「no」と一致するもの

7月16日夕方、大連市大連新港付近の中国石油天然気(CNPC=ペトロチャイナ)の石油パイプラインが爆発、火災が発生した。
30万トンのタンカーが荷揚げを終えた後に、タンカーとタンクを結ぶ直径90cmのパイプラインが爆発、もう1本の小さなパイプラインも爆発した。タンカーは無事に離岸した。

火災は15時間後に鎮火したが、事故現場の石油輸送設備がひどく破損したほか、原油が流出し、周辺海域が汚染された。

原油約1500トンが流出、海面約430平方キロメートルが汚染された。
大連新港も一時、閉鎖され、製油所も減産した。

(中国のTVは、流出量は1,500トン=40万ガロンで、これに対してBPの流出量は9,400万~18,400万ガロンであると伝えている。)

ーーー

中国の国家安全生産監督管理総局と公安省は7月23日、石油パイプライン爆発事故の原因を発表した。

原油から不純物の硫黄や硫黄化合物を除去する脱硫剤をパイプラインに注入する作業を請け負った業者が、タンカーが荷卸を終了した後も、脱硫剤を流し続けたことが爆発を誘引した。
脱硫剤は天津の
Huishengda Petroleum Technology製のもので強い酸化剤を含む。

タンカーの荷卸し終了の連絡が、ペトロチャイナから脱硫剤の注入現場まで伝わらなかったうえ、脱硫剤自体の安全性も確認せず、安全作業規定もなかったという。

ーーー

多くの労働者が石油を回収しており、2000人の軍人と40隻の石油回収船、数百隻の漁船がクリーンアップを手助けしている。

グリーンピースによると、海岸は立入り禁止になっておらず、警告もなく、子供が遊んでいる。また、漁民がマスクもなしで素手や箸でクリーンアップ作業をしている。

グリーンピースは声明を出し、政府に対し、海岸の近くの住民に危険を警告すること、クリーンアップ現場に専門家と安全器具を送ることを求めた。

 


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上院の小委員会(Subcommittee on Federal Financial Management, Government Information, Federal Services and International Security of the U.S. Senate Committee on Homeland Security and Governmental Affairs)の公聴会が722日に開かれた。

出席したのは、
 
AnadarkoJim Hackett CEO
 MOEX Offshore 2007 LLC(三井石油開発の米子会社の子会社):石井直樹社長
 200億ドルのファンドの管理者:Kenneth Feinberg

事前に提出された証言の準備原稿の内容は以下の通り。

Anadarko Jim Hackett CEO 
   原油流出コスト問題の解決を裁判なしで行うため、他の権益者と話し合う用意がある。
適切な時期に、
BPMOEX Offshoreと建設的な会合を持ちたい。

共同運営契約では、オペレーターの重大な過失や意図的な違法行為の結果として発生したコストや損失については他の権益者は負担を要しないこととなっている。

油濁法のもとでの義務は果たす。
司法省からの事業売却などの事前報告の要請には同意する旨返事した。

石油掘削を共同で行うのは無理で、オペレーターが計画、実行し、日々の活動に責任を持つ。
オペレーター以外の権益者は、作業の報告や予算書類を受け取るが、
BPの決定をリアルタイムに判断する情報は受け取らない。

   
MOEX Offshore 石井直樹社長
  MOEX OffshoreBPの技術と経験を信頼していた。MOEX OffshoreDeepwater Horizon rigの選択にも作業にも関与していない。このプロジェクトに出資したときには、既に米政府が計画を承認し、作業が始まっていた。
契約のもとでは採掘計画を変更する権利も能力もなく、本計画の十分性(
sufficiency)と適格性(competence)を疑う理由はなかった。
BPは進展状況についてある程度の情報を呉れ、コストについてはモニターしていた。しかしBPの運営に影響を与えようとしたことは全くない。加えて、当事者間の契約に基づき、行われている仕事についてコントロールする権利は持っていない。
MOEX Offshoreは現状を懸念し、調査の進展をモニターしている。
回収した原油に対する権利を放棄する旨発表している。これは被害を受けた人々のために使われるべきだと考えている。
MOEX Offshoreは、湾岸地区が回復し、人々が仕事に戻れるよう、議会、政府機関、州や地方政府とうまくやっていきたい。

公聴会で議員達は両社がクリーンアップコスト負担を拒否したことに対し、批判した。

最初にMcCain上院議員が、両社がBPへの支払いを検討するのに事故の調査の結果を待っていると攻撃し、必要な資金を積み立て、一部の資金を支払うことを強く求め、それが米国民と両社のイメージにとり最も良いことだと述べた。
メキシコ湾岸の国民は金が必要なのであり、裁判を求めているのでないとした。

Hackett CEOは、「我々の見解では、事故は避けられた」と述べ、公開情報ではBPの重大な過失や意図的な違法行為の可能性が強く、運営契約ではオペレーターの重大な過失や意図的な違法行為の結果として発生したコストや損失については他の権益者は負担を要しないこととなっていると主張した。

石井社長も、支払の決定をする前に、まず事故の原因を明らかにしたいと述べた。
なお、事故が起きた4月20日の1週間ほど前に「安全の観点からこれ以上の掘削は難しい。掘削を止めたい」との電子メールがBPから届いていたことを明らかにした。

事故前のBPの対応をめぐっては、これまでに現場のエンジニア間で掘削の危険性を指摘する電子メールがやりとりされていたことが明らかになっている。
石井社長の証言内容はBP側が掘削の危険性を認識していたことを示すもので、BPの責任問題に影響しそうだ。

両社とも、このようなケースの一般的な慣行では、操業権益者がクリーンアップや他のコストを先ず支払い、その後に他の権益者に支払いを求めることとなっているとした。
石井社長は、「当事者間の契約では、操業担当のBPが先ず支払いをすることとなっている」と述べた。

議員達はこれに満足せず、両社は少なくともエスクロー勘定(第三者預託)を設け、支払いの用意と能力を持つことを示すべきだと主張した。

McCain上院議員は、米政府は両社を油濁法での責任当事者にしており、支払いの義務がある筈だと攻めた。

その後のやりとり。

McCain:払うのか、払わないのか?
Hackett:払わない。
McCain:(エスクロー勘定に)積み立てていないのだな?
Hackett:積み立ててはいない。しかし十分な資産があり、支払いは可能だ。
      年間50億ドルのキャッシュフローがあり、手持ち現金は30億ドル、借入も可能。

石井社長もクリーンアップコストの積み立てをしていないと答えた。

しかし議員達は両社に支払いを求めているのではなく、必要な場合には支払うということを示すために資金を積み立てておくことを求めていると反論した。

両社とも、法的に求められればコストを負担すると述べた。

ーーー

原油流出事故対応会社の設立

ChevronConocoPhillipsExxonMobilShell4社は721日、将来のメキシコ湾の海底油田の原油流出事故に対応するため、漏れた原油の回収と油井封じ込めを迅速に行うための会社を共同で設立すると発表した。

開発するシステムは、24時間以内に出動可能なフレキシブルなもので、多様な種類の、油井・機器デザイン、石油・天然ガス流量、天候に対応する。1万フィートまでの深海に適用可能で、日量10万バレルまで回収することを狙う。

4社の専門家が開発にあたり、メキシコ湾の深海での事故に直ぐに対応できるよう、設備の設計、建設とテストを行う。

4社はこの目的のため、非営利会社のMarine Well Containment Companyを均等出資で設立する。4社以外にも参加を求める。

4社は当面のシステム開発に10億ドルをコミットした。機器の使用やメンテのコスト、回収船のリースや新造船のコストなどはこれに含まれない。
米メディアによると、その後も事故対応のための体制づくりや技術開発、人員の維持などに、数年間で数十億ドルが必要という。

事故時の体制を平常時から作ることで、米政府や米国民の石油業界への信頼回復を狙う。


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神華包頭石炭化学は7月初め、内蒙古自治区の包頭で年産180万トンの石炭ベースのメタノールの生産を開始した。
これは同社が
170億人民元を投じる石炭からのポリオレフィン製造コンプレックスの一部。

メタノールは全量ポリオレフィン用で、2005年に先行してNDRCの承認を受け、昨年12月に建設を完了した。

同社はこの180万トンのメタノールから、60万トンのオレフィンを、これから30万トンのポリエチレンと30万トンのポリプロピレンを生産する。
これらは
2006年に承認を受け、本年5月に建設を完了し、現在試運転の準備中。
9月に生産を開始する予定で、中国で最初の石炭ベースのポリオレフィンとなる。

オレフィン製造には中国科学院大連化学物理研究所(DICP-CAS)とSINOPEC Luoyang Engineeringが開発したDMTODimethyl Ether /Methanol to Olefin) 技術を使用する。
PEPPについてはUnivation Technologies (ExxonMobil Chemical DowJV) Unipol技術を採用した。


神華包頭石炭化学は当初、神華集団が
51%、香港のKerry Group 25%、包頭明天科技が24%JVとして構想された。
その後、神華集団 76%
上海華誼集団公司 24%JVとなったが、最終的には神華集団が単独で事業を行うこととなった。

2006/12/23 ニュースのその後、中国のMTO計画

ASIACHEMのデータでは、中国では本計画に大唐国際発電と神華寧夏石炭グループのPPを加え、2010年末までに159万トンの石炭ペースのポリオレフィンが完成する。
PE30万トン、PP128万トンで、これは中国のポリオレフィン能力の7%に達する。

大唐国際発電の内蒙古自治区Duolun県の46万トンのPPは同じくUnipol法を使用する。
200911月に購入プロピレンにより生産を開始しており、本年末に石炭~メタノール~プロピレンが完成、全プロセスがスタートする予定。

神華寧夏石炭グループの52万トンのPPはABB-LummusNovolenガス法を導入するもので、年内にスタートする予定となっている。

なお、2006/12/15 中国でMTO計画相次ぐ で、以下の4つの計画を説明した。

1.陝西新興煤化工公司(Shaanxi Xinxing Coal Chemicals )

第一期 最終
原料 石炭
製品 メタノール 60万トン
オレフィン 
20万トン
PE     10万トン
PP     10万トン
Methanol-to-Olefin 300万トン
スタート 2009年
投資額 625百万ドル 27.5億ドル
技術 DMTO(Dimethyl Ether /Methanol to Olefin)技術
 開発:Dalian Institute of Chemistry and Physics (DICP), CAS

2.Zhonghua Yiye Energy Investment Co. (中化益業エネルギー投資)

第一期 最終
原料 石炭
製品 メタノール 60万トン
(+火力発電所)
メタノール 240万トン
オレフィン  80万トン
スタート 2009年
投資額 288百万ドル
技術 GEの石炭ガス化技術(旧テキサコ技術)

3.JV Sino Biopharmaceutical Ltd 43%出資)

原料 石炭
製品 メタノール  60万トン
エチレン  10万トン
プロピレン  10万トン
スタート 2009年末
投資額 632百 万ドル
技術 DMTO(Dimethyl Ether /Methanol to Olefin)技術
 開発:
Shannxi New Coal Chemical Science Technology Development Company Ltd
      (JVに5%出資)

4.SINOPECの天然ガスのMTO(methanol-to-olefin)

原料 天然ガス
製品 メタノール 180万トン
オレフィン  60万トン
投資額 約10億ドル
技術 MTO技術
 開発:SINOPEC傘下の石油精製研究所(Research Institute of Petroleum Processing)
又は、
DMTO(Dimethyl Ether /Methanol to Olefin)技術
 開発:Dalian Institute of Chemistry and Physics (DICP), CAS 

この4つの計画はいずれも棚上げとなっている。

国家発展改革委員会(NDRC)は2007年夏に、新しい天然ガス活用政策を発表、天然ガスの利用は、都市ガス、産業ガス、発電、化学品の4つに分類され、都市ガス用の利用が最優先される一方、メタノール用の使用が禁止された。

この結果、上記4のSINOPECの天然ガスのMTO計画が中止となった。


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BPは7月20日、米国の独立系石油会社Apache Corporationに対し、米国、カナダ、エジプトの石油資産を売却する契約を締結したと発表した。
売却額は総額
70億ドルで、売却対象はテキサス州とニューメキシコ州南東部にまたがるパーミアン盆地の油田、西カナダの天然ガス、及びエジプトの西砂漠油田とEast Badr El-din油田。

BPはメキシコ湾の原油流出事故の補償費用のため資金確保に動いており、先月100億ドル分の売却を行う予定と発表しているが、これはその一部。

当初、BPとApache BP米アラスカ州プルドー湾の油田権益の半分を含む資産を120億ドルで売却する交渉を行っていると伝えられていた。
関係者によると、プルドー湾の油田権益については、資産価値の評価や現在および将来に法的責任を問われた場合の対応などをめぐり、7月18日に交渉が暗礁に乗り上げたという。

Prudhoe Bayの権益はBPが26%、Exxon MobilConocoPhillips がそれぞれ36%、Chevronが2%となっている。

今回、プルドー湾の油田権益を除き、交渉が成立した。

米国、カナダ、エジプトの石油資産は別々に売却され、どれかの話が壊れても、他には影響しない。
所定の認可を得て、第
3四半期に取引が完了する予定。
Apache 730日に合計50億ドルの仮払いを行う。

2009年の対象資産からの利益(税、金利控除前)は166百万ドルで、6月末時点の資産の償却後簿価は30.85億ドル。

パーミアン盆地の資産は元はBPが買収したARCOの資産で、10の油田から成り、売却額は31億ドル。
確認埋蔵量は原油換算
126百万バレル(資源量は148百万バレル)で、生産量は原油が日量15,100バレル、ガスが日量80百万立方フィート。

西カナダのガス資産は売却額32.5億ドル。
確認埋蔵量は原油換算
214百万バレル(資源量は1,368百万バレル)で、生産量はガスが日量240百万立方フィート、原油が日量6500バレル。

エジプトの資産売却額は6.5億ドル。
BP開発権を有し、100%の権益を持つEast Badr El-din鉱区と、Western Desert BPの持分が対象。
確認埋蔵量は原油換算
20百万バレル(資源量は55百万バレル)で、生産量は日量6016バレルの原油と11百万立方フィートのガス。

ーーー

Apacheは独立系の石油会社で、メキシコ湾、米中部(TexasNew MexicoOklahoma)、カナダ、エジプト、北海、豪州、アルゼンチンで開発・生産を行っている。

同社は本年4月に石油・ガス探査会社の米Mariner Energyを約27億ドル(プラス12億ドルの負債引継ぎ)で買収すると発表した。Gulf Shelf パーミアン盆地での探査に役立つと考えた。

また610日には、Devon Energy のメキシコ湾の権益の買収を完了した。
買収
額は10.5億ドルで、同油田の埋蔵量は原油換算で83百万バレル。

Devon Energy 2009年11月に、北米の陸上油田に集中するため、メキシコ湾と海外の油田を売却すると発表した。

Apacheへの売却のほか、2010年3月にはBPにブラジル、アゼルバイジャン、メキシコ湾の資産を70億ドルで売却、6月に中国沖合いの南シナ番禺(Panyu) 油田を共同開発の中国海洋石油に515百万ドルで売却した。

ーーー

インドの国営Oil and Natural Gas Corp(ONGC)はBPのベトナム権益買収で交渉していることを明らかにした。

BPはベトナム沖のNam Con Sonガス計画の35%を保有、残りをONGCが45%、PetroVietnamが20%を保有している。
BPはまた、ガス田から陸上のターミナルまでの371kmのパイプラインの権利の一部と、ガスを使用するPhu Myの発電所の1/3の権利を所有している。

これらの対価は966百万ドルと評価されている。

BPはパキスタンの権益の売却も検討している。

ーーー

BPApache Corporationにエジプトの権益の一部を売却したが、これとは別に、BP719日、エジプト石油省及びエジプト石油公社との間でアレクサンドリアの北の地中海のNorth Alexandria鉱区とWest Mediterranean Deepwater鉱区の大規模ガス田開発で合意し、改定新契約を締結した。

これらからのガスは日量10億立方フィートに達する予定で、エジプトの国内需要に回される。
投資額は
90億ドルで、2014年後半にも最初のガスが期待される。

North Alexandria鉱区はBP60%RWE Dea が残り40%の権益を持ち、BPが操業する。
West Mediterranean Deepwater鉱区はBP80%RWE Dea 20%で、BPが操業する。

 


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伊藤忠商事は7月5日、リチウム資源の確保を目指し、米資源開発会社であるSimbol Mining Corporationに資本参加したと発表した。出資は約20%となる。

Simbol Miningは、カリフォルニア州南部のソルトン湖(Salton Sea)近くに位置する地熱発電所の使用済み地熱かん水に含まれるリチウムを回収、リチウム化合物を製造する事業を推進しており、数年以内の商業生産に向けて製造技術の開発及び改良を行っている。

同事業は、地熱かん水を利用する世界初のリチウム化合物製造事業で、同社が開発を進めているカリフォルニア州南部地域に存在する地熱かん水にはリチウムが多く含まれていることが確認されている。

Simbol Miningは、熱水や塩水から特殊なイオン交換技術で回収し、脱水・濃縮して低コストで炭酸リチウムを量産化できる技術を確立した。
また、地熱かん水に含まれる炭酸ガスや地熱かん水の持つ熱源を利用する等、地熱かん水が持つ特長を活用することにより競争力のあるリチウム化合物の生産だけではなく、二酸化炭素排出を抑えた、環境に優しい事業を推進している。

地下水よりも深い場所からくみ上げるため、飲み水を汚染しない。

年間生産量は約16,000トン(炭酸リチウム換算)となる予定で、原料である地熱かん水からリチウム化合物の生産が短時間で行えることから、需要拡大に応じて短期間で増設・増産が可能
このため、将来は、現在の世界の生産能力である約123,000トンの約50% に相当する年産64,000トンの炭酸リチウム生産が可能であるという。

南米の塩湖がリチウムの数少ない供給拠点と なっているが、塩湖の水を天日干しにして採取するため出荷まで1年半も時間がかかり、生産量は天候に左右されやすい。

これに対し、Simbol Miningの方法では1日半で出荷できる。

2009/5/5 韓国鉱物資源公社、ボリビアでリチウム鉱開発へ

伊藤忠は、Simbol Miningの生産するリチウム化合物の販売につき、日中韓を含めたアジア(インドを除く)向け総販売代理店権を獲得した。
今回の投資に当たっては、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による融資を受ける方向で検討を進めている。

伊藤忠は中期経営計画において環境・新エネルギーに注力、中でも「蓄電池」を重点的に取り組む分野と位置付けている。
米国のリチウムイオン電池メーカーの EnerDelを傘下に持つEner1への出資や、戸田工業との合弁事業による北米での正極材・同原料の生産等、リチウムイオン電池関連事業に積極的に参画しており、本投資により上流の資源確保にまで踏み込んだバリューチェーン構築を加速する。

伊藤忠は2009年12月にEner1(エナール・ワン)に20百万ドル(5%弱)の出資を行った。
Ener1の100%子会社である EnerDel社は、OEMレベルの車載用のリチウムイオン電池システムを製造可能な電池メーカーで、米国内で唯一、セルから電池システムまで一貫して開発・製造できる量産設備を持っている。

伊藤忠と戸田工業は本年3月、リチウムイオン電池の正極材の生産・販売を行う合弁会社を設立し、また、正極材原料を生産するカナダの戸田工業の子会社を合弁会社とすることで基本合意した。
リチウムイオン電池の主要部材である正極材の新工場を米国ミシガン州に建設する。新工場は2011年に操業を開始 し、欧米の電池メーカー向けに出荷を開始する予定。

ーーー

Simbol Miningは、2007年に米国エネルギー庁傘下のLawrence Livermore National Laboratoryのスピンアウトとして発足した。

当初、Lawrence Livermore からシリカの抽出技術を導入した。普通の方法ではパイプやフィルターが詰まるため、この技術はリチウムや他の物質を抽出する道を開いた。

同社は2008年8月に670万ドルの増資を行い、MDV-Mohr Davidow Ventures Firelake Capitalなどのベンチャーキャピタルが株主になった。Lawrence Livermore National Laboratoryも株主。
米エネルギー庁から300万ドルの補助金を受けている。

事業化の目処が立ったことから今回、戦略的パートナーとして伊藤忠商事の事業参画を受け入た。

 


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4月20日夜10時頃、ルイジアナ州ベニス南東約84キロで掘削中の海洋掘削プラットフォームDeepwater Horizon rig で爆発事故があり、作業員11人が行方不明(死亡とみられる)、負傷者は17人おり、うち3人が重傷。

リグは2日後に沈没、水深約1.5kmの海底までパイプでつながれていたが、パイプは破損し、パイプ3箇所から原油が噴出した。パイプの元には自動的に原油流出を止める噴出防止バルブ(BOPblow-out preventer)が備えられていたが、装置が稼動しなかった。

原油流出量については、米政府の最新推定は日量6万バレルだが、下院のマーキー議員がテレビで、BPが最悪のケースでは日量約10万バレルにも達すると推定する社内文書をまとめていたことを明らかにした。   

BPでは、この数字は噴出防止装置の主要部分が取り外された場合のもので、噴出防止装置を取り外す計画はないため、この数字には意味がないとしている。

これまでの対策と現状、計画をまとめた。水面下1500mの作業は初めてで、難航した。

1) ロボットで噴出防止バルブをとめる作業(下図①)は失敗した。

2) 大きなContainment Chamber を被せて、油とガスを吸い上げる作業(下図②)は、温度と圧力と海水が作用してシャーベット状のgas hydrates が生成し、パイプが詰まり、失敗。

上図の③は最終解決策のRelief well

3) その後、折れたパイプの先端にロボットでバルブをつけるのに成功、ここからの漏れは止まった。
 (残り2箇所からの漏れは続く)

4) パイプにRiser Insertion Tube を挿入するのに成功、流出原油の一部の回収を行った。( 6)により終了)

5) 流出源の油井に泥を流し込みセメントでふたをするTop Kill 作戦は失敗。

6) BPは6月4日、油井の元の機能しなかった噴出防止バルブ(BOP)の先からパイプを切り取り、 BOPにキャップをかぶせるのに成功し、そこから石油のくみ上げを開始した。
但し、キャップは完全にはかぶさっておらず、なお、大量の油が漏れている。

下図の①のLMRP CapLower Marine Riser Package Cap)からパイプでDiscovery Enterprise(掘削船)に原油とガスを吸い上げ、原油(日量15~18千バレル)は回収、ガスは燃焼する。

付記
LMRP Cap を別のSealing Cap に置き換える案が承認された。完成すれば回収能力は50千バレル以上となる。

7月12日に新しいCapが設置された。
うまくいけばキャップがバルブを締め、徐々に流出を封じ込めることができる。
また、流出が完全に止まらなくとも、以前より多くの原油を回収できる設計になっている。

これを検証する"well integrity test"の実施は政府の検討のため延期されている。

7) その後、BOPそのものからの回収を開始。

上図の②で、多岐管からのパイプで Q-4000(海上プラットフォーム)に原油とガスを吸い上げ、原油(日量5~10千バレル)とガスは燃焼している。

8) 現在作業を進めているのが、Floating Riser Containment Systemで、原油回収船(Helix Producer)に固定せず、自立式で水深約300フィートの所に浮かぶライザー管で原油とガスを吸い上げる。

船に固定しないため、嵐などの場合に切り離したり接続したりするのが容易になる。
これにより日量20~25千バレルの原油の回収を見込んでおり、これが完成すれば回収量は日量40~53千バレルとなる。

付記
Helix Producerは7月12日、原油回収作業を開始した。フル稼働には5~6日かかる。

9) 最終の解決策はRelief Well で、現在2本の井戸を掘削中。1本目は5月2日に、2本目は5月16日に掘削を開始した。

下図のとおり、海面下18千フィート(海底下13千フィート)近くの油源近くで現在の井戸に接続、油圧を分散した上で、泥やコンクリートを流し込む。完成は8月の見込み。

  * ソース BP発表  Technical briefing presentation slides

ーーー

BPAnadarkoと三井石油開発(Moex)に対し、62日までにBPが支払った10億ドル以上に対し、Anadarkoには25%272百万ドル、Moexには10%のに111百万ドルを支払うよう、請求書を送った。

2010/7/1 BP、パートナー2社に事故関係費用分担金を請求

BPはAnadarkoが7月7日に、Relief well 掘削等の流出防止対策の費用を含め、支払いを保留するとの通知をしてきたことを明らかにし、契約と油濁法に基づく義務を果たさないことに対し失望したと述べた。

三井石油開発については支払期限は7月12日となっている。

付記

三井石油開発は7月12日、事故原因が究明されていないことなどから、現時点では費用負担に応じないことを明らかにした。

なお、Anadarkoと三井石油開発のトップは7月22日に、上院の小委員会で両社の責任についての見解を証言する予定。

Anadarko Jim Hackett CEO、三井石油開発は孫会社で権益を持つ現地法人のMOEX Offshore 2007 LLC の石井直樹社長が証言する。


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中国化工集団公司(ChemChina)の藍星グループの子会社の済南裕興化学(Jinan Yuxing Chemical は6月20日、山東省済南市の済南化学産業パークで酸化チタンの第一期の生産を開始した。

15億人民元を投じたもので、第一期の能力は年産10万トンで、原料の30万トンの硫酸プラントを含む。

酸化チタン製法には硫酸法と塩素法があるが、同社は硫酸法を採用している。

硫酸法: チタン鉱石→硫酸溶解→チタン析出→焼成→粉砕→仕上処理

硫酸法はイ ルメナイト(チタン鉄鉱 FeTiO3)を原料とする。
チタン原料鉱石は粉砕され、約300℃に加熱された濃硫酸により、酸化チタン分が硫酸塩 (TiOSO4)となる。
その後、焼成、粉砕され、仕上げ処理が行なわれる。
TiO2 50~60%のイルメナイトを大量(原単位3~4t)の硫酸で処理するため産業廃棄物が多く、公害処理費が大きい。

塩素法: チタン鉱石→塩素化→TiCl4精製→酸化→仕上処理

塩素法は ルチル鉱または合成ルチル(TiO2)を原料とする。
塩素化して四塩化チタン TiCl4とし、これを高温で酸化して、仕上げ処理が行なわれる。
TiO2 90%のルチルを塩素で処理し、塩素は90%回収するため産業廃棄物は硫酸法の1/10以下で、公害対策設備費は1/3以下といわれる。

同社は同じ済南市に年産3万トンのプラントを持っていたが、2009年末に環境問題で停止、済南化学産業パークに新設した。

同社は第二期20万トンも計画しており、完成すれば能力30万トンで中国最大のメーカーとなる。

ーーー

山東省ではDuPontがワールドスケールの酸化チタン計画を持っているが、環境問題で難航している。

同社は2005年11月に山東省東営市の経済開発地区で当初能力年産20万トンの酸化チタンを生産することで地方政府と合意書を締結した。総投資額は10億ドル。

高品質の白色顔料を生産し、中国の塗料、プラスチック、紙ラミネート業界に貢献しようというもの。
中国では自動車塗料や白物家電、その他高品質製品用の白色顔料の多くは、海外から輸入されている。

環境アセスメントは既に政府の承認を得ているが、まだ最終承認が得られていない。当初は2010年完成予定としていた。

DuPontは裕興化学と異なり、塩素法を採用しており、液体廃棄物は地下深くに注入している。

同社の立地は大慶油田に次ぐ中国第 2の油田の勝利油田の近くにあり、液体廃棄物が漏れ出すのではないかとの懸念が出ている。環境を理由にしているが、デュポン進出で影響を受ける中国のメーカーの反対も背景にある模様。

デュポンでは
塩素法は最も進んだ、環境にも優しい製法であり、中国政府も硫酸法よりも好んでいるとし、液体廃棄物処理については、50年近く、Underground Injection 技術(UI法、Deepwell 法ともよばれるで処理しており、なんら問題を起こしていないとしている。
液体廃棄物は地下深く注入されて自然の地層のなかに分散され、自然の化学反応で無害になるとしている。

DuPont Titanium Technologies は世界最大の酸化チタンメーカーで、米国ミシシッピー州、テネシー州、デラウエア州と、メキシコ、ブラジル、台湾で生産している。
全ての工場で塩素法を採用している。

Deepwell法は米国で認められた液体廃棄物の処理方法で、地下1500m以上の岩塩層の下に圧力をかけて流し込む。対象は揮発性有機化合物(VOC)、準揮発性有機化合物(SVOC)、燃料、爆薬、農薬など。
岩塩層の上部のモニター井戸で、地下水に廃棄物が漏れ出ていないかどうかをチェックする。
日本では認められていない。

ーーー

日本では石原産業が硫酸抽出法で抽出した後の廃硫酸を中和処理せずに伊勢湾に捨てたとして、四日市海上保安部から摘発され、垂れ流した廃硫酸が約1億トンに上がることが認定されて、1980年に津地裁で有罪判決を受けている。

その後、同社は使用済み硫酸を再生利用し、土壌埋戻材(「フェロシルト」)として販売したが、フェロシルト中から基準値を超える6価クロムやフッ素化合物も含まれていることが分かった。

2006/11/13 石原産業フェロシルト不法投棄事件

ーーー

2009年に中国は105万トンの酸化チタンを生産した。輸入は245千トンで、104千トンを輸出している。


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経済産業省は7月5日、「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」((通称「エネルギー供給構造高度化法」)に基づき、
・化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する基本方針(告示第160号)及び
・原油等の有効な利用に関する石油精製業者の判断の基準(告示第161号)
を発表した。

基本方針
1. 事業者が講ずべき措置に関する事項
  石油精製業者は、石油をめぐる諸情勢を勘案し、重質油分解能力の向上、コンビナート連携の促進、関連技術の開発の推進等を通じて、原油等の有効な利用に取り組むこととする。
   
2. 施策に関する事項
  国は、石油をめぐる諸情勢を踏まえ、石油精製業者による原油等の有効な利用に係る取組が適切かつ円滑に進むよう、重質油分解装置の装備率の向上に係る基準を定め、着実に運用するとともに、石油精製業者による重質油分解能力の向上のための設備の運転面の改善等を促し、コンビナート連携の促進、関連技術の開発の推進等に係る所要の環境整備を進めることとする。
原油等の有効な利用に関する石油精製業者の判断の基準

我が国の重質油分解装置の装備率を2013年度までに現状の10%から13%程度まで引き上げることを目標とする。
  
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/koudoka/resource/kokuji4.pdf

アジアでは安い重質油を処理できる最新鋭の製油所が増えている。経産省によれば、アジア各国の重質油分解装置の装備率は中国が35%、シンガポールが22%。アジア平均でも19%だが、日本は10%程度にとどまり大きく立ち遅れている。

経産省では、我が国の重質油分解装置の装備率を2013年度までに現状の10%から13%程度まで引き上げることを目標とし、この目標達成のため、各石油精製業者又はそのグループ会社ごとに、以下のとおり、重質油分解装置の装備率を向上させることを求めた。

石油精製業者は、石油をめぐる諸情勢を総合的に勘案し、重質油分解装置の新設若しくは増設又は常圧蒸留装置の削減により適切に対応することとしている。

重質油分解装置の装備率 改善率
10%未満の企業  45%以上
10%以上13%未満の企業  30%以上
13%以上の企業  15%以上

重質油分解装置の装備率=重質油分解装置の処理能力÷常圧蒸留装置(トッパー)の処理能力

重質油分解装置の新設には500億円以上かかるとされ、内需が縮小する中で新増設は非現実的で、実質的にはトッパー能力削減しかないとされる。

国内の原油処理能力は日量479万バレルだが、ガソリンなどの需要減で現状の処理量は日量300万バレル台で推移、日量100万バレル以上の過剰能力を抱えている計算になる。

アジアでの競争力を高めるためにも、国内で設備廃棄による収益改善が急務ではある。

但し、この法律の本来の目的は安い重質油の分解能力の向上である筈だ。しかしながら、内需が縮小する中で、500億円もかかる重質油分解装置の新設はありえない。
その中で、重質油分解装置の装備
率の向上に係る基準を定めて強制するのは、経産省が設備処理を強制することとなり、法律の正しい運用かどうか、疑問である。

経産省が設備処理を強制することは出来ないが、装備率の向上を理由に、実質的に設備処理を強制している。
しかも、過去の経営判断で重質油分解能力が低いところが、狙い撃ちされることとなる。

どういう原料を使って、どういう製品をつくるかは、企業の判断であり、国が方向性を決めるのはよいが、強制するのはどうか。

付記 2010/7/21 エネルギー供給構造高度化法は第二の産構法か?

付記 
石油精製各社は、「エネルギー供給構造高度化法」による重質油分解装置の装備率の新基準について10月末に経済産業省に計画を提出したが、その内容は非開示であるという。

AOCホールディングスは富士石油・ 袖ケ浦製油所の第1常圧蒸留装置(5.2万バレル)の廃棄を経産省に届け出たとされる。(能力 19.2→14.0万バレル)

付記
出光興産は2011年11月1日、徳山製油所(12万バレル/日)を2014年3月に停止すると発表した。

ーーー

週間ダイヤモンド(2010年6月22日号)は4月時点で発表された案に基づき、各社別の試算を行っている。

重質油分解装置の装備目標達成のために、(重質油分解装置新設ではなく)トッパー処理能力をいくら減らすべきかを試算し、既に発表済みの削減計画でクリアできるかどうかをチェックした。(
表は一部補正、重質油分解能力は逆算した)

昭和シェル石油グループ、JXグループ、出光興産は既に発表しているトッパー処理能力削減計画により基準をクリアできるが、コスモ石油、東燃ゼネラル石油はクリアできない。

社名 製油所 トッパー
処理能力
(万bbl/d)
重質油分解装置 改善達成
のための
トッパー
能力
(万bbl/d)
トッパー
能力
削減
義務量
(万bbl/d)
トッパー能力
削減計画発表
分解能力
(万bbl/d)
現状
装備率
(%) a
改善
目標率
(%) b
改善後
装備率(%)
 a x b
昭和シェル石油グループ
昭和四日市石油 四日市 21 29.0 2011年
京浜の
12万バレル
(クリア)
西部石油 山口 12
東亜石油 京浜 18.5 14.6
合計 51.5 8.8 17.1 15 19.665 44.8 6.7
JXグループ
  ジャパンエナジー 水島 20.52 14.6 2013年度末までに
60万バレル
(クリア)
鹿島石油 鹿島 27
新日本石油精製 室蘭 18
仙台 14.5 29.7
根岸 34 11.8
大阪 11.5
水島 25 18.4
麻里布 12.7 17.3
大分 16 16.3
合計 179.22 20.6 11.5 30 14.95 137.9 41.4
出光興産
北海道 14 23.6 2013年度中に
10万バレル
(クリア)
千葉 22
愛知 16 31.3
徳山 12
合計 64 8.3 13.0 15 14.95 55.7 8.3
コスモ石油
千葉 24 8万バレル
(不足)
四日市 17.5
8 31.3
坂出 14
合計 63.5 2.5 3.9 45 5.66 43.8 19.7
東燃ゼネラル石油
川崎 33.5 8.4 発表なし
(不足)
15.6
和歌山 17
合計 66.1 2.8 4.2 45 6.09 45.6 20.5
太陽石油 四国 12 2.5 20.8 15 23.92 10.4 1.6
富士石油 袖ヶ浦 19.2 2.4 12.5 30 16.25 14.8 4.4
極東石油工業 千葉 17.5 3.4 19.4 15 22.31 15.2 2.3

コスモ石油、東燃ゼネラル石油はいずれも30%程度の設備削減が必要で、製油所周辺地域への製品の安定供給などの観点から「他社との提携に踏み切らざるを得ない」との見方もあり、業界再編につながる可能性もある。

ーーー

エネルギー供給構造高度化法は2009年7月1日に成立した。

電気やガス、石油事業者といったエネルギー供給事業者に対し、非化石エネルギー源の利用を拡大するとともに、化石エネルギー原料の有効利用を促進することを目的とするもの。

具体的には、経済産業大臣が基本的な方針を策定するとともに、エネルギー供給事業者が取り組むべき事項について、ガイドラインとなる判断基準を定める、これらの下で、事業者の計画的な取組を促し、その取組状況が判断基準に照らして不十分な場合には、経済産業大臣が勧告や命令をできる。

エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律  (平成21年法律第72号)


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イラク内閣は6月29日、シェルと三菱商事のイラク南部での油田ガス回収事業を承認した。調印時期は未定。

JVはBasra Gas Companyという名前で、イラクが51%出資し、シェルが44%、三菱商事が5%出資する。

所要資金は120億ドル(将来170億ドルまで増える可能性あり)で、イラク南部の4つの巨大油田ー
RumailaZubairWest Qurna Phase 1Majnoon油田ーでそのまま燃やされている付随ガスを回収、当初はイラクの電力不足解消のため発電に使用、将来は液化設備をつくり、最大日量6億立方フィートの輸出を行う。

イラクの現在の発電所は夏の需要ピーク時には必要な発電が出来ず、厳しい割当制度で5時間のうち1時間しか配電がない状況となっており、 最近もデモが相次いでいる。

現在、ガス処理設備がないため、4つの油田から日量10億立法フィートもの付随ガスがそのまま燃やされている。

この計画は3月にサインする予定であったが、主にイラク側の資金調達がネックとなり、最終決定に到らず、6ヶ月延長で合意していた。
イラク側負担も大きいが、イラクは本年は190億ドル程度の財政赤字が予想され、余裕がない。
今回の決定発表に当たり、資金手当てについては一切明らかにしていない。
(なお、所要資金120億ドルのうち、既存のガス設備が15億ドル程度含まれているため、当初のイラク側の追加支出は不要との報道がある)

イラクは2009年に第一次、第二次の油田開放を行った。
シェルは、第一次でExxonMobil (80%)/Shell(20%)でWest Qurna
Phase1
第二次で
Shell(60%)/Petronas(40%)Majnoonの開発権を得た。

2009/12/14  イラクの石油第二次入札で石油資源開発が落札 

当初はShell参加のこの2油田でのガス開発を目指したが、イラク政府の要請で、Rumaila BP/CNPCが開発権)とZubair (Eni/ Occidental/ 韓国ガス公社が開発権)のガスも含めることとした。

ーーー

イラク政府は昨年6月の第一次入札にAkkasガス田とMansuriyahガス田を出したが、どこも応札しなかった。

石油相は9月の第三次入札に3つのガス田(上記2つと南部のSibbaガス田)を出すことを計画している。


 

 


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Reliance Industries 624日、米国のPioneer Natural Resources CompanyJVを設立し、PioneerEagle Ford Shale45%を取得すると発表した。
同社はさきに
Marcellus Shaleエリアでの権益を取得しており(下記)、米国での2番目のShale権益確保となる。

現在この計画に16%の権益をもつNewpek LLCも権益の一部を譲渡、JVの比率はPioneer46%Reliance 45%Newpek9%となる。
JV289千エーカーの鉱区のうちの91%の権益を保有する。

Relianceは対価として13.15億ドルを支払う。
263百万ドルの前払いに加え、今後4年間のPioneerNewpekが支払うべき投資資金の75%分の10.52億ドルをその都度支払う。

Eagle Fordは南テキサスにあり、品質がよく、立地が便利なことから、北米で最も魅力的な非在来型石油資源の一つとされている。(地図

Pioneer 開発地域では1,750以上の井戸を掘り、10 tcfe (Trillion Cubic Feet Equivalents)を得ることを想定している。(Reliance持分 4.5 tcfe)

Pioneer Natural Resources は1997年にParker & Parsley Petroleum Company MESA Incの合併で誕生した。
コロラドやテキサス州のほか、アラスカでは
North Slopeで独立系では最初に石油を掘削した。チュニジア(陸上)や南ア(沖合い)でも石油の掘削をしている。

ーーー

Reliance Industries 201049日、米国のAtlas Energy, Inc.との間で米国ペンシルベニア州のMarcellus Shaleエリアでのシェールガス開発でAtlasの権利の40%を取得する契約を締結したと発表した。

ここでは、3000以上の井戸を掘り、13.3 tcfe (Trillion Cubic Feet Equivalents)を得ることを想定している。(Reliance持分 5.3 tcfe)

2010/4/15  Reliacne IndustriesAtlas Energy と組んで Marcellus Shale を開発

ーーー

三井物産は本年216日、三井石油開発とのJVMitsui E&P USA を通して、Anadarko Petroleum が 米国ペンシルベニア州のMarcellus Shaleエリアにおいて開発・生産中のシェールガス事業に参画すると発表した。

住友商事も2009年12月15日、米国の独立系開発会社であるCarrizo Oil & Gasが米国テキサス州Barnett Shale fieldに保有している天然ガスコアエリア開発プロジェクトに12.5%参加した

http://knak.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-2727.html


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