韓国の東亜ST、米製薬会社と新薬技術のクロスライセンス 

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韓国の東亜ST(Dong-A ST) は4月11日、米国の製薬会社Tobira Therapeutics に新薬Evogliptin の開発・販売の権利を供与すると発表した。
東亜は逆にTobiraからTobira のcenicriviroc (CVC) の韓国での開発・販売権を受ける。

東亜STはEvogliptin を開発、これを主成分とするType 2 の糖尿病の治療薬 Suganon を3月に韓国で発売している。

CVC はTobira の主力製品候補で、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)とHIVの治療薬として開発中。

Tobiraでは現在、NASH と肝繊維症、HIVの患者を対象にグローバルでPhase IIb 研究を実施中。

両社は両剤の組み合わせで、先ず、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療薬を開発する。
両社はまた、CVC単剤でのNASH治療を行うグローバルなPhase III 計画を進める。
ある調査では、2020年には世界のNASH治療剤市場が17億ドルを超える。

第一のライセンス契約では、東亜はEvogliptin を米国、カナダ、欧州、豪州で単剤又はCVCとの合剤ですべての治療薬として開発・販売する独占権をTobiraに供与し、対価として6,150万ドル以上を受け取る。

一時金として150万ドル、最初の医薬品承認で2,500万ドルを受け取り、販売のマイルストーンを達成すれば更に3,500万ドルを受け取る。
新しい用途での医薬品承認で追加の1,000万ドルを受け取る。

第二のライセンス契約で、東亜はTobiraからCVCを韓国内で単剤又はEvogliptin との合剤ですべての治療薬として開発・販売する権利を取得し、対価として一時金50万ドル、用途ごとにマイルストーン達成で250万ドルを支払う。

両社は上記に加え、売上高に応じて所定のランニングロイヤリティを支払う。それぞれのテリトリーでの開発費は自己負担となる。

東亜はEvogliptinの原料もTobiraに輸出する計画で、東亜STでは、「今後、様々な治療剤を開発できる新薬成分を開発して、海外進出を増やしていきたい」と している。

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東亜STは持株会社東亜Socio Holdingsの医療用医薬品事業部門。
1932年設立の東亜製薬は2013年に持株会社体制に移行し、事業部門を東亜STと一般用医薬品を扱う東亜製薬に分割した。

Tobira Therapeutics はHIV感染症治療の開発・販売に特化したバイオ製薬企業で、2006年にlife sciencesのベンチャーキャピタルDomain Associate のEckard Weber氏により設立された。

武田薬品は2007年8月に同社に、武田薬品が創製したHIV感染症治療薬TAK-220およびTAK- 652について、全世界を対象とした独占的開発・製造・販売権を供与している。



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