後発医薬品世界最大手のイスラエルのTeva Pharmaceutical Industriesは7月27日、米医薬大手Allergan plc から後発薬事業を買収することで最終合意したと発表した。
買収額は405億ドルで、現金で337.5億ドル、Teva株式で67.5億ドルで支払われる。
Allerganはこれに加え、免疫調節薬 lenalidomide (Revlimid®)
のジェネリック医薬品の今後の利益の50%分を受け取る。
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Allergan plc は下記の歴史を持つ。
Allerganは1948年に抗アレルギー点鼻薬の製造販売のため設立された。抗ヒスタミン点眼薬、ALLERGAN®を発売した。2012年4月25日、米ジェネリックメーカーのWatson Pharmaceuticalsは同じくジェネリックメーカーのActavis Groupを42.5億ドルで買収することで合意した。
Watsonは2012年10月31日、統合会社の社名を2013年からActavisにすると発表した。
Actavisは2014年11月17日、しわ取りの医薬品BOTOX®が有名なAllergan plc を660億ドルで買収することで合意した。
Actavis はAllergan の買収完了の3ヵ月後の本年6月15日に、買収した会社の社名のAllerganに改称した。
2回の買収で、ともに被買収会社の社名に改称したこととなる。
Watson Pharmaceuticals → Actavis → Allergan
Aktavisは日本ではあすか製薬とのJVの「あすかAktavis製薬」を持っている。
現在は、複数の専門領域に特化し、アイケア、神経科、皮膚科、美容医療、泌尿器科の有力な製品を抱え、売上高
54億ドルのグローバルヘルスケア・カンパニーに成長している。
しわ取りの医薬品BOTOX®が有名。
Allerganを巡っては買収合戦が繰り広げられた。
Allerganは2014年11月17日、Actavisによる660億ドルの買収案に合意した。
2014/10/22 米製薬会社 Allergan を巡る買収合戦
関係する企業のその他の買収合戦は下記参照
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今回、Allergan の旧本体であるActavis のグローバルなジェネリック事業(米国及び海外のジェネリック販売、販売代理店Medis、グローバルなジェネリック生産活動、グローバルなジェネリックのR&D、眼科を除くOTC事業)をTevaに売却する。
Allergenには、ブランド医薬品、メディカルエステティック事業、バイオシミラー開発、流通(ANDA)が残る。
事業 2015年売上高 Allergan Allergan、brand医薬品、流通(ANDA)、Biosimilars 155億ドル 売却 Actavis、MEDIS、Generic R&D、OTC 65億ドル
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Teva Pharmaceuticalsは同じ2015年4月21日、後発薬大手のMylanに対し買収提案を行った。
Mylan N.V. は2015年4月8日、アイルランド製薬大手のPerrigo Company plc に買収を提案したと発表した。
2015/4/16 ジェネリック医薬品大手のMylan、アイルランド製薬大手に買収提案
しかし、4月21日に同社の取締役会が満場一致でMylanの買収提案を拒否したと発表した。
Teva PharmaceuticalsはPerrigoによる拒否発表の同日、そのMylanに対し現金と株式による400億ドルでの買収提案を行ったことを明らかにした。
Mylanの全株式を1株当たり82ドルで、半分を現金、半分をTeva の株式で買収するもの。
Mylanは4月27日、Tevaの買収案を拒否した。Mylanの企業価値を「大幅に過小評価している」としている。
2015/4/24 イスラエルのTeva Pharmaceuticals、同業のMylanに買収提案
Tevaは今回のAllergan
の後発薬事業買収で、Mylanに仕掛けていた買収提案は撤回する。
Tevaは2016年前半にも買収を完了する予定。
合併により、売り上げ規模は2014年の203億ドルから2016年に約260億ドルに上る見通しで、後発薬市場で他社を引き離し、首位を固める。
製造及びR&D拠点も世界中に広がる。
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