住友ゴムは7月19日、大阪大学大学院医学系研究科の山本浩文教授らの研究グループと、がんの新たな治療法の開発を 目指す共同研究を推進すると発表した。

同社が開発した特定のがん細胞を血中から吸着する特殊ポリマー を採用した「がん細胞吸着キット」を活用することによりがん細胞を活性化するメカニズムを明らかにするというもの。


がんに罹患すると血液中に血中循環がん細胞(CTC:Circulating Tumor Cell) が発生する。がん細胞が原発巣(がんが最初に発生した場所)から血流に入り、循環している細胞で、がんの進行状況などの評価や再発リスクの評価に有効である。

ただ、がん細胞は血中にごく僅かしか存在しないため、従来の血液を遠心分離する方法では原因となる特定のがん細胞と 血液細胞を完全に分離することが難しく、より精度の高い治療⽅法の選択に限界があった。

今回、住友ゴムが開発したがん細胞吸着キットに使用する独自の特殊ポリマーは、中間水の働きで特殊ポリマーの硬さを制御することで特定のがん細胞のみを吸着させる事が可能である。

また取り出したがん細胞を長期培養させることも可能となりつつあり、より多くのがん細胞を回収できる。対象疾患もこれまでの 大腸がん、肝細胞がん、膵がんから前立腺がんや乳がんにも拡大していく。

CTCの研究を通じて、がん細胞の増殖や転移を促進する細胞内のメカニズムであるがん活性化シグナルを明らかにし、より多くの患者に、そのシグナルを阻害する 分子標的治療薬 の投与に結びつける。

現在、山本浩文教授らの研究グループと住友ゴムが開発した「がん細胞吸着キット」を活用し、がん細胞を活性化するメカニズムを明らかにする共同研究を進めている。この研究にはがん細胞の活動を規定する分子相関係数と人工知能を駆使した最新の解析モデルを導入している。

培養したがん細胞を利用することで新薬開発の可能性が広がり、山本教授らの研究グループが進める将来的にがん根治を目指す「ムーンショット計画」の共同研究を加速させる。

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住友ゴムの「がん細胞吸着キット」と全く同じ考えが、九州大学先導物質化学研究所の田中賢教授により「血中に含まれるがん細胞の選択的分離回収技術」として発表されている。

問題意識、解決手法など、すべて同じである。

CTC(Circulating Tumor Cell;血液循環腫瘍細胞)を対象とした診断が注目を集めているが、CTCは、血液中の細胞10億個の内1個程度と極めて少ないため、血液中からCTCのみを選択的に分離することが極めて困難である。

このため、人工材料への生体物質の吸着性を制御する中間水コンセプトを設計指針として、全血からCTCを選択的かつ簡便、低コストに分離回収可能な高分子材料を開発した。

田中教授の発表を利用し、詳細を述べる。

 中間水:実験的に存在が示唆されている水の状態の一つで、0℃より低い温度で凍る水。

 吸着キットの特殊ポリマー

中間水ポリマーは、日本触媒が開発し、九州大学・先導物質化学研究所の田中賢教授との共同研究により生体適合性を確認した高い親水性を有するポリマー。

選択的吸着




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神戸大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科学部門の小川渉教授、徳島大学大学院医歯薬学研究部代謝栄養学分野の野村和弘講師らによる研究グループは、運動時のエネルギー消費をコントロールするタンパク質の機能を解明した。

運動をすると筋肉がエネルギーを消費するため、脂肪が燃やされて体重は減少する。しかし、これには個人差があり、運動してもあまり痩せない人もいる。

研究チームは、運動時に筋肉でPGC-1αb及びPGC-1αcというタンパク質が増え、これによりエネルギー消費が高まり脂肪を燃焼させることを見つけた。

同じ運動をしても痩せやすい人、痩せにくい人がいるが、運動時にこれらのタンパク質が増えにくい人は運動した時のエネルギー消費が少ないことも明らかになった。

このタンパク質の増えやすさによって運動時のエネルギー消費の個人差を説明できることが分かった。

食欲を抑える抗肥満薬は使用され始めているが、エネルギー消費を増やすことで肥満を治療する薬はない。このタンパク質を増やせる物質を見つけることができれば、エネルギー消費を高めて肥満を改善する薬剤の開発につながる可能性がある。

この研究成果は、2024年6月15日(日本時間)に欧州科学雑誌「Molecular Metabolism」に公開された。

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運動をすると筋肉が多くのエネルギーを消費するため、脂肪がエネルギー源として燃やされ、体重が減少する。この時、筋肉ではエネルギー消費を増やすいくつもの遺伝子の発現が増加する。

PGC-1α(ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターγ共役因子)というタンパク質はこのような遺伝子の発現を促す作用を持つため、PGC-1αは痩せやすさ・太りやすさと関係する可能性が指摘されていた。

小川教授らのグループは、PGC-1α遺伝子から作られる2つの新しいタンパク質(PGC-1αb及びPGC-1αc)があることをこれまでに発見していた。

この2つの新規PGC-1αb、PGC-1acは、従来のPGC-1α(PGC-1αa)とタンパク質の機能としてはほぼ同じだが、発現制御のメカニズムが異なり、運動によって筋肉での発現が十倍以上に増加 する。一方で、以前から知られていたPGC-1αは運動によって発現がそれほど増えることはない。

マウスの遺伝子を操作し、従来のPGC-1αの量には影響を及ぼさず、新規PGC-1αb、PCG-1acだけを欠損させたノックアウトマウスを作ったところ、運動時のエネルギー消費の増強が妨げられ、運動させても体重が減りにくいこと が分かった。

以下、研究発表参照

PGC-1αは運動時のエネルギー消費を制御する機能を持つ可能性が示唆されていたが、今回の研究で、実際にそのような作用を持つのは従来から知られていたPGC-1α(PCG-1aa)ではなく、新規PGC-1αb、1ac であることが分かった。

肥満はエネルギーの摂取と消費のバランスの乱れによって起こる。最近では、食欲を抑制してエネルギーの摂取を減らす肥満症治療薬が開発され、世界で広く使われ始めてい るが、エネルギーの消費を高めて肥満を治療する薬剤はない。

新規PGC-1α(PCG-1ab、PCG-1ac) を増やせる物質を見つければ、運動時のエネルギー消費をより高める薬(運動効果増強薬)、さらには運動しなくても、運動時と同様にエネルギー消費を強める薬(運動効果模倣薬)の開発に繋がる可能性があ り、このような薬剤は、食事制限と無関係に肥満を治療できる薬剤になると思われ、そのニーズは極めて高いと考えられる。

抗生物質(抗菌性物質製剤)は、供給が途絶すると国民の生存に直接的かつ重大な影響が生じるが、その中でも注射剤の大半を占める βラクタム系抗菌薬(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系などに区分される)は、その原材料をほぼ100%中国に依存している。   

抗菌薬の中で微生物が作った化学物質を抗生物質、抗生剤という。         

実際に、βラクタム系抗菌薬として汎用されるセファゾリンナトリウムについては、中国での製造上のトラブル等に起因し、2019 年に長期にわたって供給が滞り、国内での医療の円滑な 提供に深刻な影響を及ぼす事案が発生した。サプライチェーンの構造を踏まえれば、今後も供給途絶のおそれがある。

発端は、原材料をつくる中国メーカーの工場の稼働停止。排水処理に問題があるとして、中国当局の指導で操業できなくなった。日本で流通する抗菌薬は日医工などのジェネリック薬(後発薬)メーカーが製造しているが、その原材料となる化学合成物質は中国から調達している。

「国際情勢の複雑化、社会経済構造の変化等に伴い、安全保障を確保するため、経済活動に関して行われる国家及び国民の安全を害する行為を未然に防止する重要性が増大していることに鑑み」、安全保障の確保に関する経済施策を総合的かつ効果的に推進することを目的に、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律:「経済安全保障推進法」が2022年5月11日に成立し、同月18日に公布された。

2022年12月23日に経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律施行令が施行され抗菌性物質製剤が経済安全保障推進法第7条の規定に基づく特定重要物資として指定された。 

抗菌性物質製剤の安定供給を図ろうとする事業者は抗菌性物質製剤の安定供給にかかる計画の認定を受けることで、取組方針に基づく支援を受けることができる。


2024年7月5日の日本経済新聞は「抗生物質も脱中国 薬安定供給へ国産化」という記事を掲載、そのなかで、「厚労省は明治ホールディングス系のMeiji Seikaファルマと塩野義製薬系のシオノギファーマが率いる2つの事業を支援し、設備投資を2件合計で約550億円補助することを決めた」と報じている。

2社を認定したことは下記のとおり発表しているが、補助金額は明らかにして おらず、日経の取材によるものと思われる。


抗菌性物質製剤に係る安定供給確保を図るための取組方針 (2023/1/19)

取組方針では、βラクタム系抗菌薬について、製造設備の整備により国産原料由来の原薬を提供可能とすることに加えて、原材料及び原薬の備蓄設備の構築を通じて、海外からの原薬の供給が途絶した場合であっても医療現場に切れ目なく製品を供給する備蓄体制を一体的に整備することとしている。

計画の認定実績

No. 認定供給確保業者 安定供給確保を図ろうとする特定重要物質 認定日
Meiji Seika ファルマ㈱
富士フィルム富山化学㈱
大塚化学㈱
ペニシリン系2剤

 アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム
 ピペラシリンナトリウム・タゾバクタムナトリウム


〈取組内容〉
・原薬等製造設備導入
・備蓄体制整備

2023/7/7
2 シオノギファーマ㈱
Pharmira ㈱ *
セフェム系抗生物質
 セファゾリンナトリウム

セファマイシン系抗生物質
 セフメタゾールナトリウム


〈取組内容〉
・原薬等製造設備導入
・備蓄体制整備

2023/7/28

* シオノギファーマは、同社及び千代田化工建設、大成建設、藤本化学製品、竹中工務店、横河電機、長瀬産業によって設立された合弁会社であるPharmira を2024 年4 月1 日付けで吸収合併した。

セフェム系抗菌薬を含むβラクタム系 抗菌薬 は、感染症の治療だけに限らず、手術時の感染予防等のための診療ガイドラインにおいても推奨薬に位置づけられるなど、医療上の必要性が極めて高いとされてい る。
セファゾリンナトリウムについては、中国での製造上のトラブル等に起因し、2019 年に長期にわたって供給が滞り、国内での医療の円滑な 提供に深刻な影響を及ぼす事案が発生した。

レゾナックは、次世代半導体パッケージ分野において、日米の材料・装置等の企業10社によるコンソーシアム「US-JOINT」を米国・シリコンバレーに設立すると発表した。


半導体の製造装置・材料メーカーの枠を超えて日本で進めてきた半導体パッケージ技術開発のコンソーシアムJoint」(日立ケミカル時代)「JOINT2」、同追加の取り組みを、米国企業も交えて海外に展開する。

昭和電工2020年3月24日から4月20日まで日立化成を株式公開買い付け(TOB)した結果、87.61%を取得、その後全株式を取得し、6月23日に完全子会社・昭和電工マテリアルズとした。

昭和電工は2023年1月1日に持株会社体制へ移行、昭和電工マテリアルズ(買収した日立化成)と統合し、「レゾナック」になった。

2022/10/3 昭和電工、来年1月に昭和電工マテリアルズと統合、「レゾナック」に改称

TOB前の日立化成は2019年1月のTechnical Reportで、「実装材料のトータルソリューション強化に向けた取り組み」について報告している。

それによると、新オープン・ラボを新川崎地区へ移転、2018年6月に半導体実装材料・装置の開発に携わる企業17社が参画するコンソーシアム「JOINT:(Jisso Open Innovation Network of Tops)」を設立し,同社の半導体実装オープン・ラボを拠点に活動を開始した。

このコンソーシアムでは,参画企業各社が保有する材料や装置を用いて,半導体メーカの顧客にパッケージの最先端実装技術の開発から実装プロセスまでを含む総合的なソリューションを提供することで,スピードが求められるパッケージの開発における顧客の工数・時間の削減に貢献する。

昭和電工によるTOB後の昭和電工マテリアルズでは2021年に、半導体実装材料や基板、装置の開発に携わる企業12社が参画するコンソーシアム「JOINT2(Jisso Open Innovation Network of Tops 2)」を設立し、川崎市にある同社パッケージングソリューションセンタを拠点に、10月1日より活動を開始した。このコンソーシアムでは、2.5D実装や3D実装などの次世代半導体の実装技術や評価技術を確立するために、参画企業とともに、技術の変化に応じたパッケージ評価技術、材料、基板および装置の開発を行う。

12社:昭和電工マテリアルズ、味の素ファインテクノ、上村工業、荏原製作所、新光電気工業、大日本印刷、ディスコ、東京応化工業、ナミックス、パナソニック スマートファクトリーソリューションズ、メック、ヤマハロボティクスホールディングス

2.5Dパッケージは複数のチップを一つの基板(インターポーザー)上に配置し、それらを相互接続する技術。
3Dパッケージは複数のチップを垂直方向に積層して配置する技術。チップの相互接続はTSV(シリコン貫通ビア)と呼ばれる垂直方向の配線技術が使用される

昭和電工と昭和電工マテリアルズは合併してレゾナックとなったが、2023年6月に「JOINT2:Jisso Open Innovation Network of Tops 2)」に、露光装置メーカーであるオーク製作所が新たに加わった。これにより、「JOINT2」は日本を代表する半導体の装置、材料、基板メーカー13 社で構成されるコンソーシアムとなった。最先端の後工程技術に関する一貫ラインを揃えたコンソーシアムとして、次世代半導体パッケージの評価技術・開発をさらに加速する。

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今回、レゾナックは、次世代半導体パッケージ分野において、日米の材料・装置等の企業10社によるコンソーシアム「US-JOINT」を米国・シリコンバレーに設立する。

活動拠点はシリコンバレーに設置予定で、2025年の稼働開始を目標に、2024年からクリーンルームや装置導入等の準備を開始する。

現在、急拡大している生成AIや自動運転向けなどの次世代半導体では、後工程のパッケージ技術がキーテクノロジーのひとつとなっており、2.5Dや3Dなどのパッケージ技術が急速に進化している。近年では、シリコンバレーに集積する大手半導体メーカーやGAFAM(アルファベット、アップル、メタ・プラットフォームズ、アマゾン、マイクロソフト)などのファブレス、大手IT企業が自社で半導体を設計している。さらに、後工程のパッケージも自ら研究開発を行い、新しいコンセプトが次々に生み出されている。

US-JOINTは、シリコンバレーの研究開発拠点を活用し、顧客と一緒に半導体パッケージの最新コンセプトの検証を行う。また、顧客や参画企業と共創することにより、市場ニーズをリアルタイムに捉え、材料、評価・実装技術の研究開発を加速していく。

US-JOINT概要:

名称
US-JOINT(JOINT:Jisso Open Innovation Network of Tops)
目的
米国における次世代半導体パッケージの評価プラットフォーム創成と実装技術の開発
参画企業
10社(2024年7月8日時点) レゾナック以外 下記

拠点

米国カリフォルニア州 ユニオンシティ
活動内容 - 顧客に近い場所で、共創を推進する(想定顧客:ファブレス企業、半導体企業)
- 先端パッケージに関する顧客の新規コンセプトについて、顧客と共にコンセプト検証する
- 米国の材料・装置メーカと連携し、ベストソリューションを提供する


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企業名:Azimuth Industrial Co., Inc.(米国)
得意技術:高出力、高周波数、および独自の基板構成に対応した高速かつ複雑な組立てを専門とし、マルチチップQFN、BGA、SiP、および新しいパッケージ開発を行っている。
業界内のポジション:1972年に設立され、迅速な組立、エンジニアリング評価、およびカスタマイズされた半導体パッケージングを提供する米国を代表する組立会社 。
US-JOINT参画技術:少量多品種およびパイロット生産の組立。

企業名:KLA Corporation(米国)
得意技術:エレクトロニクス業界全体でのイノベーションを可能にする業界トップの装置とサービスを開発。ウェーハやレチクル、集積回路、パッケージング、プリント基板の製造において、先進的なプロセス制御およびプロセス実現ソリューションを提供 。
業界内のポジション:KLAの直接描画システムは、大規模スキャン光学系などの革新的な技術を備え、PCBおよびIC基板製造のためのデジタルリソグラフィソリューションをリード 。
US-JOINT参画技術:レーザー直接描画システム。

企業名:Kulicke and Soffa Industries, Inc.(米国)
得意技術:よりスマートで持続可能な未来を実現するための最先端の半導体およびエレクトロニクス組立ソリューションの開発を専門としてい る。製品とサービスの範囲は拡大し続けており、先進的なディスプレイ、自動車、通信、コンピュート、消費者、データストレージ、エネルギーストレージ、産業などの大規模市場での成長と技術移行を支援 。
業界内のポジション:最高水準のボールおよびウェッジワイヤーボンディング、フラックス、フラックスレスおよび無はんだCu-to-Cu熱圧縮ソリューションを活用し、複数の市場でグローバルな市場リーダーシップの地位を享受 。
US-JOINT参画技術:フラックスレス熱圧縮ボンダー。

企業名:メック株式会社
得意技術:薬品によるエッチングや、化学的修飾により界面に価値を創造する金属表面処理技術。
業界内のポジション:先端半導体パッケージ基板製造に不可欠な薬品プロセスを提供する、グローバルニッチトップ企業。
US-JOINT参画技術:メタルアクティベーター、およびエッチャー。


企業名:Moses Lake Industries, Inc.(米国)
得意技術:半導体業界で使用されるリソグラフィ、エッチング/クリーニング、インターコネクトメタライゼーション用途、 およびカスタムバルク化学混合のための湿式化学薬品を専門としている。
業界内のポジション:先進的な半導体製造のための水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)および銅めっき製品の主要サプライヤー 。
US-JOINT参画技術:銅電解めっき。

企業名:ナミックス株式会社
得意技術:半導体用液状封止材技術。
業界内のポジション:半導体用液状封止材でグローバルトップクラスの技術力。
US-JOINT参画技術:Liquid Compression Molding材料などの半導体用液状封止材。

企業名:東京応化工業株式会社
得意技術:微細加工技術、高純度化技術。
業界内のポジション:グローバルトップクラスのフォトレジストメーカー。
US-JOINT参画技術:半導体パッケージ用フォトレジスト。

企業名:TOWA株式会社
得意技術:狭ギャップ Mold Under Fillに対応した高い信頼性と生産性を実現するコンプレッションモールド技術
業界内のポジション:半導体モールディング装置 世界シェアNo.1
US-JOINT参画技術:コンプレッションモールド装置。

企業名:株式会社アルバック
得意技術:真空技術を応用した、半導体、ディスプレイ向けプロセス装置、スパッタリング材料および真空用コンポーネントの開発製造。
業界内のポジション:Wafer Level Package/Panel Level Package領域での成膜及びプラズマ加工において業界トップクラスのプロセス装置を市場に提供。
US-JOINT参画技術:スパッタリング装置、アッシング装置。

違反事実の概要

(1) TCDは、資本金の額が3億円以下の法人たる事業者に対し、自社が販売する又は製造を請け負う自動車に架装(自動車の外観変更や機能向上のための外装品や内装品を装着すること)する外装及び内装用の製品の製造を委託している。

(2) ア TCDは、下請事業者に対し、下請事業者から製品を受領した後、当該製品に係る品質検査を行っていないにもかかわらず、当該製品に瑕疵があることを理由として、2022年7月から2024年3月までの間、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、当該製品を引き取らせていた。

 イ 返品した製品の下請代金相当額等は、総額54273356円である(下請事業者65名)。

(3)ア TCDは、下請事業者に対して自社が所有する金型等(製品の製造に用いる金型、製品の塗装・メッキ処理等の加工を行う際に用いる治具及び製品のサイズを正確に確認するための計測器具である検具)を貸与していたところ、遅くとも2022年7月1日以降、当該金型等を用いて製造する製品の発注を長期間行わないにもかかわらず、下請事業者に対し、合計664個の金型等を無償で保管させることにより、下請事業者の利益を不当に害していた(下請事業者49名)

 イ TCDは、2022年7月から2024年3月までの間に、前記664個のうち、合計108個の金型等を廃棄している(下請事業者3名)。

(4) TCDは、前記(2)の行為について、2024年6月20日、下請事業者に対し、返品した製品の下請代金相当額等を支払っている。

2021年には国内ディーラーの「車検不正」の大問題が見つかった。

トヨタ自動車は2021年9月29日、トヨタ系販売大手のATグループ傘下の販売会社「ネッツトヨタ愛知」の不正車検に始まるトヨタおよびレクサス販売店における不正車検問題を受けて、全国販売店の4852拠点を総点検した結果を発表した。

販売店11社12店舗で不正車検を実施していたことが判明した。対象となる車両は1345台である。

2022年に日野自動車のエンジンの排出ガス/燃費の認証不正が表面化、そして2023年4月にダイハツの衝突試験認証不正、その後に豊田自動織機でもフォークリフト向けエンジンの認証不正が発覚しダイハツ不正は拡大し、2023年末から国内出荷を全面的に停止する事態に発展。

豊田自動織機のエンジン不正はディーゼルエンジンの出力認証不正に発展し、そのエンジンを搭載するハイエース、ランドクルーザーなどの人気モデルが出荷停止に追い込まれた。

ダイハツ工業や豊田自動織機での不正発覚を受け、国土交通省は2024年1月に、型式指定を取得している自動車メーカーら85社に対して申請における不正行為の有無などに関する調査・報告を指示した。

その結果、同年5月31日までに、トヨタ自動車とホンダ、マツダ、スズキ、ヤマハ発動機の5社から、不正行為が行われていたとの報告があった。同省は、事実確認などのため、これら5社に立ち入り検査を実施。トヨタ自動車とマツダ、ヤマハ発動機については、現行の販売車種が含まれており、該当車種の出荷を停止する事態となった。

トヨタが不正を行った試験項目は、[1]前面衝突時の乗員保護試験、[2]オフセット衝突時の乗員保護試験、[3]歩行者頭部及び脚部保護試験、[4]後面衝突試験、[5]積み荷移動防止試験、[6]エンジン出力試験の6つ。

 [1]~[5]については悪質性は低そうで、実は、トヨタ自動車は認証試験よりも厳しい基準(条件)で開発している。従って、実質的な性能に問題はないが、認証試験では法規が定めた手順・条件を順守していないため不正と判断された。

 一方、[6]のエンジン出力試験は意図的に不正な操作を施したもので、「悪質」とのそしりを免れない。

国土交通省は7月5日、トヨタ自動車から「新たな不正は確認されなかった」との報告を受けたと発表した。同省は不正行為の原因を継続調査するよう同社に指示。再度立ち入り検査を行った上で、行政処分の可否を判断する見通し。

エーザイは7月1日、葉酸受容体α(folate receptor α:FRα)をターゲットとした抗体薬物複合体 farletuzumab ecteribulin(FZEC、開発コード:MORAb-202)について、Bristol Myers Squibb とのグローバルな共同開発・共同販促契約を終結したと発表した。

今回の契約はBristol Myers Squibbの保有するポートフォリオに関する優先順位の見直しによるもの

これにより、本剤に関する全ての権利はエーザイが有することになった。エーザイは今後、同剤の開発・商業化はエーザイグループが単独で行う。

エーザイは今回の契約終結により、提携契約締結時に同社が研究開発費としてBristol Myers Squibbから受領した預り金2.0 億米ドルのうち未使用分について、一部をBristol Myers Squibbに返金し、残りの部分はその他の収益として計上する予定。 

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エーザイは2021618日、エーザイBristol Myers Squibb が抗体薬物複合体Antibody-Drug Conjugateである MORAb-202 共同開発・共同商業化に関するグローバル独占的戦略的提携契約を締結したと発表した。

MORAb-202 は、エーザイ創製の葉酸受容体Folate Receptor:FRα抗体に、酵素切断リンカーを介して、同じくエーザイ創製の抗がん剤エリブリンを化学結合させたエーザイ初 抗体薬物複合体 で、本剤は、良好な薬理学的プロファイル進行性固形がんに対する単剤による抗腫瘍活性を示し、FRα ADC としベスト・イン・クラスのポテンシャルが期待される。エーザイが FRα陽性の固形がん子宮内膜がん、卵巣がん、肺がん、乳がんを含む)を対象として、日本における臨床第Ⅰ相試験および米国における臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験 2 試験を実施中。

両社は、早ければ 2022 年にも本剤の承認申請をめざした臨床試験に移行する。

本契約に基づき、両社は
MORAb-202 について日本中国アジア太平洋諸国*米国、カナダ、欧州欧州連合および英国などおよびロシアをコラボレーションテリトリーとして共同開発および共同業化を行う。また、コラボレーションテリトリー以外の地域については、Bristol Myers Squibb 単独で開発および商業化を行う。なおエーザイがグローバルにおける MORAb-202 の製造よび供給担う。

本契約の経済条件に基づき、Bristol Myers Squibb は、契約締結時に一時金 6.5 億米ドルエーザイに支払う。そのうち2.0 億米ドル今後のエーザイの本剤に関する研究開発費として充当される。またエーザイは、開発、薬事および販売マイルストンの達成により最大 24.5 億米ドル受け取る。

コラボレーションテリトリーにおいては、両社は契約に従って、利益分配するとともに、研究開発および商業化の費用を分担する。

コラボレーションテリトリー以外の地域においては、Bristol Myers Squibb エーザイに対し、売上に対する一定のロイヤリティを支払う。

コラボレーションテリトリーにおけるMORAb-202 の売上収益は、日本中国アジア太平洋諸国、欧州およびロシアにおいてエーザイが計上し、米国、カナダにおいてBristol Myers Squibb が計上する。

今回、この契約が解消され、同剤の開発・商業化はエーザイグループが単独で行う。

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FZECは、自社創製の葉酸受容体α(FRα)に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体であるファルレツズマブに、酵素切断リンカーを介して、同じく自社創製の抗がん剤エリブリンを化学結合させた エーザイにとって初の抗体薬物複合体。

葉酸受容体はその葉酸を細胞内に取り込む役割を担うたんぱく質で、葉酸受容体の発現部位は、正常組織においては肺や腎臓、発生過程における胚、胎盤などに限られている一方、がん組織においては卵巣がんや子宮内膜がんでの過剰発現が報告されている。そのため、がん治療における標的分子の1つとして注目されている。

この抗体薬物複合体は、標的となるFRαが発現したがん細胞内に取り込まれた後にリンカーが酵素的に切断され、抗体からエリブリンが切り離されて抗腫瘍活性を示すと考えられ る。

非臨床試験において、FRα陽性がん細胞の周囲のFRα陰性がん細胞に対しても抗腫瘍活性を示すバイスタンダー効果が確認されてい る。

現在、本剤を評価する固形がんを対象としたエーザイ主導の臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験、ならびにBristol Myers Squibb主導の卵巣がん、腹膜がん、卵管がんを対象とした臨床第Ⅱ相試験および非小細胞肺がんを対象とした臨床第Ⅱ相試験を実施中。

エーザイは、がん領域を戦略的重点領域の一つと位置づけており、ヒューマンバイオロジーを深く追求することにより、がんの「治癒」に貢献することをめざしてい る。難治性がんを対象としたFZECの開発は、がん患者のアンメット・メディカル・ニーズに取り組む同社のコミットメントを示すもの。

ペイロードであるエリブリンは、初のハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤。海洋生物クロイソカイメン(Halichondria okadai)から抽出された天然物ハリコンドリンBの全合成類縁化合物であり、微小管の伸長(重合)を阻害・抑制することで、細胞分裂の停止作用を有してい る。

エリブリンは、日本、米国、欧州、中国、アジアなどにおいて、乳がんおよび脂肪肉腫(日本では悪性軟部腫瘍)に関わる適応で承認を取得してい る。

公的年金の財政状況をチェックし、将来の給付水準の見通しを示す「財政検証」の結果が公表された。

「財政検証」は、5年に一度行われることになっていて、厚生労働省は7月3日に開かれた社会保障審議会の年金部会に結果を示した。

国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しー令和6(2024)年財政検証結果 ー

なお、一定の制度改正を仮定したオプション試算を実施した。オプション試算結果


財政検証では、「所得代替率」という指標がとりわけ重視される。これは、夫婦の年金額が、現役世代の男性の手取り収入の何%に当たるかを示すものである。

いまの年金制度は、将来に備えて、給付水準を物価や賃金の上昇率よりも低く抑える「マクロ経済スライド」が導入されているが、現役世代の平均収入を100%として、夫婦2人のモデル世帯が受け取る年金額の割合=「所得代替率」は、50%を下回らないようにすることが法律で約束されている。


2024年度の「所得代替率」は61.2%と見積もられた。

所得代替率=(夫婦2人の基礎年金13.4万円+夫の厚生年金報酬比例 9.2万円)/ 現役男子の平均手取り収入 37.0万円)= 61.2%

女性や高齢者の労働参加が進んだことや外国人の増加で、少子高齢化の影響が緩和されたことに加え、株価の上昇を背景に積立金が増えたことなどから、前回・5年前の検証結果より将来の見通しが改善されたとしている。

このため、国民年金保険料の納付期間(20歳から60歳になるまでの40年間)45年への延長は見送る方向。

付記 報道では選挙への影響を考え、官邸から45年への延長はするなとの厳命があったのであろうとの説明があった。

今回の検証は、長期の実質経済成長率が、プラス1.6%から、マイナス0.7%までの4つのケースを想定し、それぞれ、「マクロ経済スライド」による給付の抑制がいつまで続き、どの程度、水準が低下するのか、試算が行われた。

それによると、高成長実現ケース、成長型経済移行・継続ケースでは、いずれも給付の抑制は2030年代の後半まで続き、所得代替率は57%前後となる。今年度の所得代替率 61.2%と比べると、4ポイント程度の低下にとどまる。

経済が成長する2つのケースでは、「マクロ経済スライド」による厚生年金(比例)の給付抑制は来年度以降、必要なくなるとしている。


このうち長期の実質経済成長率が1.6%のケースでは、基礎年金の給付抑制が2039年度まで続き、現役世代の手取り収入45万5000円に対する夫婦2人のモデル年金は25万9000円、所得代替率は56.9%になるとしてい
る。





また、成長率がプラス1.1%のケースでは、基礎年金の給付抑制が2037年度まで続き、現役世代の手取り収入41万6000円に対するモデル年金は24万円、所得代替率は57.6%になるとしてい
る。



経済成長率がマイナス0.1%と過去30年間と同じ程度の経済状況が続くケース(現状維持ケース)では、給付の抑制は2057年度まで続き、所得代替率は50.4%と、今より、10ポイント程度低下するものの、50%以上は維持できるとしている。

過去30年投影ケースの場合、平均余命の伸びと被保険者数の減少に応じて年金額の改定を抑制する「マクロ経済スライド」は、厚生年金の給付額を加入期間や過去の報酬などで計算する報酬比例部分の適用が2年後(2026)に終了する。これに対し基礎年金部分はさらに31年間も適用が継続する見通し。



一方で、経済状況が悪化し、成長率がマイナス0.7%に落ち込むケースでは、2059年度に国民年金の積立金がなくなり、その後、所得代替率は30%台に落ち込むとしている。




なお、一定の制度改正を仮定したオプション試算を実施した。
オプション試算結果





米食品医薬品局(FDA)は7月2日、米医薬品大手 Eli Lillyのアルツハイマー病薬「Donanemab AZBT(製品名 Kisunla™)」を承認した。

エーザイとBiogenの認知症薬「LECANEMAB」に続く認知症治療となる。

2023年1月19日にはFDAが迅速承認(Fast track)を認めなかったが、今回承認された

Aβペプチドは脳内に沈着し、過剰になると互いに結合してタンパク質プラークを形成する。
ドナネマブは、このタンパク質プラークを標的とし、脳内で負担となる余分なタンパク質を除去する

単に新しいプラークの沈着または既存のプラークの成長を防ぐのではなく、沈着したプラーク自体を標的にすることが、脳から既存のアミロイド負荷を取り除くために必要である。

以前のプラーク結合抗体のいくつかは、脳に微小出血を引き起こしたために放棄されたが、ドナネマブは微小出血を引き起こすことなくマウスのプラークを除去することが報告されている。

2023/1/25 米イーライリリーのアルツハイマー薬、FDAが迅速承認を認めず

Eli Lillyは1瓶695.65ドル(約11万円)でDonanemabを販売する。30分間の点滴を13回実施する年間の治療費は3万2000ドル。レカネマブが米国で2023年に発売した際の価格は年2万6500ドルだった。

外部の専門家によるFDAの諮問委員会は6月、Donanemabの承認推奨を全会一致で決めた。Donanemabはレカネマブと同じく、病気の原因物質の一つとされるアミロイドに結合して除去する。

イーライ・リリーはDonanemabをめぐって、日本の厚生労働省にも承認を申請中。


エーザイとBiogenの認知症薬「
LECANEMAB」と今回の Eli Lillyの「Donanemab AZBT」との違いは下記の通り。

レカネマブは「プロトフィブリル」というアミロイドβの中くらいのかたまりと、より大きなかたまりのアミロイド斑の両方に結合すると考えられている。
脳に沈着が始まる段階のアミロイド斑に効率よく結合して除去する。

一方ドナネマブは、脳に沈着してからしばらく時間が経ち、「ピログルタミル化」という目印のついたアミロイド斑に選択的に結合する。
脳に沈着したアミロイド斑を効率よく除去する。(国立長寿医療研究センターの解説より)

ーーー

アルツハイマー型認知症の原因は未だ解明されていないが、進行に伴っていくつかの特有の病変が見られる。例えば、神経細胞の外側では「アミロイドβ」が蓄積して老人班を形成し、神経細胞の中では「タウタンパク」が蓄積してタンパク質が糸くず状に変化したようなもの(神経原繊維変化)が見られるようになる。

新薬開発(アミロイドβ仮説)  


注) 一般名の末尾の「マブ」はモノクローナル抗体医薬の意味。
   末尾の「ビル」は抗ウイルス薬、「ニブ」は キナーゼ阻害薬


米食品医薬品局(FDA)は6月7日、エーザイと米バイオジェンが共同で開発するアルツハイマー型認知症治療薬候補 ADUHELM(一般名:アデュカヌマブ)について、脳内アミロイドβプラークを減少させることにより、アルツハイマー病の病理に作用する初めてかつ唯一治療薬として迅速承認(accelerated approvalしたと発表した。2023年7月にフル承認。

アミロイド斑(プラーク)は、アミロイドβ蛋白が蓄積したもので、アルツハイマー病患者の脳にみられる。新薬はこのレベルを下げるもの。

2021/6/8 エーザイとバイオジェンのアルツハイマー新薬、米で承認


エーザイとBiogenは2023年1月7日、米国
FDAアルツハイマー病の新薬の抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体LECANEMAB開発コード:BAN2401米国ブランド名:LEQEMBI™ 注射 100 mg/mL 溶液)について、アルツハイマー病の治療薬として、迅速承認したと発表した。2023年7月6日に本承認した。

日本では2023年9月25日に「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」の効能・効果で製造販売承認を取得した。

LECANEMAB(BAN2401)は、アルツハイマー病に対する免疫療法剤創製を目的としたヒト化モノクローナル抗体で、ベータ・アミロイド(Aβ)を分解除去する。

2023/1/9 エーザイのアルツハイマー治療薬、FDAから迅速承認を取得

アジア系投資ファンドのMBKパートナーズがアリナミン製薬を買収することが分かった。 日本経済新聞が7月3日に報じた。

売り手は米投資ファンドのブラックストーン・グループで、金額は約3500億円とみられる。

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アリナミンは武田薬品の一般用医薬品だった。

武田薬品は2020年8月24日、「アリナミン」などの一般用医薬品事業を扱う完全子会社の武田コンシューマーヘルスケアの売却を発表した。

アイルランド製薬大手シャイアーの買収で膨らんだ負債を圧縮し、抗がん剤など医療用医薬品事業の新薬開発に経営資源を集中する。

売却先はThe Blackstone Group Inc.で、譲渡実行日は2021年3月31日であった。

売却価額は2,420億円に純有利子負債や運転資本等に係る調整を行う。

譲渡日に武田コンシューマーヘルスケアの新社名は「アリナミン製薬」となった。

2020/8/21 武田薬品、大衆薬事業を米投資ファンドに売却へ 

アリナミン製薬は、アリナミンのほか、ハイシー、ベンザなど多くの製品を扱う。アリナミン製薬は主力のアリナミンの海外販売を拡大し、台湾や中国、韓国市場に本格参入した。

なお、アリナミン製薬は、7月1日付けで武田薬品グループの一員として、医薬品ならびに医薬部外品の受託製造を行う日本製薬の全株式を取得、完全子会社とした。武田薬品は4月1日に日本製薬の全株式をアリナミン製薬に譲渡することを決定している。

アリナミン製薬を一般用医薬品の製造・販売の一体会社にしたうえで、MBKパートナーズに売却する手続きを進めていたことになる。

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MBKパートナーズは米国のThe Carlyle Groupの出身者6名によって設立された 独立系プライベートエクイティファンドで、東京、ソウル、香港、上海を拠点に活動する。

社名のMBKは、創設者のひとりで代表者であるMichael ByungJu Kimの名前からとられている。 同氏は韓国系アメリカ人の億万長者の実業家。

運用資産総額は150億ドル以上、1件当たりの投資額は100億~500億円程度、投資期間は5年程度で、東アジアに特化したファンドとしては最大規模を誇る。

日本ではこれまでに弥生、ユニバーサルスタジオジャパン、田崎真珠、インボイスへの投資実績があり、2012年12月には名古屋に本拠を置く大手喫茶店チェーン「コメダ珈琲店」をアドバンテッジ・パートナーズから買収した。
2019年2月にチョコレート会社「ゴディバ」の日本事業を約10億ドルで買収した。

米連邦最高裁は7月1日、トランプ前大統領が2020年米大統領選の敗北を覆そうとした罪で起訴されている裁判を巡り、在職中の公的な行為について「免責特権」を認める判断を下した。

最高裁が大統領経験者に何らかの刑事免責を認めるのは初めてだが、私的な行為については免責特権は適用されないとし、トランプ氏の行為の免責が適用される範囲を審理するよう下級審に差し戻した。

判決は6対3で、保守派判事全員が支持、リベラル派3人が反対した。

 最高裁判事

性別 born 人種背景

指名した大統領

就任日 判断傾向
Clarence Thomas 男性 1948/6 アフリカ系 George H. W. Bush 1991年10月23日 保守
John Roberts  (Chief) 男性 1955/1 白人系 George W. Bush 2005年9月29日 保守
Samuel Alito 男性 1950/4 イタリア系 2006年1月31日 保守
Sonia Sotomayor 女性 1954/6 ラテン系 Barack Obama 2009年8月8日 リベラル
Elena Kagan 女性 1960/4 ユダヤ系 2010年8月7日 リベラル
Neil Gorsuch 男性 1967/8 白人系 Donald Trump 2017年4月10日 保守
Brett Kavanaugh 男性 1965/2 白人系 2018年10月6日 保守
Amy Coney Barrett 女性 1972/1 白人系 2020年10月26日 保守
Ketanji Brown Jackson 女性 1970/9 アフリカ系 Joe Biden 2022年6月30日 リベラル

トランプ訴訟以前には、最高裁は言うまでもなく、どの裁判所も大統領が刑事訴訟を免れることができるかどうかという問題について判決を下したことはなかった。

判決文を起草したロバーツ最高裁長官は、「大統領は法の上に立つ存在ではない」としつつ、「だが議会は、憲法の下で行政府の責任を遂行する大統領の行為を犯罪とすることはできない」と記した。

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ジャック・スミス特別検察官は2022年11月、トランプ前大統領への捜査責任者になるよう任命された。

スミス特別検察官は、トランプ前大統領を2回起訴した。2020年大統領選の結果を覆そうとしたとされる事件と、機密資料を不正に取り扱ったとされる事件での違法行為40件についてである。

トランプ氏は刑事裁判の被告になり得ないと申し立てていたが、ワシントンの連邦地裁が2023年12月1日、大統領の免責特権が適用されるとしたトランプ氏側の主張を退けた。

大統領在任中に行った行為について、退任後に刑事責任を問えないと結論付ける法的根拠はないと判断した。

連邦地裁は起訴が合衆国憲法修正第1条で保障された言論の自由を侵害するとしたトランプ氏の主張も退けた。

トランプ氏が控訴、裁判は2024年3月に始まる予定だったが、トランプ氏が判決を不服として控訴すれば、高裁、さらには最高裁で免責特権について審理が行われる間、スミス特別検察官の裁判は延期されることになる。

このため、検察側ジャック・スミス特別検察官は、免責特権についての審理を早急に進めようと、通常の控訴裁の判断を待たずに、最高裁に審理を求めた。

しかし、連邦最高裁は2023年12月22日、「大統領在任中の行動は刑事責任を免れる」というトランプ前大統領の主張を、現段階では審理しないと決めた。説明なしに簡潔な1ページの命令で出された。

最高裁が現段階で審理しないと決めたため、免責特権をめぐる判断は通常どおり控訴裁で審理されることになり、その結果2月3日に、「スーパーチューズデー」の前日の2024年3月4日に予定されていた乱入事件についての初公判は延期が決まった。

米首都ワシントンの連邦控訴裁判所は2月6日、トランプ前大統領について、大統領免責特権を認めず、2020年大統領選の結果を覆そうと企てた罪で起訴されうるとの判決を出した。

連邦控訴裁の判事3人は全員一致でトランプの主張を退けた。判決は、「選挙結果の承認と実施という行政権に対する最も基本的なチェック機能を無力化するような犯罪も犯せる無制限の権限を大統領はもっているとするトランプ前大統領の主張は、受け入れることができない」とした。

トランプ陣営は、判決直後に声明を発表。「(前大統領は)DC巡回控訴裁判所の判決に謹んで異を唱え、上訴する」とした。また、「大統領に免責が認められないなら、今後退任する大統領はすべて、対立政党から即座に起訴されることになる」、「完全な免責がなければ、米大統領はまともに機能できない」と主張した。

トランプ前米大統領は2月12日、大統領の免責特権を認めないとした連邦控訴裁の判決を保留するよう最高裁に要請した。最高裁の判断は裁判日程を左右し、大統領選の行方に影響を与える可能性がある。

2024/2/13 トランプ前大統領は最終的に大統領選に出馬できるのか 

ロバーツ最高裁長官は今回の判決で、大統領は訴追を恐れることなく公正に職務を遂行する必要があるとし、

「憲法上の核となる権限」については 「絶対的」な免責が与えられるとし、
公務の外枠内の行為」については 少なくとも免責が推定される」とした。一方で、
「非公式の行為」については 「免責はない」とした。


最高裁は起訴状に含まれるトランプ氏の4つの行為を分析した。

選挙後の司法省当局者との会話 完全に免責
バイデン大統領の当選を議会で認定しないよう当時のペンス副大統領に圧力をかけた 免責が推定される(presumptive immunity)としたが、下級審に審理を差し戻し。
認定手続きで自身を支持する偽の選挙人を集めたとされる行為 下級審に差し戻し。
議会襲撃事件に関連した行為 下級審に差し戻し。


最初の「選挙後の司法省当局者との会話」は下記の事態である。

検察は、トランプ氏が司法長官代行に対し、選挙不正があったとする訴訟を推し進めるよう働きかけ、抵抗した場合は解任すると脅したと主張している。

リベラル派のソトマイヨール判事は反対意見で、今回の判決によって大統領は政敵の暗殺を軍に指示したり、権力を維持するために軍事クーデターを起こしたりしても免責されることになるとし、「あらゆる公的権限の行使において、大統領は法を超越した王になった」と痛烈に批判した。

Roberts長官は保守派でありながら、いろいろなケースで独自の意見を述べてきた。Trump元大統領が強引に選出した3人の判事とは全く異なる。その長官が今回の強引ともみえるトランプ擁護の判決文の筆者であることに驚きを感じる。

最高裁の判断を受け、初公判は11月の大統領選前には開かれない可能性が高まった。返り咲きを目指すトランプ氏は最高裁の判断を歓迎、自身のソーシャルメディアに「われわれの憲法と民主主義のための大きな勝利だ。アメリカ人であることを誇りに思う」と投稿した。

ーーー

この判決を受け、バイデン大統領は「大統領ができることに事実上制限がないことを意味するもの」で「根本的に新しい原則で危険な前例だ」と最高裁の判断を批判した。

トランプ氏の支持者が21年1月6日に連邦議会議事堂を襲撃した事件に関連し、「1月6日のドナルド・トランプ氏による米国の民主主義への攻撃の結果、彼が公職に不適格かどうか、国民は判断を下さなければならない」と呼び掛けた。

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