富士フィルム富山化学は10月22日、「アビガン®錠」の中国展開に向けて、上海の安徽康瓴薬業有限公司(Carelink Pharmaceutical )をパートナー企業に選定したと発表した。

輸入医薬品承認の申請代理権を独占的に与える覚書を締結した。「アビガン」の非臨床・臨床データ(対象:インフルエンザ・COVID-19)などを活用して、輸入医薬品承認に向けた申請業務を行う計画で、これにより「アビガン」の中国市場への導入を目指す。

また富士フイルム富山化学は、「アビガン」による治療選択肢を広げるため、Carelink社と共同で注射剤の開発を行う。

Carelink社は、中国のみならず世界へ高品質な医薬品を幅広く提供するため、日本・アジア・欧米などのグローバル経験が豊富な人材、多くの臨床開発ノウハウ・実績などを生かして、積極的に新薬開発などに取り組んでいる。

現在、生活習慣病から感染症に開発領域を広げ、抗ウイルス薬の開発を進めている。また、国内外のパートナー企業と連携して、欧米で承認された医薬品の輸入医薬品承認の申請業務、臨床開発も推進している。


なお
中国では、アビガンの製法特許そのものは既に切れており、
海正薬業が本年2月に中国当局から生産認可を取得し、2月16日から「法維拉韋(ファビピラビル)」の商品名で生産を始めた。

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アビガン(ファビピラビル)は富士フイルム傘下の富山化学工業(当時)の古田要介氏によって1998年に発見された。

富山化学工業は2014年3月24日、日本で錠剤タイプの新しい抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠200mg」の製造販売承認を取得した。

「アビガン®錠200mg」の承認には厳しい条件がついている。

動物実験で「初期胚の致死及び催奇形性が確認されていることから、妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと」。

日本人を対象にした薬物動態試験と追加臨床試験結果を医薬品医療機器総合機構に提出し、成績が確認されるまでは「原則製造禁止」 。
 (申請に用いたのが米国の試験結果で、日本人を対象にしたものがなかった。)
 但し、パンデミック時など厚労相が「要請」した際は製造できる。

富士フイルム富山化学は、本年3月、非重篤な肺炎を有するCOVID-19患者を対象に「アビガン」の臨床第Ⅲ相試験を日本で開始、有効性・安全性を確認できたことから、10月16日にCOVID-19に係る効能・効果、用法・用量を追加する「アビガン」の製造販売承認事項一部変更承認申請を行った。現在、承認待ちの段階である。

富士フイルムは7月1日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬の海外展開に向けて、インド大手製薬企業 Dr. Reddy's Laboratories およびUAEの世界的な医療物資・医薬品提供会社Global Response Aid と提携すると発表した。

富士フイルム富山化学、Dr. Reddy's Laboratories Global Response Aid の3社間で、「アビガン®錠」の開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結した。

富士フイルム富山化学は両社に対して海外(中国・ロシアを除く)での「アビガン」の開発権・製造権・販売権(製造権はDr. Reddy's Laboratorieのみ)などを独占的に付与するとともに、2社より契約一時金や販売ロイヤリティを受領する。

2020/7/2 富士フィルム、「アビガン®錠」の開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結 



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トランプ大統領は、大統領選に敗北した場合の訴訟を優位に進めるため、自身の考えに近い最高裁判事を指名し、上院での議会承認を急いでいる。郵便投票を巡る訴訟を念頭に「最高裁が本来あるべき姿よりも政治的になる場合に備えて判事が9人いることがとても重要だ」と述べた。 「郵便投票で不正が横行した」と主張し、 負けても選挙結果を受け入れず、訴訟に持ち込む恐れもある。

連邦議会は選挙人の投票証明書の開封、確認、当選の宣言を上下両院合同会議で行うが、その期日は、選挙人投票の翌年の16と規定されている。

今回は、郵便投票など選挙のやり方を巡って各州で訴訟が相次ぎ、1月6日までに決まらないのではとの懸念が出ている。

その場合にどうするかは米国憲法修正第12条で決まっている。民主党のNancy Pelosi 下院議長が一時的に大統領になる可能性もある。


米国の大統領選挙の仕組みは以下の通り。

有権者が大統領候補者に票を投じる「一般投票」は、4年ごとに11月の第1月曜日の翌日に行われる。本年は11月3日(火)となる。

その後12月の第2水曜日の後の最初の月曜日」(本年は12月14日)に、各州で選挙人団が集会し「選挙人投票」が行われる。

州の人口ごとに「選挙人」が割り当てられている。

選挙人は上院(100)と下院(435)の議員数にコロンビア特別区の3人を合わせ、総数は538人なので、当選に必要な人数は270人。

「選挙人は、それぞれの州に会合し、無記名投票により大統領および副大統領を選出する」が、ほとんどの州では、最も多く得票した候補がその州の選挙人全員を獲得する。得票率で選挙人を配分する州は、メイン州とネブラスカ州の2州のみ。

連邦議会は、投票証明書の開封、確認、当選の宣言を上下両院合同会議で行う。その期日は、選挙人投票の翌年の16と規定されている。

訴訟が相次いで、これが出来ない恐れがある。


投票証明書の開封、確認を経ても、なお大統領、副大統領の当選を決定できない場合を、選挙における偶発的事態(electoral contingencies)と呼ぶが、米国憲法修正第12条で進め方が決められている

下院が大統領を選出する。

「下院は直ちに無記名投票により、大統領として得票した者の一覧表中の高得票者3名以下の中から、大統領を選出しなければならない。」

「この方法により大統領を選出するときは、投票は州を単位として行われ、各州の議員団が1をもつ。」(各州は、その州の下院議員の多数決で決める。) 選出には、全州の過半数を要する。

現状では、下院議員全体では民主党232、共和党197、無所属(共和党離脱)1、欠員5で、民主党が多数だが、州別の下院議員では共和党が多数は25州、民主党が多数は24州、同数はペンシルベニア1州 で、ほぼトントンである。

但し、1933年の改正で、下院が大統領を決める場合、採決は「改選後の下院」が行なう。
下院(定数435)の議員任期は2年で、全員が改選対象となる。

上院は副大統領を選出する。

選出には、総議員の過半数を要するものとする。この場合、1議員は1を投じる。

上院(定数100)の議員の任期は6年で、議員の3分の1が2年ごとに改選される。そのため今回は33人が改選となる。

連邦下院による大統領の選出は、16日から120日(大統領就任日)の間に行わなければならない。

この期間に連邦下院が大統領を選出できない場合は、連邦下院が大統領を選出するまで、選ばれた副大統領が大統領の職務を行う(米国憲法修正第12条)。

副大統領も選出されていない場合、1947年大統領職継承法が適用される。これは、大統領が執務不能に陥ったり、死亡または辞職し、もしくは免職(弾劾及びその後の有罪判決により)された場合を決めている。

適用される大統領職の継承の順位は、副大統領(兼上院議長)の次は連邦下院議長、連邦上院議長代行、連邦政府の省の長官(1順位は国務長官、以下、財務長官、国防長官、司法長官、内務長官、・・・)である。

いずれも、大統領となる法的な資格が必要(生まれながらの市民でない者や、35歳未満の者、米国での居住歴が14年未満の者は、憲法上大統領となる資格を持たない。)

いずれの場合も、大統領又は副大統領が選出されるまで大統領の職務を行う。

上院司法委員会は10月22日、トランプ大統領故Ruth Ginsburg 判事の後任に指名したAmy Coney Barrett判事を承認した。

Barrett判事は公聴会で、判事の役割を「憲法や法律を書かれたとおりに解釈し、適用する」と語り、個人的な信条が「判決に影響を与えることはない」と証言した。
しかし、女性の堕胎の権利を認めた1973年の最高裁判例(Roe v. Wade) を覆されることのない「最上の判例」とする見方を否定した。

共和党 12人、民主党10人の司法委員のうち、民主党は新大統領のもとで後任を選任すべきだとして全員が欠席し、共和党12名全員が賛成した。COVID-19に感染した共和党のMike Lee、Thom Tillis の2議員も出席した。

民主党議員は委員会室の自らの席にオバマケアの恩恵を受けた米国人の写真を並べ、承認に反対するとのメッセージを込めた。Barrett判事は同法に否定的であるとされる。

司法委員会のルールでは、少なくとも多数派(共和党)の9人、少数派(民主党)の2名の出席が必要である。
民主党全員の欠席により、ルール上は定足数に満たない。

しかし共和党側は、慣例で共和党議員が全員出席すれば審議を進めることができる、2006年以降でその例が7回あるとして、採決を強行した。

司法委員会での採決を経て、10月26日に上院本会議で採決する。

上院では共和党は53議席を占めており、「核オプション」により過半数の賛成で可決される。

共和党のSusan Collins 議員とLisa Murkowski 議員は既に反対を表明している。仮に50対50となった場合は上院議長を兼ねる副大統領が票を投じる。このため共和党からあと2名が反対に回らない限り可決される。共和党では過半数の賛成を確保したとしている。

Barrett判事が就任すれば、保守派が6人、リベラル派が3人となる。

米食品医薬品局(FDA)は10月22日、新型コロナウイルス治療薬として、米製薬大手Gilead Sciencesremdesivirを承認した。Gilead Sciencesは8月にFDAに正式承認の申請をしていた。

FDAは5月1日に、Remdesivirを症状の重い入院患者に投与する緊急使用を許可(EUA)した。

日本では、海外で先に承認された場合に日本での審査を短縮する「特例承認」を適用して、Gilead Sciencesが5月4日に承認を申請し、厚生労働省が5月7日に「特例承認」している。

2020/5/1 レムデシビル、5月にも特例承認

Gilead Sciencesはこれに対し、WHOのデータは厳格な検証をまだ受けていないもので、これまで別の臨床試験で示された有効性と矛盾しているとする声明を発表した。最近発表された National Institute for Allergy and Infectious Disease の試験ではCOVID-19で入院した患者の状況が改善したことを示しているとした。

2020/10/17 WHO、暫定結果で「Remdesivirの効果認められない」、メーカーは反発  

今回、FDAはこのWHO報告にもかかわらず、正式承認した。


トランプ大統領は、抗体カクテル「REGN-COV2」、ステロイド薬「デキサメタゾン」とともに、Remdesivir の投与を受けた。

2020/10/4 トランプ大統領にレムデシビル投与、未承認の抗体カクテル療法も 

フランスのルメール経済・財務相は10月18日、延期していた同国独自のデジタル税徴収を12月から開始すると明らかにした。

OECDが協議しているデジタル課税等についての「包摂的枠組み」の結論を待ち、年末まで凍結するとしていたが、OECDが1012日に、合意期限を当初の「2020年内」から「2021年半ばまで」に延期すると発表したのを受けたもの。

米通商代表部(USTR)は既に7月10日に報復関税(化粧品、ソープ、ハンドバッグの21品目、13億ドル分に25%)を発表しており、2国間や多国間で協議する追加の時間を確保するため、発動日は180日間先送りして2021年1月6日に設定している。恐らく、課税を12月に繰り上げると見られる。

2020/7/14 米国、フランスのデジタル課税に報復関税 


これまでの経緯:

(フランス vs 米国)

フランス上院は2019年7月11日、Digital Services Tax法案を可決し、Macron 大統領は7月24日にこれに署名、これが法律となった。

内容は次の通り。

課税事業 (i) ユーザーが他のユーザーとコンタクトしたり、商品やサービスを購入するデジタルインターフェースの供与
(ii) フランスのユーザーに広告する業者にデジタルインターフェースでサービスを供与
課税対象企業 課税事業の全世界売上が750百万ユーロ以上で、
フランスのユーザーからのそれが25百万ユーロ以上
税率 対象売上高の3%
課税開始 2019/1/1に遡及

マクロン大統領は8月26日、フランスの「デジタル課税」を巡り、米国と合意を得たことを明らかにした。

フランスのデジタル課税と経済協力開発機構(OECD)がまとめている課税制度に基づく税収の差額を仏政府が企業に払い戻す方針で暫定合意に達した。

この時点では、米国が報復措置は取らないことで合意したとみられていた。

2019/7/31 フランスのデジタル課税法案成立、米国は報復を示唆

しかし、米通商代表部(USTR)は2019年12月2日、フランスが導入したデジタルサービス税が米国のIT企業を不当に差別していると断定した調査報告書を発表した。

24億ドル分に相当するフランスの63品目に最大100%の制裁関税を検討する。

2019/12/5 米、仏デジタル税に制裁関税検討

フランス大統領は2020年1月20日、米国などのIT大手を対象にフランスが独自導入した「デジタル課税」に米政府が対抗措置を検討している問題で、両政府が解決を探る協議を年内は継続することでトランプ米大統領と合意したと表明した。 フランス側が年末まで課税を凍結する見返りに、米側は報復関税を年内は発動しない。


米通商代表部(USTR)は7月10日、フランスの「Digital Services Tax」を巡り、化粧品、ソープ、ハンドバッグの21品目、13億ドル分のフランス製品に25%の報復関税を課すと発表した。

Digital Taxに関して2国間や多国間で協議する追加の時間を確保するため、発動日は180日間先送りして2021年1月6日に設定した。

2020/7/14 米国、フランスのデジタル課税に報復関税 


(他欧州諸国 vs 米国)

イタリア議会代議院(下院)は2019年12月23日、2020年の予算案を賛成334、反対232で可決した。このなかで、フランスに追随してデジタル課税の2020年1月1日導入を決めた。

2019/12/30 イタリア、デジタル課税を導入、フランスに追随

英政府は2020年3月12日、大手IT企業を対象にした新たなデジタル課税を4月に導入することを正式に決めた。

2020/1/29 デジタル課税を巡る問題 

米通商代表部(USTR)は2020年6月2日、Digital Services Taxを巡り、英国など10カ国・地域を調査すると発表した。不公正だと認定すれば制裁関税を含む対抗措置を検討する。

2020/6/4 米、10カ国・地域にデジタル税の対抗措置検討


(OECD)

経済協力開発機構(OECD)は2019年10月9日、高収益を上げている多国籍大企業(デジタル企業を含む)の消費者向け活動の拠点がどこにあるか、どこで収益を上げているかにかかわらず、確実に納税するための新枠組み案を公表した。10月17日からの20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に報告し、2020年1月の大筋合意に向け、各国は詰めの議論に入る。

ムニューシン米財務長官は2019年12月上旬、OECDのグリア事務総長に「米国はDigital Taxに強く反対する。米企業活動に差別的な影響を及ぼす」との書簡を送付した。米国の反対で協議は難航する可能性が高い。

デジタル課税を巡る議論はOECDを中心に2020年末の最終合意をめざすが、各国の意見が折り合わず議論が難航した。

OECDは2020年2月13日、多国籍企業への課税に関する新しい国際ルールが適用された場合、世界の法人税収の4%に相当する年1000億ドルの税収増が見込まれるとの試算を公表した。

2020/2/18 OECD、多国籍企業課税新ルールの影響の試算発表

米通商代表部(USTR)は6月17日、Mnuchin米財務長官がDigital Taxを巡る国際協議からの撤退を決めたと伝えた。

2020/6/23 米、デジタル税を巡る国際協議からの撤退を示唆

OECDは1012日、デジタル課税等について検討しいる「包摂的枠組み」が、合意期限を当初の「2020年内」から「2021年半ばまで」に延期する旨の声明を発表した

合意期限が延期された背景として、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響と、参加国の間で政治的見解の相違や技術的問題があることに触れられている。
米国が昨年12月にデジタル課税の枠組みを「セーフハーバー」とする案(企業がデジタル課税の対象となるか否かを選択できることを認める案)を提案したことを指しているのではないかと思われる。

韓国半導体大手SK Hynixと米Intel Corpは10月20日、Intelの半導体メモリー事業をSK Hynixが買収すると発表した。買収額は約90億ドル。
買収は2025年にかけて段階的に実施する。2021年末までに70億ドル、25年3月までに残りの金額を支払う。

買収対象にはNAND ソリッド・ステート・ドライブ(SSD) 事業、NAND型フラッシュメモリー単品およびウエハー事業、中国大連の NAND型フラッシュメモリー生産施設が含まれる。

PCを高速化するIntel Optane™ メモリー・テクノロジーは 買収対象外で、Intelに残る。

売買が独禁法上の認可を得た後、最初の70億ドルの支払により、NAND SSD 事業(知財、従業員ともに)と大連の設備が引き渡される。

2025年3月と予想される契約クロージング時に、残りの20億ドルの支払いにより、NAND型フラッシュメモリー単品およびウエハーの製造 /設計に関する知財、R&D関連従業員、大連の従業員が引き渡される。(それまでの間、大連の生産はIntelが行なう。)


SK Hynixは長期のデータ保存に使う「NAND型フラッシュメモリー」市場で首位サムスン電子に次ぐ2位に浮上する。

SK HynixはDRAMでは2位に付けるものの、NANDでは5位と低迷していた。同6位のIntel を買収すれば、市場シェアで現在2位のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)を抜く。

SKはNAND強化を打ち出しており、キオクシアにも出資している。

キオクシアの上場に際し、東芝とBain/SK Hynix は2020年8月27日付で転換型優先株全部について普通株式に転換した。
SK Hynixは当初の協定により14.96%となる。同社は
10年間、ファイヤーウォール(機密情報へのアクセス制限)があり、10年間は15%超の議決権は与えられない。

SK Hynixは各国の独禁法当局の承認を得て2025年をメドに買収を完了する計画としている。ただIntelのNAND工場は中国・大連市にあり、半導体の国産化を推し進める中国政府の承認プロセスが難航する可能性もある。

 

CPU(中央演算処理装置)を主力とする Intel は、相対的に競争力の劣るメモリー事業部門の整理を進めていた。

Bob Swan CEOは2019年に就任して以来、Advanced Micro DevicesやNVIDIAなどのライバルと主力のプロセッサー事業で競争しながら、メモリー事業で開発の遅れや技術的不具合への対応に追われてきた。

総売上高の10%に満たないNAND事業を手放すことで、Intelは経営戦略を見直すことができる。

Intelは今回の取引で得る資金によって、さまざまな人工知能(AI)や5G、インテリジェントな自律型エッジ機能への投資を計画している。

Swan CEOは「この取引によってインテルは世界中の顧客ニーズに最も合った5Gに全力で取り組むことができます」と述べた。

なお2019年7月に、Intelは同様の目的でAppleに約10億ドルでスマートフォン向けモデム事業を売却している。

中国の全国人民代表大会常務委員会は10月17日、ハイテク製品の輸出管理を強化する輸出管理法案を可決、同法が成立した。12月1日に施行する。
国家の安全を損ねると判断した海外企業をリスト化し、輸出を禁止できるようにする。

米国が通信機器大手、華為技術(Huawei)など中国企業への禁輸措置を強める中、同様の対抗措置が可能となる。

同法案は2019年12月、2020年6月の全人代常務委で議論してきた。

中国商務部と科学技術部は8月28日、一部のハイテク技術を海外に移転する際に中国政府の許可が必要になるなど、規制強化を発表している。

2020/9/2 中国、ハイテク技術の輸出規制を強化、TikTok売却に影響か 

新法では、中国当局は管理を強化する技術や品目を定めた上で、中国の輸出企業に対し、最終的な顧客企業や使い道に関する証明書の提出を求める。その上で当局が「国家の安全への影響」などの観点から輸出許可を判断する。

対象品目の全容は明らかになっていないが、高速通信規格「5G」関連や、ソフトウェアの設計図である「ソースコード」などが入る見通し。
レアアースが品目に含まれるかが焦点の一つである。

また、「国家の安全に危害を及ぼす恐れがある」などと判断した具体的な顧客企業を特定してリスト化し、制裁措置として輸出を禁止・制限する。

中国商務省919日、「信頼できないエンティティ・リスト」(「不可靠体清单」)を公布し、即日施行した。
同リストは、米国で中国企業のEntity List掲載が相次いだこと等への対抗措置として20196月以来、検討を表明していたもの。

第2条 国は、信頼できない実体リスト制度を構築し、国際経済貿易及び関連活動における外国実体の以下の行為に対し、相応の措置を講じる。
(一)中国の国家主権、安全、利益の発展に危害を及ぼす;

(二)正常な市場取引原則に違反し、
中国企業、その他の組織或いは個人との正常な取引を中断し、又は中国企業、その他の組織或いは個人に対して差別的措置を採り、中国企業、その他の組織或いは個人の合法的な権益に深刻な損害を与える。

第10条 信頼できない実体リストに加えられた外国の実体に対して、実務機構は、実際の状況に基づいて、以下の1つ或いは複数の措置を採ることを決定し、且つ公布することができる。
(一)中国に関連する輸出入活動に従事することを制限或いは禁止する;
(二)中国国内で投資することを制限或いは禁止する;
(三)関係人員或いは移動手段等の入国を制限或いは禁止する;

(四)関係人員の中国国内での就業許可、滞在或いは在留資格を制限或いは取り
消す;
(五)情状の深刻さに基づいて、相応金額の罰金を科する;

(六)その他の必要な措置。

対象は最終的な顧客企業のほか、中間財や完成品を海外へ輸出する「第三国」の企業も含む。実際に中国が米国企業をリストに載せれば、中国からの輸入品を加工して輸出する日本企業にも 対象になる。

これは米国の制度に合わせたものである。

米商務省は2019年5月15日、Entity List にHuawei を追加し、Huaweiに対する米国製ハイテク部品などの事実上の禁輸措置を発表した。

これは米国の国内法を海外の国にも適用する「域外規制」であり、もし、日本企業がこれに違反し、米国品をHuaweiに再輸出した場合には、罰金、禁固、取引禁止顧客としての指定、米国政府調達からの除外等が課せられ、そのため実質的に米国との取引が以後出来なくなる事態が生じる。

2020/8/20 米商務省、Huawei向け輸出規制を更に強化

「禁輸リストに入った輸入企業や最終的な顧客企業がリスト入りの問題点を解決すれば、当局にリストからの除外を申請できる」との規定も追加した。ただし当局が最終判断を下すため、恣意的な対応への懸念は拭えない。

また、「いかなる国や地域も輸出規制を乱用し、中国の国家安全と利益に危害を及ぼす場合、中国は対等の措置をとることができる」と盛り込んだ。

10月18日付の日本経済新聞に「世界はウイルスでできている 古代人DNA、敵か味方か」という一見、奇想天外な記事があった。

最近のNatureに発表された論文と、2018年10月にCell に発表された論文を基にしている。

4万年前、こつぜんと姿を消した古代人類ネアンデルタール人の遺伝子が現代人の一部に伝わっている。Nature論文では、この遺伝子がCOVID-19感染で人工呼吸を必要とするリスクを最大で3倍に高めているという。

逆にCellの論文では、ネアンデルタール人から受け継いだ152個の遺伝子がC型肝炎ウイルスのようなウイルスに対する免疫力を高めている という。

ーーー

Nature論文は2020/9/30のThe major genetic risk factor for severe COVID-19 is inherited from Neanderthals である。

筆者はMax Planck Institute for Evolutionary Anthropology の スバンテ・ペーボ(Svante Pääbo)と Hugo Zebergで、Svante Pääbo は沖縄科学技術大学院大学教授でもある。

Pääbo 教授は2010年にクロアチアの洞窟で発掘された約4万年以上前のネアンデルタール人の骨からDNAを取り出し、人類のゲノムと照らし合わせ、人類に宿るネアンデルタール人の遺伝子の存在を初めて証明した。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが同時代を過ごし、『交雑』が起きたことを示す。

教授は、「ネアンデルタール人は私たちと交配した」(文藝春秋 2015/6/30) という本で発見の経緯を書いている。

Nature論文について、沖縄科学技術大学院大学が「新型コロナの重症化はネアンデルタール人から受け継いだ」というタイトルで発表している。

COVID-19では、年齢や持病の有無など、重篤な反応を起こしやすいかどうかに影響を与える要因はいくつか あるが、遺伝的要因も影響を与えることが分かっている。研究では、3番染色体のある領域の遺伝子多様体(バリアント)が、重症化リスクを高めることが示されている。

COVID-19で入院した重症者と、入院しなかった感染者3,000人以上を対象に調査した結果、感染者が重症化して入院が必要になるかどうかに影響を与える3番染色体の領域が特定された。

特定されたのは49,400塩基対にまたがる非常に長い遺伝領域で、COVID-19重症化リスクをもたらすバリアント同士は強く結びついている。バリアントの1つを持つ人は、13個すべてのバリアントを持っている可能性が非常に高い。

調査の結果、南欧で発見されたネアンデルタール人の標本がほぼ同じ遺伝子領域を持っていた。

南欧のネアンデルタール人と現代人のバリアントが、長いDNA領域にわたって非常に似ているため、研究者たちは両者の交配から来た可能性がはるかに高いとした。

今回、約6万年前に、南欧で発見された1人と血縁関係のあるネアンデルタール人が、このDNA領域を現生人類にもたらしたと結論づけた。

これらのネアンデルタール人のバリアントを持つ人は、COVID-19に感染した際に人工呼吸器を必要とするリスクが最大3 倍になる。年齢や他の疾患なども重症化に影響を与え るが、遺伝的要因の中では、このバリアントが最も強力なものである。

これらのバリアント保有者の数に世界の各地域で大きな開きがあることを発見した。

判明した古代人の遺伝子は一部を除く人類の1~4%が持つ。少なくとも両親の一方から受け継ぐ人はバングラデシュでは63%に上る。南アジア全体では50%、欧州では16%にもなる。東アジアとアフリカにはほとんどいない。

アフリカ人は全く持たない。逆にネアンデルタール人のいなかった中国やパプアニューギニアに若干見られる。
これは、5万年ほど前にアフリカを出た原生人類がその後、中東でネアンデルタール人と交配して世界中に広まった、という説の強い証拠とされる。

ーーー

逆にプラスの面の遺伝子を引き継いでいるとするのが、アリゾナ大学のDavid Enard と Dmitri A. Pttrovである。

2018年10月のCell にEvidence that RNA viruses drove adaptive introgression between Neanderthals and modern humans を発表した。

ネアンデルタール人から受け継いだ152個の遺伝子がC型肝炎ウイルスのようなウイルスに対する免疫力を高めている手掛かりをつかんだとしている。

ネアンデルタール人との交雑を通してゲノムに流入し、遺産として保持されてきた遺伝子の多くは、ウイルス抵抗性に関わる遺伝子で、それもRNAウイルス(HIV、インフルエンザ、C型肝炎ウイルス)に対する抵抗性に関わる遺伝子が多い。

ーーー

スバンテ・ペーボ博士は2020年の「Japan Prize」(日本国際賞)を受賞した。

受賞理由:

スバンテ・ペーボ博士は、1980代中頃から現在に至るまで、古代骨を用いたDNAの解析手法の研究を継続的に行い、分解の激しいDNA配列の決定技術を開発してきた。そして、1997年にはネアンデルタール人のミトコンドリアDNA配列決定に成功し、その配列からネアンデルタール人はヒトの直系の祖先ではなく系統的には分岐した人類であることを推定した。さらに核ゲノムの解読に挑戦し、次世代シークエンサーをいち早く活用して、2010年に世界で初めて古代核ゲノムで「全ゲノム」水準のものを、ネアンデルタール人を対象に達成した。

ペーボ博士の開発したこの手法により解析の精度が格段に上がり、ミトコンドリアDNA解析では解析不能であった、ヒトの祖先とネアンデルタール人の間での交雑の存在が明らかとなった。また、この手法をロシアアルタイ地方のデニソワ洞窟より出土した骨片や歯に応用し、そのDNA配列からネアンデルタール人に近いグループのものであることを見いだし、このグループをデニソワ人と命名した。更なる解析により、ネアンデルタール人とデニソワ人との間で、交雑があったことも明らかにした。

ヒトは他の古人類とは完全に系統が違うかどうかについて長年に渡り議論されてきたが、ペーボ博士の解析により、ヒトは絶滅した古人類のゲノムを受け継いでいたことが明らかにされたのである。

このように、ペーボ博士は古人類学に古代骨を用いたゲノム解析をもちこむことで、古人類学の研究を一変させた。また、彼の手法や成果は古人類学だけでなく、人類学、考古学、歴史学などヒトに関わるすべての分野に大きなインパクトを与え、それぞれの発展に寄与した。また、マックス・プランク進化人類学研究所の教授として、多くの古人類のゲノムプロジェクトを牽引し、古人類学のゲノム研究を広げるとともに、多くの研究者を育成したことも特筆される。

東北大学と島津製作所は10月16日、従来の鼻や咽頭からの試料採取・検査システムに替わり、自然に吐く息(呼気)を試料とする無侵襲呼気オミックス解析法による新型コロナウイルス検査法の開発に成功したと発表した。

吐いた息を採取し、呼気の中に存在するウイルスや、生体由来のタンパク質、被験者由来の炎症性代謝物やエネルギー代謝物を効率良く、同時にかつ安全に回収し、ロボット化全自動高速・超高感度オミックス解析を行う。

東北大学が開発した高性能呼気エアロゾル回収装置を用いれば、5分間の安静時呼吸で、1mL程度の呼気凝縮液 (ウイルスタンパク質・ゲノムRNA、生体由来の代謝物が含まれている)を、被験者自身の操作により得られ る。感染拡大の主要因となる無症状感染者・軽症者の早期特定、発症と重症化の早期予測と予防に有用な検査体制の構築が可能になる。

これを質量分析装置を用い、エアロゾルの精密分析 を行なう。


呼気オミックスでは、新型コロナウイルス感染の有無だけでなく、病期・病状の評価、重症化のリスク判定、予後・合併症の予測につながる情報も取得可能。今回対象とする新型コロナウイルス以外の新型ウイルスにも対応でき、複数ウイルスの同時測定も可能なため、コロナ収束後も感染症対策に役立 つ。


東北大学では、今後臨床試験でデータを集め、早ければ1年以内に実用化に向けた申請を目指したいとしている。

様々な感染症対策としても有効なほか、 呼気や環境、ゲノム(遺伝子)といった各種オミックス解析情報のデータベースを構築することで、心血管・肺疾患、生活習慣病、糖尿病などの代謝性疾患、がんなどの診断や健康管理、未病予防にも応用できる。

個別化医療、遠隔・在宅健康診断、各種疾病の診断・治療・未病予防などに応用し、革新的な呼気医療という未来型医療の確立を目指す。

本研究は、本年度文部科学省第1次補正予算による新型コロナ感染対策事業および内閣官房 新型コロナ対策AIシミュレーション事業の支援を受けて実施された。





プーチン大統領は10月14日、2番目の新型コロナウイルスの国産ワクチンが承認されたことを明らかにした。

ロシアは8月に世界で初めて国産ワクチンを承認している。

モスクワの国立Gamaleya疫学・微生物学研究所が国防省と開発中のワクチンが8月11日に承認された。ロシアはこのワクチンを「Sputnik V」と命名した。9月に量産を始める。年内に国内だけで3000万回分を量産できるという。

プーチン大統領は、「非常に効果的に作用し、安定した免疫を形成する」と強調、娘の一人が接種したことも明らかにした。

2020/8/4 ロシアが新型コロナワクチンの接種を10月に開始 

2番目のワクチンは、シベリアのノボシビルスク州にあるVektor 国立ウイルス学・生物工学研究センターが開発した ペプチドベースのワクチンで、EpiVacCoronaと名付けられている。

Vector は冷戦中は生物兵器の開発拠点として知られていた。

EpiVacCorona はSARS-CoV-2タンパク質の化学的に合成されたペプチド抗原に依存し、担体タンパク質に結合し、アルミニウム含有アジュバント(水酸化アルミニウム)に吸着される。

ワクチンは21〜28日間隔で2回筋肉注射される。

7月に臨床試験の許可を取得、7月27日に数人の志望者に注射された。8月に86人を対象にPhaseⅡの試験を実施した。

10月14日、臨床試験の第2段階終了時点で安全性に問題ないとして承認された。 新型コロナ対策を担当し、自らも接種を受けたゴリコワ副首相は「副作用もなく、高い安全性を有している」と述べた。

大統領は早期の生産体制の拡充や外国への供与に意欲を示した。

11~12月に4万人を対象に承認後のPhase Ⅲの治験を予定する。


WHOは10月16日、EpiVacCoronaの開発者と話し合ったことを明らかにした。PhaseⅢの結果をみてから、立場を明らかにするとしている。

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