Grangemouth とノルウェーのRafnes のエチレンプラントをそれぞれ年産100万トンに増設する。これによりエチレン能力を90万トン増やす。

Ineosは他に、ドイツのKölnとフランスのLavéraにエチレンプラントを持つ。後者はIneosとTotalの50/50JVのNaphtachimieが生産する。

これらを合わせて、INEOS は現在、欧州で約450万トンのエチレンとプロピレンを生産するが、欧州で最大のエチレン、プロピレンの購入者でもある。

プロピレンの新設、エチレンの増設は誘導品の原料の自製体制を強化するものである。

Ratcliffe会長は、この計画は20億ドルを投じた Dragon-class輸送船 27,500 m3の液化ガス輸送船で、エタンを燃料とする)建造により、米国から大量のエタンやLPGを輸入できることとなって可能となったものであると述べた。

Ineosは2012年9月26日、欧州のエチレン原料用にエタンを輸入するため、供給契約と輸送契約を締結したと発表した。まず、ノルウェーのRafnes 工場で使用する。

2012/10/2 Ineos、米のシェールガスからのエタンを欧州のエチレン原料用に輸入

Ineosは4億5千万英ポンドを投じて、Grangemouth工場に新しいエタン輸入ターミナルを建設した。

大量をエタンを輸送する船がないため、Ineosは2013年1月、デンマークの造船メーカーEvergas とパートナーシップを設立し、Dragon-classの輸送船建造を決めた。
まず、最初の4隻が中国で建造された。更に4隻が建造された。
2016年9月に、
INEOS Insight号が米国のシェールガスからのエタンを積み、Grangemouth に到着した。


Ineos は2018年7月3日、具体案を発表した。

エチレンについては、既存プラントの増設ではなく、クラッカーの新設とした。プロパン脱水素については当初と同じく新設。

投資額は27億ユーロとした。

エチレン新設は欧州では20年以上ぶり。

エチレン、プロピレンともに、米国のシェールガスを利用する。


今回、立地を


2016年6月23日
英国で実施されたEU離脱の是非を問う国民投票は、大方の予想を裏切る「離脱」という結果となった。


2016/6/25 英国、EU離脱 

英国政府は2017年3月29日にEUに対し「EU離脱通知」を行った。2年後の2019年3月29日の離脱となる。

英国のEUからの離脱交渉が2017年6月19日、ブリュッセルで始まった。

下記の協議を最優先する方針で一致した。

(1)英国で暮らすEU市民の権利や地位の保護
(2)最大600億ユーロ(約7兆4000億円)とされる英国の未払い分担金など「清算金」支払い
(3)離脱後の英国とアイルランドの国境管理

2017/6/21 BREXIT 交渉 開始

Theresa May英首相は2018年11月14日夜、13日に英国と欧州連合(EU)が合意したBrexitをめぐる合意案を、内閣が承認したと発表した。
首相は、「この合意か、合意なしでの離脱か、Brexitをやめるかだった」と述べた。

2018/11/19 英内閣、Brexit合意案を承認 国内では反発も

英議会下院は2019年1月15日午後8時半すぎ、Brexit について英政府がEUとまとめた離脱条件の協定の承認採決を行い、432対202の大差でこれを否決した。

2019/1/16  英下院、ブレグジット協定を歴史的大差で否決 

このままでは、3月29日には「合意なき離脱」('no deal' Brexit) となる可能性が強く、大きな混乱が予想される。

ーーー

最大の問題はアイルランドとの国境問題である。

北アイルランドでは、少数派カトリック系住民とプロテスタント系住民との衝突が尖鋭化して北アイルランド紛争が起こったが、1998年4月10日のベルファスト合意により和平がもたらされた。
和平合意により、住民らは通勤や買い物で自由に国境を往来できるようになった。

アイルランドとの統合を悲願に争ってきた北アイルランドのアイルランド人にとっては、Brexitにより再度国境が設置され、アイルランドと遮断されることは耐えられない。

北アイルランド紛争の再発を防ぐため、EUと英国は、北アイルランドとアイルランドの国境問題について、国境復活などの厳格な対応ではなく、柔軟で建設的な解決を模索することで合意した。

しかし、これの解決策は見つかっていない。

国境を設置しない場合、EUーアイルランドー北アイルランドー英本土が結びつき、人やモノが自由に移動できることとなり、EU離脱の意味が無くなる。
逆に北アイルランドと英本土の間を遮断すれば英国が分断される。

EU側は、EU制限物品が外国から北アイルランドを経由して入るのを防止するため、工業製品、環境、農産品などに関してEU規制を適用し、通関手続きはEU関税法典に従うことを求めている。
これは、北アイルランドを実質的にEUに残存させることを意味し、ここでも英国が分断される。

現在の合意案では2020年末までの移行期間 を置くが、その間に解決策が出る可能性は少ない。その場合のBackstop案では英国はEUのルールから外れることができない。英国が提案してもEUが了承しない限り、英国が永遠にEU関税同盟に残ることとなり、これに対する反対が強い。


本件は離脱交渉の最初に重要課題として取り上げられたが、不思議なことに、こんな重要な問題についてBrexitの検討中に議論された様子が全く見られない。

離脱すればどうなり、どんな問題が起こるかを全く検討せず、Brexitを決めてしまったのは不思議である。


また、離脱賛成派は、離脱しないと大変だ、離脱するとこんなに良いことがあると主張したが、その多くが全くの嘘であった。

多くの国民が、この嘘を信じて、離脱に賛成票をいれたこととなる。

その一つが、EUへの拠出金である。

離脱派は拠出金が週3.5億ポンド(約480億円)に達すると主張、与党・保守党のBoris Johnson 前ロンドン市長らが全国を遊説したバスの側面にも、巨額の拠出金を「国民医療サービスの財源しよう」と書かれていた。

一方で残留派は、EUから英国に分配される補助金などを差し引くと、拠出金は「週1億数千万ポンドだ」と反論していたが、 多くの報道が無視したため、国民に伝わっていない。

実際は次の通り。

英国の2015年の拠出金は180億ポンドである。

週当たりでは3.5億ポンドで、離脱派はこれをそのまま、「国民医療サービスの財源にしよう」と訴えた。

実際には、英国に限り、50億ポンドのリベートがすぐに払われる。さらに、EUの政策に基づき、英国に45億ポンドが支出される。

このため、ネットでは英国のEUに対する支出は85億ポンド(週当たりでは1.6億ポンド)に過ぎない。


移民問題でも嘘があった。

政府は移民を10万人以下と公約していたが、2015年の移民は33万 人の純増であった。

離脱派はこれを引き合いに出し、今後数年で400万流入の可能性 があるとか、トルコがEUに参加し、100万人 が流入するなどのデマを流した。英国がトルコ参加の拒否権を持たないとのデマも流した。

しかも、BBCを含めた報道が、誤りを修正せずにそのまま報道した。
BBCは「公平性の原則」を理由に、発言をそのまま報道した。庶民が読む地方紙は賛成派、反対派に分かれ、虚偽の報道をした。

キャメロン政権の首相付き政務広報官であったCraig Oliverの著書 ブレグジット秘録 英国がEU離脱という 『悪魔』を解き放つまでがこれを詳しく報じている。

国民投票後に、賛成派の政治家が自身の説明が嘘であったことを認めた。このため、「うそを信じてしまった」と離脱に投票したことを後悔する書き込みが増加し、「BREXIT」(Britain Exit )に絡め、BREGRET (Britain Regret) が使われている。

2016/6/28 BREXIT からBREGRET(Britain Regret) へ 

結局、離脱すればどうなるのかを検討し、議論して決めるのではなく、国民を騙して離脱に賛成票を入れさせた結果が現在の状況を生んだ。

十分な、正しい情報なしで国民投票が行われた結果であり、もう一度国民投票をするのがよいのかも分からない。

メイ首相は1月14日の英議会の演説で「EU離脱を止めることは民主主義の破壊になる」と述べ、EU残留派を中心に広がる国民投票の再実施論を強くけん制した。


EU
側は、離脱が容易にできると追随する国がでる恐れがあるため、英国の失点を逆手に強硬な姿勢を続けている。

英国は離脱協議の初めに、アイルランドとの間に国境を設置しないことを了承した。これは止むをえないことだが、外国品の移動、外国人の移動 、その他について、いろいろな条件交渉の手はあったと思われる。

米連邦政府の一部閉鎖が続く問題で、トランプ大統領は1月19日、野党・民主党への新たな提案を発表した。

President Donald J. Trump's Plan to Reopen the Government and Fund Border Security

幼少期に親と不法入国した若者の強制送還を猶予する制度「DACA」の3年間延長、内戦や災害から逃れてきたアフリカや中東の特定国出身者の一時滞在を認める制度「TPS」の存続をうたい、「国境の壁」建設費の予算計上を求めるもの。

議員に危機を終わらす法案の議決を求め、国民には、国境問題は善か悪か、正義か不正義かの問題であるとし、国境を守るよう議員に伝えることを求めた。

To every member of Congress: Pass a bill that ends this crisis.
To every citizen: Call Congress and tell them to finally, after all of these decades, secure our border. This is a choice between right and wrong, justice and injustice. This is about whether we fulfill our sacred duty to the American citizens we serve.

ポイント:

1) 国境関連予算の可決要求

鋼鉄製壁(既存の115マイルの壁に追加) $5.7 billion
麻薬、武器等の流入阻止のための技術、要員、犬の費用 $805 million
人道支援、医療支援、仮住居 $800 million
国境管理要員 2,750人追加 $782 million
移民関連裁判官等追加 $563 million

2)解決のための妥協策

 ① DACA制度の3年間延長

子供の頃に親に連れられ入国した不法移民強制送還を免除する制度の3年間延長

対象は70万人で、強制送還が免除され、就労許可、social security numberの付与が可能となるとしている。

 ② 内戦や災害から逃れてきたアフリカや中東の特定国出身者の一時滞在を認める制度「TPS」の3年間存続

対象は30万人

これらの制度の現状は次の通り。

① DACA

セッションズ司法長官は2017年9月5日、幼少時に親と米国に不法入国した若者 (「ドリーマー」)に滞在許可を与える制度(DACA)を撤廃すると発表した。
対象者の在留資格は2018年3月までは保護されるが、新たな申請は認めない。

DACAは民主党のオバマ前政権が2012年に取り入れた。

制度が、議会を通った法律ではなく、大統領令で決まったことが問題であるため、議会に代替の法律をつくる猶予を与えた

2017/9/6 新たな不法移民問題

カリフォルニア州の連邦地裁は2018年1月9日、子供の頃に親に連れられ入国した不法移民の強制送還を免除する制度の撤廃について、一時差し止めを命じた。

これについてトランプ政権は、控訴裁を飛ばして最高裁の判断を求めていたが、米連邦最高裁は2月26日、トランプ政権の訴えを退けた。

救済措置は打ち切りが3月5日に迫っていたが、カリフォルニア州の連邦地裁による一時差し止め命令は効力が全米に及ぶため、司法手続きや議会での対応が続く間は引き続き有効となる。

2018/3/1 米最高裁、地裁によるDACA制度撤廃の一時差し止め命令の最高裁判断を求めた政権側の要請を却下 

② TPS

国土安全保障長官は2018年1月8日、2001年に中米エルサルバドルで起きた2度の大地震を受け同国出身者 5,300人に与えられていた「一時保護資格(Temporary Protected Status:TPS)」について、「地震が引き起こした当時の状況がもう存在しない」ことを理由に打ち切りを発表した。

Temporary Protected Status(TPS)の概要:

国土安全保障長官は、以下の場合に特定国をTPSに指定できる。
 その国民が一時的に安全に帰国できない状態。
 特定の事情で、その国が国民の帰国を適切に処理できない状態。
 具体的には、内戦など軍事衝突が発生、地震・ハリケーン・伝染病などの環境上の災難、その他特別で異常な状態にある場合。

その場合、米国に既に滞在しているその国の国民にTPSを与えることができる。

TPSを認められた期間中は、米国からの追放はなく、雇用承認ドキュメントの取得が可能。
その間はヴィザの問題で抑留されることはない。
永久居住権はないが、いろいろなヴィザの申請は可能である。

2018/1/12 米、エルサルバドル移民20万人の在留資格打ち切り 

ーーー

民主党のペロシ下院議長はトランプ氏の演説直前に「(事前に報道された新提案は)下院で通らないだろう」と反対する声明を発表した。

下院の過半数を占める民主党はDACAの一時的な存続ではなく、恒久的な措置を求めてきた。壁の建設も認めていない。


付記 大統領のつぶやき

Nancy Pelosi and some of the Democrats turned down my offer yesterday before I even got up to speak.

They don't see crime & drugs, they only see 2020 - which they are not going to win. Best economy! They should do the right thing for the Country & allow people to go back to work.

BASFとインドの複合企業 Adani Group は、インドのGujarat州政府主催の外国投資誘致イベント「Vibrant Gujarat Global Summit 2019」開催の前日の1月17日に、共同でアクリル酸チェーンの投資の検討を行う覚書に調印した。


BASFにとってインドでのこれまでの最大の投資となるもので、立地は
Gujarat州のMundra 港。2019年末にFSを完了する。

投資額は約20億ユーロで、BASFが過半を出資する。

プロパン脱水素、ブタノール、2-エチルヘキサノール、精製アクリル酸(GAA)、ブチルアクリレート及びその他の下流製品を考えており、製品は主にインド市場で建設、自動車、塗料その他の幅広いローカル企業に販売し、モディ首相の主導する "Make in India" 政策に貢献する。

BASFのcarbon neutral 成長戦略に沿い、Mundraの工場はBASFで最初のCO2-neutral な工場となる。新技術や100%再生可能エネルギー導入を考えており、BASFはJVへの参加に加え、風力・太陽光発電基地にマイナリティなパートナーとして参加することも計画している。

JV相手のAdani Groupは、Ahmedabadに本拠を置く企業で、資源(石炭採掘・販売)、物流(港湾、船舶・鉄道輸送)、エネルギー(再生可能エネルギー、石炭火力、送配電)、農業(コモディティ、食用油、食品、冷凍倉庫、穀物サイロ)、不動産、公共交通インフラ、消費者金融、防衛などを行うインド最大の統合インフラコングロマリットの一つ。

'Nation Building' と 'Growth with Goodness' を基本思想とする。

原子力規制委員会は1月16日、関西電力高浜原発について、津波警報が発表されない津波に襲われる場合の施設への影響を評価し、報告を求めることを決めた。

2018年12月22日、インドネシアのスンダ海峡にある火山島のアナク・クラカタウの噴火に伴い津波が発生した。

津波の高さは数m程度、津波の原因は、火山噴火の山体崩壊により大量の土砂の塊が海に滑り落ちたことによるものと考えられる。日本の地球観測衛星「だいち2号」の衛星画像でみると、山の南西部が大きく消失している。

沿岸地域で数百人の死者があった。津波警報は発表されていなかった。


同島は、1883年の巨大噴火で形成されたクラタカウ・カルデラ北東縁に形成した新しい火山島であり、当該噴火による山体崩壊により大津波が発生、沿岸地域で3万人以上の死者があった。


津波の規模の割には被害が大きい要因としては、津波警報が発表されずに津波が来襲したことにもあると考えられる。

これを受け、原子力規制委員会では、新規制基準における「地震以外の要因による津波」の取扱い、津波警報が発表されない可能性がある津波への対応について報告した。

新規制基準の考え方では、基準津波に対して地上部、水路、地下部等から敷地への遡上・流入を防止することを要求しており、津波警報が発表されずに敷地に到達する津波であっても基本的に原子炉施設の安全機能が損なわれることはない。

高浜原発は3号機、4号機が安全審査に合格し、再稼働している。
東海第2については、規制委員会は2018年9月26 日に「審査書」を了承、2018年
11月7日に運転期間の延長を認可した。再稼働には、安全対策工事と地元の合意が必要。

ただし、日本原子力発電東海第二原発及び関西電力高浜原発では、設計に該当する運用として、津波警報が発表された後、常時開いている放水路又は取水路のゲートを閉止することにより津波の敷地への遡上・流入を防止している。

このうち、東海第二では放水路ゲートが開いた状態であっても敷地へ遡上・流入する可能性は無い。

しかし、高浜原発では、約100キロ沖合の「隠岐トラフ海底地すべり」が単独で発生した津波の場合は、津波警報が発表されずに津波が敷地に到達する可能性があるが、取水路防潮ゲートが開いた状態における津波高さ、遡上域及び津波防護の評価は行われていない。

このため、高浜原発について、津波警報が発表されない可能性がある「隠岐トラフ海底地すべり」による津波について、取水路防潮ゲートが開状態での遡上評価、津波による海水ポンプ等の重要な設備への影響等を確認する。

住友化学、三菱ケミカルホールディングス、三井化学は1月17日、環境中の、特に海洋における廃プラスチック問題を解決するための新たな国際アライアンス「Alliance to End Plastic Waste (AEPW) 」に設立メンバーとして参加すると発表した。

のサイト https://endplasticwaste.org/

APEWは、プラスチックの製造から廃棄物処理に至るまでの製品ライフサイクルに携わるグローバルな企業からなるNPOで、1月16日に発足した。
発足時点で、日本の3社のほか、北米、南米、欧州、アフリカ、中東、東南アジア地域から合計約30社が参加している。

Berry: プラスチックの消費者包装、不織布特殊材料と工学材料のプロバイダー
Suez :水処理・廃棄物処理
Veolia: 水・廃棄物・エネルギー管理

AEPWは、現代社会 のさまざまな場面において有用な材料 であるプラスチックについて、環境への排出の抑制・防止を推進するため、「持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)」などとも連携しながら、今後5年間で総額15億米ドルを投資し、主に4つの取り組みを推進する。

・Infrastructure Development
   廃プラスチックを適切に管理し、リサイクルを促進するための基盤構築

・Innovation
   プラスチックのリサイクルや再資源化を容易にし、使用済みプラスチックから価値を生み出す新技術の開発

・Education & Engagement
   政府機関、企業、 地域社会が廃プラスチック問題に取り組むための教育と対話の実施

・Clean Up
   河川など廃プラスチックが蓄積し、陸上から海洋に流出する場所の浄化


BASFは2017年9月、Solvayのポリアミド関連事業を買収することでSolvayと合意したと発表したが、欧州委員会は2018年6月27日、競争制限の恐れが強いとして本格調査を開始することを決定した。

欧州委員会の懸念を受け、BASFは2018年10月にSolvayの欧州のポリアミド事業のうちの一部を買収しない案を欧州委員会に提案した。Solvayはその部分を他社に売却する。

BASFでは、投資銀行のLazardを使い、売却先を探している。候補としては、韓国のSK Innovation、中国の KingFa (金發科技)、米国のSK Capital(ナイロンメーカーAscendの親会社)などで、1月末までに入札を済ませたいとしている。

ーーー

BASFは2017年9月、Solvayのポリアミド関連事業を買収することでSolvayと合意したと発表した。キャッシュフリー・デットフリーベースの購入価格は16億ユーロ。

BASFのエンジニアリングプラスチック製品のポートフォリオを補完するもので、自動車、建設、工業用途、およびコンシューマー産業に対するソリューションプロバイダーとしてのBASFの地位を強化することになる。
地域的な観点では、アジア、南米の主要成長市場への進出が促進される。
同時に、今回の買収では重合能力を拡充し、主要原材料ADN(アジポニトリル)からの一貫生産を行うことで、BASFのポリアミド6.6のバリューチェーンを強化することになる。

ポリアミド6.6 はアジピン酸とヘキサメチレンジアミン(HMD) を原料とする。
アジピン酸は シクロヘキサンの酸化若しくは、ADN(アジポニトリル)の加水分解で生産される。 ヘキサメチレンジアミンはADNにニッケルなどを触媒として水素を付加することでが得られる。

BASFLudwigshafenPolyamide 6.6を製造している。

BASF は他に、LudwigshafenAntwerpFreeport カプロラクタムを原料とする Polyamide 6 を一貫生産している。

BASFはADNを持たない。HMDは英国TeessideのSeal Sands 工場で生産している。

Seal Sands工場(主製品は年産23万トンのANM)は2008年8月にIneosに売却したが、HMDプラントは売却せず、Ineosに製造委託している。
原料の
ADNも生産していたが、2008年末に停止し、2009年初めからInvista(下記)から購入している。

2008/3/20 INEOS、BASFのアクリロニトリル工場買収

Solvayにとっては、大量生産製品分野から、より高い利益率が期待できる航空機、自動車、石油・ガス産業向けの特殊用途に重心を移す方針に沿ったものである。

Solvayから買収を予定している事業の売上高は、2016年通年で13億1,500万ユーロ、EBITDAは約2億ユーロ。世界各地に12の生産拠点を置き、4つの研究開発施設、10カ所の技術サポート拠点を有してい る。

SolvayはADN(アジポニトリル)については、Invista との50/50JV の Butachimie (在フランス)で生産している。

Invistaは、BASFを今後のパートナーとして歓迎するとしている。

Butachimie は元はDuPont (繊維部門 Invista)と Rhone-Poulenc のJVとして設立された。

2004年にKoch Industries がInvistaを買収した。

Rhone-Poulenc は化学品部門をRhodia として分離し、2011年にSolvayがRhodiaを友好的買収した。

この結果、ButachimieはSolvayとInvista のJVとなった。

SolvayとInvistaは2019年の定修時に、Invistaの最新のADN技術に置き換えることで合意している。

 2014/5/2 Invista、アジポニトリルの知的所有権問題でSolvayと和解

なお、Invistaは米国に2カ所のADNプラントを持つほか、中国で工場を建設中。


欧州委員会は2018年6月27日、本事業買収計画について、本格調査を開始することを決定した。

欧州委員会は以下の状況から、買収がナイロンの生産チェインで競争を阻害することを恐れた。

Solvay は欧州で、ADN(アジポニトリル)からナイロンコンパウンド、ナイロン繊維まで全体で生産設備を持つ唯一のメーカーで、ナイロンコンパウンドや繊維を生産する他社に中間体を供給している。

BASFもこの分野で垂直統合しており、ADN(アジポニトリル)生産していないだけである。中間体はほとんど外販せず、自社のナイロンコンパウンド、繊維の生産用に自消している。

買収により、ナイロンコンパウンドでは次に大きいコンペティターの2倍のプレーヤーとなる。ナイロン生産チェーンの全ての段階で市場のかなりの部分を支配し、生産能力でも同様である。

他には同様の統合生産チェーンを持つ企業はない。このため、コンペティターは重要な原料を統合会社に依存することとなり、新しい競合社が出てくる可能性も少ない。


欧州委員会の懸念
を受け、BASFはSolvayの欧州のポリアミド事業のうちの一部を買収しない案を欧州委員会に提案した。Solvayはその部分を他社に売却する。

買収しない部分が何かは明らかにしていないが、「欧州におけるSolvayの中間体及びエンプラ事業のイノベーション能力と生産設備」としている。

アジアや南米の事業は除外する部分には含まれない。

BASFでは、SolvayのADN(アジポニトリル)については心配していない。これまでSolvayが欧州で唯一のメーカーであり、単にその所有者が変るだけである。

付記 

欧州委員会は1月18日、両社が提出した下記の条件を守ることを条件に、これを承認した。

  • Solvayの下記の設備を適切な1社に売却する。

Belle-Etoile and Valence (France), Gorzow (Poland), and Blanes (Spain)
これらは、ヘキサメチレンジアミン、
アジピン酸塩ヘキサメチレンジアミン、ナイロン66ベースポリマー、ナイロン66エンプラ、ナイロン6 3D プリンティングパウダーを生産する。

  • 上記の売却先との間でフランスのChalampéにアジピン酸生産のためのJVを設立
  • 売却先が必要とすればアジピン酸の長期供給契約を締結

ーーー

Solvayから買収する事業は、BASFのMaterials 事業のPerformance Meterials, Monomers事業本部に統合される。

欧米では石油化学などから生命科学に重点を移す企業が多い中、BASFは依然として総合化学メーカーである。


国土安全保障省、司法省、住宅都市開発省など、連邦政府の約4分の1にあたる機関では2018年12月22日午前0時1分に予算が失効した。

2019年1月12日、一部閉鎖は22日目に入り、これまでの最長(21日)を超え 、いろいろな影響が出ている。しかし、解決の兆しはない。


2019年1月3日に米国議会は新しい体制となった。

共和党 民主党 民主系
無所属
未確定 合計
上院 53 45 2 100
下院 199 235 1 435


下院の未確定分については 
2018/12/31 米政府機関の一部閉鎖、年明けまで続く 参照。


民主党が多数派を占める米下院は新体制の初日の1月3日、一部政府機関の閉鎖終了に向けた法案を可決した。


国土安全保障省については、メキシコとの国境の壁の建設費用は盛り込まず、2月8日までの支出を手当てする法案を 賛成239、反対192の賛成多数で可決した。
共和党から5人が賛成に回った。

共和党 民主党 合計
賛成 5 234 239
反対 192 0 192
197 234 431


残る国務省、商務省、農務省、労働省、財務省などについては、9月30日までの予算案を 賛成241、反対190賛成多数で可決した。
共和党から7人が賛成に回った。 (共和党2名、民主党1名は欠席?)

共和党 民主党 合計
賛成 7 234 241
反対 190 0 190
197 234 431

これに対し、共和党の上院院内総務は事前に、この法案は「政治的な余興」、「まったく成功の見込みがない」などとし、共和党が過半数を維持する上院では採決を行わない方針を示した。


トランプ米大統領は1月9日、連邦政府の再開について協議するため、ホワイトハウスで野党・民主党のNancy Pelosi下院議長および"Chuck" Schumer上院院内総務と会談した。

しかし、大統領が、「速やかに政府機関を再開した場合、30日間でどうなるのか、壁または鉄のフェンスを含む国境警備案を承認するのか」と尋ねたが、Pelosi下院議長が「ノー」と言うと、大統領は退席した。ツイッターで下記の通り述べた。

Just left a meeting with Chuck and Nancy, a total waste of time.
I asked what is going to happen in 30 days if I quickly open things up, are you going to approve Border Security which includes a Wall or Steel Barrier?
Nancy said, NO.
I said bye-bye, nothing else works!

大統領は1月14日にツイッターで「政府閉鎖は民主党に責任がある」と投稿した。

Nancy and Cryin' Chuck can end the Shutdown in 15 minutes. At this point it has become their, and the Democrats, fault!

これに対し、 Pelosi下院議長は「共和党が『トランプ閉鎖』を始めた。民主党は終わらせるために取り組んでいる」と応酬した。


The truth? Republicans started the #TrumpShutdown -- and Democrats are working to end it.

DonaldTrump, it's time for you to stop standing in the way of re-opening the government. Let the Senate vote! End The Shutdown.


大統領に近い共和党のLindsey Graham上院議員は1月13日、政府を3週間限定で再開し、野党・民主党との協議が不調に終われば「非常事態」を宣言して壁建設を進める案を大統領に提案した。
これに対し、大統領は「興味がない。交渉をただ遅らせることはしたくない」と述べた。

大統領は記者団に、議会承認を得ずに壁建設費を現行の政府予算から手当てする非常事態宣言は「考えていない。する必要がないだろう」と指摘し、当面は民主党との協議に集中する考えを表明した。

与野党協議が膠着状態に陥っていることを受け、非常事態宣言で壁建設を強行する考えに一時は傾いていた。憲法違反の恐れがあるため、政府・与党内から反対意見も出ている。

非常事態宣言が発令された場合、国防長官は「軍隊の派遣を支えるために必要」な「軍の建設プロジェクトに着手」することができる。その際、議会の事前承認なしに国防総省の建設予算を用いることが可能。

ただ、議会が既に承認した米軍住宅などのプロジェクト予算から拠出する必要がある。


トランプ米大統領は1月8日夜、メキシコ国境に壁を建設する必要性を国民に訴えるテレビ演説を行った。

米国がこれ以上不法入国する移民を受け入れることはできないとの見解を示し、国民に対し議員に訴えてほしいと述べた。

「議会が仕事をするまでどれだけの米国人の血を流せばいいのか」「これは善か悪か、正義か不正かの選択だ。これは我々が仕える米国市民に対する神聖な義務を履行するかどうかの問題だ」と国民に語り掛けた。「南の国境で高まっている人道上、安全保障上の危機」を警告。移民問題は「心の危機、魂の危機だ」とも述べ、「危機」という言葉を6回用いた。

当時考えていた非常事態宣言で壁建設を強行するための伏線かともみられる。専門家の多くは壁建設につながる危機は存在しないと指摘している。

英議会下院(定数650)は1月15日午後8時半すぎ、Brexit について英政府がEUとまとめた離脱条件の協定の承認採決を行い、432対202の大差でこれを否決した。メイ首相にとっては、大きな敗北となった。

また、これを受けて最大野党・労働党は、政府に対する不信任案を提出した。16日午後7時(日本時間17日午前4時)に投票が行われる予定で、採択されれば総選挙となる可能性がある。

英国は3月29日にEUを離脱する予定だが、離脱の方法や時期についての先行きはますます不透明になった。

投票の結果は次の通りで、与党・保守党から118人の議員が造反した。一方、労働党議員でメイ首相の協定を支持したのはたった3人だった。

議員 議長他 議決権 賛成 反対 棄権
保守党 318 2 316 196 118 2
民主統一党*1 10 10 0 10 0
労働党 256 2 254 3 248 3
スコットランド国民党 35 35 0 35 0
自由民主党 11 11 0 11 0
独立党 *2 8 8 3 5 0
シン・フェイン党*3 7 7 0 0 7
プライド・カムリ*4 4 4 0 4 0
緑の党 1 1 0 1 0
合計 650 4 646 202 432 12


*1 北アイルランド地域政党で閣外
協力

*2 当初議席ゼロ、その後、労働党から6名、自由民主党から1名、無所属から1名が独立党に移った。
   賛成は元労働党1、元無所属1、元自由民主党1の3名

*3 シン・フェイン党はアイルランドのナショナリズム政党
  エリザベス2世女王への宣誓を拒否して登院せず、議員歳費も受け取らず

*4 プライド・カムリはウェールズの地域政党で、独立国ウェールズを建国することを最終目的としている。

メイ首相は、採決後の声明で、現職に留まることを表明した。さらに、政府の目標はあくまでも秩序ある離脱で、政府の批判勢力が懸念するような、3月29日の離脱期限まで時間切れを目指すことなどあり得ないと強調した。



付記  

英国議会下院は1月16日、最大野党・労働党が出したメイ政権への不信任案を、賛成306、反対325の反対多数で否決した。
閣外協力の民主統一党に救われた。

議員 議長他 議決権 賛成 反対 棄権
保守党 318 2 316 0 314 2
民主統一党 10 10 0 10 0
労働党 256 2 254 251 0 3
スコットランド国民党 35 35 35 0 0
自由民主党 11 11 11 0 0
独立党 8 8 4 1 3
シン・フェイン党 7 7 0 0 7
プライド・カムリ 4 4 4 0 0
緑の党 1 1 1 0 0
合計 650 4 646 306 325 15

Saudi AramcoがパキスタンのGwadarに製油所を建設する。60~100億ドルの投資とみられており、サウジによるパキスタンへの最大の投資となる。

また、サウジアラビアのエネルギー会社であるACWA Power International が再生可能エネルギー分野での同様規模の投資を検討している。

パキスタン側は、これらを加えたサウジからの投資を3年間で150億ドル程度になると期待している。

パキスタン政府筋によると、サウジの15人の代表団がこのたびGwadarを訪問し、Aramcoによる製油所建設についてのMoUを締結した。

サウジのMuhammad bin Salman皇太子の2月のパキスタン訪問時にこれらを含めた多数の投資契約に調印する。



パキスタン外務省は2018年10月23日、サウジアラビアから総額60億ドル相当の経済支援を受け入れることで合意したと発表した。

国際収支状況を支援するための融資30億ドルをサウジがパキスタンに1年間供与する。またサウジはパキスタンに対し、原油・石油輸入額の支払いを最大30億ドル、1年間まで延期できる措置を、今後3年に渡って供与する。

外貨準備高が2年で半減し、対外支払いのデフォルト危機に直面するパキスタンにとって、資金繰り改善の一歩となる。サウジは記者殺害事件で国際的な批判が高まるなか、友好国を広げる狙いもある。

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なお、代表団のパキスタン訪問時に、パキスタン側は中国パキスタン経済回廊やGwadar 開発のMaster Planを含め、現在の開発状況について説明した。

パキスタンと中国は2013年2月、Gwadar港の港湾管理権をシンガポールのThe Port of Singapore Authority (PSA)から中国のChina Overseas Port Holding Companyに移譲する契約に調印した。

Gwadar港は南アジアと中東を結ぶインド洋の戦略的要衝で、中国は中東やアフリカから石油を運ぶための拠点を確保したことになる。
今後、原油貯蔵設備や製油所を建設するとされる。

約4.1億ドルを投資した第1期工事では総延長660メートルのコンテナターミナルが完成。オフィス棟や税関などを備えた貿易ゾーンの工事も急ピッチで進む。今後は水産加工施設や倉庫などを備えた物流センターをはじめ、湾岸高速道路や新空港、職業訓練校なども整備していく。

2013/2/20 中国、パキスタンのグワダル港の運営権を取得 

中国の習近平国家主席は2015年4月に就任後初めてパキスタンを訪問し、両国が協力してパキスタンの道路や港湾、水力発電所の大規模なインフラ整備を進めることで合意した。中国パキスタン経済回廊(China-Pakistan Economic Corridor)と呼ばれ、「一帯一路構想」を構成する重要な一部となっている。

パキスタン政府によると、その規模は280億ドルで、このうち、水力発電所のプロジェクトには、2014年末に設立されたばかりの中国政府系の投資ファンド「シルクロード基金」が初めての投資を行う。

2015/5/2 中国のシルクロード基金が初投資、パキスタンで水力発電所整備へ

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ACWA Powerは中東、北アフリカ、南アフリカ、東南アジアを含む10カ国で発電や海水の淡水化事業を行っている。

同社は自然エネルギーに力を入れており、補助制度による利点を加味した状態の石油やガスによる火力発電よりも、太陽光・風力・集光型太陽熱発電(CSP)・廃棄物発電が勝る領域が出てきているとしている。

モロッコの砂漠地域にあるワルザザート (Ouarzazate郊外において、エンジニアリング会社SENERと組んで、世界最大のCSP発電所「Noor」を開発している。投資額は30億ドルで、3フェーズの合計出力は510MWとなり、稼働後はモロッコの110万人の消費電力を賄うのに十分な量を発電する。蓄熱によって、夜間でも7時間、発電できる設備としている。

モロッコのほか、アラブ首長国連邦(UAE)で同200MW、ヨルダンで同100MW、南アフリカで同150MWなどを計画している。



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