2012/3月期決算-総合化学-2(三井化学、旭化成、東ソー)

三井化学

営業損益は、ウレタン事業や(年度後半の)基礎化学品事業の市況価格下落により減益となった。
2008年3月期と比較すると大幅な減益となる。

4月22日に岩国大竹工場で爆発・火災事故が発生した。
原因究明調査中で、一部を除き操業を停止している。

事故関係の費用や販売を含めた事業への影響の見積もりが困難として、次期予想は不明とした。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3 17,867 772 661 248 6 6
2011/3 13,917 405 389 249 3 3
2012/3 14,540 216 229 -10 3 3
前年比 623 -190 -160 -259    
(2008/3比) (-3,327) (-556) (-433) (-258)    
2013/3 未定

特別損益に下記を含む。
 2011/3月期 制度改正による退職給付引当金戻入 146億円
 2012/3月期 ポリウレタン材料事業減損 -117億円

営業損益対比(億円)  
  2010/3 2011/3 2012/3 増減  内訳      
数量差 交易条件 固定費他
石化 -34 128 93 -35 -38 -8 11
基礎化学品 -48 204 89 -115 -22 -84 -9
ウレタン -21 -90 -144 -54 -29 -65 40
機能樹脂 -44 72 90 18 0 6 12
加工品 8 14 3 -11 -22 -14 25
機能化学品 74 100 104 4 11 -20 13
その他 11 1 -4 -5 0 0 -5
全社 -41 -25 -15 10 - - 10
合計 -95 405 216 -189 -100 -185 96

ポリウレタン事業は各社とも赤字が続いている。            
  三井化学は2009/4に三井化学ポリウレタンを吸収合併。
三井化学ポリウレタンの2008年度(2009/3月)決算は公表されていない。


日本ポリウレタンは東ソー子会社。
(2012/3決算はまだ公表されていない)
東ソーでは、中国市場の成長率が鈍化する一方で、中国の自製量が増加するなどにより、アジアの需給バランスが軟化した、としている。

住化バイエルウレタン(住友化学 40%、Bayer 60%)は12月決算。

 


旭化成

ケミカルズが大幅減益となった。住宅は好調。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3 16,968 1,277 1,205 699 6 7
2011/3 15,984 1,229 1,182 603 5 6
2012/3 15,732 1,043 1,076 558 7 7
前年比 -252 -187 -107 -45    
2013/3 17,810 1,120 1,150 665 7 7

 

営業損益対比(億円)
  08/3 11/3 12/3 増減 差異内訳
数量差 売値差 コスト差等
ケミカルズ 652 644 445 -199 -35 196 -360
住宅 214 365 463 99 150 -4 -47
医薬・医療 127 70 88 18 43 -23 -3
繊維 72 42 31 -11 0 7 -18
エレクトロニクス 222 143 64 -78 46 -149 24
建材 28 21 18 -3 -5 1 1
その他 52 17 30 13 10 0 2
全社 -90 -72 -97 -25 - - -25
合計 1,277 1,229 1,043 -187 210 27 -424
    売値差のうち、為替要因が -182億円、其の他が+209億円
ケミカルズでコスト差等で -360億円となっているが、中味は不明。

 
2012年度より「クリティカルケア」セグメントを新設( 買収したZOLL Medical 等)


東ソー  

2011年11月13日に南陽事業所のVCMプラントで 爆発・火災事故が発生した。

期央以降の世界的景気減速に伴う需要減退、海外市況の軟化と上記事故が業績の下押し要因となった。

事故を受け、当初3円と発表していた中間配当を無配に変更したが、期末に6円とし、年間では変えず。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3 8,274 591 525 252 4 4
2011/3 6,844 335 298 100 3 3
2012/3 6,871 237 248 94 0 6
前年比 27 -98 -50 -6    
(2008/3比) (-1,403) (-354) (-277) (-158)    
2013/3 7,200 290 310 140 3 3

事故による売上高の減少は195億円。
事故に係わる損失として特別損失 24億円を計上

営業損益対比(億円)    

  2010/3 2011/3 2012/3 差異

内訳

数量差 交易条件 固定費他
石油化学 79 104 125 21 -15 38 -2
クロルアルカリ -143 -35 -100 -65 -122 -18 75
機能商品 148 203 131 -73 5 -65 -13
エンジニアリング 20 36 57 21 27 0 -5
その他 26 27 24 -3 -4 0 1
合計 130 335 237 -98 -109 -44 55
クロル・アルカリ   苛性ソーダ、VCM、PVC、無機・有機化学品、セメント、ウレタン原料
機能商品   無機・有機ファイン製品、計測・診断商品、電子材料(石英ガラス、スパッタリングターゲット)、機能材料等

 

 

 

2012/3月期決算-総合化学-1(三菱ケミカル、住友化学)

三菱ケミカルホールディングス 

営業損益は震災の影響(-193億円)を含め、959億円の大幅減益となった。

昨年度に営業損益が2,265億円となり、信越化学を追い抜いたが、本年度は信越化学(1,496億円)に抜かれた。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2010/3 25,151 663  590 128 4 4
2011/3 31,668 2,265 2,239 836 5 5
2012/3 32,082 1,306 1,336 355 5 5
前年比 414 -959 -903 -481    
2013/3 34,500 1,600 1,480 500 6 6

2011/3月期には特別損失に災害損失 -225億円を計上している。
(12/3月期には -23億円

機能商品分野、素材分野(ケミカルズ、ポリマーズ)では、震災の影響に加え、円高継続と中国など海外市場での急激な需要減少で、厳しい状況となった。 素材分野の損益の振れが非常に大きい。

ヘルスケア分野では堅調な需要に支えられ、ほぼ良好に推移した。

営業損益対比(億円)           
  2010/3 2011/3 2012/3 増減 うち
価格差  数量差  震災
影響
ケミカルズ 69 530 149 -381 -225  -116  -40
ポリマーズ -225 550 254 -296 -112  -131  -59
エレクトロニクス
アプリケーションズ
-14 10 -53 -63 -20  -32  -16
デザインド
マテリアルズ
133 365 240 -125 -46  -90  -11
ヘルスケア 710 851 764 -87 9  43  -65
その他 62 45 61 16 -  18  -2
全社 -73 -86 -108 -23      
合計 663 2,265 1,306 -959 -394  -308  -193
注 エレクトロニクス・アプリケーションズ:記録材料、電子関連製品、情報機材
   デザインド・マテリアルズ:食品機能材、電池材料、精密化学品、樹脂加工品、
                   複合材、無機化学品、化学製品


上記営業損益のうち、ケミカルズとポリマーズの内訳は以下の通り。
2011/3月期から三菱レイヨン(MMAほか)が連結子会社となった。

  2010/3 2011/3  2012/3  増減
ケミカルズ
 (基礎化学品)
 (炭素)
69
(-20)
(89)
530
(313)
(217)
149
(13)
(135)
   -381
(-300)
(-82)
ポリマーズ
 (ポリオレフィンほか)
 (MMA、アクリル樹脂)
-225
(-225)

(  -  )
550
(182)
(368)
254
(-3)
(257)
-296
(-185)
(-111)

ヘルスケアのうち、田辺三菱製薬の業績は以下の通り。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2011/3 4,095 766 767 377 14 14
2012/3 4,072 690 688 390 15 20
前年比 -24 -75 -79 13 1 6
2013/3 4,290 700 700 405 20 20


住友化学

基礎化学品・石油化学と情報電子化学の減益が響いた。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3 18,965 1,024 928 631 6 6
2011/3 19,824 880 841 244 3 6
2012/3 19,479 607 507 56 6 3
前年比 -346 -273 -334 -188    
2013/3 22,300 900 950 400 6 3

特別損失に多額の持分法投資損失を計上するとともに、繰延税金資産も計上した。

特別損失に持分法投資損失 -260億円

23%出資する豪州農薬メーカー Nufarmの時価が大きく下落したため、のれん相当額を一時償却。
2011/3月期中間決算でも特別損失287億円を計上したが、その後株価が回復したため、評価損を取り消している。

繰延税金資産 115億円(当期利益増)

営業損益対比(億円)   本年度から精密化学を廃止
  2010/3 2011/3 2011/3 2012/3 増減  
基礎化学 13    213   206 93 -113 交易条件悪化
販売数量減
石油化学 -2 111   111 62 -50 販売数量減
精密化学 36 1  

・・・・・

・・・・・

・・・・・

 
情報電子化学 63 261   261 110 -152 液晶部材価格低下
健康・農業関連 293 224   233 265 32 販売数量増
医薬品 299 269   287 209 -77 下記
その他 67 58   41 77 36 売電量増加
全社 -254 -258   -260 -209 51  
合計 515 880   880 607 -273  

情報電子化学は、偏光フィルム、カラーフィルターの値下がり、円高による在外子会社の邦貨換算の影響が大きい。

 

大日本住友製薬の業績は以下の通り。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
特許権等
償却費
同左
算入前
算入後 中間 期末
2010/3 2,963 -105 461 356 338 210 9 9
2011/3 3,795 -347 657 310 286 168 9 9
2012/3 3,504 -277 481 204 189 86 9 9
前年比 -291 70 -176 -105 -97 -82    
2013/3 3,480 -272 492 220 210 105 9 9

2009年10月に米Sepracor を買収した。(その後 Sunovion Pharmaceuticals と改称)
買収に伴い、特許権(1,197百万ドル)は品目ごとに償却、ノレン(914百万ドル)は20年償却とした。

2011/3月期には武田薬品との間で締結した非定型抗精神病薬の欧州での開発・販売提携に関する契約に基づく契約一時金100億円を売上高、利益に計上している。 当期はその分が減益となった。

営業損益の内訳は以下の通り。

  2011/3 2012/3 増減
日本 682 664 -18
北米 416 274 -142
同 特許権等償却 -347 -277 70
中国 12 10 -2
海外その他 101 70 -31
契約一時金 100   -100
医薬品以外 28 32 4
研究開発費 -682 -569 113
合計 310 204 -106

北米の減益は円高の影響と、2011/2発売の非定型抗精神病薬「ラツーダ」の販売費用増加による。
 


 

 

  

東電の豪州LNG計画

東京電力はChevronとの間で、豪州 Wheatstone LNG プロジェクト からのLNG購入と計画への参画についての基本合意書を締結しているが、これに三菱商事、日本郵船、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、国際協力銀行(JBIC)が参加することが分かった。各紙が報じた。

東電は2009年12月に基本合意書を締結し、単独取得を目指していたが、福島第一原発事故による経営難で余裕がなくなり、交渉が停滞していた。

東電は政府の認定を受けた総合特別事業計画で「燃料の調達力の強化に向け、上流の共同投資プロジェクトへの参画も行う」と明記している。

各社は下記の特別目的会社をつくり、これが計画に参加する。
JBICは優先株で特別目的会社に参加するとともに、民間銀行との協調融資を行う。

特別目的会社   融資
東電 8% 0.7億ドル
JOGMEC 42% 3.5億ドル
三菱商事 40% 3.3億ドル
日本郵船 10% 0.9億ドル
合計 100% 8.4億ドル
JBIC 優先株 2.8億ドル
再計   11.2億ドル
 
JBIC 19.6億ドル
民間銀行 13.1億ドル
合計 32.7億ドル

 

当初、計画全体への11.25%(Chevron鉱区の15%)の参加としていたが、計画全体への8%(Chevron鉱区の10%)に変更する。

ーーー

東京電力は2009年12月5日、豪州 Wheatstone LNG プロジェクトからのLNG購入と計画への参画についての基本合意書を締結したと発表した。

Chevronが中心となって開発中で、同国北西部沖合の海底ガス田で天然ガスを産出、同国内で精製・液化する。
2016年度から18年度に操業を開始、年間最大860万トンを生産する計画。

沖合鉱区とLNG計画にはChevron (Chevron Australia  / Chevron TAPL) が75%、Apache Corporation  / Kuwait Foreign Petroleum Exploration Company (KUFPEC) が25%を出資する。→ その後、Chevron 80%となった。

東電はChevronの持分から15%分を購入する。
この結果、全体の計画には11.25%の参加(持分としては年間約100万トン)となる。

LNG購入に関しては、2016年度~2018年度以降の引渡開始で、最長20年間にわたり、年間約310万トンを購入する。
自社権益と合わせると、年間410万トンとなる。

今回の案ではChevron 持分の購入は10%で、全体では8%(持分として年間約70万トン)となる。
なお、東電のほかに、Shellと九州電力が参加を決めている。(下記)

Wheatstone ガス田は2004年8月にChevron が発見した。
その後、同社はガス田開発とAshburton North でのLNG設備建設の準備を開始した。

2009年10月に、Apache Corporation とKuwait Foreign Petroleum Exploration Company (KUFPEC) に権益の25%を譲渡した。
その後、20%に変更となった。

東京電力のほかに、下記の契約が締結されている。

    権益 購入
Shell 2011/4 Chevron枠の8%
全体の6.4%
 
九州電力 2011/9 Chevron枠の1.83%
全体の1.464%
Chevron、Apache、KUFPECから年間70万トン
自社枠を含め、83万トン
中部電力 2012/4
 覚書
  年間100万トン(20年間)
東北電力 2012/5
基本合意
  最大年間100万トン(20年間)

ーーー

2010年代後半までに予定される主なアジア向け新規LNGプロジェクトは以下の通り。

  プロジェクト 能力
万トン/年
操業主体
豪州 Gorgon 1,500 Chevron
Wheatstone 860 Chevron
Queensland Curtis  850 英BG Group
Ichthys 840 INPEX
Australia Pacific 700 ConocoPhillips
Pluto 430 豪 Woodside
Browse 1,200   Woodside
インドネシア Tangguh 380 BP
Abadi 250 INPEX
Donggi-Senoro 200 三菱商事
パプアニューギニア PNG 660 ExxonMobil


三菱商事は三井物産と共同で、豪州のWoodside Petroleumが推進するBrowse LNG Projectに参画する。

2012/5/8  三井物産と三菱商事、豪ブラウズLNGプロジェクトに参画 

 

Shell、三菱商事等の「LNG Canada」計画

三菱商事は5月16日、シェルカナダ、韓国ガス公社(Kogas)、中国石油天然気(PetroChina)とのLNG輸出計画 、「LNG Canada」構想を発表した。

4社でカナダのブリティッシュ・コロンビア州 Kitimat港周辺においてLNG輸出基地を共同開発する。
(当初の案では立地は Prince Rupert とされていた。)

権益比率   シェル   40%
三菱商事 20%
Kogas  20%
PetroChina 20%



液化設備   600万トン/年x2=1,200万トン
将来的な数量拡張の可能性
生産開始   2010年代末

4社は、今後共同でプロジェクトの検討を進めると共に、先住民及び地域住民との協議を開始する。

PNG   Pacific Northern Gas
PTP    Pacific Trail Pipelines

日本は現在、LNGの大部分を東南アジア及び中東から輸入しているが、カナダからもLNGを輸入することで、調達先の多様化に繋がり、エネルギー資源の安定供給に貢献 する。

三菱商事はカナダの2つのシェールガス計画に参加している。
同社はカナダで生産した天然ガスを北米市場で販売するが、これを原料にLNGとして輸出する可能性についても検討を進めてきた。

三菱商事は2010年8月、カナダの大手エネルギー会社Penn West Energy Trustが所有するブリティッシュ・コロンビア州のCordova堆積盆地のシェールガスを中心とした天然ガス開発プロジェクトに参画する契約を締結した。
同社は今後50年以上の期間に亘り当該鉱区のシェールガス開発および生産を推進し、持分ガスを
CIMA Energyなどを通じて、北米市場で販売する。

   2010/8/26 三菱商事、カナダのシェールガス開発プロジェクトに参画

三菱商事とカナダの天然ガス最大手のEncana Corporationは2012年2月、British ColumbiaのCutbank Ridgeの未開発の土地でのシェールガス開発で提携したと発表した。

   2012/2/21  三菱商事がカナダのシェールガス開発に参加

三菱商事は、これとは別に、Cameron LNGとの間で、米国産天然ガスの液化を委託する交渉を行っていることを明らかにした。

   2012/4/20 三菱商事と三井物産、米国産LNGを輸入へ

但し、米国からのLNG輸出については米国の国策ともからんでおり、エネルギー多消費型の産業界(発電業界、化学、アルミ、米国ガス協会等)からの反対もあり、簡単ではない。

野田首相は4月30日のオバマ米大統領との首脳会談で、LNGの対日輸出拡大などエネルギー面での協力を求めた。

オバマ大統領は首相の輸出要請に対し、「日本のエネルギー安全保障は米国にとっても重要」と理解を示す一方、「(対日輸出は)政策決定プロセスにある」として、明言は避けた。日本政府内には「少なくとも11月の大統領選までは、オバマ大統領が輸出認可に動く可能性は低い」との見方が強い。

ーーー

カナダの西海岸のKitimat港からのLNG輸出については、本計画のほかに2つの計画が既に政府申請を行っている。

詳細は JOGMEC 「カナダ西海岸からのアジア向けLNG輸出計画」
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/4/4362/1104_out_f_canada_lng_export_upstream_kitimat.pdf

事業計画者 規模と計画 Feedガス

Apache 40%
EOG Resources 30%
EnCana 30%
 
第1フェーズ 500万トン(2015年-)
 
第2フェーズ 500万トン(2017-2018)
 
主に
Horn River及びMontneyシェールガス他
② Douglas Channel
Energy Partnership

 
第1フェーズ 90万トン 2013年末

第2フェーズ 90万トン

上流事業者からガス購入

東京電力決算 

東京電力は5月14日、2012年3月期決算を発表した。
原子力発電の減少、燃料価格の上昇により燃料費が2兆2869億円と
前期比5割強増えた。

                     単位:百万円、配当 円

  売上高 営業損益 経常損益 特別損益 法人税等 当期損益 配当
中間 期末
2010/3  5,016,257 284,443 204,340 0   -86,741   133,775 30 30
2011/3 5,368,536 399,624 317,696  -1,077,685 -478,445 -1,247,348 30 0
2012/3 5,349,445 -272,513 -400,405 2,516,891
-2,867,864
-22,839 -781,641 0 0
増減 -19,091 -672,137 -718,101     465,707    
2012/3 6,025,000 -235,000 -355,000     -100,000 0 0
     2011/3の法人税等には、繰延税金資産取り崩しを含む。(2010年12月末時点で約4800億円)
 
株主資本                             単位:百万円
  2011/3月末 2012/3月末
資本金 900,975 900,975
資本剰余金 243,653 243,653
利益剰余金  前期末残高  1,831,487 494,054
 配当支出 -81,002 0
 当期純損益 -1,247,348 -781,641
 その他 5 90
 当期末残高 494,054 -287,497
純資産合計 1,602,478 812,476
   
   
特別損益内訳                                                                                                                   単位:百万円  
  2011/3 2012/3
原子力損害賠償支援機構資金交付金   2,426,271
固定資産・有価証券・関係会社株式 売却益   90,619
特別利益合計   2,516,891
     
原子炉等の冷却、放射性物質飛散防止等の安全性確保等 426,298  
福島第一原発14号機廃止   原発 減損損失 101,692  
原発 解体費用 45,842  
核燃料損失 44,855  
核燃料処理費用 14,627  
合計 207,017  
福島第一原発56号機、福島第二原発の冷温停止状態維持費用 211,825  
福島第一原発 78号機 増設中止損失 39,360  
火力発電所復旧等の費用 49,724  
事故の収束及び廃止措置等に向けた費用・損失    287,111
その他 86,270 10,691
(災害特別損失合計) (1,020,496) (297,802)
原子力損害賠償金 賠償見積額     2,644,930
原子力損害賠償補償契約 補償金   -120,000
(差引 合計)   (2,524,930)
資産除去債務会計基準の適用 57,189  
その他   45,131
特別損失合計 1,077,685 2,867,864


賠償見積額と支援機構資金交付金(億円)

    損害賠償
見積額
賠償補償 差引損失 支援機構
資金交付金
2012/2/13
特別事業計画の変更
第3四半期 17,003 1,200 15,803 15,803
2012/3/29
賠償見積額見直し
  25,463 1,200 24,263 24,263
本決算 26,449 1,200 25,249 24,263

本決算では損害賠償見積額は増加しているが、交付金の申請額は変更していない。


賠償補償:
通常の原子力損害の場合の賠償に対しては、民間の損害保険会社による保険である責任保険により、賠償措置額(発電用原子炉の場合は通常1200億円)まで保険金が支払われる。
地震、噴火、津波の自然災害による原子力損害等の場合は政府補償により、賠償措置額まで補償金が支払われる

上記の支援機構資金は承認済の交付枠で、現在のところ、以下の額が交付されている。

 2011年11月     5,587億円
 2012年3月 1,049億円
 2012年4月 2,186億円
 合計  8,822億円


参考 2011/5/16 福島原発損害賠償の政府支援の枠組み 

 


夏の電力対策

政府は5月14日、関係閣僚による「エネルギー・環境会議」などの合同会議を開き、原発再稼働がない場合の節電目標の原案をまとめた。

各電力会社の予備率を元に、安全を見て(火力トラブルを懸念)、北海道 7%、関電 20%、四国 5%、九州 12%の節電目標を決めた。

なお、中部、北陸に5%、四国に元の5%に+α の節電を要請し、関電、九州に融通することを検討する。
これにより融通が増えれば、関電を15%、九州を10%に目標を圧縮する。

電力不足の恐れのある関電、九州、北海道、四国の4電力会社で、計画停電の準備に入る。

関電管内では、大口需要家に罰則付きで節電を強制する「電力使用制限令」の発動も検討する。

政府は週内に目標を正式決定する。

付記 政府は5月18日に節電目標を正式に決めた。
      関電の使用制限令は回避。
      北海道、関西、四国、九州では計画停電の準備を要請。

電力会社

予備率          %

2010年
実績比

節電目標 5/18 決定
予備率
%
安全を
見て
(+3%)
実施 検討

使用
制限令
検討

計画
停電
準備
検討
節電
目標
北海道 -1.9 -4.3 -7.3 7% 7%   7%以上
東北 3.8              
東京 4.5              
中部 5.2       5%     5%以上
関西 -14.9 -18.4 -21.4 20% 15% 15 %以上
北陸 3.6             5%以上
中国 4.5       5%     5%以上
四国 0.3 -1.7 -4.7 5% 5%+α   7 %以上
九州 -2.2 -12.1 -15.1 12% 10%   10 %以上
合計 0.1              
関電の場合、20%の節電をすれば、揚水供給力が増加するため、不足を生じない。九電も同じ。

需給検証委員会電力9社の8月の原発稼働ゼロの需給見通し(万キロワット

電力会社 供給力 最大需要 需給
過不足
予備率  %
最大 随時
調整
差引
北海道 485 500 -6 494 -9 -1.9
東北 1,475 1,434 -12 1,422 53 3.8
東京 5,771 5,520   5,520 251 4.5
中部 2,785 2,648   2,648 137 5.2
関西 2,542 3,015 -28 2,987 -445 -14.9
北陸 578 558   558 20 3.6
中国 1,235 1,182   1,182 53 4.5
四国 587 585   585 2 0.3
九州 1,574 1,634 -24 1,610 -36 -2.2
合計 17,032 17,076 -70 17,006 25 0.1
 
最大需要は2010年夏並みの猛暑を想定。


 2012/5/12 電力の需給検証委員会 

 


ギリシャ、再び混迷

ギリシャ議会の総選挙は5月6日に投票が実施された。

最大与党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)のベニゼロス党首(前財務相)は総選挙の前の最後の演説で、選挙の結果次第ではギリシャがユーロ圏離脱を余儀なくされる恐れがあると訴え、有権者の支持を仰いだ。
「ギリシャ国民は6日、運命の岐路に立つ。ギリシャが欧州、かつユーロ圏にとどまるのか、もしくは国家を破たんさせ、国民を深刻な貧困に陥れるかは、6日に決定される」と述べた。

しかし、EU/IMFの支援を受けるために数々の緊縮策を打ち出してきた連立与党の新民主主義党(ND)と全ギリシャ社会主義運動(PASOK)の2党が300議席中149議席で、過半数を獲得できなかった。

逆に、緊縮策のゼロからの見直しを求める急進左派連合(SYRIZA)が反緊縮世論の支持を追い風に第二党に躍り出た。

SYRIZAは共産党から分裂した左派小集団が2004年に選挙対策で寄り集まったもの。チプラス党首は行政・外交・経済の実務経験は皆無。「債務を検査し直し、EUと合意を結び直す」とするが、具体的な修正点は不明。
 「無責任で大衆迎合的」と批判されている。

選挙結果は以下の通り。

ギリシャの総選挙では第一党には50議席のボーナス議席が与えられる。

  選挙前 今回 増減   
全ギリシャ社会主義運動(PASOK) 160
(50+110)
41  -119
(-69)
緊縮推進

EUとの合意支持

新民主主義党(ND) 82 108
(50+58)
28
(-30)
(連立与党) (242) (149) (93)
急進左翼連合(SYRIZA) 13 52 39 反緊縮

EUとの合意反対

 

独立ギリシャ人 0 33 33
ギリシャ共産党 21 26 5
黄金の夜明け 0 21 21
民主的左翼 0 19 19
正教民衆集会 15 0 -15
合計 291 300 9  

独立ギリシャ人:新民主主義党(ND)の議員が『反緊縮財政策』を掲げて2012年2月に立ち上げた。

ーーー

2011年秋、ギリシャではユーロ圏各国がまとめた支援策の前提条件の改革案に反発、ストが相次いだ。

この時の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)内閣のパパンドレウ首相は当初、国民投票を行う意向を表明した。
最終的にはEUとの協議の後、11月3日に緊急閣議を開き、国民投票を撤回する意向を明らかにした。

しかし、ギリシャの政治的、社会的、経済的混乱は続き、パパンドレウ首相は新たな連立内閣が1300億ユーロの支援策を議会通過させ、財政破綻を避けるよう呼び掛け、自身は首相を辞任する可能性を示唆した。

これを受け、議会は11月5日、内閣に対する信任案を賛成多数で可決した。首相の退陣示唆を受け、与党内で内閣信任に反対していた議員らも賛成に回った。

2009年に全ギリシャ社会主義運動が政権党の新民主主義党を破り、パパンドレウが首相となった。
パパンドレウ首相が前政権の粉飾を明らかにしたのが、ギリシャ危機のきっかけとなった

11月6日に首相辞任と引き換えに、中道右派の最大野党・新民主主義党(ND)が連立政権発足に協力することで与野党が基本合意、11月9日に大連立内閣が誕生し、欧州中央銀行のパパデモス前副総裁が新首相に指名された。

EUは第二次支援を1300億ユーロとするとともに、民間銀行のギリシャ国債元本削減幅を従来の50%から更に拡大することとし、ギリシャにそのため 、「財政緊縮関連法案の議会承認」、「財政緊縮策実行の誓約書」「歳出削減策の具体化」の3条件を科した。    
第二の条件の「緊縮策実行の誓約書」は連立内閣の与党の全ギリシャ社会主義運動のパパンドレウ党首と、新民主主義党のサマラス党首がサインした。

2012/2/23 ギリシャ第二次支援決定 

連立内閣は当初、2012年2月に総選挙を予定していたが、国債の交換完了を優先させるため、5月に延ばした。

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選挙結果を受け、パプリアス大統領は5月6日、第1党になった与党の新民主主義党(ND)に組閣を要請した。(第二党、第三党に順に要請する)

新民主主義党(ND)は極右政党「黄金の夜明け」を除く全党と連立協議を行ったが、5月7日、組閣を断念した。

全ギリシャ社会主義運動(PASOK)は連立入りに前向きな姿勢を示したが、左派政党の政権参加を条件にした。
急進左派連合(SYRIZA)や民主左派党は連立入りを拒否し、右派新党の「独立ギリシャ人」や共産党は協議自体を拒否した 。

次いで、第2党へと躍り出た急進左派連合(SYRIZA)のアレクシス・チプラス党首も9日、各党との連立協議を断念すると発表した。

共産党と民主左派党との協議が決裂した。

第3党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)のベニゼロス党首も11日、連立交渉が失敗したことを明らかにした。

ベニゼロス氏は
①EUとユー口圏に残留する
②EU・IMFと合意した財政緊縮策を段階的に解消することを目標に、2014年までの財政再建を目指す
とした「挙国一致政権」構想を急進左派連合(SYRIZA)に持ちかけ、参加を求めた。

だが、SYRIZAのチブラス氏は「民意に反して緊縮策を継続するための政権であり、参加できない」と拒否した。
「緊縮策の廃止という自分たちの選挙公約は変わらない。新民主主義党や全ギリシャ社会主義運動のように緊縮策を推進しておきながら選挙で負けたら『修正に応じる』と態度を変えるようなことはできない」と述べている。

これを受け、パプリアス大統領は13日夜、連立政権発足の成否の鍵を握る穏健派政党、民主的左派のクベリス党首と会談したが、調停は不調に終わった。

パプリアス大統領は14日に議会第1~3党の党首とクベリス氏を大統領官邸に招いて、連立政権発足に向けた最後の調停を試みる。
調停が成立しない場合、6月10日か17日に再選挙が実施される。

最新の世論調査では、緊縮策のゼロからの見直しを求めるSYRIZAが第1党に躍進する一方、旧2大政党は現議会勢力をさらに減らすとの予想が出ている。

ギリシャは6月末に追加歳出削減策の策定期限を迎えるが、SYRIZAは緊縮策反対の左派連立政権樹立を目指しており、政権を取れば、緊縮策の廃止、銀行の国有化、賃金・年金カットの取り消しなどの政策を実施する方針 。

付記

その後、大統領による調整は失敗、再選挙を6月17日に行うこととなり、ピクラメノス憲法裁判所長官が16日に選挙管理内閣の首相に就任した。

 

EUのファンロンパイ大統領と欧州委員会のバローゾ委員長はギリシャの各政党の党首に対し、ギリシャがユーロ圏にとどまりたい場合、EUなどから受けた支援の条件を遵守する必要があると電話で伝え た。
ドイツのメルケル首相、およびショイブレ財務相、欧州中央銀行のアスムセン専務理事らも同様のメッセージを公の場で発している。

EUは「財政緊縮関連法案の議会承認」、「財政緊縮策実行の誓約書」「歳出削減策の具体化」の3つを条件として、第二次支援 を1,300億ユーロとするとともに、民間銀行のギリシャ国債元本削減幅を従来の50%から更に拡大することとした。(1,300億ユーロの追加支援のうちIMFの負担分 が280億ユーロ)

1,300億ユーロの融資は2012-14年に実施される。
このうち、ギリシャが既に融資を受けたのは、
3月の75億ユーロ(ユーロ圏から59億ユーロ、IMFから16億ユーロ)など、少額。

ギリシャが3つの条件を満たさない場合、この融資が受けられない可能性がある。

急進左翼連合(SYRIZA)はユーロ圏残留を主張しているが、緊縮策を廃止して融資を受けられなくなった場合どうするかの方策は持っていない。

ーーー

フランス大統領選では、「欧州には雇用と繁栄こそが必要」と成長重視の財政再建策を提唱するオランド氏が勝利した。
単年度財政赤字をGDPの0.5%以内に抑えることを義務付けた新財政協定について、再交渉を主張している。

これに対し、メルケル独首相は、成長戦略の必要性を認めつつ、「これ以上の財政悪化は容認できない」と言明、新財政協定の再交渉を拒絶した。

ドイツのウェスターウェレ外相は5月11日、ドイツも成長に軸足を置きたいが、歳出拡大を意味するのであれば、そうではないと述べた。ギリシャは、追加支援を受け、ユーロ圏にとどまることを望むのであれば、合意した改革を実施する必要があると指摘した。
 また、ユーロ圏の結束を維持したいが、それはギリシャがユーロ圏にとどまることを望むかどうかに左右されると指摘した。

一旦はギリシャ問題に目処がついたように思われたが、ユーロ圏の政治的混迷懸念が高まった。
ギリシャのユーロ圏離脱の可能性も出てきた。


 

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