韓国ポスコ、リチウム鉱山に1200億円 豪州・南米でEV電池素材向け

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韓国のPosco Holdingsは、オーストラリアの鉱業会社Mineral Resources Limited(MinRes)のリチウム事業の30%を取得し、これにより西オーストラリア州の2つの鉱山の一部所有権を獲得、電気自動車用バッテリーに必要な重要な金属資源を確保できるようになる。


Mineral Resources Limited(略称 MinRes)は西オーストラリア州バースに本社を置く。多角的な鉱業サービス会社および鉱山運営会社で、西オーストラリア州とノーザンテリトリー全域に大規模な拠点を有する。

対象の鉱物資源は鉄鉱石、リチウムで、エネルギー関連事業も展開している。自社の採掘事業だけでなく、他の鉱山会社へのサービスの提供(採掘サービス、インフラ提供など)も行っている。

リチウムについては、西オーストラリア州北部のWodgina鉱山をAlbemarleとの50/50JVで運営しており、西オーストラリア州南部のMount Marion鉱山を 江西贛鋒鋰業集團(JiangxiGanfeng Lithium)との50/50JVで運営している。

PoscoとMinResは、12億豪ドル(約7.65億米ドル)に相当する取引により、合弁企業を設立する。

MinResは両鉱山のMinRes持ち分を新設するJVに移す。

下図のとおり、Posco はWodgina鉱山及びMt.Marion鉱山のMinRes持ち分各50%のうち、各15%を取得する。

Poscoはこれら2つの鉱山から出荷されるリチウム精鉱を出資比率に応じて それぞれ15%分を受け取る。

MinResは引き続きこれらの資産の運営を担当する。

投資はオーストラリア外国人投資審議委員会の承認後に確定する。

MinResは、今回の売却で得られた資金を債務返済に充てる。同社の債務は54億オーストラリアドルに急増しており、時価総額の半分を超えている。


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Poscoは年間27万トンのリチウム精鉱を安定的に確保することになる見通しで、これは水酸化リチウム約3万7000トンを生産できる量で、電気自動車約86万台に使われる量 である。

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Poscoは6500万ドルを投資し、アルゼンチン・オンブレムエルト(Hombre Muerto)塩湖内の鉱区(塩湖内に埋蔵された鉱物の採掘・開発権)を保有するカナダの資源開発会社LIS(Lithium South)のアルゼンチン現地法人の持分100%の買収を決定した。

Poscoは2018年にオンブレムエルト塩湖北側の権益を確保したのに続き、今回 、隣接する鉱区の買収を通じ、世界最高水準のリチウムが埋蔵されているオンブレムエルト塩湖で追加の資源と用地を確保することになる。

Posco は現地にリチウム生産工場を作って水酸化リチウムを生産しているが、このインフラとのシナジー効果も期待できる。

2021/12/23 韓国POSCO、アルゼンチンでのリチウム生産計画

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