三井物産は近く豪州でLNGの新規生産を始める。
豪州南西部のWaitsia ガス田由来のLNGで、権益ベースで年70万トン程度の生産を見込む。
三井物産は2023年12月、三井物産100%子会社のAWE Pty Ltd を通じて50%権益を保有しオペレーターを務める西豪州Waitsiaガス田の本格的商業開発につき、事業パートナーのBeach Energy Limitedと共に、必要な政府許認可取得を前提とした最終投資決断を行った。
同社は2018年に、西豪州パースの北約350kmの陸上にあるWaitsiaガス田の権益を保有するAWE Pty Ltdを買収した。
同買収は、Waitsiaガス田をはじめとした豪州国内の優良原油・ガス資産のポートフォリオを拡充すること、及び豪州石油・ガス生産事業に於いてより活動領域を広めるためオペレーター機能を獲得することを目的としていた。
2018/2/9 三井物産、豪石油ガス大手買収
Waitsiaガス田は、豪州最大級の陸上天然ガス田でAWEとBeach Energyが50%ずつ権益を有する。

三井物産はAWE買収後に、三井物産が参画するNorth West Shelf JV の天然ガス液化設備を通じてLNG市場へのアクセスを確保したことから、商業化推進の判断に至った。
North West Shelf JVはBHP Billiton、Woodside Energy、BP、Chevron、Shell、Japan Australia LNG(通称 MIMI)の6社が均等出資し、Woodside が運営を担当する。
MIMI社概要
名称 Japan Australia LNG (MIMI) Pty., Ltd 設立年 1985年 資本構成 三井物産50%、三菱商事50% 事業概要 ガス・石油の探鉱、開発、生産、ガス液化、輸送及び販売 所在地 西オーストラリア州パース
2022年6月にBHP とWoodside が合併し、これが1/3を所有、他の4社が1/6ずつ所有する。
沖合生産プラットフォームでの石油(主に天然ガスとコンデンセート)の採掘、Karrathaガスプラントでの陸上処理、州内の産業用、商業用、家庭用の天然ガス生産、および液化天然ガスの輸出が含まれる。
Waitsiaプロジェクトは、世界で需要の増加が見込まれるLNGの安定供給に貢献するとともに、西豪州の製造業や消費者向けに国内ガスの供給を継続することを予定している。また、中期的にガスへの燃料転換を促進し、低炭素社会の実現に貢献する取り組みになる。
Waitsia のステージ2開発では、既存の日量20テラジュールの生産能力に加えて、日量250テラジュールの生産能力を新設する。具体的には、追加生産井の掘削と新規ガス処理施設の建設を予定しており、総投資額はプロジェクト100%ベースで7.68億豪ドル(約593億円)を予定している。
Waitsia JVはNWS JVとの間でガス処理契約を締結し、ガスを液化し輸出するために必要となる設備の利用権を確保している。
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