丸紅は2月7日、インドネシアの最高裁で敗訴となった2つの訴訟のうち、2つ目についても最高裁に対して司法審査(再審理)を申し立てたと発表した。

本件は同一事案に関して、最高裁が全く逆の判断をしたものである。

訴訟の相手はSugar Groupで、丸紅によると、丸紅等がSugar Group子会社に対して債権を保有し、支払いの催促を行ったところ、債務の履行を免れることを狙い、交渉材料として荒唐無稽な主張に基づき、債権・担保の無効確認と損害賠償を請求してきていたもの。

訴えられたのは次の各社:
丸紅、丸紅ヨーロッパ、三井住友銀行、住友信託銀行、PT Mekar Perkasa(Salimグループで、Sugar Group の旧オーナー)とその役員、および公証人

インドネシア最高裁は2011年3月、旧グヌンスギ訴訟で丸紅等に対し逆転勝訴の判決を下した。

しかし被告側は同一内容の訴訟を改めて2つの裁判所に対して行い(南ジャカルタ訴訟とグヌンスギ訴訟)、両訴訟について最高裁が丸紅側の敗訴の判決を行った。

これはSugar Groupの主張を全面的に棄却した旧訴訟での最高裁自身の判決と明らかに矛盾するもので、丸紅は判決の不当性を明らかにするため、インドネシア最高裁判所法に基づき、司法審査(再審理)を申し立てたもの。

事態の経緯は以下の通り。

旧グヌンスギ訴訟

進行中

南ジャカルタ訴訟 グヌンスギ訴訟
訴訟内容 損害賠償等 損害賠償等 損害賠償等
訴訟額 1110百万米ドル 450百万米ドル 650百万米ドル
2007/11 一審 敗訴
2008/10 二審 敗訴 53名中23名
 賠償額 約10百万ドル
2011/3 最高裁 勝訴
 原告主張を棄却
2013/5 二審敗訴 7名中5名
 賠償額 250百万ドル
2014/6 二審敗訴 6名中4名
  賠償額 250百万ドル
2017/5 最高裁 敗訴
 上告棄却
2017/9 最高裁 敗訴
 上告棄却

この裁判では、丸紅の説明も完全ではなく、よく分からない。

現地の報道では、丸紅がアレンジした貸付は1993年で、Salimグループの PT Mekar Perkasa 時代の砂糖工場の建設費である。

インドネシア財閥の林紹良が率いるSalimグループは1997年の通貨危機で破綻、資産管理会社 Holdiko に移管され、順次売却された。

Sugar グループも2001年11月にPT Garuda Panca Arta がオークションでIndonesian Bank Restructuring Agency (IBRA)から買収した
その際に、
PT Mekar Perkasaと丸紅が、負債を新 Sugar Groupに移管したとされる。PT Mekar Perkasaは保証人となった。

しかし、現在のSugar グループはこれを認めておらず、PT Mekar Perkasaとその役員も訴訟相手としている。インドネシアの法律では、債権の譲渡は債務者の了承が必要となっているとされる。

現地報道では、Salimグループの各社がIndonesian Bank Restructuring Agency (IBRA)に引き渡された時点
Master Settlement Acquisition Agreementで、IBRAは全ての債務・保証から免除されることになっているという。これが事実なら、新Salimは以前の負債を引き継がないこととなるが、負債は存在するとする意見もある。

丸紅も、Sugarグループの主張を荒唐無稽な主張とするだけで、その内容が不明で、一審、二審の判決理由も明らかでない。


なお、現地報道では、Mekar Perkasaは長年の裁判で疲れ、2016年9月にSugar グループにインドネシア法に基づく債務支払猶予(PKPU) の申請を行った。
しかし、裁判所はSugar グループに債務がないことを示すことを求めた。

Mekar Perkasaがこれに従ったかどうか不明だが、Mekar Perkasaが裁判から離脱した可能性もある。
南ジャカルタ訴訟とグヌンスギ訴訟の二審では、被告のうち2名を除く全員に連帯した賠償を命じている。 Mekar Perkasaとその役員が除かれた可能性もある。

これまでの3つの裁判での3審(一審、二審、最高裁)の計9審で、丸紅側の勝訴は最初の裁判の最高裁だけであり、単純なものでは無さそうだ。

Garuda Panca Arta がオークションで IBRAからSugar グループを買収した際に、この債務が含まれていたがどうかがキイではないだろうか。

塩野義製薬は2月23日、抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ錠 10mg・20mg」(一般名:バロキサビル マルボキシル、開発コード S-033188)について同日付で「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症」の適応で製造販売承認を取得したと発表した。 薬価基準収載後、速やかに発売する予定。

塩野義製薬は2017年10月に日本国内における製造販売承認申請を行った 。

2017/10/28 塩野義製薬、新規インフルエンザ治療薬の国内製造販売承認申請

厚労省の薬食審医薬品第二部会は本年2月2日、承認することを了承している。 同省担当官は新規作用のインフルエンザ治療薬であることから審査を早めたとしている。

今回の承認取得で、先駆け指定品目では初めての承認医薬品となる。

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塩野義製薬創製の新規キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬S-033188(ゾフルーザ錠)は既存の薬剤とは異なる作用機序でインフルエンザウイルスの増殖を抑制する新規化合物であ り、2015年10月に厚生労働省より、一定要件を満たす革新的新薬として先駆け審査指定制度(後記)の対象品目に指定されている。

タミフルが5日間の服用が必要なのに対し、成人、小児を問わず経口による1回のみの服用で治療が完結するのが特徴。

塩野義では、経口の単回投与であることから、利便性が高く、治験では投与翌日には50%以上の患者(小児を含む)でウイルス力価の陰性化が認められとし、そのため「家庭内や学校、職場等でのウイルス伝播、飛沫感染拡大に対しても一定の抑制効果を示すことが期待される」としている。

非臨床試験において、鳥インフルエンザウイルス(H5N1やH7N9) や、 既存のインフルエンザ治療薬に耐性を有するウイルス株を含む、様々な亜型のA型インフルエンザウイルスに対してもウイルス増殖抑制効果が確認されている。

新規作用機序のため、耐性ウイルスが出現しても効果を発揮することも期待される。

これは、ウイルスが細胞に進入後、最初の反応となるmRNA合成の開始を特異的に阻害するCapエンドヌクレアーゼ阻害剤である。
ウイルスの増殖に必要なタンパク質が合成できなくなり、ウイルス粒子が形成されなくなる。

現在、治療に用いられている抗ウイルス剤はノイラミニダーゼ阻害剤(Neuraminidase inhibitors)で、増殖されたウイルスの放出を阻害して感染の拡大を防ぐもの。

オセルタミビル(oseltamivir)  Roche 商品名 タミフル
ラニナミビル(Laninamivir) 第一三共 商品名 イナビル
ペラミビル (Peramivir)     米国 BioCryst Pharmaceuticals

発症後48時間以内に服用しなければ効果が得られず、タミフルの場合は5日間程度服用を続ける必要がある。

エボラ出血熱の治療に使われた富士フィルムのファビピラビル(favipiravir)(商品名アビガン)は元々インフルエンザ用治験薬で、ウイルスの細胞内での遺伝子複製を阻害することで増殖を防ぐRNAポリメラーゼ阻害剤である。

2015/11/6 塩野義製薬、インフルエンザ新薬を開発、1回投与で治療

塩野義はスイス製薬大手、ロシュと開発面で提携し、日本と台湾を除く国・地域で治験などで協力を得ている。

ロシュはタミフルの製造販売で実績があり、世界販売での連携も視野に入れる。

米国では2018年中にも米食品医薬品局(FDA)に承認申請を行う。 米国においては、塩野義は本薬を上市後にRocheと共同プロモーションする権利を留保している。

2016/3/2 塩野義製薬、新規インフルエンザ治療薬の開発でRocheと提携 

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先駆け審査指定制度は、2014年6月に厚労省が取りまとめた「先駆けパッケージ戦略」の重点施策や、「日本再興戦略」改訂2014を踏まえて導入したもの。

患者に世界で最先端の治療薬を最も早く提供することを目指し、一定の要件を満たす画期的な新薬等について、開発の比較的早期の段階から対象品目に指定し、薬事承認に係る相談・審査における優先的な取扱いの対象とするとともに、承認審査のスケジュールに沿って申請者における製造体制の整備や承認後円滑に医療現場に提供するための対応が十分になされることで、更なる迅速な実用化を図る。

原則として既承認薬と異なる作用機序により、生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して、極めて高い有効性が期待される医薬品を指定する。

審査期間をこれまでの半分の6ヶ月まで短縮することを目指す。

医薬品 先駆け審査指定制度  対象品目

指定日 医薬品名称 申請者 対象
2015/10/27 シロリムス ノーベルファーマ 結節性硬化症に伴う線繊維腫
NS-065/NCNP-01 日本新薬 シュシェンヌ筋ジストロフィー(GMD)
S-033188 塩野義製薬 A型 or B型インフルエンザウイルス感染症
BCX7353 Integrated Development
Associates
遺伝性血管浮腫(HAE)の患者を対象とした血管性浮腫の発作の管理
ASP2215 アステラス製薬 初回再発or治療抵抗性のFLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病
ペムブロリズマブ
キイトルーダ
MSD 治癒切除不能な進行・再発の胃癌
2017/4/21 オリプダーゼアルファ
(遺伝子組換え)
サノフィ 酸性スフィンゴミエリナーゼ欠乏症
aducanumab バイオジェン・ジャパン アルツハイマー病の進行抑制
DS-5141b 第一三共 デュシェンヌ型筋ジストロフィー
SPM-011 ステラファーマ 再発悪性神経膠腫、切除不能な局所再発頭頸部がん並びに局所進行頭頸部がん(非扁平上皮がん)
ニボルマブ
オプジーボ
小野薬品 胆道がん


他に、医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品の先駆け審査指定制度がある。


富士フイルムグループのジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)は2月20日、関西医科大学より、先天性巨大色素性母斑を対象とした新たな臨床研究に用いる母斑組織の高圧処理を受託すると発表した。患者の表皮の自家培養も行う。

「先天性巨大色素性母斑」は、生まれつき、顔や手のひらなどに生じる大きなホクロで、一般的に大人になった段階で直径20cm以上になる。色素性母斑は悪性黒色腫 や有棘細胞癌などの悪性腫瘍ができやすくなる。巨大色素性母斑の悪性黒色腫の発生頻度については4.5%から10%とされる。

巨大母斑の治療は、2、3回に分けて切除する分割切除術や組織拡張器(シリコンでできたバック)を皮下に埋入し、数ヶ月かけて皮膚を拡張させた皮膚を用いて再建を行う方法、患者の皮膚を採取し移植する植皮手術、レーザー治療などが行われる。しかし、大きな手術侵襲(身体的負担)があり、母斑切除部の長い傷跡、皮膚採取部位の傷跡ができる、などの問題がある。

関西医科大学形成外科学講座の森本尚樹講師(現在 准教授)らの研究グループは2015年12月7日、これまで治療が困難だった先天性巨大色素性母斑に対する皮膚再生治療を開始すると発表した。
再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づく第2種分野の臨床研究で、開催医科大学倫理委員会の承認と京都大学特定再生医療等委員会の審査が終了したことから、臨床研究を開始するもの。

この研究のポイントは次の通り。

  • 腫瘍細胞を含む母斑皮膚を高圧処理(2000気圧、10分間)で死滅処理した後に再移植し、培養細胞と組み合わせて皮膚を再生する。
  • 残留毒性が懸念される薬品を用いない物理的な処理方法であり、高い安全性が確保できる。
  • 腫瘍組織を死滅処理し、破棄することなく皮膚再生に再利用する世界初の治療法。
  • 母斑が大きくて手術をしていない患者、何度も手術したが母斑が残存している患者でも比較的小さな侵襲で実施できる。

真皮の中に母斑細胞といわれる細胞が存在し、色素性母斑は母斑細胞がメラニン色素を産生するために生じる。先天性巨大色素母斑は産まれた時から存在する大きな色素性母斑で ある。


表皮は表面の薄い膜、真皮は強度を保つ結合組織で、表皮は真皮のないところには形成されない。
表皮は自家培養で再生できるが、真皮は再生方法が確立されていない。


母斑組織を比較的低い2,000気圧で10分間処理する。これにより、皮膚の主要成分であるコラーゲンなどを損傷することなく自然のまま残し、母斑細胞などの細胞を完全に死滅させることに成功した。
過去の実験で、高圧処理した母班からは母斑が再発しないこと、高圧処理済みの母斑を患者に移植するとうまく適合し、培養表皮を組み合わせることで患者自身の皮膚を再生できることを確認している。

1回目の手術で、母斑を切除し、高圧処理し、処理した母斑を患者に再移植する。

別途、患者の正常皮膚を採取し、J-TEC培養してシート状自家培養表皮(製品名:ジェイス)にする。

ジェイスは、日本初の細胞使用製品として2007年10月に国から承認を受け、重篤な広範囲熱傷のみに使用可能(保険適用)となっている。体表全体を覆うくらいの大きさの培養表皮が作成できるが、真皮がない部分には生着しない。

2回目の手術では、1回目の手術から4週間後(2~6週間後)に、生着した母斑(真皮に相当)の上に自家培養表皮を移植する。

下部の皮下組織から繊維芽組織や血管が侵入する。メラニン色素を生成していた母斑細胞は消えている。


臨床研究開始時点では、高圧処理は大学で行い、自家培養表皮の作成をJ-TECに委託するとしていた。

今回のJ-TEC発表では、高圧処理についてもJ-TECで行う。

関西医科大学で採取された患者の組織(母斑皮膚および切手大の正常皮膚)は、J-TECへ輸送され、母斑皮膚を高圧処理(2000気圧、10分間)で不活化し、また、約3~4週間かけて自家培養表皮「ジェイス」を製造し、関西医科大学へ届ける。

J-TECでは、本臨床研究に用いる高圧処理した母斑組織のみならず、「ジェイス」 や自家培養軟骨「ジャック」のさらなる普及を図るとともに、細胞培養をはじめとする受託を通じて臨床研究や臨床試験、再生医療等製品の製造をサポートし、患者の生活の質(QOL)の向上に寄与することを目指すとしている。

 


Xeroxの大株主で「物言う株主」として知られる著名投資家 Carl Icahn と同じく大株主のDarwin Deason は富士フィルムによる買収に反対し、株主に訴え続けている。

Darwin Deason は差し止めを求める訴えをニューヨーク州の裁判所に起こした。

2018/2/15   富士フイルムによる買収、ゼロックス大株主が差し止め提訴  


Carl Icahn とDeasonは2月20日、
Xeroxの株主に対し「競合他社との合併や身売り」や「買収ファンドへの身売り」を提案する書簡を公開した。

http://carlicahn.com/joint-statement-with-darwin-deason-regarding-xerox-3/

ゼロックスが敵対的買収で株式の30%を売却する場合、アジア太平洋の360億ドルの市場でのゼロックスの知的財産権と製造権を富士フィルムに渡すという企業買収防衛策としての重要資産の売却条項("crown jewel" lock-up right)があり、このため、他社への身売りは出来ないとされているが、これに対しては手があるとする。

一つは、富士ゼロックスの経理スキャンダルを理由に契約違反としてJV契約を打ち切ることで、それが出来ない場合でも、これまで明らかにされていないが、2020年には契約上、Xeroxは2020年に契約を終息するプロセスを始める権利を持つとしている。Xeroxは富士ゼロックスから製品の供給を受けているが、それまでに供給ソースを探すべきだとしている。

概要は次の通り。

今回の富士フィルムによるXeroxの50.1%買収の案に対し、最善の代替案は競争相手との統合又は売却か、ファンドへの売却だ。
富士ゼロックスJVの契約の縛りを避け、最終的に、Xeroxの商標、特許を使ってアジア市場で事業が出来るということを理解すれば、大きなプレミアムを払うだろう。

直ぐに行動する必要がある。さもないと、49.9%となる我々株主の投票権は無くなってしまう。

富士フィルムが50.1%を取得するのは、合併のシナジー効果を信じているからではなく、我々株主がXeroxに影響を持ち続けた場合の大被害を防ぐためだ。彼らは17億ドル (2020年までに12億ドル)のシナジー効果など信じていない。もし信じているなら、何故、現在のオファーよりも高いプレミアムを払って全体を買わないのか。

会社側の主張は嘘だらけだとし、7点を列挙している。その一部。

Xeroxが富士を必要とするのではなく、富士がXeroxを必要としている。

富士ゼロックスJVは富士フィルムの売上高の50%近く、損益の約40%を占める。またXeroxは富士ゼロックスの最大の需要家だ。

Xeroxが(技術契約が切れるまでの)次の3年間でサプライチェーンを広げ、富士ゼロックスから距離を置けば、Xeroxのアジアでの販売を妨げている技術契約を更新しないこともできる。富士はこれを恐れる。

CEOは恐らく、サプライチェーン拡大は競争相手から安く買うのは無理なため馬鹿げているというだろう。しかし、Hewlett-Packardは印刷ではCanonの競争相手だが、レーザー関連ではCanonから購入している。業界はそういったものだ。

富士ゼロックスのJV契約はひどいものだが、Xeroxにとって打つ手は多くある。

取締役会はJV契約は法的書類であり、打ち切ったり修正したりできないとしているが、事実でない。

昨年の富士ゼロックスの経理スキャンダルはJV契約の重大違反であり、契約を終息できる。

それが出来ない場合でも、契約上、Xeroxは2020年に契約を終息するプロセスを始める権利を持つ。その場合、Xeroxは世界で唯一の成長市場であるアジア太平洋市場でXerox商標で事業ができる。

既存株主は強力なマイナリティ株主保護を受けるとするが、富士フィルムが少数株主を圧迫するのを避ける手はない。

例えば、富士の子会社にFUJIFILM Specialty Ink Systems という会社があり、Xeroxの高性能インクジェット製品と直接競合する。この分野でXeroxが犠牲になる可能性もある。

ーーー

これに対し、Xeroxも反論の声明を出した。

2人の公開状は「富士フイルムによる買収計画を邪魔する活動の一環だ」と指摘し、「取締役会と経営陣が幅広く選択肢を精査した結果、富士フイルムと一緒になることが最善策と判断した」と説明した。

2人の指摘するポイントについては、なんら触れていない。

Icahn等は富士フィルムによる買収発表前に、CEOと取締役会の問題を指摘し、退任を要求した。

富士フィルムによる買収については、「富士フィルムが一銭も使わずに ゼロックスの支配権を得る」こと、「我々自身の資産を処分して行われる」一時的な特別配当を不満とした。 シナジー効果については、合併しなくても可能と主張した。

更に、富士ゼロックスJVの契約に、実質的にXeroxの外部への売却を禁じる"crown jewel" lock-up right項目があることを、17年間隠していたことを批判。

今回は、この項目があっても、Xeroxがアジア市場を取り戻し、外部に高く売却できると主張した。

これらについては全く触れず、二人が退任を要求している取締役会と経営陣が最善と判断したというだけでは、説得力はない。

米ゼネラル・モーターズは2月13日、経営難にあえぐ韓国GMの群山工場 での生産を2018年5月末までに終了し、工場を閉鎖すると発表した。
12日午前に韓国政府が「自力更生案を持ってくるように」と求めると、同日夕に工場閉鎖決定を通知した。

GMは「この3年間の群山工場の稼働率は20%に満たず、工場閉鎖は避けられない」と説明した。従業員は全員が希望退職の対象に分類された。

群山工場は2002年にGMが大宇から買収したもので、2本の生産ラインで準中型車の Cruze SUVのOrlandoを生産しているが、年間26万台の能力に対し、過去3年間は工場の稼働率が20%に落ち、かつて4000人以上だった職員の数は2044人(直営1849人、社内協力会社195人)に減っていた。

GM本社は、群山工場閉鎖にとどまらず他の工場の閉鎖にも触れ、資金支援や税の減免などを要求 して韓国政府を強く圧迫している。
GMのダン・アンマン総括社長は「韓国政府、労組との話し合いを経て、残りの事業の将来についても数週間中に結論を出す」と述べた。

2月末までに韓国政府が支援を決定しなければ、GMが韓国市場から全面撤収することもあり得るという 。韓国事業の長期的な維持は、韓国政府が資金や優遇措置などの提供に応じるか否かと、労組が労働コスト削減に同意するか否かに懸かっているとしている。

韓国GMは群山のほか、仁川市富平と全羅北道群山、慶尚南道昌原で完成車工場を稼働させている。雇用人員の総数は、直接雇用がおよそ1万4200人、協力企業の労働者を含めると30万人にもなる。

韓国GMの昨年の販売量は524,547台で、2016年より12.2%減少した。最近4年間の累積営業損失はおよそ3兆ウォン(約3000億円)。

GMでは今回の群山工場の閉鎖に関する費用として、最大で8億5000万ドルの減損処理が必要と試算している。

付記

韓国GMの本社借入金のうち、今年満期が到来する規模は少なくとも15億ドルに上る。このうち、2月末は580百万ドル、4月は925百万ドルの満期がそれぞれ到来する。
これは2016年までの借入金のみを集計したものである。昨年1年前後の満期で借りた資金がさらにあるので、今年の返済額規模ははるかに大きいと推定される。

GM本社が、満期がきた貸付金について延長を認めず、返済を求めるかどうかが注目された。

GM本社は2月23日、2月末が期限のものについて3月末までの延長を認めた。

韓国政府とGM本社の攻防が続く。


雇用を最優先の課題として掲げてきた文在寅政権が、韓国GMの群山工場閉鎖という巨大な悪材料に直面している。

与野党は今回の問題で互いに責任を押し付けている。

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韓国の東亜日報は、韓国政府が本年1月に米国GMに対し、韓国GM支援を決定するうえで必要な最低限の前提条件を提示していたことが分かったと報じた。

GMの海外事業部門社長が訪韓し、金融支援、有償増資、財政支援の可能性を打診した。
これに対し韓国政府は、①中長期経営改善計画、②韓国への設備投資計画、③高金利融資などを通じ韓国GMから資金を抜いた疑惑の解消の3つを要求した。

GMが韓国で工場を維持し、雇用を創出するという真剣さを自ら立証してこそ支援できるとの立場を示した。



トランプ大統領が2017年9月24日に出した イスラム圏6カ国を含む8カ国からの米入国禁止令について、Richmondの第4巡回控訴裁判所は2月15日、9対4の評決で、Marylnd地裁の判断を支持、憲法のEstablishment Clause国教条項)に違反すると判断した。

合衆国憲法修正第一条(1791年成立) 政教分離原則,信教・表現の自由

合衆国議会は、国教を制定する法律もしくは自由な宗教活動を禁止する法律、または言論・出版の自由もしくは人民が平穏に集会して不満の解消を求めて政府に請願する権利を奪う法律を制定してはならない。

Prohibits Congress from making any law respecting an establishment of religion, impeding the free exercise of religion, abridging the freedom of speech, infringing on the freedom of the press, interfering with the right to peaceably assemble or prohibiting the petitioning for a governmental redress of grievances.

判決の多数意見で、大統領の声明は宗教的でないことを示しておらず、客観的に見た場合、声明は宗教的な、反イスラムの目的を示しているとした。

政権側は、この禁止令は北朝鮮とベネズエラを含んでおり、最初の2つの禁止令とは全く異なると主張したが、判決では、北朝鮮とベネズエラを加えたことが禁止令の目的を変えたという主張を呑むことは出来ないとした。大統領がイスラム信仰者の米国入国禁止という彼の希望をおおっぴらに、しばしば述べているという疑いの余地のない証拠を指摘した。

証拠は山ほどある。昨年末に大統領はイスラム系移民の恐怖を植え付ける3本の反イスラムビデオを投稿している。
担当官庁がビザ手続きを検討している最中に、何があっても最も厳しい禁止を実行すると述べている。

最高裁は憲法と移民法に照らし合わせ入国禁止令が合法かどうかを4月にヒアリングを開始し、6月末までに判断を下す見込みで、控訴裁は最終決定を最高裁の判断待ちとした。

司法省の報道官は今回の判決について「現状を変更するものではない」と指摘し「最高裁により問題が最終的に解決することを期待している」と述べた。

大統領は3度にわたり、輸入禁止令を出している。

Trump大統領は2017年1月27日、移民の入国を一時禁止する大統領令を出した。

2017/2/5 米連邦地裁、移民の入国一時禁止の大統領令の即時差し止め仮処分

大統領は2017年3月6日、中東・アフリカ7カ国の国民を一時入国禁止にした米大統領令の一部を修正した新たな大統領令に署名した。

2017/3/14 Trump大統領の新たな入国禁止命令 

トランプ大統領が出したイスラム圏諸国からの入国禁止令については、これを問題とする裁判所の判決が続出しており、休会明けの10月10日に最高裁が口頭弁論をする予定であった。

しかし、大統領は9月24日に新しい大統領令を出した。最高裁が審議を取り止めた。

これまでは、イスラム教徒の多い国々を対象にした入国制限が信教の自由などを保障した米憲法に違反しているとの主張が反対理由であったが、テロリストの入国を防ぐための「国家安全保障上の措置」とし、非イスラム国の北朝鮮とベネズエラを加えることで、この批判を避けたともみられる。

2017/9/27 米国の入国禁止措置、複雑な情勢に

入国制限の対象国は次の通り。

2017/1/27 2017/3/6 2017/9/24 理由
イスラム イラン
シリア
リビア
イエメン
ソマリア
チャド
スーダン X

公共の安全と情報交換での米国政府との協力関係

イラク X

対IS共闘、ビザ申請者の情報提供など

北朝鮮

渡航者に関し一切の情報提供がない

ベネズエラ

政府がその国民が危険人物かどうかを通知するのに非協力

合計 7か国 6か国 8か国

第9巡回控訴裁判所は2017年12月22日、大統領のイスラム6カ国をターゲットとした移民禁止令は連邦法違反であり、ホワイトハウスの憲法上の権限を超えるものであると認定した。

禁止は米国と強い結びつきのある人々に適用すべきでない。これらの国からの入国禁止はビザ発行における国による差別である。大統領には入国制限の権限はあるが、無制限ではないとした。

結論として、大統領の声明は権限を越えているとした。

但し、3人の判事は、この決定は最高裁の決定があるまではペンディングにするとした。

米最高裁は2018年1月19日、2017年9月24日に発表された新しい入国禁止令の合憲性を審理するとの決定を出した。

大統領令が違法である可能性が高いとする下級審の判断に対し、政権が上訴していることを受け、口頭弁論を開くこととした。6月末までに判断を下す見込み。

 

米商務省は2月16日、鉄鋼製品とアルミニウム (鍛造品及び未加品)の輸入増が安全保障上の脅威になっているとして、トランプ大統領に輸入制限の実施を提言したと発表した。
中国や韓国など幅広い国に関税引き上げや輸入量割当をかけるが、日本も対象に含む可能性がある。

判断期限は鉄鋼が4月11日、アルミが4月19日で、トランプ大統領が最終判断する。

1962年通商拡大法232条(Section 232 of Trade Expansion Act of 1962)
に基づく調査で、国家安全保障を脅かす輸入を阻止する権限を大統領に与えたもの。

トランプ大統領は2017年4月20日、大量の鉄鋼輸入が米国の安全保障を脅かしている懸念があるとして、米通商拡大法に基づいた鉄鋼輸入の実態調査を米商務省に指示した。

 政府のPolicy:

鉄鋼、アルミ、自動車、飛行機、造船、半導体などのコア産業は米国の製造・防衛産業にとり重大な要素であり、不公平な貿易慣行その他から防衛する必要がある.
鉄鋼の場合、米国およびグローバル市場が過剰能力で歪められている。その多くは外国政府の補助金やアンフェアな慣行によるものである。

米国は150件以上の反ダンピング、反補助金の命令を出したが、悪影響を緩和するに至っていない。米国が、他国に過剰能力を減らすよう繰り返し行った努力は効果が出ていない。

過剰能力とアンフェアな輸入により起こった人為的低価格は米国の鉄鋼産業の利益を圧迫し、業界の長期の投資をやめさせ、研究開発の努力を妨げている。これが続くと米国の鉄鋼産業が駄目になる。

 指示

商務長官は、Trade Expansion Act of 1962 (section 232(b))に基づき、鉄鋼輸入の安全保障に対する影響を調査すること。

商務長官は大統領に報告を行うこと。

もし、鉄鋼の輸入が国の安全保障を害する恐れがあると分かった場合は、それを防ぐための行動、手続きを提言すること。

大統領は4月27日、アルミニウムについての調査を指示する大統領令を出した。

大統領は7月21日、防衛産業の強化へ向け、国内製造業の防衛関連製品や部品の供給能力などについての実態調査を指示する大統領令に署名した。

2017/4/22 Trump大統領、鉄鋼輸入規制に向け、実態調査を指示 


今回の調査結果と勧告内容は次の通り。

鉄鋼についての調査結果:

米国は世界最大の鉄鋼輸入国で、輸入は輸出の約4倍。
2000年以降、6つの酸素炉と4つの電気炉が閉じられ、1998年以降、雇用は35%減った。
世界の能力は24億トンで、2000年から127%増加した。一方、需要はもっと緩やかな伸びである。
世界の過剰能力は7億トンで、米国の年間消費量の7倍に達する。中国が最大の生産国、最大の輸出国で、最大の過剰能力を持つ。
中国の過剰能力だけで米国の全能力を超える。
中国は毎月、米国の生産の1年間分を生産する。変圧器用のような特殊タイプについては米国ではメーカー1社が残っているだけ。
2018年2月15日現在、鉄鋼に関して169件の反ダンピング、反補助金命令があり、そのうち29件が中国相手である。更に25件が調査中である。

鉄鋼については3つの選択肢を勧告した。

1 すべての国からの輸入に最低24%の追加関税をかける。
2 下記 12カ国に最低53%の関税をかける。
  中国、ブラジル、コスタリカ、エジプト、インド、マレーシア、韓国、ロシア、南ア、タイ、トルコ、ベトナム
その他の国全てには2017年実績と同じ輸入量割当を設ける。
3 すべての国に2017年実績の63%に相当する輸入割当を設ける。

 

アルミについての調査結果:

一次アルミの輸入は需要の90%になった。2012年は66%であった。
2013年から2016年でアルミ産業の雇用は58%減少した。需要は増えているのに、6社が閉鎖となり、残る5社のうち2社だけがフル稼働となっている。
軍事予算が減っているため、軍用のアルミ消費はメーカーを存続させるには不十分。戦闘機用の高品質アルミメーカーは1社しか残っていない。インフラが主な用途である。
2018年2月15日現在、アルミについて2件の反ダンピング、反補助金命令(いずれも中国)を出しており、ちゅうごくについて4件が調査中。

アルミについても3つの選択肢を勧告した。

1 すべての国からの輸入に7.7%関税
2 中国、香港、ロシア、ベネズエラ、ベトナムの5カ国・地域に23.6%の関税をかけ、他の全ての国には2017年実績と同じ輸入量割当を設ける。
3 すべての国に2017年実績の86.7%に相当する輸入割当を設ける。

 

ロス商務長官は2月16日の電話会見で今回提言した輸入制限について「世界貿易機関(WTO)でも認められた措置だ」と強調した。
WTO協定では、加盟国が安保を理由に輸入制限を取ることを例外として認めている。

第21条 安全保障のための例外
この協定のいかなる規定も、次のいずれかのことを定めるものと解してはならない。
(b) 締約国が自国の安全保障上の重大な利益の保護のために必要であると認める次のいずれかの措置を執ることを妨げること。
(i) 核分裂性物質又はその生産原料である物質に関する措置
(ii) ・・・軍事施設に供給するため直接又は間接に行なわれるその他の貨物及び原料の取引に関する措置

ただし定義が曖昧で、拡大解釈して乱用される恐れがあり、WTOを形骸化させかねず、現在の自由貿易体制を揺るがす懸念がある。

中国商務省の貿易救済調査局長は「米国の調査結果に根拠はなく、事実と完全に矛盾している」と反論。「各国が米国にならえば、国際貿易秩序に深刻な影響を及ぼしかねない」と強い憂慮を示した。
また、「米国の最終決定が中国の利益に影響を与える場合、我々は正当な権利を守るため必要な措置を確実に講じる」として、対抗措置を取ることを示唆した。

これまで米国が実施した232条調査は26件ある。主にイランなど敵対国からの石油輸入を対象としてきた。

そのうち、米国の安全保障への脅威と認定された案件は8件だが、その全てが石油関連である。トランプ大統領が輸入制限に踏み切れば、1982年3月にリビア産の原油輸入を禁じて以来の極めて異例の措置となる。

WTO発足(1995年)後に行われた調査は2件ある。

実施 対象 結果
1999 原油 安全保障に対する脅威を認定
ただし、他の施策による対応の方が適切と判断し、大統領に対しては輸入に係る是正措置は行わないよう提言
大統領も同条に基づいた対応はせず。
2001 鉄鉱石、鉄の半製品 安全保障に対する脅威なし


過去の例は下記の末尾に列挙されている。

https://www.bis.doc.gov/index.php/forms-documents/section-232-investigations/86-section-232-booklet/file

2月7日付日経夕刊のコラムに東大医学部付属病院の中川恵一氏が「赤ら顔で深酒、リスク高める 」とのタイトルで次のように書いている。

お酒は百薬の長といわれますが、飲酒はせいぜい1合までです。食道がん、咽頭がん、肝臓がん、乳がん、大腸がんなど、多くのがんの発症リスクを高めます。

たとえば日本人男性の場合、日本酒を毎日4合飲むと大腸がんになるリスクは3倍になり、同3合でもがん全体の罹患リスクは喫煙と同じ1.6倍になります。飲酒しながら喫煙するのは最悪の自殺行為で、食道がんのリスクは30倍にも上ります。

とくに、飲むと顔が赤くなる人が深酒をすると、食道がんや咽頭がんになる危険が非常に高まることを知る必要があります。

この中でも触れられているが、ケンブリッジ大学のKetan J. Patel 教授とその研究チームは、1月3日付で 科学雑誌「Nature」にアルコール摂取と癌のリスクの関連性についての新たな研究結果を発表した。

https://www.nature.com/articles/nature25154

研究チームは、アルコールが遺伝子に不可逆の影響を与えると想定し、マウスに薄めたエタノールを与え、染色体分析とDNAシークエンシングを行った。

その結果、アセトアルデヒドが造血幹細胞のDNA二重鎖を切断し染色体異常を引き起こし、造血管細胞に不可逆の影響を与える可能性があることが判明した。 チームは生きている臓器の反応を確認した。

研究の結果、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌、乳癌、肝臓癌、大腸癌 (結腸と直腸)の7つの癌の原因となる。

そのリスクは、ワインやビール、蒸留酒などアルコールの種類とは無関係で、飲む量についても「がんに関しては安全な飲酒量などない」。ただし、英国には政府が定めた飲酒のガイドラインがあり、ここで規定している量以下であればリスクは低くなる 。

英国政府のガイドラインが推奨する飲酒量は、1週間で14ユニット以内(純アルコールで112グラム)。これは、4%程度のビールなら7パイント(約3.3リットル)、12%程度のワインなら通常のワイングラス(125ml)で9杯と1/3杯に相当する。

これはアルコール分解能力の高い遺伝子の西欧人の場合であり、下記の通り、分解能力が低い多くの日本人には当て嵌まらない。

また、チームは人体がアルコールの害から守る方法について調べた。

一つはアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH) である。

アルコールは体内にはいるとアセトアルデヒドになるが、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)がこれを分解して酢酸とし、その後、炭酸ガスと水に変える。

研究の結果、ALDHが欠けるマウスにアルコールを与えると、ALDHが機能するマウスに比べ、ダメージは4倍であった。

東南アジアの人にはアルコール分解能力が低下した人が多い。(下記)

もう一つは、DNAの修復機能である。通常、DNAの異常は自動的に修復される。

しかし、特に東南アジアの人の場合、修復機能が働かず、効果的に修復できない。


なお、Patel 教授は、「アルコール処理やDNA修復のシステムは完璧ではなく、こうした自己防衛機能がきちんと作用している人であっても、アルコールが原因でがんができる可能性はあることを忘れてはならない」と注意を促している。


米臨床腫瘍学会(ASCO)のがん予防委員会も2017年11月に、「飲酒はがんの危険性を高める可能性がある」として、アルコールを飲み過ぎないよう注意を呼び掛ける声明を発表している。

https://www.asco.org/about-asco/press-center/news-releases/statement-alcohol-linked-to-cancer-november-2017

ーーー

ALDHの一種であるALDH2をつくる遺伝子には、元々の人類が持つ分解能力が高いとされるN型(ALDH2*1)と、中国南部で突然変異で分解能力が低下したD型(ALDH2*2 )がある。

両親からいずれか一つずつを受け継ぐので、人間にはNN型、ND型、DD型の3パターンある。
NN型は酒豪タイプ、ND型はそこそこ飲めるタイプ、DD型は下戸タイプ。

  日本人 白人
NN型 50%強 99%以上
ND型 40%弱 1%未満
DD型 5%前後
白人は悪酔いしない代わりに、飲み過ぎてアル中になる可能性がある。

NN型(酒豪タイプ)はアセトアルデヒドが蓄積しにくいことで、DD型(下戸タイプ)は飲めないため、いずれもがんの危険は少ない
「部分欠損型」のND型の場合、アセトアルデヒドを分解する力が十分ではないので、大量に飲むとアセトアルデヒドが体内にたまり、がんのリスクを高める。

北海道、東北、九州、沖縄地方に酒豪遺伝子であるN型遺伝子の割合が多い。

日本民族が、列島先住民の縄文人(N型)と、中国南部で突然変異で発生したD型を持つ弥生時代以降に大陸からきた渡来人の「二重構造」を持つことを示すものとされる。

都道府県別に見たN型遺伝子(ALDH2*1)の頻度
https://www.athome-academy.jp/archive/biology/0000000176_all.html


中川恵一 氏のコラムは次の文章で終わっている。

ALDH2の欠損型はアジア人の一部にしかみられません。 ケンブリッジ大学の)この論文は赤い顔で深酒を続ける日本人への警鐘だと思いました。ご用心を。

 


小泉元首相が原発反対運動を続けている。

「女性自身」(web 2018/2/5) の「小泉純一郎元首相が激白 原発推進派のウソと福島への思い 」で、以下の通り述べている。

「私も首相のときは、原発を推進していた。だけど、それが間違いだったとわかったから、考えを改めた。過ちだとわかって改めないことこそ、本当の過ちなんだよ」

(原発反対の講演について)
「北海道から九州まで、平均月に2~3回だったのが、昨年の10月は10回、11月は8回。さすがにちょっとやりすぎたかな(笑)。でも依頼が引きも切らないんだよ」

「原発推進派は、日本の原発は安全だと言い続けていたけど、原発に"絶対安全"なんかないことは、福島の事故でよくわかった。とくに日本は、地震や津波、火山の噴火が何年かごとに必ずやってくる。地質学的にも危険な地域だ」

「再び事故が起これば、住む場所を失う人がまた大量に出る。だいたい福島に関しても、政府は『収束した』と発表しているけど、していない。汚染水、あれはどうするの。除染で出た大量の汚染物質、焼却しなきゃいかんと言ったって、焼却をすれば、放射能が出る。壊れた原子炉から中の燃料棒を取り出すと言っているが、人間がそこに立てば1分ほどで死ぬくらい危険だ」

本ブログでも、以前から同氏の発言を取り上げてきた。

2013/11/1 小泉元首相の「脱原発」論

2013/11/13 小泉元首相の講演 

2016/9/12 小泉元首相の外国特派員協会での記者会見
  テーマは、①「トモダチ作戦被害者支援基金」と、②原発反対の考え方について。


2017年4月14日には細川元首相とともに
「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連) を発足させた。

会長  吉原 毅(城南信用金庫相談役)
顧問  小泉 純一郎(元内閣総理大臣)
    細川 護煕 (元内閣総理大臣)
副会長 中川 秀直 (元自由民主党幹事長、元科学技術庁長官、原子力委員会委員長)
    島田 晴雄 (前千葉商科大学学長、慶應義塾大学名誉教授)
    佐藤 彌右衛門(全国ご当地エネルギー協会会長、会津電力株式会社代表取締役)

主旨:

東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故を通じて、私たち国民は、原発が人類にとって非常に危険であることを学び、事故から6年以上が経過した今もなお、全国各地で脱原発や自然エネルギー推進に向けた活動が熱心に行われておりますが、こうした活動の多くは、孤立・独立しており、相互の連携が図れていないのが現状です。

こうした中で、今後、より一層、脱原発や自然エネルギーの推進に向けた国民運動を展開していく上では、全国各地で取組んでいる活動が一致団結し、お互いに連携協力していくことが重要であると考え、今回、思想や信条を問わず、原発ゼロと自然エネルギー推進を志すすべての個人や団体が集結した「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が創設されることとなりました。

原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟は本年1月10日、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」の発表記者会見を開いた。記者会見後、小泉元総理を含む原自連のメンバーが国会を回り、この通常国会に「原発ゼロ」法案の提出を目指している立憲民主党をはじめ、与野党に賛同を呼びかけた。

上記の「女性自身」の記事でも、「全国どこに行っても、原発を止めなきゃいかんという声は根強いよ。この法案を国会に提出して、与野党で議論を深めていきたい」と述べている。

「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」の内容は次の通り。

全ての原子力発電の廃止及び自然エネルギーへの全面転換 の促進に関する基本法案(骨子案)
〈略称〉原発ゼロ・自然エネルギー基本法案

第一 目的

この法律は、全ての原子力発電の廃止及び自然エネルギーへの全面転換の促進に関する基本的な理念及び方針を明らかにし、国等の責務及び推進体制等を定め、もって、我が国エネルギー構造の転換を実現することを目的とする。

第二 基本理念

東京電力福島第一原子力発電所事故によって、原子力発電は、極めて危険かつ高コストで、国民に過大な負担を負わせることが明らかとなり、使用済み核燃料の最終処分も全く見通しが立たない。また、原子力発電による発電量は全体のわずか1%(2015年段階)にすぎず、重要性を失っている。したがって全ての原子力発電は即時廃止する。

世界各国において自然エネルギーへの流れが急速に拡がり太陽光発電と風力発電ですでに原子力発電の設備容量の二倍を超えている。我が国のエネルギー政策においても、新たな産業と雇用を創出する成長戦略の柱として、安定的な電源となる自然エネルギーへ全面的に転換する。
このようなエネルギー構造の転換は、温室効果ガスの削減による地球環境の保全と経済構造の変革を伴う新たな産業革命を実現し、国土とエネルギーの安全保障、国民生活と食糧・農業の安全保障をもたらし、将来世代にわたる国民の生命と健康が守られ、平和のうちに安心して暮らせる自然エネルギー社会の形成に資するものである。

第三 基本方針

運転されている原子力発電所は直ちに停止する。
運転を停止している原子力発電所は、今後一切稼働させない。
運転を停止した原子力発電所の具体的な廃炉計画を策定する。
原子力発電所の新増設は認めない。
使用済み核燃料の中間貯蔵及び最終処分に関し、確実かつ安全な抜本的計画を国の責任において策定し、官民あげて実施する。
核燃料サイクル事業から撤退し、再処理工場等の施設は廃止する。
我が国は、原子力発電事業の輸出を中止し、人類の平和と安全のため、かつての戦争被爆及び原子力発電所重大事故の当事国として、地球上の原子力発電全廃の必要性を世界に向けて発信する。
急速に進んでいる省エネルギーをさらに徹底させる。
太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等の自然エネルギーを最大限かつ可及的速やかに導入する。自然エネルギーの電力比率目標は、平成42年(2030年)までに50%以上、平成62年(2050年)までに100%とする。
地域経済の再生のため、各地域におけるエネルギーの地産地消による分散型エネルギー社会の形成を推進する。


第四 国等の責務 

第五 推進体制  

第六 年次報告

第七 附則

   


富士フィルムHDは1月31日、米国Xerox Corporationとの間で以下の点で合意したと発表した。

 ①富士フィルムHDがXerox Corporatの50.1%を取得、Xeroxは社名をFuji Xeroxに変更、NYSEの上場を維持
 ②富士フィルムHDの子会社の富士ゼロックスとXerox Corporationの経営統合

2018/2/1 富士フィルム、米国Xerox Corporationを買収

これに対し、後記の通り、ゼロックスの筆頭株主で「物言う株主」として知られる著名投資家のCarl Icahnは2月12日、同じく大株主のDarwin Deasonと共同で、富士フイルムによる買収に反対する声明を公表した。2人はゼロックスの株を合わせて15.2%保有する。


このDarwin Deasonが2月13日、富士フィルムによるゼロックス買収は不正だとして、差し止めを求める訴えをニューヨーク州の裁判所に起こした。

問題視しているのはゼロックスと富士フィルムが、株主にとって重要な契約の存在を17年間隠していた点である。

ゼロックスが敵対的買収で株式の30%を売却する場合、アジア太平洋の360億ドルの市場でのゼロックスの知的財産権と製造権を富士フィルムに渡すという企業買収防衛策としての重要資産の売却条項("crown jewel" lock-up right)である。

これはゼロックスの戦略の柔軟性を制限するもので、実質的に今回の富士フィルムへの売却は17年前に株主に知らされずに決められていたことになり、不正行為であり、取締役は受託者としての義務に違反しているとする。

このため、裁判所に対し、この取引を中止し、既存のJV契約を終了することを求めた。

訴状 https://ja.scribd.com/document/371438778/Deason-Lawsuit-Xerox

これに対し、ゼロックスは2月13日、「Deason 氏の主張はメリットがない。富士ゼロックスとの統合は複数ある選択肢の中から戦略的な検討を経て選んだもので、会社と株主にとって最善の道」と反論した。


付記

Carl IcahnとDarwin Deasonはゼロックスの株を合わせて15.2%保有するとしていた。
しかし、日経によると、2月13日時点で、Icahnの持ち株は9.7%から9.2%に低下、Deasonも(5.5%から)3.3%になっていることが分かった。両者合計で12.5%となる。

1月31日の富士フィルムによる買収発表を受け、株価が一時急騰したが、この時点で売りに出したとみられる。

他の株主(2017年末時点)は、Vanguard Group が9.7%、Blackrock fund adovisorsが4.3%、State Street Global Advisorが3.5%、Alliance Bernsteinが3.0%。

ーーー

2015年11月に物言う株主として知られるCarl Icahnによるゼロックス株の7%取得が明らかになった。翌月、8.13%に高めた。それ以来、Icahnは会社側に業績改善と取締役派遣を要求してきた。

ゼロックスは2016年1月29日、分社化を正式に発表した。ビジネス・プロセス・アウトソーシング事業を行う Conduent Incorporated をスピンオフ(分離・独立)するもので、分社化はCarl Icahnからのプレッシャーを受けた結果である。

IcahnはConduentの取締役会で3議席を獲得する。また、この新会社のCEOを選出するための委員会に「出席し、助言を与える」人物を選ぶ権利を得た 。

Carl Icahnは2017年12月12日、ゼロックス株主への公開状を発表した。

前日にゼロックスは株主に対し、将来がバラ色との報告を送ったが、実際は恐ろしい状態である。株価は1年で30%上がったが、これは私が主張したConduentのスピンオフの結果である。

明らかにゼロックスは新しいリーダーが必要だ。我々の努力にかかわらず保守派の取締役はぼんくらCEOを守っている。

ゼロックスに新しい価値を生み出す新しいリーダーが必要だ。

http://carlicahn.com/open-letter-to-xerox-shareholders/

Carl Icahnは2018年1月18日付で株主への新しい公開状を発表した。
前の週にWall Street Journal がゼロックスと富士フィルムが交渉している旨を伝え、またゼロックスの株主第3位の Darwin Deasonが富士フィルムに関して戦略的な代替案を検討するため、富士ゼロックスのJV契約を明らかにするようゼロックスに求めていた。

Deason氏は富士ゼロックスJVを改定又は終了すべきだと述べているが、富士ゼロックスの経理スキャンダルをみて、株主は誰もこれに反対しないだろう。
契約改定に賛成する。ずっと前にすべきものであった。

CEOを交代させなければ、我々の投資全部が無くなってしまう。

http://carlicahn.com/open-letter-to-shareholders-of-xerox/

1月22日、Carl IcahnとDarwin Deasonはゼロックスに関する共同声明を発表した。

我々はゼロックスの株を合わせて15%以上保有する。下記の点で意見が完全に一致したため、2018年の株主総会で4人の取締役を出すよう、委任状を集める。

  • 今回の富士ゼロックスの経理スキャンダルに鑑み、JVを解消するか、ゼロックスに有利なように改定すべきである。
  • ゼロックスは直ちに、戦略的代替案を探るべく、独立アドバイザーを選ぶプロセスを始めるべきである。
  • ゼロックスは直ちに、富士ゼロックスJVの契約を開示すべきである。
  • CEOのJeff Jacobson は守旧派で株主にとっての長期的価値を生み出すことができないため、直ちに辞めさせるべきである。
  • もし守旧派の取締役が、ゼロックスが沈没するのを避けるためのタフな決定をできないなら、彼らも辞めるべきである。

Too late になる前に行動すべきだ。


富士フィルムHDは1月31日、米国Xerox Corporationとの間で以下の点で合意したと発表した。

米ゼロックスの筆頭株主で「物言う株主」として知られる著名投資家のCarl Icahnは2月12日、同じく大株主のDarwin Deasonと共同で、富士フイルムによる買収に反対する株主への公開状を公表した。
2人はゼロックスの株を合わせて15.2%保有する。

先週、ゼロックスと富士フィルムが発表した計画は、古森会長が自慢するように、「富士フィルムが一銭も使わずにゼロックスの支配権を得るもの」だ。

富士フィルムは金を使わずに米国の象徴の支配権、所有権の過半数を取得し、既存のゼロックス株主は、隠蔽の文化と管理不十分により 360百万ドルの経理スキャンダルを明らかにした富士ゼロックスの25%を間接所有するのと、我々自身の資産を処分して行われる一時的な特別配当を受けるだけだ。

これが実行されると、ゼロックス株主はそうではなくなる。富士フィルムの子会社の少数株主に過ぎなくなり、我々の投資の将来の方向に関して無力となる。通常の企業価値に加えて考慮される経営支配権に対する上乗せ価値(control premium)を受ける機会が無くなる。

昨年の経理スキャンダルは、我々の資本を富士フィルムに任せるのに極端にナーバスにする。

会社側の唱えるシナジー効果で確実なのはコスト削減であるが、これは統合しなくても実現できる。百歩譲って、この計画で初めて達成できるシナジーがあるとしても、プレミアム無しで支配権をわたすことは正当化できない。

ゼロックスが今回初めて明らかにしたが、富士ゼロックスJVの契約で17年間隠していた事項がある。ゼロックス側が、買う側、売る側のいずれでも、戦略的な資本構造を変える取引をする能力が制限されている。(前記の訴訟内容を参照)

富士ゼロックスの経理スキャンダルに至った富士フィルムの失敗は、JV契約の重要な違反であり、ゼロックスは直ちに解約すべきである。そうすればアジア太平洋の市場を取り戻せる。

今の取締役会はゼロックスのシステマティックな破壊を見過ごしている。何もしなければ、この計画はゼロックスの最終的な弔鐘となる。
株主たちよ、富士フィルムに我々からこの会社を奪わすな。

まともなリーダーを連れてくれば、価値を高める大きなチャンスがある。

http://carlicahn.com/joint-statement-with-darwin-deason-regarding-xerox-2/


5月頃のゼロックスの株主総会に向けて、つばぜり合いが激しくなりそうだ。
裁判の行方も気になる。

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