米共和党のPaul Ryan下院議長は2月16日の記者会見で、日本製品が輸出時の税制で米国製品より優利な扱いを受けていると指摘し、米法人税制に輸出課税を免除し 、輸入課税は強化する国境税(the border adjustment tax または destination-based tax)の導入を求めた。

日本や欧州は消費税のような付加価値税で課税を国境調整しているが、米国には付加価値税がなく、不公平だと主張した。

たまたま手元にあったソニー製 ICレコーダーを取って「日本製品は輸出時に課税を免除され、米国に入ると課税されない」と指摘。米国製品には日本で消費税がかかるが、日本製品には米国で付加価値税がかからないことから、米国製品が貿易で不利益を被っていると強調した。

(米国には国としての付加価値税はない。なお、輸入品でも ほとんどの州で州法でSales Taxは課される。)


Ryan下院議長は下院共和の税制改革案を立案した一人で、現在35%の連邦法人税率を20%に引き下げ、輸出は免税して輸入品には20%をそのまま課税する「国境調整」の導入を求めている。

これに対し、Trump大統領は、法人税は一律15%とし、国境税調整は 無し。その代り海外に工場を建て、そこで生産した製品をアメリカに持ち込もうとする企業には35%の関税をかけるとしていた。

共和党案は下記の通り。

輸出品については、法人税を免除。

輸入品は法人税の計算上、コストと認めない。このため、輸入品のコスト分が利益となり、20%が課税される。

輸入のケースの例は下記の通り。

製品輸入でコストが700、これに国内コスト100を加え、総コストが800、これを1,000で売り、200の利益が出たとする。

全て国産品なら、税務上のコストは800で、課税所得は200となり、税金は40で、税引後損益は160となる。
しかし、輸入品の場合、総コストは同じでも、国内コストの100のみが税務上のコストとなるため、課税所得は900となり、税金は180で、税引後は20と激減する。

この場合、本来の160の税引後損益を得るためには、175(17.5%)の値上げが必要となる。

この法人税改革が実現すると、日本をはじめ、中国、メキシコなど貿易相手国からの対米輸出品は大きく値上がりする。日本の自動車の対米輸出が半減するとの民間試算もある。

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しかし、この案は実現しないだろうとみられている。

自動車だけでなく、衣料品や日用品、家電や玩具など多くの製品が輸入品であり、これらがすべて値上がりとなり、消費者に大打撃となる。

関係業界の反対も強く、共和党の内部でも多くの議員が反対している。

大統領は2月17日、ボーイングの工場を視察し、787旅客機を「夢を実現した」と絶賛したが、海外製部品の割合は7割近くに達する。(日本は35%を担当)

また、WTOのルールで、国境調整は認められない。

WTOルールでは補助金(直接又は間接に自国の領域からの産品の輸出を増加させ 、又は自国の領域への産品の輸入を減少させるもの)を禁止している。

但し、国内消費に向けられる同種の産品に課される内国税を免除することは認められる。
(日本の消費税は国内での消費に課税されるものであり、輸出品が免税となるのは認められる。原料の消費税も還付される。)

米国には日本の消費税に相当する付加価値税はなく、法人税だけである。
このため、法人税の計算で、輸出を免税にしたり、輸入品のコストのみに損金算入を認めないのは補助金となり、ルール違反となる。

国は過去に輸出の免税でWTOから違反の認定を受けている。

米国には、1972年に施行された米国の「内国国際販売会社」(Domestic International Sales Corporation:DISC)税制があった。

DISC は米国生産された製品の輸出によって所得を得る内国法人で 、実質的に法人税の1/4が免税となった。

この制度はWTOのメンバー国からの激しい批判によって、1984 年末をもって廃止された 。

しかし、米国はこれに代えて、Foreign Sales Corporations(FSC)制度をつくった。

米国企業を親会社として適格諸国におかれた外国法人で、その「外国貿易所得」は 米国における取引および事業と有効に関連したものとはみなされず、米国所得税を免除される。

この場合、これを使って輸出する米国企業は、実行税率で最大40 パーセントの米国課税を免除される。

この制度も違反と認定された。

Trump大統領の場合、WTO脱退も言い出しかねないが、企業や消費者への影響が大きいため、賛同は得られないだろう。


米医療保険3位のAetnaによる同4位のHumanaの買収と、2位のAnthemによる5位のCigna の買収が、撤回を求める司法省による訴えを裁判所が認めたことで頓挫した。

このうち、前者は合併契約の破棄で合意したが、後者については控訴を求めるAnthemと契約破棄を求めるCignaの争いが起こっている。


米連邦最高裁判所は2015年6月25日、オバマ米大統領が推進するObamaCare (医療保険制度改革法)の一部の政府補助金支給の是非について争われた裁判で、6対3で支給は合法とする判断を下した。

ObamaCareは医療保険に未加入だった低所得者に安価な保険を提供するため、民間の医療保険購入者に政府が補助金を支給する仕組み。

2015/6/27 米最高裁、ObamaCare補助金支給は合法と判断

これを受け、事業基盤強化へ向けた医療保険会社の再編が加速した。

米医療保険1位のUnitedHealth Group も2015年6月に Aetna の買収を打診した。買収額は400億ドルを超えるとみられていたが、成立しなかった。

米医療保険3位のAetnaは2015年7月3日、同4位のHumanaを370億ドルで買収すると発表した。

米医療保険2位のAnthemは2015年6月から同5位のCigna に買収提案を行い、数度にわたって買収額を引き上げた結果、7月24日に負債を含め542億ドルで買収すると発表した。

これに対し、米司法省は2016年7月21日、AnthemによるCigna の買収と、AetnaによるHumanaの買収が、それぞれ反トラストに違反するとして、撤回を求めて首都ワシントンの連邦地裁に提訴した。

買収により米国の大手医療保険会社5社が3社に減るが、価格競争が制限され、給付が減り、新しいウエルネス制度の供与のインセンティブが減り、治療の質が低下することで、老人、患者、医師、ヘルスケア団体に不利益を与えるとした。

司法省は、国民が手頃な価格で高品質のヘルスケアを享受するには医療保険会社の競合が必須であるとし、これらの買収による合併はCigna とHumana を除外することで、米国の健康保険に対する強大なパワーをたった3社に与えることになるとする。

11の州とDC がAnthemによるCigna 買収に対する司法省の訴訟に加わり、8つの州とDCがAetnaによるHumana買収に対する訴訟に加わった。

2016/7/27 米司法省、2件の医療保険会社の買収の撤回求め、提訴

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米連邦地裁は2017年1月23日、3位Aetnaによる4位Humanaの 買収計画を差し止める判断を下した。

裁判長は、競争を減らすため、独禁法に違反するとした。

この結果、AnthemによるCigna に買収も同様の結果となるとみられ、4社の株価は下落した。

Aetnaと Humanaは当初、控訴を検討するとしたが、2月14日に合併計画の破棄で合意した。

合併契約では、反トラスト法上の理由で取引が成立しなければ、Aetnaは違約金 10億ドルをHumanaに支払うとなっており、Aetnaは違約金 10億ドルを支払う。

Aetnaはまた、合併を進めるため、 Medicare Advantageの一部をMolina Healthcare に売却するとしていたが、これも取り止め、Molina に違約金 75百万ドルを支払う。

Humana は、本年末にObamacare 個人保険から撤退すると発表した。同社は2016年に赤字となっており、医療コストが高過ぎるとし、プログラムの変更が必要としている。

Trump大統領は、Aetna のCEOが「Obamacare は Death Spiral だ」と言ったという報道を引用し、twitterで、"Aetna CEO: Obamacare in 'Death Spiral' #Repeal And Replace" (Obamacareを廃止し、取り換えよう)と述べた。

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米連邦地裁は2017年2月8日、AnthemによるCignaの買収計画を差し止める判断を下した。

両社の合併が競争を減らし、その害が合併で謳っている効率向上のメリットを上回るとした。

これに対し、Anthemは2月9日、控訴すると発表した。合併で年間20億ドル以上の医療費が減るとし、判決に不満を表明した。

一方、Cignaは慎重に対応オプションを検討するとしたが、2月14日、合併の承認を得ることが出来ないと考えるとし、合併契約を終了する権利を行使すると発表した。

Cignaはデラウェア州衡平法裁判所に提訴し、合併契約の終了を法的に認めることを求めた。そしてAnthemに対し、契約に基づき18.5億ドルの違約金と、加えて、130億ドルを超える損害補償を求めた。
これには、買収が実行できないことで、株主が得られないプレミアムが含まれる。

これに対し、Anthemは 、合併契約は4月30日まで有効であり、CIGNAは撤退できないとした。CIGNAの提訴は無効だとして「Anthemは合併計画に基づく権利を行使していく」との声明を出した。

デラウェア州衡平法裁判所は2月15日、Cignaが直ちに合併契約を終了することを一時的に禁止した。4月10日の週に裁判所によるヒアリングが行われる。

DuPontとChemoursは2月13日、West Virginia州のDuPontのWashington 工場から河川に流出した化学物質 PFOA(Perfluorooctanoic acid:C7F15COOH)により健康被害を受けたとする3550件の訴訟で、合計 6億7070万ドルの支払いで和解したと発表した。
和解金はDuPontと
Chemoursが等分に負担する。

同訴訟は、ウェストバージニア州のデュポンのWashington工場から流出した化学物質ペルフルオロオクタン酸(PFOA)が混じった飲料水が原因で、ウェストバージニア州とオハイオ州の住民が 癌などの健康被害を受けたとするもの。PFOAはフッ素樹脂「テフロン」の製造過程で使われた。DuPontは10年以上前にPFOAの生産を停止している。

原告側は、DuPontは1950年代からWashington工場から空中およびオハイオ川にPFOAを流出してきたが、1980年以降、ラットに癌を発生させることを知りながら、隠し、流出を続けたと非難した。

工場の近くの井戸水を飲む住民は血液中に平均の7.6倍のPFOAがみつかったとする。2012年に科学パネルはPFOAと肝臓癌など6つの病気に関係する可能性("probable link" )があると結論づけた。

裁判の途中で和解が発表され、陪審員は帰宅を命じられた。

原告のうち、200人ほどの癌患者は最低100万ドル、コレステロール患者は数万ドルを受け取るとみられている。

両社とも不法行為(wrongdoing)を否定している。

ChemoursはもともとDuPontの化学品事業で、2015年に分離・独立した。DuPontとは 独立時にPFOAの訴訟関連費用の負担について合意していた。

DuPontは2013年7月23日、Performance Chemicals 事業をどうするかを戦略的に検討することを明らかにした。
Performance Chemicals 事業は、酸化チタンを中心に、フッ素化学品、フッ素樹脂などを扱っている。

スピンオフ、売却、その他の取引により同事業の全体又は一部分を分離することを検討するとしたが、その後、2015年央にスピンオフすることを決めた。
名称は
The Chemours Companyで、New Yorkで上場する。

2015年7月1日に、株主にDuPont株式 5株当たり新会社株式 1株を渡した。

2015/6/12 DuPont、Performance Chemicals 事業を分離

今後も支払いが発生する可能性があるため、これについても決めている。

今後5年に発生する債務については、最初の25百万ドルまではChemoursが、次の 25百万ドルまではDuPontが、それを超える分はChemoursが負担する。
5年以降については、DuPontは責任を持たない。

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PFOAは、パーフルオロオクタン酸およびその塩類(アンモニウム塩、アルカリ金属塩;C7F15COOX、XはNH4、Na、Kなど)を含む化合物の総称。また炭素が8個含まれていることからC8と呼ばれることもあ る。

PFOAは、半導体・情報通信・自動車・航空産業・化学工業・調理用器具コーティングなど、幅広い用途で使用される一部のフッ素樹脂・ゴム製品の製造に必要な助剤として使用されてい た。

2000年に米国においてPFOAのヒトへの蓄積性が注目され、メーカー各社と米国政府が研究を行った。

PFOAは安定な物質だが、その反面、環境残存性もある。生体に摂取された場合、生体からの排出が遅いことから、蓄積する可能性を有している。
動物実験における、通常ではあり得ない高濃度かつ長期間投与では、影響を引き起こすことが米国を中心とした研究で報告された。

2006年1月末に、EPAは「PFOA自主削減プログラム」を発表し、世界の主要フッ素化学メーカー8社に対しプログラムへの参加を呼びかけ 、各社はこれに応じた。

DuPont、3M、旭硝子、Solvay、Arkema、Clariant、Ciba Specialty Chemical、ダイキン工業の8社

「PFOA自主削減プログラム」の内容は次の通り。

(1) PFOA、もしくは分解してPFOAを発生する前駆体物質、およびC8より炭素数の多い類縁物質の、工場から環境中への排出量、製品中含有量の両方について、2010年に2000年比 95%削減すること。

(2) PFOA、もしくは分解してPFOAを発生する前駆体物質、およびC8より炭素数の多い類縁物質を2015年に全廃することに対する努力を行うことを約束すること。

東芝は2月14日に予定した第3四半期の決算発表を延期した。

Westinghouse によるS&W買収に関し、不適切な行為が判明し、継続調査が必要になったという。

S&W買収に関する「のれん代」を過少に見積もった疑いがあるとされる。
Westinghouse 経営者による不適切なプレッシャーが存在した疑いもある。

本ブログは1月24日の記事で、Westinghouseが2016年8月12日以前の時点で、30億ドル強の損失を認識していた筈で、このことを12月までトップにあげていないこととなるとし、粉飾決算事件から再出発した筈の東芝の経営体制は一体、どうなっているのだろうかと述べている。

同日、原子力事業を統括してきた志賀会長の辞任、エネルギーカンパニー社長(Westinghouse会長)のダニー・ロデリック氏のカンパニー社長解職も発表した。

決算について公認会計士事務所のレビューが未完のため、参考として、同社の責任で第3四半期の実績と2017年3月度決算の概要を明らかにした。

第1~第3四半期 実績

営業損益 -5,447億円 (原子力部門のれん償却 -7,125億円)
純利益  -4,999億円

2017年3月期 予想

営業損益 -4,100億円 
純利益  -3,900億円
株主資本 -1,500億円  

対策なしでは債務超過
  金融機関からの融資に支障
  東証2部に変更

対策として、これまで分社するメモリー新社の19.9%を売却するとしていたが、社長は社内放送で「もうマジョリティにこだわらない」と述べた。
売却先候補が2割では魅力に乏しいとされていた。

しかし、この場合、公取委の審査などで3月末までに売却を決めることは出来ない。昨年の東芝メディカル売却で使った奇手は使えない。

東芝では、有利な条件で売却するため、時間をかけて交渉することとし、東証2部落ちを覚悟したと報じられた。

1年後に債務超過を解消できなければ上場廃止となる。

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同社は原子力事業の問題点についても明らかにした。

Westinghouseの赤字の理由については、既報(2017/1/24 東芝の原子力事業の損失の実態)の通りである。

米国での2原発(計4基)の建設で工事が遅延、建設費が大幅アップした。
電力会社からの訴訟、WestinghouseとS&Wの訴訟の可能性などを一括解決し、プロジェクト完工に注力するためS&Wを買収した。
電力会社とは契約金額の増額(電力会社の負担上限の決定)、納期変更で合意した。

ところがS&W買収後のチェックで、コスト見積もりが大幅に増加した。

コスト見積もり増加額の内容

 労務費(直間人件費)    37億ドル 作業効率低下、物量増加、直間接人員増加等
 調達コスト(設備、下請け) 18億ドル 設備の購入価格上昇、下請け業者支払増加
 予備費等            6億ドル  損害賠償費用、ワランティ費用等
 合計               61億ドル

東芝では当初、S&W買収の「のれん」を87百万ドルとしていたが、今回、5,368百万ドル(6,253億円)を計上した。

そして、第3四半期にこの全額と、Westinghouse買収の「のれん」の残額を償却する。

のれん償却額 S&W買収  6,253億円(5,368百万ドル)
       Westinghouse買収 872億円 当初29.3億ドル(3,500億円)、2016年5月発表の償却 2,476億円の残り全額 
       合計        7,125億円

純損益への影響        -6,204億円 非支配株主持ち分、法人税影響、繰延税金資産取り崩しを除く

         

原子力事業の営業損益推移 (億円)

09年度 10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度予
営業損益 416 535 452 147 -358 -4 -2,088 -6,995
うち「のれん」減損 -2,476 -7,125

         

今後の原子力事業の方針は下記の通り。

 国内事業

再稼働、メンテナンス、廃炉を中心に、社会的責任を果たす。

 海外事業

燃料・サービス:高収益かつ安定したビジネスとして継続

新設プラント:今後は建設リスクを負担せず、機器供給やエンジニアリングなどに特化

進行中の8基は、コスト削減策を講じ、リスクを低減

米国2原発 計4基
浙江省台州市三門県 三門原発 2基
山東省煙台市海陽市 海陽原発 2基

英国のNuGenのプロジェクトについては、土木建築リスクを負わない前提で検討をすすめ、従来通り出資希望者への持ち分売却を検討するとしている。

東芝は2014年1月15日、スペイン大手電力会社Iberdrola S.A.から、英原子力発電事業会社NewGeneration (NuGen)の株式50%を、GDF Suez から同社保有のNuGen社株式10%を、それぞれ譲り受けると発表した。取得額は総額で約1億ポンド。

NuGenは東芝 60%、GDF Suez 40%の出資となる。

NuGen は、英中部Sellafieldで合計出力360万キロワットの原発建設を予定している。

Westinghouse Electric のAP 1000 を3基建設する予定。東芝は 原発設備を納入した後に経営権を売却することを想定しているとされている。

2013/12/27 英国が原発建設再開、固定価格買取制度導入、東芝と中国企業が計画に参加

日英両政府は2016年12月22日、原子力分野で包括的に協力する覚書を結んだ。世耕弘成経済産業相が同日、来日したGreg Clark ビジネス・エネルギー・産業戦略相と会談し、覚書を結んだ。


覚書では、日立傘下のHorizon Nuclear Power が英中部Wylfa で、東芝傘下のNuGenが英中部 Moorside(Sellafield)でそれぞれ計画する原発について言及した。
また、原子力の研究開発や、福島第1原子力発電所の廃炉や除染などでも協力を深めることを確認した。

2016/12/27 日英、原発建設協力で覚書、日立・東芝の案件対象

この協力覚書は実質的には日立と東芝の計画を支援するものである。

報道では、東芝はNuGenの持株を韓国電力公社(Kepco)に売却するための検討に入ったとされる。

韓国電力関係者はこれについて「東芝が実際に売却の提案をしてくれば提示した条件次第で判断する問題」と述べた。

Dow とDuPontの合併については、EUの規制当局が慎重な姿勢を続けている。このため、両社は2月7日に更なる事業売却案を当局に提案した。


Dow Chemical と DuPontは2015年12月11日、対等で経営統合すると発表した。 それぞれの取締役会が満場一致で賛成した。

統合後の社名はDowDuPontで、統合後に無税スピンオフで Agriculture、Material Science、Specialty Products の3つの会社に分離し、それぞれ上場する。

2015/12/14 Dow と DuPont、経営統合を発表

EUの欧州委員会は2016年8月11日、Dow Chemical とDuPont の合併計画をめぐり、農薬 (Crop protection) や種子、特定の石油化学製品などの分野で市場の寡占を招く可能性があるとして、合併の是非を見極める 精密調査(in-depth probe)に着手したと発表した 。

両社は承認を得るため、2016年7月にある提案をしたが、EU当局は不十分であるとした。

調査期間は12月20日までとなっていたが、欧州委員会は9月初め、合併の詳細と、欧州の農業市場での競争への影響について、もっと資料が必要として調査を中断したが、10月3日、資料が得られたとし、調査を再開した。

2016/8/15 EU、Dow とDuPont の合併で調査開始


今回、Dowのスポークスマンは、DuPontのCrop protection 事業の一部(関連するR&Dを含む)と Dowのアクリル酸コポリマーとアイオノマー事業の売却を行う用意があると述べた。

それを受け、EUは両社の提案をレビューする期限 を4月4日まで延長した。

両社では合併を本年上期にまとめ、18か月後の3社への分割を予定している。

DuPontの Edward D. Breen CEOはDuPontの社内報で次のように述べた。

我々は欧州委員会に解決案を提案した。

この案はEUを満足させるもので、かつ、合併の戦略的な意義を維持するものと考える。

詳細は明らかにできないが、強力な競争相手を創出するために、DuPontのCrop Protection部門の一部とそのR&Dを1社に売却する案が含まれている。
また、Dowのアクリル酸コポリマーとアイオノマー事業の売却も含まれている。

合併の認可を得るため、規制当局と建設的に作業を続ける。成功すると信じている。

本年上期には合併できると期待している。

Dowはこの提案の一部を既に実施した。

Dowは2月2日、グローバルのエチレンアクリル酸(EAA) コポリマーとアイオノマー事業をSK Global Chemical に売却する契約を締結した。DowとDuPontの合併を条件としている。

DowはEAAコポリマーの主生産者で、Packaging and Specialty Plastics部門がPRIMACOR™ のブランドで販売している。

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EUの審査状況は下記の通り。

韓国最大の製鉄会社POSCO(旧称 浦項総合製鉄)は2月7日、全羅南道の光陽製鉄所内に建設したリチウム生産工場の完成式典を行った。

現在のリチウム生産法は、塩水を自然蒸発させる方式で、抽出には12~18ヵ月かかる。また、塩水に含有されたマグネシウムなどが不純物状態で残るため、再精製しなければならない。

これに対し、POSCOが同社傘下の浦項産業科学研究院(RIST)と共同で開発した「リチウム直接抽出技術」は、世界で初めて塩水に化学反応を起こしてリチウムを直接抽出するもの。

POSCOは2014年1月、カナダのリチウム会社Lithium Americas Corp. とCooperation Agreementを締結、Lithium Americas のアルゼンチン北部のJujuy州Cauchari 塩湖周辺に実証プラントを建設することとした。
2014年12月 にの年産200トン規模の実証プラントの完工式を行い、技術検証を開始した。

2014/12/27 韓国 POSCO、リチウム抽出技術の検証開始

今回、独自の技術開発に取り掛かってから7年 で、韓国で年間2,500トン規模の炭酸リチウムを生産する。これは、ノートパソコンのバッテリー 7,000万個を生産できる量という。

POSCOのリチウム抽出技術は、化学反応を通じて塩水からリン酸リチウムを抽出した後、炭酸リチウムに転換する工法で、 従来の自然蒸発式リチウム抽出法が平均12~18ヶ月程度を要するのとは異なり、最短 8時間から最長1カ月以内に高純度のリチウムを抽出することができる。

リチウム回収率も、従来の工法は30~40%に過ぎないが、POSCOは80%以上に引き上げた。リチウムの純度も99.9%以上に高めた。
また、どんな塩水でも処理でき、不純物の多いダーティな塩水でも処理できるのが特徴。従来法では邪魔になる含有マグネシウム、カルシウム、カリ、その他の回収、リサイクルが可能である。

従来法では必要な蒸発池が不要で、エコフレンドリーで、天候にも依存しない。

POSCOでは、「世界のバッテリー用炭酸リチウムの需要は2015年に66千トンと推定され、2025年には18万トン以上に増えるだろう 。光陽リチウム工場をはじめとして国内外に年4万トンの生産体制を構築し、グローバルなリチウム生産基地としての地位を確固たるものにする計画」としている。

POSCOでは今後、塩分含有量の高い塩湖を確保して、国内外炭酸リチウムの生産量を4万トンにまで拡大する。

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日本では2014年2月に日本原子力研究開発機構がリチウムの革新的な元素分離技術を確立したと発表している。

研究チームは、海水と薄い塩酸を用意し、その間に海水に溶けたリチウムだけを通すセラミックスを使った薄膜 (5センチ四方)と電極板を浸した。
海水側と塩酸側の電極板を導線でつなぐと導線に電流が流れ、30日間で 海水25リットルから約2mg の高純度リチウムを塩酸側に採取できた。
また、0.56ボルトの発電にも成功した。

従来の塩湖からの回収技術に比べ、短時間、省スペース、さらに、リチウム分離過程で電気等の外部エネルギー消費を要さない革新的技術であり、使用済リチウムイオン電池から回収されていないリチウムのリサイクルにも適応可能な技術で あるとしている。

日立製作所は2月8日、南アフリカ共和国の火力発電プラントの工事で発生した損失負担を巡り、三菱重工業から約7,634億円の請求を受けたと発表した。
2016年3月に約3,790億円を求められていたが、請求額がほぼ倍に増えた。

三菱重工業と日立製作所は2014年2月に両社の火力発電所のインフラ事業を統合し、三菱日立パワーシステムズを設立した。

東日本大震災の原発事故をきっかけとした原発の稼働停止により、この事業の主要顧客であった電力会社の経営が苦しくなったことのほか、大型のガスタービンの生産を得意とする三菱重工と中・小型のガスタービンの生産を得意とする日立がひとつになることで、コストを下げこの分野のライバル企業であるGEや Siemens と渡り合えるようにすることが上げられた。

出資比率は、三菱重工業 65%、日立製作所 35%

事業内容は、火力発電システム事業、地熱発電システム事業、環境装置事業、燃料電池事業、売電事業となっている。

問題となったのは、統合前に日立が受注した事業で、三菱日立パワーシステムズ(三菱が主体)が引き継いだ。

日立は2007年から2008年にかけて、南アフリカ共和国の電力会社であるEskom から、同社が建設するMedupi (メデュピ)発電所および Kusile (クシレ) 発電所向けに各6基、計12基の石炭火力発電プラント用ボイラー設備を総額約 5,700億円(当時は1ドル93円前後) で受注した。

1基あたりの発電出力は80万kWで、数カ月おきに順次ボイラー設備の据付を行う。
2012年にMedupi 発電所の初号機が運転を開始し、2016年ないしは2017年までに完了する予定であった。

既存の石炭火力発電プラントに比べ高い運転効率を実現、燃料消費を抑え、CO2の排出抑制と経済性の向上を図るとしていた。

本プロジェクトでは約6割を現地から調達、耐圧部や鉄骨を含む、ボイラーの主要な部品は南アフリカで製造され、1,400人以上の認定作業者を養成する。
また、現地の支援組織の協力のもと、技術的職業訓練を約300人に実施、これによって、発電所の建設が終了した後も、専門業務に就くことが可能になる。

しかし、1基目の運転開始が当初予定の2012年から2015年にずれ込むなど工期は大幅に遅れた。


この事業を三菱日立パワーシステムズが引き継ぐための契約では、
・効力発生日より前の事象に起因する偶発債務及び同日時点において既に発生済みの請求権については日立が責任を持ち、
・効力発生日以降の事業遂行については三菱日立パワーシステムズが責任を持つことを前提に、
・効力発生日時点に遡ったプロジェクト工程と収支見積の精緻化を行い、それに基づき最終譲渡価格を決定し、暫定価格との差額を調整する旨が合意されている。

この契約に基づき、三菱日立パワーシステムズは2016年3月に、日立に対し譲渡価格調整金等の一部として約3,790億円の支払いの請求を行った。
分割効力発生日時点において既に損失が見込まれたプロジェクトであり、受注条件などに問題があったとして、三菱日立パワーシステムズ発足後に発生した損失も日立が負担すべきだと主張した。

これに対し、日立は同年4月に、契約に基づく法的根拠に欠けるため請求に応じられない旨を回答した。

三菱日立パワーシステムズは2017年1月31日に、この譲渡価格調整金等の請求金額を約7,634億円に増額した請求を行った。

日立では、契約に基づく法的根拠に欠けるため請求に応じられないが、今後も協議を継続する意向としている。

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三菱重工業は逆に、カリフォルニア州でサンオノフレ原子力発電所をめぐり、66.67億米ドルの損害賠償の請求を受けている。

三菱重工が設計・製作した取替用蒸気発生器の欠陥についての三菱の責任を問うもので、この欠陥によって発電所は永久廃炉となり、損害が生じているとし、契約の保証義務違反等に基づき、損害賠償を求められたもの。

国際商業会議所の仲裁手続きが続いている。

2013/10/22 米国原発会社、三菱重工業の蒸気発生器の欠陥で仲裁申立て 

住友金属鉱山と住友商事は2月7日、両社が参画するチリ共和国 Sierra Gorda銅鉱山開発プロジェクトで減損損失を計上すると発表した。

足元の操業実績や中・長期の銅価格の動向を踏まえて、長期事業計画の見直しを行った結果、保有する固定資産の回収可能価額まで減損損失を計上する。

両社は2016年3月期にも同じ理由で減損損失を計上している。

減損計上額は下記の通り。(億円)

合計
2016/3月期 2017/3月期 合計
住友金属鉱山 689.41 799.26 1,488.67
住友商事 140.00 336.00 476.00
合計 829.41 1,135.26 1,964.67


両社は 70/30 のJVを通じて
Sierra Gorda銅鉱山の開発会社Sierra Gorda SCM に45% 出資している。

両社は2011年5月に、カナダの中堅鉱山会社Quadra FNX Mining Ltd.がチリ共和国に保有する大型銅-モリブデン鉱山案件であるSierra Gorda 銅鉱山開発プロジェクトに参画することで合意し、投資契約に調印した。

Quadra FNX Mining が100%保有していたが、両社で45%出資した。

2011年12月に世界第9位の銅開発会社であるポーランドのKGHM Polska Miedz S.A が33.4億ドルでQuadra FNX Miningを買収し、現在に至っている。

本プロジェクトは開発投資額29億ドルで、一部は国際協力銀行が中心のプロジェクトファイナンスで、残りを出資比率で出資・融資する。

平均年間生産量(含有金属量)は銅が22万トン、モリブデンが1万1千トン、金が2トンとされる。


両社の参加検討時点では、
中国の経済成長を背景に銅価格が1トン当たり1万ドル程度と過去最高値を付けていた。

その後、価格は急落、現在やや持ち直しているが、両社の想定した価格には程遠い。

チリのカセロネス銅鉱山に関連し、JX金属は2016年3月期に約800億円の減損損失を計上、三井金属もは193億円の減損損失を計上した。

インドネシアのエネルギー・鉱物資源省は1月12日、「ニッケルやボーキサイトの未加工鉱石について一定の条件を満たした場合に5年間の輸出を認める」と突然発表した。

インドネシアはニッケルの世界最大の産地だが、政府は付加価値の高い製錬業育成のため2014年から未加工鉱石を一律禁輸としていた。

今回、輸出再開で歳入増や雇用増を目指す方針に変えた。2月1日に施行される。

発表では、ニッケルとボーキサイトは、国内に設置した製錬所の能力の30%を利用すれば未加工鉱石の輸出を認める。国内で供給が需要を上回った際にも輸出を認める。但し、5年以内に自分の精錬所を建設する約束をすることを条件とした。

外資系企業に関しては10年以内に株式の51%を政府や国内企業に売却するなどの条件も付けた。

その後の説明内容は次の通り。

ニッケル鉱は平均で1~3.5%を含有するが、低グレード品(含有量1.7% 以下)のみ輸出を認める。

精錬所の能力は現在、年1600万トン(うち低グレード品は1000万トン)。
全体の1600万トンの30%、480万トンの低グレード品を採掘者全体で国内精錬所に供給すれば、低グレード品を輸出できる。
この場合、2,3社が480万トンを供給さえすればよいこととなる。政府がサプライチェーンでの"traffic manager" として調整に当たる。

輸出できるのは、5年以内に精錬所を建設する約束をしたもののみ。

ボーキサイトについても、国内精錬所に30%の供給を義務付ける。
現在既に精錬所建設を進めているもののみに認める。少なくとも洗浄過程の建設を始めているものとし、最低含有量を42%としている。

政府は、6カ月ごとに建設の進展状況をチェックし、約束を果たさない場合はニッケルとボーキサイトの輸出ライセンスを取り消すとしている。

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インドネシア政府は2014年1月12日、国内での加工推進を目的とする未加工の鉱石の輸出禁止措置を導入した。

インドネシアで採掘された鉱石を国内で加工・精錬することを義務付ける「鉱物・石炭鉱業法」(2009年制定)に基づくもので、
加工製品の輸出増加を通じて、鉱物資源からの収益を長期的に拡大する狙いがある。

ただし、当局の間でも、未加工の鉱石の輸出禁止により、短期的には外貨収入が落ち込み、経常赤字が拡大し、通貨ルピーを圧迫する、大量の失業が発生するとの懸念があり、長時間の協議の末、加工・精錬を実施または計画している企業に2017年まで精鉱あるいは加工鉱石を輸出することを認めるという鉱物省の提案が採用された。2017年からは全ての企業が金属製品あるいは鉱石の精製品のみ輸出可能となる。

1) 加工・精錬を実施または計画している企業は2017年まで、銅、マンガン、鉛、亜鉛、鉄鉱石を輸出できる。

2) ニッケル鉱石とボーキサイトについては、国内に十分な数の製錬所があるため、輸出禁止措置
  (年間20億ドル以上の輸出が影響を受ける)

3) 石炭とスズの輸出は規制対象外

この当時、日本はニッケル鉱石の輸入 は、インドネシアが44%、フィリピンが32%、ニューカレドニアが24%であった。

2014/1/16 インドネシアが鉱石禁輸実施、直前に緩和


業界では当初、「すぐに撤回するだろう」との見立てもあったが、禁輸期間は長引いた。

フィリピンの環境規制の強化もあり、ニッケルは2016年に6年ぶりに世界で供給不足に陥った とされる。

今回の輸出解禁で、一部メディアは「世界のニッケル鉱石の供給力が14%上昇する」などと報じた。

但し、ニッケル価格は最大消費国の中国の景気減速などで低迷しており、インドネシアが輸出を再開すれば、国際価格をさらに押し下げる可能性がある とみられた。
(その後、下記のフィリッピンの鉱山閉鎖で、ニッケル価格は再度、上昇に転じた。)

また、低濃度のニッケル鉱石は精錬・加工にエネルギーが多く必要で、加工する中国などで公害悪化も懸念される。

銅、マンガン、鉛、亜鉛、鉄鉱石などの輸出は2017年まで認められていたが、国内での加工・精錬設備の建設は進んでいない。

今回、これらの輸出継続についてもいろいろな条件を付けている。

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フィリッピン政府は2月2日、公害対策のため、21のニッケル鉱山を含む23の鉱山の閉鎖を命じた。対象のニッケル鉱山は国全体のニッケル生産の約半分を占め、世界の供給の約10%を占めるとされる。
Nickel Asia Corpの鉱山も含まれる。

また、豪州のOceanagold Corpが運営するフィリッピン最大の金鉱山を含む5つの鉱山の停止も命じた。

環境天然資源相は、鉱山の損益より公共の福祉を優先すると述べた。大臣は、自ら視察して決めたとし、これらのうち15鉱山は水源地域にあると述べた。
Duterte大統領も同省の決定を支持している。

対象の鉱山は必要があれば訴訟の構えとしている。

Duterte大統領が2016年に大統領に選出された直後に、政府は鉱山が環境規制を無視しているのではないかとして全国調査を実施した。

その結果、フィリピン国内の鉱山の75%が環境基準に不適合と警告された。

米商務省は2月7日、2016年の貿易統計(通関ベース)を発表した。

米国のモノの貿易赤字は全体で7501億ドル(調整後のCensus basis.では7343億ドル)となった。

ドル高の影響で輸出が3.2%減少したが、資源安などの影響で輸入額が2.6%減った影響が大きい。
サービス収支は2478億ドルの大幅な黒字で、モノとサービスを合わせた収支は5023億ドルの赤字にとどまった。

輸出 輸入 バランス
サービス 合計 サービス 合計 サービス 合計
2014 16,333 7,433 23,766 23,855 4,813 28,668 -7,522 2,620 -4,902
2015 15,103 7,509 22,612 22,729 4,887 27,615 -7,626 2,622 -5,004
2016 14,598 7,496 22,094 22,099 5,018 27,117 -7,501 2,478 -5,023

単位:億ドル

モノの貿易での対日赤字は689億ドルとなり、相手国別ではドイツを抜き、中国に次ぐ2位に浮上した。

単位:億ドル
相手国 2015年 2016年
輸出 輸入 バランス 順位 輸出 輸入 バランス 順位
中国 1,161 4,832 -3,672 1 1,158 4,628 -3,470 1
ドイツ 500 1,248 -749 2 494 1,142 -649 3
日本 624 1,314 -689 3 633 1,322 -689 2
メキシコ 2,357 2,964 -607 4 2,310 2,942 -632 4
合計 15,103 22,729 -7,626 14,598 22,099 -7,501


これら4か国に対する米国の貿易赤字は全体の73%を占める。中国は全体の46%、日本は9%。

日本の場合は自動車関連が赤字の大半を占める。(689億ドルのうち、526億ドル)

日本メーカーは北米生産にシフトしているが、日本車の対米輸出は高級車が中心で、単価上昇が貿易赤字拡大の要因となった。

単位:億ドル
輸出 輸入 バランス
乗用車 5 393 -388
トラック、バス、その他 0 7 -7
部品 16 147 -131
合計 21 547 -526

トランプ政権は日中独を通貨安誘導と批判しており、メキシコには北米自由貿易協定(NAFTA)を問題視している。

自動車についても、トヨタについて twitter でメキシコからの輸入を批判した。

トヨタの豊田社長は1月5日の経済3団体の新年祝賀パーティーで、メキシコ新工場について、「工場建設はひとたび決めた以上は雇用と地域への責任がある。現地に行く以上はそこで貢献したい。決断はしっかりやりながら、動き出してからは粘り強くやる」と述べ、現時点で見直す予定はないという考えを示した。

その直後に、Trump次期大統領は twitterでトヨタのメキシコを取り上げた。米国に工場をつくるか、それとも多額の国境税を払えとする。

"Toyota Motor said will build a new plant in Baja, Mexico, to build Corolla cars for U.S.
NO WAY!
Build plant in U.S. or pay big border tax."

これを受け、トヨタ自動車は1月9日、今後5年間で米国に100億ドル(約1兆1600億円)を投資すると発表した。デトロイトで同日開幕した北米国際自動車ショーの会場で、豊田章男社長が記者会見を開いて明らかにした。

豊田社長は米国で13万6000人を雇用し、過去60年間で220億ドルを投資したと説明した。100億ドルの新たな投資の使途に言及しなかった。雇用増についても触れていない。

Trump氏はトヨタの発表に対しては、何もつぶやいていない。雇用増を約束しなかったためではないかと言われている。

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