1種類の触媒で4種類の有機反応を自在に切替

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理化学研究所(理研)環境資源科学研究センターグリーンナノ触媒研究チームと九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)の共同研究グループは2月6日、1種類の触媒を用いて同じ反応基質と反応試薬との反応4種類の全く異なる有機反応を選択的に実現する「四重スイッチング触媒反応系」の開発に成功したと発表した。

ハロゲン化アリールとホルムアミドを用いたsp3 C-Hアリール化アミノメチル化sp2 C-Hアリール化、および脱ヨウ素化を可能にする、四重項スイッチ型触媒が開発された。

このプロトコルの選択性はアミン誘導体によって制御され、

 ① ギ酸アンモニウムは sp3 C-Hアリール化を、
 ② トリエタノールアミンはアミノメチル化を、
 ③ トリプロパノールアミンは sp2 C-Hアリール化を促進した。

さらに、温度が重要な役割を果たし、アミノメチル化は150℃(②-1)、脱ヨウ素化は110℃で(②-2)起こることがわかった。


すべての反応は、65 mol ppmという極めて低いPd担持量を持つ、再利用可能なシリコンナノワイヤアレイ担持Pd 触媒を用いて行われた。触媒反応を促進するためにはマイクロ波照射が不可欠であり、磁場成分は電場よりも効果的であることが証明された。

これは、さまざまな条件を全て検討したところ思いがけず見つけた偶然の発見で、有機合成プロセスの多機能化、創薬化学の大幅な効率化に新しい可能性を開くもの。

反応の切替えは、添加剤(アミン類:窒素を持つ化合物)や反応温度といったごく小さな条件変更のみで達成された。

触媒にはシリコンナノワイヤーアレイ(SiNA)にパラジウム(Pd)を固定化したSiNA-Pdを用い、触媒量はわずか65mol ppm(原料1molに対して65ppm、0.0065mol%)だったが、反応物の高い収率と触媒の再利用性を示し、金属残渣も医薬品基準を満たした。

シリコンナノワイヤーアレイ(SiNA)は、シリコン表面の上に太さが数十~数百ナノメートル、高さ数マイクロメートルのシリコンワイヤーが多数のブラシのように生えた基板。

さらに本研究では、マイクロ波照射において磁場成分が触媒活性化に不可欠であること、変調励起赤外分光法(ME-IR)と位相敏感検出法により、マイクロ波の磁場成分が触媒のシリコンナノワイヤー構造を動的に活性化していることを確認した。これはマイクロ波化学の原理解明という点でも大きな前進である。

本研究は、科学雑誌『ACS Catalysis』オンライン版(2月5日付)に掲載された。

  Quadruple Switchable Catalysis: sp3 C-H Arylation, Aminomethylation, sp2 C-H Arylation, and Deiodination

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