米国は2018年2月8日につなぎ予算が成立せず、再度の政府機関閉鎖となったが、翌2月9日に3月23日間でのつなぎ予算が成立し、政府機関の一部閉鎖は数時間で終了した。

債務上限については、2017年9月8日に、2017年12月中旬までの債務上限棚上げが決まったが、その期限が切れていた。 つなぎ予算とともに、債務上限を1年間停止することも決まった。

2018/2/10 米国政府機関、再度の閉鎖、数時間後に予算合意で解除

2019年予算については、残っていた一部省庁の予算は、2019年2月14日に両院が可決、トランプ大統領 が2月15日、政府機関が再度閉鎖される期限の数時間前にこれにサインして成立した。
しかし、債務上限については、2019年3月1日に凍結の期限が終了し、その後は借り入れができなくなる。

トランプ大統領の非常事態宣言による壁建設費用の流用により、野党民主党の反発は強く、債務上限の引き上げや凍結が決まる可能性は小さい。予算の成立で政府機関の閉鎖は9月末まではなくなったが、借り入れができないことにより、政府機関が閉鎖される可能性も出てきた。


これまで与野党の対立により、予算と債務上限が犠牲になってきた。今回は予算で一部政府機関の閉鎖が35日にも及んだ。

債務上限については、2011年8月に16兆3940億ドルに引き上げられて以来、正式に決定されず、上限に達すると上限を凍結することを続けてきた。

経緯は次の通り。

2011年に連邦政府の債務が上限の14.294兆ドルに達した。

同年7月31日、
米与野党指導者は、債務上限を2.1兆ドル引き上げて16.394兆ドルにするとともに、その条件として今後10年間で2.5兆ドルの財政赤字を削減することで合意に達した。

2011/8/3 米国、債務上限引き上げ、デフォルト回避 

これ以降は、正式に上限を決めていない。

単位:10億ドル

債務上限
2011/8/2 16,394 上限 14,294 を超過上限引き上げ
2012/12/31 債務上限到達   (合わせて大型減税が期限切れとなり、「財政の崖Fiscal Cliff)」)
2013/1/31 先送り 法定上限を暫定的に引き上げ、
2013年5月18日までに限って向こう3か月分の歳出に相当する額の国債の発行を政府に認める。
2013/5/19 先送り期限到来、債務 16,699
デフォルトを回避するためさまざまな緊急措置を実施し、資金をやりくり
2013/10/16 凍結 国債発行を2014年2月7日まで認める
2014/2/7 期限到来、債務17,212 。やりくり期限は2月27日
2014/2/12 凍結 債務上限の適用を2015年3月15日まで凍結する法案を可決 
2015/3/15 凍結期限終了、債務額18,113が新たな上限、以後、特別な措置でやりくり
2015/10/26 凍結 債務上限凍結を2017年3月15日まで再び延長
2017/3/15 凍結期限終了、債務額19,846が新たな上限
2017/9/8 凍結 2017年12月中旬までの債務上限棚上げ
2018/2/9 凍結 債務上限を2019年3月1日まで1年間停止
2019/3/1 債務上限の凍結期限終了

ーーー

もう一つの問題は歳出上限である。

米議会は2011年に、政府債務の悪化に歯止めをかけるため、10年間の歳出上限を定める「予算管理法」を成立させた。

2011年8月2日の期限切れでの米国史上初のデフォルトを目前にし、米与野党指導者は7月31日夜、連邦政府の債務上限を2.1兆ドル引き上げるとともに、その条件として今後10年間で2.5兆ドルの財政赤字を削減することで合意に達した。

2011/8/3 米国、債務上限引き上げ、デフォルト回避 

この予算管理法では、社会保障費などを除く「裁量的経費」に上限を設けている。国防費と非国防費に分かれ、国防費が半分を占める。

上院の与野党指導部は2018年2月7日、国防費などを積み増すため、2018会計年度と2019会計年度(2018年10月~2019年9月)の歳出上限の引き上げで合意した。

今後、2020年度について、民主党の反対で引き上げが出来なければ、国防費、非国防費が大幅に引き下げられることとなる。

単位:億ドル

  国防費 非国防費 合計
法定 特例 法定 特例 法定 特例
2018 5,483 6,283 5,174 5,804 10,657 12,087
2019 5,613 6,463 5,313 5,993 10,927 12,457
2020 5,753 5,447 11,200
2021 5,893 5,571 11,464

米与野党の議会指導部は期限が迫る2月11日、「つなぎ予算」としていた国土安全保障省等について新たな予算案で基本合意した。

2019/2/14 米与野党が予算案で基本合意

米議会は2月14日、共和・民主両党が合意した 予算案 を公表した。

予算案にはメキシコ国境沿いに55マイルの障壁を新設する資金13億7500万ドルが盛り込まれているが、大統領が求めていた57億ドルを大きく下回っている。

移民税関執行局(ICE) には76億ドルが認められた。この中には、40,520人分の不法移民収容施設の費用が含まれている。2月10日現在で49,057人を収容している。

米上院は14日の本会議で、新たな政府機関閉鎖を回避する超党派予算案を可決した。

共和党 民主党 民主系
無所属
合計
賛成 41 40 2 83
反対 11 5 16
棄権 1 1
合計 53 45 2 100

米下院本会議も14日夜、上院に続き、可決した。

共和党 民主党 合計
賛成 87 213 300
反対 109 19 128
棄権 1 3 4
合計 197 235 432

 共和党の2名が投票していない。

共和、民主両党とも政府再閉鎖を回避したいとの立場を示していた。

トランプ大統領は2月15日、政府機関が再度閉鎖される期限の数時間前にこれにサインした。

ーーー

ホワイトハウスは議会の投票に先立ち、トランプ大統領が議会を通過した同法案に署名した上で、国境の壁の追加予算獲得のために国家非常事態を宣言すると明らかにした。

" President Trump will sign the government funding bill, and as he has stated before, he will also take other executive action--including a national emergency--to ensure we stop the national security and humanitarian crisis at the border."

非常事態宣言は「国家非常事態法(NEA:National Emergencies Act ) 」に基づき、大統領の権限に自由裁量を与えるもので、大統領は非常事態に対処するため、既存財源を充当できる。
この発動自体は珍しくないが、議会が持つ予算を決める権限("power of the purse")を奪うものであり、現状が非常事態か与野党で解釈が分かれている。

オバマ前大統領は2009年にH1N1インフルエンザの流行を受けて宣言した。議会がこのための予算を決めるのを待っておられないため、一時的に他の予算を流用した。

今回の場合、議会が予算審議中であり、議会が非常事態と認識すれば、当然予算措置をする。実際には議会は非常事態とは認識せず、大統領の要請を拒否し、一部だけを認めた。

ホワイトハウスのSarah Sanders 報道官は14日の声明で、「トランプ大統領は予算案に署名し、以前述べたように非常事態宣言を含む他の大統領権限を行使する。それは国境における国家安全保障・人道上の危機を確実に阻止するためだ」と説明した。

大統領は2月15日、「非常事態」を宣言した。ホワイトハウスで「我々が直面する問題を解決する。南の国境の危機を管理できていない。これは選挙公約のためではない。多くの薬物が流れ込んでいる。壁は100%効果がある」と演説した。

国境の壁を建設し、国境の安全を守ることはトランプ氏が大統領選時に掲げていた大きな選挙公約であり、この案への支持者も多い。壁を建設できなければ再選に響くというのが今回の強硬策の実際の理由である。

ホワイトハウス当局者によれば、トランプ大統領は67億ドルを他予算から流用し、合計80億ドルの連邦資金を障壁新設に使用する。内訳は次の通り。

連邦議会が2月14日に可決した超党派の予算案に計上された55マイルの障壁を新設する資金13億7500万ドル
国防総省の国内外の軍の基地や関連施設の建設に使われる基金から約36億ドル
同省の薬物規制プログラムから約25億ドル
財務省の薬物没収基金から約6億ドル

これは、当初から要求していた57億ドルを大きく上回る。「国境の壁」の総事業費は約230億ドルとされ、今後も問題となる。

大統領は2月13日に呟いていた。

他の財源から多くの資金が付くと理解した上で全ての側面に目を通しているところだ。国境警備で230億ドル近い資金が確保される。
壁予算がどうであれ、壁は作れるのだ。

2019/2/14 米与野党が予算案で基本合意

ーーー

大統領の非常事態宣言による予算流用については議論を呼んでいる。

McConnell 共和党上院院内総務は上院本会議場で、自分はこの日、大統領に非常事態宣言を支持すると伝えたと述べた が、 一部共和党議員は非常事態宣言を用いる戦略への疑念を表明している。

民主党のChuck Schumer上院院内総務は、大統領はメキシコに壁の費用を払わせるとした選挙戦中の約束を果たせられないことを隠すため、大統領の権限を誤使用するもので、大きな間違いだと述べた。

民主党は、議会の承認なしに他の予算を壁建設に用いることはできないと主張してきた。予算の転用を目的とする非常事態宣言があれば、その妥当性を巡り法廷の場で争われることは避けられない。

国家非常事態法は大統領の国家非常事態宣言に対し、連邦議会の異議申し立てを認めている。下院司法委員会は合法性の調査を開始 した。

Nancy Pelosi 下院議長(民主)は記者団に対し、「メキシコ国境で起きていることは国家非常事態ではなく、大統領は、財政権を持つ議会を迂回しようとしている」と指摘し、1つの選択肢は裁判所に異議を申し立てることだと述べた。
これに対し、Sarah Sanders 大統領報道官は記者団に「我々は法廷闘争の準備ができている」と述べた。

また両党議員とも、非常事態を宣言すればそれが前例となり、将来、民主党大統領が誕生した時に銃規制など共和党が反対する決定を行うことになると警告した。
Pelosi 下院議長も、他の大統領が議会を回避する(to do "an end run around Congress")道を開くことになると述べた。

カリフォルニア州のGavin Newsom 知事(民主党)は2月15日、「非常事態はでっち上げ」などと反発し、トランプ政権を相手取り近く訴訟を起こすと発表した。国境での作られた危機(manufactured crisis)に大統領権限を使うことについて争う。



上下両院で多数派が異なる「ねじれ議会」での政策協議の停滞は必至で、まず、3月1日に期限が切れる米債務上限問題への影響は避けられない。

英議会は2月14日、メイ首相が先にまとめたEU離脱協定案の修正を求める政府方針に賛同するか採決を行い、反対多数で否決した。

提出された交渉方針には、1月29日に下院で可決された修正案を支持すると記載されている。

国境問題で譲歩を引き出すためEUと協議を継続するとしているほか、1月29日の下院では、「合意なき離脱の拒絶」という修正案も可決されていた。


このため、与党・保守党の離脱推進派議員が構成する「欧州調査グループ」は、決議案に賛成すれば「合意なし離脱」の可能性を排除することになるため、自分たちはまとまって棄権すると表明していた。

結果は次の通りで、賛成 258、反対 303で否決された。集計では賛成は259名となるが、なぜか、下院事務局は258名としている。

与党保守党からの 68名もの棄権が決定的となった。

議員 議長他 議決権 賛成 反対 棄権
保守党 318 2 316 243 5 68
民主統一党 10   10 10 0
労働党 256 2 254 4 244 6
スコットランド国民党 35   35 35 0
自由民主党 11   11 11 0
独立党 8   8 2 3 3
シン・フェイン党 7   7 7
プライド・カムリ 4   4 4 0
緑の党 1   1 1 0
合計 650 4 646

258
303 85

この決議に法的拘束力はなく、首相官邸はEUとの交渉はこれまで通り継続する方針を示した。報道官は、協定案修正を目指すことが依然として議会の望みだと首相は信じているとし、「政府は3月29日の離脱に向けてEU側との取り組みを続ける」と述べた。

議決に先駆けて首相官邸は、首相の交渉方針に議会の後押しが得られなければ、アイルランドと北アイルランドの間で厳格な国境審査を回避するための「バックストップ」について、EUに修正を求めていくのが難しくなると警告していたが、今回の否決はメイ首相の交渉力を弱めることになる。

 

昭和電工の決算が2月14日に発表された。

増収で大増益となり、配当も増やした。


同社ではこれを機に、当期に226億円の減損損失を計上している。
昭和アルミニウム缶の飲料用アルミ缶事業(減損額88億円)、リチウムイオン電池材料事業(46億円)、彦根事業所の遊休資産(同60億円)、先端技術開発研究所(19億円)など。

単位:億円 (配当:円)

  売上高 営業損益 経常損益 株主帰属
当期損益

配当

中間 期末
2016/12 6,712 421 387 123 0 30
2017/12 7,804 777 639 374 0 50
2018/12 9,921 1,800 1,788 1,115 20 100
前年比 2,117 1,023 1,150 741 20 50
2018/12予 11,000 1,900 1,850 1,200 50 80




2016/7/1付けで10株を1株に株式併合した。2016年下期以降は実際は10倍の配当(2016/下は30円)


営業損益の推移は下記の通り。(億円)

16/12 17/12 18/12 増減 19/12予想
石油化学 207 334 203 -130 180
化学品 138 165 174 9 150
エレクトロニクス 139 219 124 -95 125
無機 -58 71 1,324 1,254 1,480
アルミ 44 67 49 -18 55
その他 18 6 29 23 15
全社 -68 -84 -104 -20 -105
合計 421 778 1,800 1,022 1,900


石油化学は4年に一度の定期修理で減益、エレクトロニクスもハードディスクメディアの減収により減益となった。
これに対し、2016年12月期には赤字であった無機部門が大増益となった。

昭和電工の説明:

黒鉛電極の生産は、顧客である電炉鋼業界の増産を受け前期に比べ増加した。 黒鉛電極事業は、中国の環境政策の厳格化に伴う電炉鋼生産の拡大、旺盛な米国市場を始めとする世界的な電炉鋼生産の増加等により需給が逼迫したため国際市況が大きく上昇し、併せて前年下期の昭和電工カーボン・ホールディング GmbH の連結子会社化の通期寄与もあり大幅増収となった。

黒鉛の需給が世界的に逼迫しており、販売価格が2018年平均で前年比で約4倍になった。そのなかで、買収工場がフルに寄与したため、大増益となったもの。

背景については昨年8月に説明している。

昭和電工は2016年10月、ドイツのSGL Carnbon GmbH より黒鉛電極製造の子会社 SGL GE Holding GmbH買収すると発表した。 ドイツ、オーストリア、スペイン、アメリカ(2ヵ所)、マレーシアの6カ所に製造拠点を持つ。

他方、昭電は、大町、 米国South Carolina(Showa Denko Carbon)、中国四川(四川昭钢炭素)に製造拠点を持つ。

黒鉛電極は、電気炉による製鋼でスクラップを溶かして鉄へリサイクルするときに、導電体としてなくてはならない中心的素材で、約1600℃の高温になってスクラップを溶かす。
鉄1トンをつくるのに2キログラム弱の黒鉛電極を使う。

この黒鉛電極の産業は近年厳しい事業環境にあり、大手から下位まで軒並み赤字に陥っていた。高炉を中心とする中国鉄鋼メーカーの過剰生産で、電炉の操業度が世界的に低下し、消耗品である黒鉛電極の需要も細っているからだ。

その中での買収は、必ずしも規模拡大を目的としたものではなく、一番の狙いは「再編による徹底的なコスト削減」にある。

昭和電工は再編後に生産体制見直しや管理部門の機能集約などで60億円以上のコスト削減が可能と試算しており、2019年での事業黒字化を目指した。

昭和電工にとって幸運なことに、買収完了の頃から状況が一変した。 

中国には地条鋼という違法鉄鋼が流通していた。成分や品質の安定しない、環境にも悪影響を与える粗悪な鉄鋼・鋼材である。

中国政府は2017年6月末までに違法な地条鋼を全て閉鎖することを決めた。

その結果、それまで安価で出回っていた鉄鋼が不足し、代替として鉄スクラップから鉄鋼を生産する電炉での生産が急増、黒鉛電極の需要が急増、価格が急騰した。

また、黒鉛電極はニードルコークスとピッチを捏合したのちに成形するが、EVに使用されるリチウムイオン電池の負極材としてニードルコークスが使用され始めたことも、ニードルコークスの需給逼迫に追い打ちをかけた。

2018/8/13 昭和電工、2018年6月中間決算、黒鉛電極事業が大増益


昭和電工にとっては、想定外の幸運で、2019年での黒字化の想定が2018年に大幅黒字となった。

但し、こんな状況はいつまでも続くとは思えない。

中国では環境規制に対応した大手企業が黒鉛電極を増産する計画があるほか、原料のニードルコークスの需給も2019年から緩和する見通しで、価格も元に戻る可能性がある。




トランプ米大統領は1月25日、連邦政府の一部閉鎖を2月15日まで3週間解除することで与野党と合意したと発表した。


上院は同日、満場一致で「国境の壁」建設費を含まないつなぎ予算を承認、その後、下院が承認し、ホワイトハウスに送った。大統領が署名し、2018年12月22日から始まり、35日間続いた政府閉鎖はいったん終わった。

2019/1/26 米国、政府閉鎖を一時解除

その後、共和党と民主党は主に2つの問題で議論を続けてきた。


1つはトランプ大統領が強硬に主張する壁の建設費 57億ドルである。

もう一つは民主党が、壁の見返りに主張する移民税関執行局 (ICE)の不法移民収容施設のベッド数の大幅引き下げである。

最新の数値では2月10日現在で49,057人を収容している。民主党は当初、上限を16,500人とすることを提案した。

ICEの幹部は犯罪者釈放につながりかねないと指摘する。
ICEによると、昨年収容した159千人の66%が以前に犯罪を犯していた。但し、ほとんどは重罪犯ではなく、酒気帯び運転、麻薬、移民法違反、交通違反などである。

米与野党の議会指導部は期限が迫る2月11日、新たな予算案で基本合意した。スタッフが急いで詳細を詰め、議会に提案する。

壁予算については、大統領の要求する57億ドルよりも、はるかに少ない13億75百万ドルとなっている。これは過去数年間、議会が認めてきた予算とほぼ同額である。

昨年12月のホワイトハウスの要求が215マイルの壁の建設であったが、合意では、テキサス州のRio Grande Valley に55マイルの壁を建設する。コンクリート壁ではなく、金属の薄板か、他のタイプの新しいフェンスである。

壁の建設費に加え、国境のセキュリティの新設備の費用、民主党の要求する人道援助、追加の税関要員の費用を含む。

民主党は不法移民収容施設のベッド数の上限を16,500と主張したが、共和党の反対を受け、現在の49,057人を40,520人に下げるに留めた。


問題は、この案が上院と下院で通るかどうかと、通った場合に大統領がこれを認めるかどうかである。

大統領は当初、 'I can't say I'm thrilled' と述べ、合意案に不満を示した。

その直後、「不満ではあるが、壁の建設に向かっていることには"thrilled" である」とし、とにかく多くの壁をつくることだとした。

その後、大統領は上院のRichard Shelby歳出委員長と話し合った後、呟いた。

他の財源から多くの資金が付くと理解した上で全ての側面に目を通しているところだ。国境警備で230億ドル近い資金が確保される。
壁予算がどうであれ、壁は作れるのだ。

共和党の努力に感謝する。

Was just presented the concept and parameters of the Border Security Deal by hard working Senator Richard Shelby.

Looking over all aspects knowing that this will be hooked up with lots of money from other sources....

Will be getting almost $23 BILLION for Border Security. Regardless of Wall money, it is being built as we speak!

I want to thank all Republicans for the work you have done in dealing with the Radical Left on Border Security.

Not an easy task, but the Wall is being built and will be a great achievement and contributor toward life and safety within our Country!

Shelby歳出委員長は、今回の両党合意は大統領が求めていた国境の壁の「手付金」のようなものだと述べ、「大統領が支持すると期待している」と語った。

230億ドルがどういう意味か分からないが、大統領がこんな発言をすれば、逆に民主党が法案に反対するかも分からない。


トランプ大統領は2月11日、国営電力会社テネシー川流域開発公社(TVA)に対し、石炭火力発電所の閉鎖を見送るよう求めた。

TVAは経済上の理由で、石炭火力から天然ガス・原子力発電や再生可能ネルギーへの移行を進めて おり、ケンタッキー州 Paradise発電所で最後の石炭火力発電となっている 3号機について今後の方針を決定する。

トランプ大統領はツイッターに「石炭は発電燃料の重要な一部だ」と投稿。「Paradise 3 号機のような操業可能な発電所の閉鎖を決める前にあらゆる要素を真剣に検討すべきだ」と主張した。

Coal is an important part of our electricity generation mix and TVA should give serious consideration to all factors before voting to close viable power plants, like Paradise #3 in Kentucky!

炭鉱労働者はトランプ大統領の支持基盤で、ケンタッキー州選出の共和党のRand Paul 上院議員や Mitch McConnell 上院院内総務も、石炭が雇用創出や安定した電力供給につながるとして、石炭火力発電の継続を求めている。

ーーー

TVAのParadise石炭火力発電所はケンタッキー州西部の Paradise のGreen River 沿岸にある。石炭火力が3基あったが、1号機、2号機(1963年稼働で、いずれも704MWで当時世界最大) は2017年に閉鎖し、10億ドルを投資して天然ガスによるコンバインドサイクル発電所を建設、2017年4月に稼働させた。

3号機は1970年稼働で、能力は1,150 MW。1985年にバージ荷揚げ設備が完成し、石炭を列車やトラックのほか、バージでも運び込むことができるようになった。

年間で140億kwの発電を行い、95万戸以上の家庭に電気を供給している。

TVAでは2019年2月11日に次のように発表した。

今後の電力需要がフラットか減少すると見られ、再生可能エネルギー利用により負荷率が変動するため、TVAでは設備をどうするか、検討する必要がある。

将来のメンテナンスコストが比較的高く、環境対策費用が高い設備は閉鎖の候補となるが、Paradise 3号機はこれに該当する。

このため、閉鎖の影響をチェックするため、National Environmental Policy Actに基づく環境評価を作成した。

2018年11月~12月にパブリックコメントを得て、重要な影響がないとの結論を得た。今後、取締役会に提出する。

TVAでは同時に、テネシー州Oak Ridge のBull Run 石炭火力(900MW)についても閉鎖を決めた。

TVA はこれまでに、59 の石炭火力のうち、32を閉鎖してきた。1980年代のピーク時にはTVAは電力の2/3 以上を石炭火力で賄ったが、現在では20%程度に縮小した。

昨年8月以降、Paradise を2020年までに、Bull Run を2023年までに閉鎖することを検討してきた。

TVAのBill Johnson CEOは、今後、石炭火力を天然ガス、原子力、再生可能エネルギーに換え、CO2排出量を減らすとしている。2013年の就任以来、近代化のために150億ドルを投資しており、経済的理由から石炭火力を閉鎖すると述べている。


トランプの就任後の2年で、米国では共和党の石炭産出州への選挙時の約束にもかかわらず、Obama政権の最初の4年間よりも多くの石炭火力が閉鎖されている。

Rick Perryエネルギー相は2017年に連邦エネルギー規制委員会に対し、安く豊富な天然ガスと競争できるよう、石炭火力と原子力発電に対し補助金を出すよう指令した。委員会は昨年、これを拒否したが、石炭火力救済の他の方法を検討する。

2018年中間選挙(11月6日投票)で下院の1議席(North Carolina 州 第9選挙区)が未確定となっている。

共和党 民主党 民主系
無所属
未確定 合計
上院 53 45 2 100
下院 199 235 1 435

2018/11/12 米中間選挙の結果と当面の問題 

2019年1月3日に新メンバーでの下院がスタートしたが、この選挙区だけは議員を出せないでいる。


投票結果は次の通りで、共和党候補が僅差で勝利した。

Mark Harris (共和党) 139,246  905
Dan McCreay (民主党) 138,341
Jeff Scott 5,130
Total 282,717

しかし、共和党候補者の側に不正投票があることが明らかになり、調査が始まった。

次の点が報道されている。

  • 第9選挙区のうちの2つの地区で異常に多くの不在者投票の要求があった。多くが実際には投票がなかった。
  • 選挙民の数人が宣誓書で、身元不明の女性が自宅を訪問し、不在者投票表を回収したと述べた。代わりに出しておくからと言って回収した。不在者投票表はサインも封もしていない。
  • 来訪した女性が Lisa Britt であったとする選挙民がいる。彼女は共和党候補の選挙事務所で不在者投票を担当する Leslie McCrae Dowless Jr. の養女である。
  • Britt ともう一人の Dowlessの親戚 Jessica Dowless は選挙期間中に事務所でDowless のために働いたと述べている。
  • 彼らに不在者投票表を渡した選挙民は実際に投票していない。

しかし、次の点は不明である。

  • 投票がなかった不在者投票分が実際にどう処理されたのか?
  • Harris候補の陣営が Dowlessの行動を知っていたのか?
  • 異常な活動は2地区だけなのか、他の地区でも疑いがあるのか?

Leslie McCrae Dowless Jr.は不正はしていないと述べているが、選挙管理委員会の調査員とは話をしていない。


共和党のMark Harris候補は12月28日、選挙結果を認めるよう緊急要請書を提出したが、North Carolina 州の選挙管理委員会は、その直後、9区の結果を決めることなしに解散した。
12月1日付でHarris側に資料提出命令を出したが、ごく一部しか提出しなかった。何度も提出すると言いながら、提出しなかったとしている。

選挙管理委員会は裁判所により解散を命じられた。背景は次の通り。

2016年12月の知事選挙で民主党のRoy Cooperが勝利した。

共和党が多数のNorth Carolina州議会は直後に、100年以上前から州憲法に基づき知事が選挙管理委員会の委員を選定することになっていたのを、 州法の改正により、議会が選定することに変更した。
現在の選挙管理委員は議会が選定したものである。

Cooper知事はこれを州憲法違反として争ってきた。

2018年10月に3人の裁判官のパネルは知事の主張を認め、現在の選挙管理委員会の構成は違憲であるとしたが、今回の選挙の不正調査が終わるまでは存続を認めた。

しかし、選挙管理委員会が年末に至るも結論を出せなかったため、裁判所は12月28日付で解散を命じた。

2018年10月の違憲判決で、議会は12月に、選挙管理委員会の委員指名は再び知事が行うよう法改正を行ったが、改正法は翌 1月31日に発効する。

共和党のMark Harris候補は自らの勝利を認めるよう、州最高裁に訴えた。ヒアリングは1月22日に行われ、判事は双方から意見を聞いた。その結果、判事はHarris候補の訴えを拒否した。

「非常に異常な事態だ。選挙管理委員会が存在せず、裁判所に選挙の勝利者を決めろとしている。これは州政府の他の部門の権限範囲のものだ」と述べた。

Cooper知事は1月31日、新しい選挙管理委員5名を指名した。慣例により、知事が民主党のため、民主党から3名、共和党から2名を選んだ。

選挙管理委員会は2月18日からヒアリングを行い、早急に選挙の結果について判断する。

州の規則では、Harris候補を勝利者とみなすには3人の賛成を要する。共和党委員は2名のため、これはない。
但し、選挙のやり直しには4人の賛成が必要となっており、共和党委員の1名が賛成する必要がある。

仮にHarris候補が勝利者とされた場合でも、民主党が多数を占める連邦下院は州の選挙管理委員会の結論に係らず選挙についてチェックするとしており、簡単には終わらない。




英下院は1月29日夜、EU離脱を巡り、メイ首相が推進してきた離脱合意案の主要条項を変更することを求める議員提案を賛成多数で可決した。

メイ英首相は2月7日、EU離脱問題の打開策の協議のため、Jean-Claude Juncker EU委員長と会談したがユンケル委員長は再交渉を拒否した。協議を続けるとしたが、具体的な道筋は示せなかった。2月末までに再会談する。

その前日、EUのDonald Tusk大統領(首脳会議常任議長)は、アイルランドのLeo Varadkar首相と離脱問題などを協議した後の共同記者会見で、英国のEU離脱を安易に推進した人々には「地獄」が用意されていると痛烈に批判した。

2019/2/7 EU大統領「英国離脱の推進者は地獄に」

Brexitの問題の根源は、アイルランドとの国境問題が最重要であることが分かっていながら、どう対処するのかを全く検討せず、Brexitを決めてしまったことである。

これとは別に、離脱賛成派が、離脱の必要性やメリットについて虚偽の説明をし、それをBBCを含む報道機関がそのまま伝え、国民が間違った情報を基に離脱に賛成したことも問題である。

Brexitの問題の根源

EU離脱を決めた国民投票後の2016年7月26日、メイ首相はアイルランド首相との会談に臨んだ。

英国民とアイルランド国民は、共通旅行区域(CTA)制度の下、パスポート検査などもなく両国間を往来できる。これは特に直接アイルランドと国境を接する北アイルランドにとって重要で、アイルランド国民と同じカトリック系の住民が自由に国境を越えられることは、北アイルランド和平プロセスの核をなしている。

EU離脱により移民対策を強化する場合やEUの関税同盟から外れる場合には、国境線での取り締まり強化や税関設置などの対策を迫られることも考えられるが、メイ首相は「両国にはCTA維持についての強い意志がある」と述べた。アイルランド首相も「国境の壁が存在した過去に戻ることを両国ともに望んでいないことで完全に合意した」と応じた。

共通旅行区域(CTA)制度は両国のEU加盟以前からある取り決めであると指摘し、税関や検疫も含め、物理的な国境設備の設置を避けることを目指すと明言し、日常的に住民や農業従事者、小規模な商業従事者が往来し物資の移動が行われている現状に配慮する必要性を訴え、通関申告を免除するなど「可能な限り摩擦のない陸上国境の実現」を目指すべきとしている。

また、ベルファスト合意を全面的に支持する姿勢を強調、同合意で定められた通り、北アイルランドの住民には両国間の往来の自由を認めると共に、両国の二重国籍を取得する権利やアイルランド国籍に由来するEU市民権も認めるよう求めている。

アイルランドと北アイルランド(英国)はEU加盟とベルファースト合意により、税関や検疫も含め、物理的な国境設備の設置なしで問題がなかったが、北アイルランド(英国)のみがEUを離脱する場合、国境設備の設置無しでどうやって管理するのかについて、事前に検討した気配はない。

ーーー

北アイルランド問題の根は深い。

1541年、イングランド王ヘンリー8世がアイルランド王を自称し、これ以降、イングランドからの入植者が増えた。アイルランドの貴族はこれを認めずヘンリー8世と対立した。

19世紀以降、アイルランドの民族運動が高揚したが、17世紀にアイルランドに移住したイングランド系・スコットランド系入植者の子孫のプロテスタント系住民は、カトリック系住民が多数をしめる新国家で少数派となることを恐れ、独立に反対した。特に、プロテスタント住民が多数派を占める北部のアルスター地方にある6州で最も強かった。

1919年、アイルランド独立戦争が勃発した。
1920年、イギリス政府はアイルランド全島をアイルランド自由国とし、北アイルランドと南アイルランドの2つに分割して、それぞれの自治権を認めた。

1922年に北アイルランド政府はイギリスへの再編入を希望することをイギリス政府に公式に通告した。
北アイルランド離脱後のアイルランド自由国は、1937年に自治領から独立の共和国へ移行し、1949年にはイギリス連邦も離脱した。

その後、独立戦争を戦ったアイルランド共和軍 (IRA) は北アイルランド政府に対し、テロ行為を行うようになった。これに対し、1966年にIRAに対抗する非合法の民兵組織が組織され、カトリック住民に対するテロ行為を開始した。

北アイルランド政府に解決能力がないと見たイギリス政府は1972年、北アイルランドをイギリス本国政府の直轄統治下に入れた。
互いに攻撃・テロを繰りかえし、これらの事件による死者は3,000名に及んだ。

1998年4月10日、イギリスとアイルランドの間で ベルファスト合意聖金曜日協定)が締結された。

この合意の主な要点:

・北アイルランドでの住民投票とアイルランドでの国民投票による和平合意の確認

1998年5月22日、北アイルランド住民投票では71.1%の賛成、アイルランド国民投票では94.4%の賛成

・北アイルランド地方議会の新設=英国政府の直轄統治から地方自治へ

・イギリスとアイルランド共に北アイルランドの領有権を主張しない。アイルランドは北アイルランド領有をうたう憲法を修正

・北アイルランド住民の過半数の合意なしに北アイルランドの現状を変更しない

・北アイルランドの将来の帰属は北アイルランド住民の意思によって決定される。

北アイルランドの人口構成は、プロテスタント系が50%強、カトリック系が40%半ばと拮抗している が、カトリック系の方が出生率は高いため、北アイルランドは将来的にアイルランドへ帰属を変更する可能性 が高い。

・帰属が確定するまではプロテスタント、カトリック系政治勢力が共同参加する自治政府によって統治される。

両国は北アイルランドの住民が国籍を、自身の選択で、アイルランド、英国、又は両方とすることを認める。将来の北アイルランドの帰属がどうなるかに関係なく、英国とアイルランド両方の国籍を持つことを認める。(→アイルランド国籍を持てば、Brrexit後も北アイルランドの住民はEUに属することとなる。)

英国とアイルランドは1923年に共通旅行区域(CTA)制度をつくり、パスポート検査などもなく両国間を往来できることとなっていた。但し、1923年に国境に税関が設置されている。

英国とアイルランドは1973年にともに欧州共同体(EC)に加盟、1993年11月1日にEUになったことで、EU加盟国間の人・モノ・資本・サービスの4つの自由が保証される単一市場が形成され、北アイルランドとアイルランド間の税関も撤去された。

EUは「人、物、サービス、資本の自由移動」を保障しているが、英国はシェンゲン協定の国境検査撤廃の適用対象から除外されている。
アイルランドと英国は共通旅行区域(CTA)制度により、シェンゲン協定未加盟の英国に国境検査なしで入国できる唯一のEU加盟国となっている。

建前は上記の通りだが、北アイルランド紛争のため、国境では英国の治安部隊の検問所や監視塔が武器や過激派の流入に目を光らせ、自由な行き来が妨げられた。

ベルファスト合意により、自由な行き来が可能となった。

アイルランド共和国と北アイルランドのアイルランド人にとって、表面上は国境で分断されてはいるが、ベルファスト合意により、北アイルランド住民が両方の国籍を持つことができ、自由に行き来ができるようになって、実質的な国境はなくなった。

将来は住民投票の結果、北アイルランドとアイルランドが統一される可能性も見えていた。

これで長年の流血の争いが収まった。

再度国境ができ、アイルランド共和国と北アイルランドのアイルランド人が分断されると紛争が再開される可能性もあり、英国もアイルランドもEUも望まない。


しかし、EU にとっては、EUの制限物質が北アイルランドを通じてアイルランド(EU)に入るのは困る。このため、北アイルランドについては今後もEU規則の適用を求める。(Backstop案)
これを呑めば、英国は本土と北アイルランドで分断される。

英国ではBackstopの期間を限定することを求めているが、実際には解決策はないであろう。

元 Economist 誌のBill Emmottは述べている。(2019/2/3 毎日新聞)

「解決できるのは、北アイルランドが英国から分離してアイルランドに加わるか、もしくは英国がEUに非常に近い形で残留しEUの交易ルールに従い続けるかである。 」

アイルランド側は、Backstop案を続け、そのうちに北アイルランド住民の意思で、アイルランドへの統合が決まるのを待つという思惑かも知れない。

千代田化工建設は2月6日、米国のZachry Group 及びMcDermott International と共同で、Golden Pass Products LLCから、米国テキサス州 Sabine Passで計画されているLNG輸出基地の設計、調達、建設(EPC)業務を受注したと発表した。

Golden Pass Products LLCはQatar Petroleumが70%、ExxonMobilが30%を出資する。計画は、既存のGolden Pass LNG 輸入基地に天然ガス液化設備等を建設し、同基地を市場の状況に応じてLNGの輸入と輸出を行えるようにするものである。

既存のGolden Pass LNG 輸入基地は、Qatar Petroleum (70%)、ExxonMobil (17.6%) に加え ConocoPhillips (12.4%) が加わるJVである。
年間1560万トンの輸入LNG(天然ガス換算 日量20億立方フィート)を2つのバースで輸入し、ガス化する。2010年に完成した。

今回の計画は、年産520万トンの液化設備3基(合計能力 1,560万トン)を建設する。用役設備の増設や既存の輸入設備との連結、安全設備の拡充なども含める。パイプラインも拡充する。
ConocoPhillipsはこの事業には参加しない。

投資額は100億ドルで、2024年に運転を開始する予定。

Golden Pass はエネルギー省から、FTA締結国向けには2012年に、非締結国向けには2017年に、20年間の輸出承認を受けている。


千代田化工は、下記の通り、米国Cameron LNGプロジェクトで大幅赤字を計上している。米国ではトランプ政権の移民規制でエネルギー開発の人手不足が深刻になっており、工期遅延のリスクがある。

このため、今回の契約では、ZachryMcDermottが労働者の生産性など現地建設関連のリスクの責任を負うスキームとし千代田の負うスコープは基本的に設計と調達に限定した

但し、リスクを回避する代わりに、日経報道によると、得られる利益も最大でも300億円程度と、通常のプロジェクトに比し少ない。

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千代田化工建設は2018年11月9日発表の中間決算で、連結決算の最終損益が1086億円の赤字と発表した。

米国で工事を進めているCameron LNGプロジェクトで工事コストが約850億円の大幅増加となる。

Cameron LNGプロジェクトは、米国のSempra Energyの子会社であるCameron LNGが、ルイジアナ州HackberryのLNG輸入基地の輸出基地への転用のため、総工費60億ドルで1系列年間400万トン能力の液化設備3系列(合計能力 1,200万トン)を建設するもの。

先ず2017年に、製造、設計、建設拠点での大雨と洪水が原因で遅れが生じ、顧客Cameron LNG社との間で契約条件交渉を行い、合意に至った。

2017/12/27 千代田化工、キャメロンLNGプロジェクトの契約変更

同社は 2018年3月期決算で、123億円の営業損失を計上したが、その後、本プロジェクトで下記の問題があることが分かった。

・2018年初頭からの現場作業員、特に技能工の不足が今後も続くこと

・それに伴う人件費の大幅高騰

・現場が市街地から離れ不便なことなどから作業員の定着性が極めて低く、現場工事の生産性が再び低下

このため、現場作業員の人件費を含む工事コストが大幅に増加することが分かり、約850億円を追加した。

2018/11/14 千代田化工建設、米国LNG計画で850億円の追加工事 

協和発酵キリンは2019年2月5日、連結子会社 である協和発酵バイオの株式の95%を 親会社のキリンHDに約 1,280 億円で譲渡する契約を締結した。

協和発酵バイオの事業は次の通り。

ファインケミカル事業:各種医薬用アミノ酸、核酸関連物質、医薬品原料等

ヘルスケア事業:各種アミノ酸、ビタミン、カロチノイド等の機能性食品素材、健康食品

医療食事業(オルニュート・ペムノン)は2018年7月にキリンへ移管した。

キリンHDは将来の成長ドライバーとするべく注力する健康領域事業における更なる協業の可能性につき、子会社の協和発酵キリンと協議・検討を進めた。
その結果、協和発酵バイオを直接の子会社とすることによって、相互の強みや経営資源の更なる有効活用及び健康領域を始めとした事業開発スピードの向上を実現することが可能となり、グループシナジー及び協和発酵バイオの企業価値の最大化につながると判断した。

一方、協和発酵キリンにおいても、新薬開発を中心とした医薬事業に経営資源を集中することで、さらに成長スピードを加速させることが可能とな る。

株式譲渡実行日は 2019 年4月24日の予定。

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協和発酵工業とキリンファーマ、キリンホールディングスは2007年10月、両グループの戦略的提携で合意し、協和発酵とキリンファーマを統合することを決めた。

2008年10月1日に協和発酵とキリンファーマは合併し、協和発酵キリンに商号変更を行った。キリンHDが50.1%を出資する。

その後、協和発酵の医薬以外の事業について下記の再編を行った。

協和発酵のバイオケミカル事業は、100%子会社の協和発酵バイオとした。

協和発酵フーズはキリンフードテックと事業統合し、キリンホールディングス子会社のキリン協和フーズとした。

協和発酵の化学品事業は協和発酵ケミカルとしたが、「今後、他社とのアライアンスを含めて収益の安定化と競争力強化に注力」としていた。

2007/10/25  協和発酵とキリンファーマの統合

協和発酵キリンは2010年10月22日、連結子会社の協和発酵ケミカルの全株式を日本産業パートナーズに売却する基本合意書を締結したと発表した。

2011年1月28日、株式譲渡契約を締結した。譲渡先は日本産業パートナーズの買付会社 のケイジェイホールディングス。

3月31日 ケイジェイホールディングスに譲渡を完了した。

協和発酵ケミカルは2012年4月1日、KHネオケムに改称、KHネオケムは2016年10月12日付で東京証券取引所市場第一部に上場された。

2010/10/27 協和発酵キリン、子会社の協和発酵ケミカル売却で合意 


今回、協和発酵バイオをキリンホールディングスに売却することで、協和発酵キリンは医薬事業会社となる。

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