2017年3月期決算がほぼまとまった。

各社の決算状況は http://www.knak.jp/kessan/ 


武田薬品、アステラス製薬、第一三共、エーザイと、田辺三菱製薬(2016/3以降)はIFRS方式、他は日本方式。

IFRS方式の場合は、営業損益の範囲が広く、日本方式での営業外損益や特別損益で処理されるものも含む。
(日本方式の営業損益に相当するものをコア営業損益として表示する会社もある。)

日本方式では経常損益(特別損益を含まず)、IFRS方式では税引後損益


いずれも税引後損益のうち、少数持分株主に帰属する損益を除外したもの。

第一三共の本来の2015/3の株主帰属損益は3221億円。

ランバクシーがサン・ファーマに吸収合併されたことによる税効果考慮後の子会社合併差益2,787億円など、非継続事業からの損益2754億円を除外した。

2017年3月期決算がほぼまとまった。

各社の決算状況は http://www.knak.jp/kessan/ 

売上高は円安などの影響で減収の会社が多い。

営業損益では、三井化学(石化)、東ソー(クロルアルカリ)、三菱ガス化学(芳香族、機能化学品)などは交易条件差が著しく改善し、利益が急増した。

売上高
営業損益
経常損益
当期損益


下記各社はブログ記事を参照

三菱ケミ、信越化学、住友化学、三井化学、東ソー、旭化成


帝人は当期損益が急増している。米国在宅医療事業からの撤退を決定したことに伴う税効果会計の適用で、税額が前期比338億円減少した。

2017年4月に、米国で在宅医療事業を展開する連結子会社Braden Partners, L.P.ならびにAssociated Healthcare Systems, Inc.の持分全てを売却し、米国在宅医療事業から撤退。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 特別損益 税引前 税金 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 7,862 391 424 -493 -69 31 -81 2 2
2016/3 7,907 671 603 -147 456 164 311 3 4
2017/3 7,413 565 559 -220 339 -175 501 5 6
前年比 -495 -106 -44 -73 -117 -338 190 2 2
2018/3予 8,550 620 630 420 6 6


トクヤマは、化成品が交易条件差で、特殊品が多結晶シリコンの好調で、営業利益が増加した。

マレーシアの多結晶シリコン事業で前々期、前期に連続して多額の特別損失を計上したが、今期はそれがなくなったことと、マレーシア子会社の事業譲渡で税金が減少したため、営業利益の増と相まって、当期損益は大幅増益となった。(Tokuyama Malaysia の韓国 OCI Companyへの売却を決めたが、手続きが遅れ、2017年5月末に売却する。)

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 特別損益 税引前 税金 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 3,021 195 129 -779 -650 3 -653 0 0
2016/3 3,071 231 177 -1,042 -865 130 -1,006 0 0
2017/3 2,991 397 340 45 385 -149 522 0 0
前年比 -80 166 163 1,088 1,250 -279 1,527
2018/3予 3,000 360 320 130 2 2


三菱ガス化学は海外のメタノール事業の持分法損益が営業外損益に含まれる。
2016年10月1日付けで2株を1株に併合したため、配当は表面上、2倍となった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 持分法 経常損益 特別損益 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 5,296 150 289 430 40 444 7 7
2016/3 5,935 340 167 454 4 341 8 8
2017/3 5,565 438 211 624 -13 480 8 11 (22)
前年比 -370 97 44 169 -17 138 0 3
2018/3予 5,800 370 550 430 11 (22) 11 (22)

LG電子は1997年のインド進出から20年を迎えた。昨年の売上高は20億ドルで、1997年の60倍になった。

LG電子のインドでの成功は、「徹底的な現地化戦略」により、住居環境と生活文化を考慮したインド特化製品の発売戦略が功を奏したからとされる。

地元の市場調査機関「TRA」から「2016年の最も魅力的なブランド 」に選ばれた。

現地進出20周年を記念して、年末までに20ヶ月間無利子分割払い、製品割引など、さまざまなプロモーションを行う。


代表的な製品は次の通り。

1)超音波で蚊を追い払うエアコンやテレビ

エアコンとテレビに Mosquito Away Technologyを導入した。

研究の結果、超音波で、人間には聞こえないが、蚊が嫌がって逃げ出す周波数を見つけた。薬品を使わないため、安全で、臭いもなく、殺虫剤費用が節約できるとしている。


2)電力供給が途絶えても7時間も冷気を維持する冷蔵庫

インドの地方では停電が多いが、 'Power Cut Evercool Technology' を採用した、電気なしでも7時間冷やせる冷蔵庫を発売した。

保冷剤を使った追加の冷却メカニズムを備えており、電気が切れた場合のみ、バルブが開き、冷却するもの。
逆に、停電がほとんどないGujarat州などの人には、夜間にスイッチを切って、電気代を節約できると宣伝している。


その他、
悪い水質を考慮して浄水性能を高めた浄水器 など。



水俣条約が2017年8月16日に発効する。

締結国数が発効に必要な50カ国に達して90日後に発効するが、5月17日にEU とそのメンバー7か国(ブルガリア、デンマーク、ハンガリー、マルタ、オランダ、ルーマニア、スウェーデン)が批准し、51か国となった。


水銀の使用を国際的に規制する「水銀に関する水俣条約」が2013年10月10日、熊本市で開催中の外交会議で採択された。
参加 141カ国・地域のうち、議長国の日本や最大の排出国の中国を含む87カ国・地域が条約に署名した。 (その後、128か国に)

日本は2015年5月に国会での承認を経て、2016年2月2日の閣議で締結を決定した。

2013/10/15 「水俣条約」採択 

東ソー

売上高については、ナフサ等の原燃料価格の下落に伴う石油化学製品の価格下落や円高による輸出販売価格の下落等により、減収となったが、営業利益については、原燃料安を背景とした交易条件の改善等により大増益となった。

特に、クロルアルカリの交易条件差が大きく、営業損益は前々年比で5.8倍、前年比で2.7倍となった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 特別損益 税引前 税金 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 8,097 514 602 -12 590 -240
197
623 5.0 5.0
2016/3 7,537 694 658 -39 619 200 397 7.0 7.0
2017/3 7,430 1,112 1,131 -26 1,105 329 757 7.5 16.5
前年比 -107 418 473 13 360 0.5 9.5
2018/3予 1,000 1,000 680 12.0 12.0


2015年3月期には、日本ポリウレタン工業との合併で、同社から引き継ぐ繰越欠損金等の一時差異に係る繰延税金資産の計上等による税金費用の減少240億円があった。

営業損益は下記の通り。

15/3 16/3

17/3

増減

内訳

- 18/3予想
数量差 交易条件 固定費他
石油化学 69 116 201 85 2 51 32 168
クロルアルカリ 83 180 479 299 20 218 62 465
機能商品 300 327 354 27 61 -37 3 306
エンジニアリング 33 46 51 6 5 1 38
その他 28 26 27 1 2 -1 23
合計 514 694 1,112 418 90 231 96 1,000

ーーー

旭化成

円高の影響(売価差損 591億円のうち為替差損 332億円)に加え、医薬事業において薬価改定の影響を受けたことや、エレクトロニクス事業でPolypore社買収に伴うのれん償却費等を通期で計上したことなどから、減益となった。

特別損失の減少で当期損益は増益となった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 特別損益 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 19,864 1,579 1,665 -81 1,057 9 10
2016/3 19,409 1,652 1,614 -150 918 10 10
2017/3 18,830 1,592 1,606 -32 1,150 10 14
前年比 -579 -60 -7 117 232 0 4
2018/3予 19,900 1,650 1,700 1,150

24


営業損益は下記の通り。

セグメント別

2016/3 2017/3 増減 2018/3予
マテリアル 792 845 53 900
住宅 710 641 -69 645
ヘルスケア 362 319 -43 355
その他 38 60 23 20
全社 -250 -273 -23 -270
合計 1,652 1,592 -60 1,650

事業部別 

15/3 16/3 17/3 増減

内訳

18/3予
数量差 売値差 コスト差
ケミカル 542 609 704 94 50 -348 391 725
繊維 105 139 117 -22 22 -58 14 125
エレクトロニクス 143 44 25 -20 77 -108 11 50
住宅 592 654 595 -60 -15 19 -64 600
建材 41 58 45 -14 -9 -5 0 45
医薬・医療 267 243 171 -72 12 -111 26 180
クリティカルケア 41 119 148 29 58 19 -48 175
その他 9 38 60 23 19 4 20
全社 -161 -253 -271 -19 -19 -270
合計 1,579 1,652 1,592 -60 215 -591 316 1,650


ケミカル事業は、交易条件差、数量差で増益となっている。

住宅は減収、コスト増で減益。

医薬は薬価改定の影響、後発医薬品の影響で減益。


別損益は下記の通り。

2015/3 2016/3 201/3 増減
特別利益 有価証券売却益 28 83 99 16
固定資産売却益 4 9 2 -8
合計 31 92 101 9
特別損失 投資有価証券評価損 11 4 1 -3
減損損失 13 35 15 -20
固定資産処分損 47 52 49 -4
事業構造改善費 40 36 62 26
訴訟和解金 12 - -12
杭工事関連損失 15 - -15

施工データの流用等の調査等に要した費用のみ。
これ以外は現時点では影響額を合理的に見積もることは困難

共同販売契約終了損 53 - -53 久光製薬との過活動膀胱治療剤の共同販売契約終了
統合関連費用 15 7 -9 組織再編
特別退職金 20 - -20 Polypore International 買収後、一部幹部が退任
その他 1 - -
合計 112 242 133 -108
特別損益 -81 -150 -32 117

住友化学

営業損益は情報電子化学やメチオニンの値下がりが大きく減益となったが、海外石化の持分利益が大きく増加した。
減損損失や事業構造改善費用を増やしたが、株主帰属損益はほぼ前期並みとなった。

三菱ケミカルと同様、大日本住友製薬など高収益企業の少数株主帰属利益分が大きい。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 持分法 経常損益 特別損益 税引後 当期損益   配当
少数株主 株主帰属 中間 期末
2015/3 23,767 1,273 239 1,574 -407 711 189 522 6 3
2016/3 21,018 1,644 202 1,712 -136 1,124 309 815 8 6
2017/3 19,543 1,343 412 1,666 -214 1,171 316 855 7 7
前年比 -1,475 -301 210 -46 -78 47 7 40 -1 1
2018/3 21,900 1,650 1,850 1,000

 

営業損益対比(億円)           

2015/3 2016/3 2017/3 増減 内訳 2018/3予
価格差 コスト差 数量差等
石油化学 208 288 266 -22 90 -40 -72 270
エネルギー・機能材料 8 28 72 44 5 0 39 120
情報電子化学 324 199 103 -95 -350 175 80 210
健康・農業関連 561 775 462 -314 -185 -85 -44 600
医薬品 290 427 551 124 -70 -185 379 570
その他 157 78 57 -21 0 5 -26 30
全社 -274 -150 -168 -17 - - -17 -150
1,273 1,644 1,343 -301 -510 -130 339 1,650


石油化学:千葉工場の石油化学事業再構築で売上高は減少
       MMAや合繊原料が交易条件改善

エネルギー・機能材料:レゾルシンやエンプラの販売数量増

情報電子化学:
偏光フィルムやタッチセンサーパネルの値下がりが大きい。
           一方、原料合理化、出荷増でコストダウン。

健康・農業関連:メチオニンの価格下落。    注  2017年度には価格反転で増益を予想

           研究費増や円高の影響で損益更に悪化。

医薬品:国内薬価改定での値下がり、販売費用増加を北米でのラツーダ出荷増で補う。

特別損益の状況は下記の通りで、減損損失、事業構造改善費用が再度増加した。

2014/3 2015/3 2016/3 2017/3
投資有価証券売却益 34 41 158 273
固定資産売却益 162 10
減損損失 -218 -333 -247 -343
事業構造改善費用 -106 -322 -48 -189
投資有価証券評価損 -15
その他 56 45 35
合計 -249 -407 -136 -214

このうち、減損損失は以下の通り。

2015/3 2016/3 2017/3
英国 EL材料、デバイス 126
新居浜 アルミナ 、高純度アルミナ、高純度アルミ 64 44
韓国 高純度アルミナ 23
新居浜 医薬品(撤去) 52
韓国 サファイア基板 48
韓国 ダッチセンターパネル 16
シンガポール S-SBR 85 51
ポーランド ディーゼル・パティキュレート・フィルター 82
シンガポール メタアクリル 54
新居浜 光学製品 102
新居浜 硝酸、アニリン 29
新居浜 電解系 34
合計 333 247 343


大日本住友製薬の業績は次の通り。  (住友化学出資比率 50.22%)

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 3,714 233 233 154 9 9
2016/3 4,032 369 352 247 9 9
2017/3 4,116 528 543 290 9 11
前年比 84 158 191 43 0 2
2018/3予 4,500 550 550 360 9 11

日本では、後発医薬品の使用促進による大幅減収で減益
北米では、「ラツーダ」や抗てんかん剤「アプティオム」の売上が拡大、円安の影響もあり、大幅な増収増益

ーーーーー

三井化学

基盤素材の交易条件の大改善などにより、営業損益は大幅増益となった。事業構造改善も一段落し、特別損益も改善した。

  売上高 営業損益 経常損益 特別損益 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 15,501 420 444 -86 173 2 3
2016/3 13,439 709 632 -219 230 4 4
2017/3 12,123 1,021 972 -114 648 5 9
前年比 -1,316 312 340 105 419 1 5
2018/3予 13,000 980 960 650

営業損益は下記の通り。

16/3 17/3 増減

増減内訳

18/3
予想
数量差 交易条件 固定費他
モビリティ 449 407 -42 39 -79 -2 420
ヘルスケア 116 101 -15 -12 -6 3 130
フード&パッケージング 203 206 3 14 -11 0 205
基盤素材 10 385 375 12 295 68 295
その他 -69 -78 -9 -9 -70
合計 709 1,021 312 53\6 199 60 980


当期よりセグメントを変更


モビリティ エラストマー、機能性コンパウンド及びポリプロピレン・コンパウンド、機能性ポリマーは好調に推移したが、交易条件の悪化及び円高の影響を受け、減益となった。
ヘルスケア ビジョンケア材料等における堅調な販売及び歯科材料における固定費減少があったものの、不織布における販売数量の減少により、減益となった。
フード&パッケージング 円高の影響があったものの、堅調な販売により増益となった。

基盤素材

事業構造改善の効果が発現したこと及び堅調な国内需要の影響、大幅な交易条件の改善により、前期の10億円の利益が当期は385億円と大幅増益となった。

他社のナフサクラッカーの停止が相次ぎ、稼働率は高水準で推移した。


特別損益は下記の通り。(億円)

  2015/3 2016/3 2017/3 増減
特別利益 資産売却益 23 51 26 -25
事業譲渡益 - 37 - -37
合計 23 88 26 -62
特別損失 固定資産処分・売却損 45 56 73 17
減損損失 53 241 41 -200
その他 11 10 26 16
合計 109 307 140 -167
特別損益 -86 -219 -114 105


2016/3の減損損失には、2013年に
ドイツのHeraeus Holdingsから有利子負債を含め約543億円で買収した歯科材料事業 Heraeus Dental のノレンの減損195億円を含む。

営業損益は2010年3月期から連続増益となった。

Shintechが100%子会社であることから、連結損益のほとんどが株主帰属損益であり、当期損益では三菱ケミカルを大きく上回る。

単位:億円 (配当:円)

  売上高 営業損益 経常損益 当期損益

配当

中間 期末
2015/3 12,555 1,853 1,980 1,286 50 50
2016/3 12,798 2,085 2,200 1,488 55 55
2017/3 12,374 2,386 2,421 1,759 60 60
前年比 -424 301 221 271 5 5
2018/3予

未定


営業損益は下記の通り。


営業損益推移 (
単位:億円)

セグメント  15/3 16/3 17/3 増減
塩ビ・化成品 503 447 532 85 Shintechが増強した能力を生かし、拡販
シリコーン 334 415 425 10 米、中国、東南ア向け機能商品の出荷が堅調
機能性化学品 153 182 222 40 セルロース誘導体:国内は医薬用が好調、欧州は総じて順調に推移
半導体シリコン 356 469 560 91 メモリデバイス向け堅調、ロジックデバイス向けも好調
電子・機能材料 462 515 552 38 希土類磁石、フォトレジスト製品、LED用パッケージ材料 いずれも堅調
その他 48 56 96 40
全社 -3 1 -1 -3
合計 1,853 2,085 2,386 301


Shintech の業績は下記の通りで、2012年に急回復し、2013年も増益となった。
2014年、2015年と減益となった。Westlakeによると2015年の平均売価は前年比18.9%下落した。

2016年は増強した能力を生かし、増益となった。

同社の能力は次のとおりとなる(単位:万トン)。エチレンの完成は2018年。

立地 PVC VCM カ性ソーダ エチレン
Texas州 Freeport  145   -   -
Louisiana州 Addis   58   -   -
Plaquemine   60   160  106
 今回増設 32 30 20 50
合計  295  190   126 50
平均レート
2011 79.8/$
2012 79.8/$
2013 97.6/$
2014 105.9/$
2015 121.0/$
2016 108.8/$


決算を公表している米国の企業の業績は下記の通り。Shintech は経常損益、 WestlakeはVinylsの営業損益。

Westlakeは最近、ドイツのVinnolit、旧Georgia Gulf のAxiall を買収、急拡大している。

2015年にShintechが減益となったのに対し、Westlakeは増益となった。

Westlake Chemical は2014年6月28日、投資会社のAdvent International からドイツを拠点とする塩ビメーカーVinnolit Holdings GmbH とその子会社を490百万ユーロで買収する契約を締結し、同年7月31日に 取引が完了した。2015年はこれがフルに寄与した。 

ドイツと英国に6つの工場を持ち、能力は苛性ソーダが475千トン(100%)、VCMが665千トン、PVCが780千トンとなっている。2013年の売上高は917百万ユーロであった。

2014/6/3 Westlake Chemical、欧州の塩ビメーカー Vinnolit を買収

また、Calvert Cityのエチレン原料転換が完成、エチレン増産、Geismarのクロルアルカリも増産した。

  2012/10/10
Westlake Chemical、エチレン原料をプロパンからエタンに変更

そのWestlakeは2016年8月にAxiallを買収した。

Axiall Corp.は2013年1月にGeorgia Gulf がPPG Industriesのcommodity chemical divisionと合併したもので、Chlorovinyls 部門(電解~PVC~PVC製品)とAromatics部門(フェノール、アセトン、キュメン等)を持っていたが、Aromatics部門はIneosに売却した。

Westlake Chemical は2016年1月29日、Axiall Corporationの全株式を14億ドルで買収する提案をしたと発表したが、Axiallの取締役会はこれを拒否した。

Westlakeは2016年4月4日、新提案を行った。買収額は約15億ドルの債務込みで31億ドル、ネットで16億ドル(14億ドル )となる。

この後6月10日に、負債込みで38億ドル (ネットで23億ドル)での買収で合意し、8月31日に取引完了した。

2016/2/4 Westlake Chemical、Axiall に14億ドルでの買収を提案、拒否される 

Axiall と韓国の Lotte Chemicalは2015年6月、年産100万トンのエタンクラッカーをルイジアナ州に建設するJVの設立を発表した。
Axiallは自社のPVC用のエチレンの50%を確保するのが目的としており、Lotteは残りのエチレンを使い、エチレン隣接地でエチレングリコール 70万トンを生産する。

Westlakeはこれを引き継ぐ。

2015/6/22 韓国 Lotte Chemical、米国で石油化学

ーーー

Westlake Chemicalは台湾でCGPCを設立した故 T.T. Chao が1986年に米国に進出、設立した。

同社の歴史と現状は次のとおり。

2017年3月期よりIFRS方式に変更した。下記では2016年3月期もIFRS方式に組み替えた。

営業損益は前年とほぼ同じで大好調が続いた。

株主帰属損益は、前期に計上した非継続事業(インド及び中国におけるテレフタル酸事業)における減損損失が減少したことに加え、同事業の譲渡に関連した繰延税金資産の計上に伴う税金費用の減少があり、同1,049億円増となった。

2016/5/19 主要企業の2016年3月決算 - 三菱ケミカルホールディングス

    〔IFRS〕    単位:億円

  売上高 営業損益 うち
持分法
税引前
損益
法人所得税

税引後損益

うち

  配当(円)
継続事業 非継続事業 合計 少数株主帰属 株主帰属 中間 期末
2016/3 35,434 2,687 140 2,528 -741 1,787 -739 1,049 535 514 7 8
2017/3 33,761 2,686 170 2,583 -444 2,139 26 2,165 603 1,563 8 12
前年比 -1,673 -1 30 56 297 352 765 1,117 68 1,049 1 4
2018/3予 36,500 2,900 2,770 1,370 12 12


少数株主帰属損益が大きいのは、田辺三菱製薬や大陽日酸のような高収益子会社の持ち株比率が50%台に止まるため。


営業損益は下記の通り。

 2016/3と2017/3はIFRS方式のため、非経常項目を含む(従来より範囲が広がる)
 グラフと表では、セグメント別では非経常項目を除いたコア営業利益で計算し、これまでと合わせ、非コアを加えた。

2016年3月期は各分野とも好調で、2014年下期に連結対象とした大陽日酸の業績がフルに寄与したこともあり、営業損益は大幅増益となり、過去最高だった2011年3月期を上回った。
本年度も好調が続く。ヘルスケアは減益となったが、ポリマーズが補った。

営業損益対比(億円)           
  2015/3 2016/3 2017/3 前年比 増減内訳
売買差 数量差 コスト
削減
ケミカルズ 92 577 589 12 -47 -116 18 157
ポリマーズ 268 564 719 155 -13 -8 31 145
エレクトロニクス -27 -10 -29 -19 -55 8 35 -7
デザインドマテリアルズ 561 750 815 65 -90 112 59 -16
ヘルスケア 770 1,122 984 -138 -149 34 66 -89
その他 65 71 72 1 0 2 1 -2
非コア 50 -317 -389 -72 -72
全社 -71 -70 -75 -5 -5
合計 1,657 2,687 2,686 -1 -354 32 210 111

ケミカルズ:基礎化学品 -50、炭素 -11(市況悪化等)、産業ガス +73(米・豪事業追加、原燃料価格下落)
ポリマーズ:ポリオレフィン等 -38 (定修規模拡大等)、MMA&アクリル樹脂 +193 (アジア・欧米市況堅調)

エレクトロニクス:-19(円高、ディスプレイ材料売価低下)
デザインドマテリアルズ:+65

ヘルスケア:-138(薬価改定影響、前期に技術料一時金)      

なお、2017年4月に三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンを統合し、三菱ケミカルにしたのに伴い、2018年3月期のセグメントを変更する。

営業損益予想は次の通り。


田辺三菱製薬の実績は以下の通り。
2017年度よりIFRSを適用。(三菱ケミカルHDの出資比率は56.3%)

単位:億円 (配当:円)
  売上高 コア営業利益 営業損益 税引前損益 株主帰属損益   配当
中間 期末
2016/3 4,258 1,070 818 833 593 22 24
2017/3 4,240 945 941 961 713 24 28
前年比 -18 -125 123 128 120 2 4
2018/3予 4,410 900 900 910 715 38 28

コア営業利益は、減収に加え、米国事業展開準備費用の増加等により減益となった。
前期には
非経常項目で早期退職実施に伴う割増退職金などの構造改革費用を計上したが、当期は大幅に改善したため、全体としては増益となった。

2014年下期から連結対象とした大陽日酸の業績は下記の通り。  
2017年度よりIFRSを適用。(三菱ケミカルHDの出資比率は50.7%) 

単位:億円 (配当:円)
  売上高 コア営業利益 営業損益 税引前損益 株主帰属損益   配当
中間 期末
2016/3 5,944 475 489 466 290 7 9
2017/3 5,816 547 537 502 347 9 11
前年比 -128 73 47 36 57 2 2
2018/3予 6,200 565 570 345 11 11

東芝が売却する半導体事業を巡り、東芝と半導体を共同生産するWestern Digital は5月14日、同社の子会社 SunDisk が半導体事業の売却の差し止めを求める申し立てを国際仲裁裁判所に行ったと発表した。

東芝に対し、半導体事業の東芝メモリへの移管を元に戻すことを命じるよう求め、東芝がSunDiskの同意なしにJVの持分を他社に移すことで、これ以上JV契約に違反しないことを求めている。

Western Digital のCEOは、「東芝とは共同事業の利益を守るため、相手が同意していない事業移転を禁止することで合意していた。これまでの調整が不調に終わり、法的手段に訴えた」とコメントした。

経営再建中の東芝は4月に半導体のメモリー事業を分社化し、新会社「東芝メモリ」を発足させた。JV持ち分も移管した。

JV契約では、移管するにはSunDiskの同意が必要となっており、WDは、これについても合意に違反するとしている。
東芝は現在、東芝メモリを入札で売却しようとしているが、SunDiskの同意を得るつもりはないとしており、契約違反であるとする。

合弁契約では、合弁相手の同意なしに事業の持ち分を第三者に売却できないが、買収などによって持ち分の所有者の支配権が変わる場合は同意は不要と明記されている。

東芝側は、「事業の子会社自体が買収されれば支配権も移転するので、東芝が同意を取り付ける必要はない」とし、Western DigitalがSunDiskを買収した際、東芝側が同意を求められた経緯はなかったと指摘する。

これに対し、Western Digital は「支配権の変更に同意がいらなくなるのは、あくまで契約主体である東芝本体が売却される場合であり、今回の子会社売却には適用されない」と指摘している。

報道された契約内容をそのまま解釈すると、Western Digital によるSunDisk買収は、買収などによって持ち分の所有者の支配権が変わる場合であり、東芝の同意は不要だが、JVの持分を移管した東芝メモリの売却は、JV持ち分の第三者への売却であり、相手の同意は必要と思われる。
100%子会社である東芝メモリへのJV持ち分移管そのものは、東芝の支配権は残るため、違反ではないのではと思われる。

契約上、仲裁はSan Franciscoで行われる。

東芝広報・IR部は「契約に抵触するような事実はなく、差し止めの根拠はない」としている。

ーーー

Western Digitalは、他社への売却に異議を唱え、売却に拒否権を持つと主張したのに対し、東芝は、5月15日までに妨害行為をやめなければ、四日市の施設からWestern Digital の技術者らを締め出すと通告した。(客観的にみて、両社の主張が食い違っている段階でのこの通告はひどい。)

東芝社長とWestern DigitalのCEOが5月10日会談した。両社の見解の対立が続くが、打開策を模索する予定であった。

しかし、Western Digital 側は会談の不調を受け、今回の売却差し止め申し立てを行ったとみられる。
「仲裁は問題解決のための最初の選択ではないが、解決のためのこれまでの努力は成功に至らず、法的手段しか残っていない」としている。

今回、申し立ては契約の当初の当事者である子会社のSunDiskが行った。

付記

東芝は5月16日、Western Digital による四日市工場への情報アクセスの遮断を見送ったと表明した。

「問題解決のため協議を継続しており、アクセス制限の判断を保留している」と明らかにした。

付記

東芝メモリを担保とする7000億円弱の協調融資に関し、Western Digital が反対し、実施できていない。


米中両政府は5月11日、4月の米中首脳会談で合意した貿易不均衡の是正に向けた「100日計画」の第一弾を公表した。

米国のMnuchin 財務長官、Ross 商務長官と中国の汪洋 副総理の3人が共同委員長となり、協議をしてきた。

今回は、鉄鋼や為替問題など両国の利害がぶつかる問題は先送りした。

米中は今回、100日間だけでなく、1年間の長期計画をつくることでも一致した。今年夏に米国で包括経済対話を開き、具体策を協議する。


第一弾は次の10項目から成る。

1.  中国は7月16日までに、国際的な食品安全基準、動物の健康基準を満たした米国産牛肉の輸入を認める。

中国は米国産牛肉について、過去の牛海綿状脳症(BSE)発生を理由に輸入を禁止してきた。

2.  米国は中国原産の調理済み鳥肉の米国への輸入問題を出来るだけ早く解決し、輸入を認めるためのルールを7月16日までに発表する。

3.  中国のバイオセーフティ委員会は、申請されている8つの米国のバイオテクノロジー製品について、使用される用途での安全性を評価するための会合を5月末までに開催する。

4.  米国は中国や他の貿易相手国が米国からLNGを輸入するのを歓迎する。中国に対して、他のどのFTA非締結国に比べても不利な扱いをしない。中国の企業はいつでも、あらゆるタイプの輸入契約を締結できる。

米国は輸出承認で米国とFTAを締結している国とそれ以外で差をつけている。
2010年9月に米国がFTAを締結している国(将来締結した国も含む)に限定して輸出許可が出された。

その後、個別に承認しており、4月25日現在、FTA非締結国に対し、日量192億立法フィートの天然ガス輸出を承認済み 。

5.  中国は7月16日までに、100%外資が中国で信用格付サービスを行うのを認める。

6.  米商品先物取引委員会(CFTC)は、商品取引所法に定められたデリバティブ決済組織としての登録を怠ったShanghai Clearing Houseに対して強制措置を推奨しないという期限付きのノーアクションレターを発行しているが、これをさらに3年延長する。

7.  中国は7月16日までに、100%米国資本の電子決済サービス開始申請のガイドラインを出し、完全で迅速な市場アクセスに道を開く。中国は中国の銀行に対し、引き続き二重通貨建てカード発行を認め、米国の電子決済サービス業者が取引できるようにする。

8.  米国の連邦規制当局は、中国の金融機関に対し、他の外国金融機関と同じ管理を行う。

9.  中国は米国の金融機関2社に対し、7月16日までに債券の引き受け・決済業務の免許を付与する。

10. 米国は中国の「一帯一路」構想の重要性を認識し、5月14-15日の関連会議に代表団を送る。(White HouseのアドバイザーMatt Pottinger を代表とする)

中国政府は「一帯一路」計画をテーマにした初の国際会議「一帯一路フォーラム」を5月14日から2日間、北京で開催する。会議にはロシアのプーチン大統領ら28か国の首脳などが出席する。
北朝鮮の対外経済相も出席する。

日本からは自民党の二階俊博幹事長ほかが出席する中国から招待されていた世耕経済産業相は出席を見送ったが、会議出席による日米関係への影響を考慮したとされる。

2017/5/13 中国の「一帯一路」計画の現状

付記

習近平国家主席は5月14日、「一帯一路」国際協力サミットフォーラムの開幕式に出席し、基調演説を行った。
内容を昨日の記事に付記しました。


中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)にはG7中、米国と日本だけが参加していない。
AIIB参加の可能性を問われたRoss 商務長官は「短い期間では協議されていない」として明言を避けた。

アジアインフラ投資銀行(AIIB)は2017年3月23日、新たにカナダや香港など13カ国・地域の加盟申請を承認したと発表したが、「一帯一路フォーラム」の前日の5月13日にさらに7か国の加盟を発表した。合計は77か国となる。(アジア開発銀行は67か国)

2017/3/25 アジアインフラ投資銀行、加盟70カ国地域に G7参加見送り 日米だけ に付記

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