るが、今回は全く入らず、代わりにACジャパンの公共広告が次々に出てきた。その後、初めて富士紡と原沢製薬のコマーシャルが出た。
通常は番組の終了に当り、提供各社の名前を挙げていき、残りは「ご覧の各社の提供でお贈りしました」と、社名は述べずに画面記載で済ませているが、今回は「ACジャパン、富士紡、原沢製薬の提供でお贈りしました」と2社の名前をあげた。
多数の大企業がコマーシャル枠を買い、代金も支払っているが、フジテレビの番組で自社の名前が広告主として出るのを嫌い、コマーシャル枠をACジャパンに譲ったものである。広告社として社名を出したのは富士紡と原沢製薬の2社だけであった。
ACジャパンによれば、
ACジャパンでは、創設から今日までさまざまなキャンペーンを展開しています。「公共マナー」「環境問題」「親子のコミュニケーション」といった時代を超えた普遍的なテーマ、「多様性」「ネットモラル」「災害」など時代の世相を反映したテーマ、公共福祉活動に取り組んでいる団体を支援するキャンペーン、阪神淡路大震災、東日本大震災など、大災害が発生した時の臨時キャンペーンを扱うものなど、社会がその時もっとも必要としているメッセージを発信し続けてきました。
ACジャパンの活動は、民間の企業・団体が持てる資源を少しずつ出し合い、社会にとって有益なメッセージを広告という形で発信しているCSR(Corporate Social Responsibility)活動です。
世の中を少しでも良くしたい。今後もこれらの様々な問題と真摯に向き合い、私たちは活動を続けていきます。
ACジャパンは、民間企業の会員社と一般生活者の個人会員の協力によって運営されている。活動資金はすべて会員社と個人会員の会費によるもので、公的な資金は一切受けていない。会員社は広告に関連する3つの業種の約1000社から構成され、それぞれの立場からACジャパンの活動を支えている。
会員である媒体社(放送局、新聞社、出版社、インターネットなど)の広告枠を無償で提供してもらうことで、広告を放送・掲載している。
通常は時々、特定の広告をするだけだが、今回は非常に多数の企業から広告枠の提供を受けたため、延々と広告を流すこととなった。
3月末までの番組の広告枠は決まっており、各社は既に代金を支払っている。問題は4月からのコマーシャルである。今の状況が続けば、コマーシャルを出す企業はごく少数にとどまり、フジテレビの収入がなくなることになる。
早急に問題を解決しないと、会社の存続が危うくなる。
付記
ライオンは1月23日、「人権侵害に関わるため、客観的な事実究明と結果に基づいた適切な対応の実行」を直接申し入れた。
フジとしては今後の広告主との関係も勘案し、1月にACジャパンの広告に差し替えた各社の広告料を請求しないことを決め、2月以降のCMのキャンセルを受け付けることを決めたとされる。
同社の月間広告料は約122億円で、同社の業績への影響は大きい。
同社は1月23日、第三者委員会の設置を決めた。
当社及びフジ・メディア・ホールディングスは、本日開催の両社の臨時取締役会において、第三者委員会の設置を決議いたしました。
この第三者委員会は、日本弁護士連合会が策定した「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠するものです。
1. 第三者委員会の設置目的
2023 年6月に当社の番組出演タレントと女性との間で生じた事案に関連した 2024 年12 月以降の一連の報道を受けて、事実関係の調査及び当社の事後対応やグループガバナンスの有効性を客観的かつ独立した立場から調査・検証するため、利害関係を有しない弁護士で構成する「第三者委員会」を設置いたしました。また、調査結果を踏まえた原因分析及び再発防止に向けた提言を得ることも目的といたします。
2. 第三者委員会への調査委嘱事項
1) 本事案への当社及びフジ・メディア・ホールディングスの関わり
2) 本事案と類似する事案の有無
3) 当社が本事案を認識してから現在までの当社及びフジ・メディア・ホールディングスの事後対応
4) 当社及びフジ・メディア・ホールディングスの内部統制・グループガバナンス・人権への取組み
5) 判明した問題に関する原因分析、再発防止に向けた提言
6)その他第三者委員会が必要と認めた事項
3. 第三者委員会の構成
委員長:竹内 朗 (弁護士・公認不正検査士、プロアクト法律事務所)
委員 :五味祐子(弁護士、国広総合法律事務所)
委員 :寺田昌弘(弁護士、三浦法律事務所)
4. 今後の対応
当社及びフジ・メディア・ホールディングスは、第三者委員会による調査に対して全面的に協力いたします。第三者委員会によりますと、調査報告書は本年3 月末を目途としてご提出いただける予定です。当社及びフジ・メディア・ホールディングスは、第三者委員会から調査報告書が提出され次第、速やかに本ガイドラインに従って調査報告書を公表し、必要な対策を講じてまいります。
5. 第三者委員会委員長よりコメント
第三者委員会委員長の竹内朗氏より、次のコメントを預かっておりますので、ご紹介いたします。
「当職は本日、第三者委員会の委員長に就任いたしました。この第三者委員会は、最も独立性・中立性の高い日本弁護士連合会の第三者委員会ガイドラインに準拠して設置され、これに即して運営して参ります。フジテレビ及びフジ・メディア・ホールディングスにとって重要なステークホルダーである、視聴者の皆様、スポンサーの皆様、お取引先の皆様、株主・投資家の皆様、そして従業員の皆様が抱かれている疑問や懸念に対し、説明責任を明確に果たせるよう調査に努めて参ります」
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